リーダーメッセージ
真に価値ある監査をしよう――
現場の伴走者として進化を続ける監査が描く
「Work and Smile」
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グループ監査本部 本部長
グループ監査本部 本部長
村尾 貴司
Takashi Murao
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2005年中途入社。新卒で三井住友カードに入社後、船井総合研究所を経てインテリジェンス(現パーソルホールディングス)に入社。現場を経験した後、経営企画部に配属となり、ジャスダック上場から東証一部上場に向けた準備に携わる中で内部監査も兼務。学生援護会との合併を経て、法務・コンプライアンス・情報セキュリティなどを担当し、総務部長、フロント経験を経て、人事部長などを歴任。2017年、監査部門の高度化に伴い監査本部長として着任した。「Beyond the Findings」を掲げ、真に役立つ監査を目指す。
プロフィール詳細
「監査」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。他社で監査をしていた人も、監査を受けたことがある人も、厳しい指摘で是正を促す「現場の敵」といった印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、パーソルホールディングスの監査本部を率いる村尾貴司さんは、「現場に対抗勢力と認識されている限り、真に役立つ監査はできない」と指摘します。「彼らが言うならやろうかな」と思ってもらえる存在であるべきだと話す村尾さんに、監査本部が目指す理想の姿を聞きました。
監査本部は、グループの内部統制・内部監査を担う部門
パーソルホールディングスの監査本部は、国内に14名、海外に12名が在籍しており、私を含めて計27名からなる組織です。
国内は、グループ各社の監査を行う「監査部」と、J-SOX法(内部統制報告制度)にもとづいて自社の内部統制の整備・運用状況を評価し、内部統制報告書の作成をサポートする「内部統制部」に分かれます。グループ各社に対するシステム監査も内部統制部の役割ですね。
海外の12名は「APAC部」として全員がオーストラリアにおり、海外事業を集約したAPAC SBUの内部監査と内部統制の両方を担っています。一般的に、海外子会社の監査は日本の本社が行うケースが多く、私たちも以前は本社が一括して監査をしていました。しかし、現場から離れた日本から遠隔で行う監査は解像度が低く、時間をかけて方法論を共有しても、実効性に欠けます。
そこで、2年かけてAPAC部をつくり、監査のやり方や方法論を伝えた上で、現在の体制にシフトしました。現在は国内外を問わず、私たちが目指す「真に役立つ監査」ができる体制を確立できていると自負しています。
現場との信頼関係なくして、真に役立つ監査はできない
では、「真に役立つ監査」とはなんでしょうか。
一般的に監査の役割は、業務プロセスや会計を健全化・高度化することによって、経営目標に貢献することとされています。もちろん、そうした認識は間違いではありませんし、それこそが本質的で目指すべき監査の姿でしょう。
しかし、すべての企業の監査部が認識通りの監査ができているかというと、実はそうでもないようです。形式的な監査に終始して潜在的な問題を見逃す、現場の当事者意識が低く改善案に前向きになってくれない。そんな課題を抱えている監査部は多いものです。
監査の役割に対する一般的な理解と実情がかけ離れているのはなぜなのか――。真に役立つ監査をする上で、この点は重要なポイントです。
ひとつエピソードを紹介します。
以前、内部監査部門の責任者が知見やノウハウを共有し合う、ある研究会に参加しました。その際、研修の講師がアイスブレイクで「あなたたちの会社の監査部を動物に例えると何ですか?」と聞いたのですが、大半の答えが「羊の皮をかぶったオオカミ」や「タカ」でした。つまり、「常に現場を監視し、必要あらば勢いよく襲いかかる敵対的存在」ということですね。
敵とみなす相手に業務上の指摘をされるのは、あまり良い気分ではないでしょう。また、敵意を向けられた状態で、経営に資するような監査を行うのも難しいのではないでしょうか。私はこれが、監査部と現場が乖離し、本質的な監査につながらない理由だと思っています。
監査は、現場で起きている課題を見つけるだけでなく、改善してもらってこそ意味があります。こうした現場の主体性を引き出すには、監査側は「現場の状況を良くしたい」と真摯に思い、現場は「監査の言うことなら(今は何の意味があるのかわからなくても)やろうかな」と思う、そういった関係性を築かなければなりません。
だから、私たちは問題を徹底的に分析し、なぜ起きているのか、どうすれば彼らのためになるのかを考え抜いてから、改善の提案をします。すべては、「監査との話し合いは、日々の業務を良くする」「監査の指摘のおかげで、成果が出るようになった」と感じてもらうため。その積み重ねの先にこそ、真の監査があると考えています。
監査を起点に、社員の自律的な成長と会社の成長を加速させる
私の監査に対する価値観の原点には、旧インテリジェンスに入社して間もないころに携わった、内部監査の経験があります。
入社してすぐは、経営企画部で東証一部への上場準備に従事し、その一環として内部監査も一部担当、ヒアリングや現場視察などを行っていました。
内部監査は対象部門の情報を収集して、予備的な調査をした上で本調査をします。私は前職がコンサルティング会社だったこともあり、相手の置かれている立場を考え抜いてから本調査するのが常でした。
すると、ある子会社のチームの担当者から、「こういう内部監査をしてくれるならとてもうれしい。喜んで協力します」と声を掛けられたのです。いわく、私の内部監査には、日々の業務を即改善できるヒントがたくさん隠れているとのことでした。
敬遠されることが多い監査ですが、やり方によってはこんなに喜んでもらえる。それは、私にとって新しい発見であり、大きな成功体験でした。以降、法務やコンプライアンス、情報セキュリティ、J‐SOXの立ち上げなどに業務の幅を広げていきましたが、ずっと私の矜持として胸の中にあり続けたといっても過言ではありません。
監査を起点として、対象部門が自律的に自分たちの仕事を見直し、グループの成長が加速していく。着任からずっと、そのような好循環を生み出せる監査本部を目指して組織を運営してきました。
キーワードは「beyond the findings」
今、監査本部では、コミットメントとして「beyond the findings」を掲げています。調査結果(findings)を単に報告するだけでなく、その背後にある意味、周囲に与える影響、将来の展望にまで視野を広げて議論することを意味します。
このフレーズはチーム内に浸透し、今では会議でも自然と「この監査はbeyond the findingsだったのか」「beyond the findingsを実現するために、できる限りのことをやったか」と突き詰めて話しています。
また、それに伴って、各メンバーの監査との向き合い方も変化しました。「beyond the findings」であるためには、監査の対象部門の業務や方針、責任者の人柄や経歴、価値観まで理解した上で接する必要があります。
しかし、相手を知る努力をしなければ、監査の前にそうした状態をつくることはできません。
結果として、自分たちの判断軸で現場の業務の是非を断じるような監査ではなく、相手の置かれた立場を想像し、リスペクトをもってより良い方向性を共に考える監査ができるようになりました。私が伝えたいと思っていたことの核心が、部の共通理解として共有されているのを感じ、うれしく思っています。
「監査部門の仕事は、不備やリスクを見つけること」「指摘された部分を改善するかどうかは、監査部門の管轄外」という方針のもとで仕事をしてきた方の多くは、私たちのやり方に最初は戸惑うでしょう。ちょっとした会話にも「beyond the findings」が出てくることに驚くかもしれません。
それでも、「beyond the findings」に共感し、「こういう監査ならやってみたい」と思ってくれる方なら、きっとここで活躍できるはずです。
監査の仕事は、「はたらいて、笑おう。」の原動力
パーソルグループには、「はたらいて、笑おう。」というビジョンがあります。産業構造の変化やAIの台頭などで、「はたらく」を取り巻く環境が大きく変わりつつある時代、はたらき方も、はたらくことに対する価値観も多様化しました。だからこそ、パーソルグループは個人の「はたらく」に向き合い、「はたらく」が笑顔につながる社会を目指していく。このビジョンには、そうした思いが込められています。
そして、ビジョンが示す「個人」の中には、当然ながらパーソルグループではたらく人たちも含まれています。
監査本部の仕事は、グループではたらく部署と個人の仕事をより良くすることで、その能力を最大化し、会社の成長に貢献すること。いわば、パーソルグループのみんなが「はたらいて、笑おう。」を体現するための原動力なのです。
私たちはいま、日本中、いや世界中の「はたらいて、笑おう。」に向けて日々努力する仲間たちのために、「beyond the findings」を貫ける仲間を求めています。「真に役立つ監査」として、一緒に「はたらいて、笑おう。」の実現を目指しましょう!
※ 社員の所属およびインタビューの内容などは2026年1月現在のものです。





