リーダーメッセージ

事業成長を支える土台として
「専門性」と「チームワーク」で
難易度の高い課題に挑戦

菅 奈穂

グループGRC本部 本部長

菅 奈穂

グループGRC本部 本部長

菅 奈穂

Naho Kan

2000年弁護士登録(52期)。法律事務所勤務を経て、2014年パーソルグループに入社。現パーソルホールディングスの法務室長(2016年から法務部長)として国内外の戦略法務案件に関与するとともに、2019年からはガバナンスも担当。現在はグループGRC本部長を務めている。

プロフィール詳細

2022年には売上高1兆円を超えたパーソルグループ。社会からの要請や期待も高まる中、グループの経営基盤をささえるコンプライアンスやガバナンスへの重要性はますます増してきています。
今回は、グループ全体の法務、ガバナンス、リスクマネジメントおよびコンプライアンス領域を管轄するグループGRC本部 本部長の菅奈穂さんにインタビュー。同本部の役割や大切にしているポリシー、今後の展望などについてお聞きしました。

「世の中の期待に応える」ための守りの要

グループGRC本部は、パーソルグループ全体の「ガバナンス(Governance)」と「リスクマネジメント(Risk management)」「コンプライアンス(Compliance)」、つまりGRCを一括して担う組織です。「GRC部」と「法務部」の2つの部で構成されています。

まず、GRC部ではグループのコーポレートガバナンスにおける課題対応やさらなる高度化を企画する「ガバナンス室」と、グループのコンプライアンス活動およびリスクマネジメント活動(企画・推進・モニタリング業務)や、危機発生時の緊急対策本部機能などクライシスマネジメント活動を行う「リスク・コンプライアンス室」からなります。 前者は株主総会・取締役会など重要会議体の運営をするだけでなく、例えば取締役会傘下のコーポレート・ガバナンス委員会では、当グループのガバナンスのあり方について様々な議案を起案・上程して社外取締役を中心とする委員にご議論いただいたり、指名・報酬委員会の事務局としてCEOの後継者育成計画のサポートを行うなど、かなり能動的に活動を行っています。後者は、経営層などが出席するリスクマネジメント委員会の企画運営や、SBUにおけるリスクマネジメント活動のサポートなどを行っており、経営基盤としての役割を果たすべく、日々頑張っています。

法務部は、グループ各社の法務相談や契約審査業務を中心に行う「予防法務室」と、M&Aや投資案件などを法務支援する「戦略法務室」で構成されています。個人情報保護法など、事業に関連する法改正があった際には、まず私たちホールディングスの法務部で、実務に則したレベルでの法解釈を整理してガイドを作成し、グループ各社のSBU(Strategic Business Unit)に連携して実装してもらうなど、グループ横断のプロジェクトを推進することもあります。加えて、後で詳しく述べますが、法務部を中心に、パーソルグループのマテリアリティである「ビジネスと人権」や「データガバナンスの強化」の企画・推進にも取り組んでいます。

社会から中長期的な信用・信頼を得られることが、企業価値を向上させるためには絶対に必要だと思いますが、それを実現するためには、コンプライアンスやリスクマネジメントを含む「守り」のシステムがしっかり構築・運用されていることが大前提です。コンプライアンスや法律の違反を起こせば、足元からビジネスが成り立たなくなります。法律や社内のルールを守るのは当然のこととして、私たちは高い倫理観や誠実さをもった行動をすることで「世の中の期待に応える」ことを第一に考え、グループとしての「守り」をしっかり固める役割を果たします。それにより、最終的には、経営陣による適切な「リスクテイク」(攻め)を支援できるようになることを目指しています。

専門性とチームワークが生かせる、フラットな組織文化

グループGRC本部には現在25名が所属しています。その過半数が管理職クラスで、専門性が高い人材が集まっていることが特徴です。それぞれの専門性を活かしつつ、実現したいキャリアパスや大切にしたい価値観について対話をしながら、チームとして価値発揮することを大切にしています。

GRC部では、株主総会や取締役会、リスクマネジメント委員会など、組織全体で対応する施策が多いですが、円滑なコミュニケーションや、情報・ナレッジの可視化と共有を重視。一般的には、一人で仕事をすることが多い法務部でも、メンバーのベクトルを統一する組織づくりを心掛けています。契約書の雛形を作るとか、法令情報をグループ内に発信するときなどはチーム全員でレビューし、「個人でなく法務チームのアウトプット」を意識し、メンバー同士でディスカッションする機会を作っています。また、個別案件でも「バディ制」を採用し、若手のメンバーが先輩から多くのことを学べる工夫をしています。

さらに、経営層とフラットなやりとりができるところも、当社の特徴です、特に、グループGRC本部は、それぞれの室の専門性が高いため、必要であれば経営層への提言も役割として求められています。オープンな雰囲気で仕事ができるのは、当社や本部の魅力ですね。

抽象度・難度の高い業務にチャレンジ
社会課題に関わるプロジェクトもリード

グループGRC本部では、型が決まった業務だけではなく、抽象度・難度が高い業務が多くあります。例えば、ガバナンス室では「グループ全体のガバナンスのあるべき姿」から検討していますし、取締役会の運営では、実効性が高まるアジェンダを設定するため、会長や社外取締役と何度も取締役会で取り上げるべきアジェンダについて議論するなど、経営に踏み込んだ業務を行っています。
戦略法務室では、中期経営計画で大きな役割を担うM&A戦略や海外案件も担当。M&Aでは契約書の作成だけではなく、スキームの考案や交渉にも積極的に関わっています。

また、社会的に注目される問題・課題にも率先して取り組んでいます。2022年はグループのマテリアリティの1つである「ビジネスと人権」と「データガバナンスの強化」について、主管部署としてグループの取り組みをGRC本部全体でリードしました。もちろん、パーソルグループは、これまでも人権問題に対しては多様な施策を講じてきましたが、現在世の中で企業に求められる「ビジネスと人権」の枠組みに則して、改めて、人材サービス企業を営む私たちにとって人権の取り組みが極めて重要であることを、取締役会やHMCで議論いただいて理解を深め、私たちの考え方を人権方針に纏めました。あわせて、グループ全体の人権リスクを改めて洗い出すとともに、各SBUで今まで行われていた既存の取り組みの情報も収集して分析し、それらの取り組みも取り入れながら人権DDのプロセスを構築して、2023年度から運用を開始しています。

「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンの実現は、自分がやりたい仕事を選ぶことができ、充実感を持ってはたらけることが重要です。仕事を選ぶ・紹介する上で差別がないことはもちろん、職場でハラスメントや労災が発生しないことが前提で、そのためには「新しい人権」への対応が必須でした。同ビジョンを掲げるパーソルだからこそ非常に重要な取り組みだと考えています。
このような取り組みを、法務機能がリードするケースは珍しいかもしれませんが、国際規範や人権の重要性を理解するのに適した法務部のメンバーと、普段から様々なリスクマネジメントやコンプライアンス活動などを行っているGRC部のメンバーが協働することで、適切かつスピーディーに取り組みを推進することができたのではないかと思っています。

先を見越したサービスを提供したい
経営基盤を支えることで
「はたらいて、笑おう。」に貢献

今後、グループGRC本部では、より先を見越したサービスを提供していきたいと考えています。社会が激しく変動する現代では、新しいリスクは常に発生しており、また、環境問題への取り組みや「ビジネスと人権」など、企業に求められるものも増えています。

現状でも、コンプライアンスやガナバンスは一定以上のレベルで対応できているとは思っていますが、そのような世の中の流れに対して、私たちのような専門部署がアンテナを立て、いち早く経営層に発信していくことが望ましいと考えています。情報収集をし、課題を見つけて対策を考え、経営層の了承を得た上でグループ各社に実装してもらう。メンバー全員が先を見越して行動することで、パーソルの企業価値向上にもつながると思っています。

私たちの役割は、コンプライアンスやガバナンスを通じてグループの経営基盤を整えること。「守り」の体制が安定しているからこそ、グループ各社が安心してアクセルを踏めて、多くの人にパーソルのサービスを届けられます。
私たち自身もやりがいを感じられますし、経営層からもそれを期待されていると感じます。そういった好循環を、社会の変化に迅速に対応することで生み出し、これまで以上に「はたらいて、笑おう。」の実現に貢献したいと考えています。

専門分野に閉じず、
新しいことを楽しめる方とはたらきたい

グループGRC本部は、経営層を含めたグループ各社の社員と積極的に連携する必要があります。そのため、例えば、一般的に法務ではたらく人は、「自分の仕事は法律のアドバイスをすること」と考えている人もいらっしゃるかもしれませんが、パーソルでは、法務のプロであっても、プロジェクトのマネジメントや別部署との調整など、パーソルの一員としてさまざまな取り組みが求められます。

当然ですが、ルールを決めたからといって勝手に運用が進むわけではありません。運用フローに落とし込み、グループ各社に取り組む価値を理解してもらい、初めて実が伴う運用になります。事業に寄り添った深いアドバイスをし、事業そのものに参画できることが事業会社ではたらくおもしろさです。実際、自分の専門分野に閉じこもることなく、新しいことを前向きに楽しめる人がGRC本部には集まっています。

専門性の高さや、インプットを続ける向上心を持っていることは前提です。その上で、周りと協業をしながら抽象度・難度の高い業務にチャレンジしたいと考えている方。そして、「はたらいて、笑おう。」の実現に貢献したいと感じてくださる方を心待ちにしています。

※社員の所属およびインタビューの内容などは2023年5月現在のものです。

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「はたらいて、笑おう。」を創っていく、未来への挑戦。
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