生産性向上とは?具体的な6つの施策や業務効率化との違いを解説

少子高齢化による労働力人口の減少や、長時間労働の見直しなどの働き方改革が求められる中、企業が持続的な成長を果たすためには、限られた人員・限られた資源で収益をあげること、すなわち「生産性向上」が重要なテーマです。

しかし、生産性向上とはどんな取り組みを指すのかわからない方も多いのではないでしょうか。生産性向上の基礎知識として、生産性を高める方法、取り組む際の注意点、企業の取り組み事例について解説します。活用できる助成金や補助金にも触れていますので、ぜひご参考にしてください。

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労働人口の減少や働き方改革に伴い、生産性向上への意識が高まっています。従来の業務手法を見直し、改善することが重要です。

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目次

生産性向上とは?

「生産性向上」とは、人員や資源によって生み出される成果が向上している状態を指します。「生産性」とは「従業員数や労働時間数に対してどれだけの成果が出せたか」を表す指標であり、日本における「生産性」は「労働生産性」を指す場合がほとんどです。

総務省の「情報通信白書」によると、以下の内容で明記されています。

「生産性」を定量的に表す指標の一つとして「労働生産性」があり、一般に、就業者一人当たりあるいは就業1時間当たりの経済的な成果として計算される

生産性は基本的に「アウトプット(生産量や成果)」を「インプット(人員や資源、労働時間数)」で割ることで求められます。生産性の数値を上げることが「生産性向上」です。

生産性向上と業務効率化の違い

「生産性向上」は「業務効率化」と混同されがちですが、業務効率化は生産性向上のための手段の一つに過ぎません。

業務効率化は3Mと呼ばれる「ムリ」「ムダ」「ムラ」を削減し、業務を合理化することです。業務における「ムリ」とは、過密なスケジュールや能力以上の業務などによって、従業員に過剰な負担がかかることを表します。「ムダ」は予算やスケジュール、人員などに余剰が生じることです。「ムラ」は時期によって仕事のボリュームが変化することを指します。

業務効率化によって労働投入量(従業員数もしくは労働時間数)を適正化できれば、インプットに対するアウトプットの比率が上がり、結果的に、生産性向上につながることが期待できます。

【関連記事】業務効率化の進め方|手法や具体的な改善アイデア・成功事例も解説

生産性には2種類の指標がある

生産性は「付加価値労働生産性」と「物的労働生産性」の2種類に分類されます。それぞれの定義、計算式、生産性向上の例について紹介します。

1.付加価値労働生産性(付加価値額 ÷ 労働量)

労働者数・労働時間あたりで生み出された「付加価値額」を測る指標で、情報やサービスといった主に無形商材を扱う業界で多く用いられる生産性の考え方です。

付加価値額とは、売上から諸経費を引いた粗利を指します。

▼付加価値労働生産性の計算例
例えば、売上高が300,000円のリラクゼーションサロンで備品などの原価に140,000円かかった場合、付加価値額は売上高ー費用で160,000円です。従業員4人が8時間労働した場合だと、労働量は32時間です。これをもとに付加価値労働生産性を計算すると、以下のようになります。

付加価値労働生産性 :付加価値額 / 労働量 = 160,000円 / 32時間 = 5,000円

このリラクゼーションサロンでは、1時間あたり5,000円の付加価値を生み出していることがわかります。

▼付加価値労働生産性の向上例
上記の例で生産性が向上したと言えるのは、同じ労働時間=32時間と人員=4人を維持しながら、付加価値額を増やした場合です。これは、コース単価や指名料アップや、各種経費の削減によって達成されます。

例えば、売上高が300,000円から350,000円に増加し、原価が140,000円から130,000円に削減された場合、付加価値額は220,000円です。この場合、付加価値労働生産性は「220,000円 / 32時間 = 6,875円」となり、生産性が向上したと言えます。

2.物的労働生産性(生産量 ÷ 労働量)

労働者数・労働時間あたりで生み出された生産量や生産個数といった、目に見えるものを測る指標です。不動産や自動車、食品業界、メーカーといった有形商材を扱う業界や、工場などの現場では、「物的労働生産性」の考え方が適しています。

労働量を労働人数にすれば、労働者1名あたりの物的労働生産性を、労働量を労働人数×労働時間にすれば、労働者1名1時間あたりの物的労働生産性を算出することができます。

▼物的労働生産性の計算例
例えば、労働者4人が8時間で、製品を100個生産したとします。この場合、労働量は先述の例と同じく「4人×8時間=32時間」です。この条件をもとに物的労働生産性を計算すると以下になります。

物的労働生産性:生産量 / 労働量 = 100個 ÷ 32時間 = 3.125(個/時間)

これは、従業員1人あたりの労働時間に対して、平均して約3.125個の製品を生産していることを意味します。

▼物的労働生産性の向上例
上記の例においては、同じ労働量=32時間を維持しながら、より多くの製品を生産することで生産性向上が達成されます。製造プロセスの改善による作業効率化などによって実現可能です。

例えば、同じ労働者4人が8時間はたらき、製品の生産量が100個から150個に上がったとします。物的労働生産性は「100個 ÷ 32時間 = 3.125(個/時間)」から「150個 ÷ 32時間 =4.688(個/時間)」となるため、生産性の向上が確認できます。

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生産性向上が求められる背景

日本社会にはサービス残業という言葉があるなど、長時間労働をすることが美徳とされてきた風潮があります。しかし、近年では就業時間内できちんと成果を出すことがより重要視されています。

生産性向上が重要視されている背景は主に以下の3つです。

  1. 労働力人口の減少
  2. 国際競争力の低下
  3. 従業員の意識変化

1.労働力人口の減少

高齢化が進む日本では、もっともはたらき盛りの30歳以上の人口は減少の一途をたどっています。2000年には4,686万人だった人口が2030年には4,501万人になると予想されています。

労働力人口の推移

【出典】厚生労働省「令和5年版厚生労働白書」

今後、多くの業界・企業で人材不足が深刻化することは明白です。そのため、今までと同じはたらき方では、一人ひとりの負担が大きくなって生産性が低下するため、企業は衰退していく一方です。限られた人員で競争力を維持するには、同じ時間でより多くの生産活動ができる仕組み作りが必須と言えるでしょう。

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2.国際競争力の低下

日本生産性本部の「労働生産性の国際比較2023」によると、2022年の日本の一人当たりの労働生産性は85,329ドル(約833万円)で、OECD加盟38カ国中31位(2022年は29位)と、1970年以降もっとも低い順位となりました。今後、国内市場が縮小し、円安が加速する中、激化するグローバル市場で勝ち残るためには、限られた資源で価値の高い商品やサービスを生み出す必要があります。そのためにも、生産性向上は不可欠です。

3.従業員の意識変化

「働き方改革」の促進によって、従業員がワークライフバランスを実現できる、はたらきやすい環境を求めるようになりました。生産性向上への取り組みが進んでいない企業ほど、従業員の総労働時間が減らない傾向にあり、そうしたワークスタイルから脱却しないことにはいずれ人材の確保が難しくなるのは明白です。こうした背景から、一人ひとりの生産性向上が、近年では重要なテーマとなっています。

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生産性が向上する3つのメリット

生産性向上は、個人のパフォーマンスレベルが上がるのはもちろんのこと、企業にも大きなメリットをもたらします。従業員の生産性が向上することでどんな利点があるのか、特に効果を実感しやすい3つを解説します。

1.コスト削減

作業の時間や工程を効率化できることによって、従業員の全体的な労働時間を短縮できます。残業代を抑えられることで人件費などのコスト削減が期待できるほか、短縮した時間で既存製品やサービスの付加価値向上のための業務に注力するなど、時間の使い方の選択肢が増します。

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2.人材不足の解消

AIやRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を導入し、生産性向上や業務効率化を実現することで、人材不足の解消につながると考えられます。人が行っていた仕事を自動化できれば、従業員は「人にしかできない仕事」に集中でき、限られた人材でも効率良くはたらけます。また、自動化できる仕事が増えれば、人が担うべき業務量が減り、必要な人手も削減できるでしょう。生産性の向上と人が担う業務の軽減、双方向からのアプローチが重要です。

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3.離職率の改善とモチベーション向上

従業員一人ひとりの生産性が上がり、組織の生産性が向上すれば、業績の拡大が期待されます。業績が良くなれば、給与をはじめとした各種待遇を改善しやすくなります。従業員は、企業へのエンゲージメントが高くなり、業務に対するモチベーションが向上するなどの相乗効果が少なくありません。企業への不満が減り満足度が高まることで、長く勤続するモチベーションが湧くようになり、離職率の低減も期待できるでしょう。

生産性向上を図る6つの施策

生産性向上は、時間や工程の効率化を図る、または革新的なビジネスを創出するなど、付加価値をもたらしたときに実現します。つまり、単に業務時間や仕事量を減らすだけではなく、付帯する効果が得られることが重要です。

生産性向上によって付加価値を高める具体的な施策としては、以下の6つが挙げられます。

  1. 「ムダ」な業務の洗い出し
  2. 業務の標準化
  3. 適切な人員配置
  4. テクノロジーの活用
  5. ノンコア業務のアウトソーシング
  6. 従業員のエンゲージメントを高める施策の実施

1.「ムダ」な業務の洗い出し

生産性向上のためにまず取り組むべきことは、業務を棚卸しし、業務量や業務フローを正確に把握することです。その上で、慣習的に続いている重要度の低い業務や簡略化できる業務があれば、積極的に改善を図りましょう。その際、担当者のみで取り組むのではなく、現場の従業員の意見も聞くことが重要です。管理者の立場からは想定できていなかった過剰なコストや、「ムダ」な工程が発見できる可能性があります。

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2.業務の標準化

業務がマニュアル化されていないため、成果物の品質にばらつきが生じて結果的に時間の無駄が発生しているケースもあるでしょう。業務効率化を進めるには、業務をマニュアル化し、誰が担当しても同様の品質を維持できる状態を作ることも大切です。マニュアルが存在すれば仕事のミスを未然に防ぎ、修正に費やす時間を削減できます。また、使用する書類のフォーマットを企業全体で統一することで、作成や確認作業の削減にもつながります。

【関連記事】業務標準化とは?目的やメリット、失敗しない進め方を解説

3.適切な人員配置

適切な人員配置も企業の生産性に大きく関わります。業務内容に応じたスキルや適性を持った人材が配置されていない場合、業務効率化が図れずに生産性は低下します。従業員それぞれの現在保有している資格やスキル、業務経験を収集して、情報を管理しましょう。一人ひとりの情報を確認できる状態にしておけば、適切な人員配置の計画が立てやすくなります。人員配置を考える際には、個々の性格やスキル、本人の志望、配属部署の現状を踏まえて、選定することが重要です。

【関連記事】人員配置とは|最適化する手順やポイントを解説

4.テクノロジーの活用

定型的かつ日常的に発生する業務に関しては、RPAなどのテクノロジーを活用し業務の自動化を図ることも生産性の向上には有効です。RPAによってオフィスの定型業務をソフトウェアで自動的に行えます。

RPAを取り入れやすい業務

  • データ入力
  • チェック作業
  • データの分析
  • 社内システムと業務アプリのデータ連携 など

RPAを活用することで、人的ミスの削減や作業スピードの向上につながります。また、24時間稼働できるため、人的コストを減らしつつも、作業スケジュールの大幅な短縮が期待できます。

【関連記事】RPAを「使いこなせない」「時間がない」を解決する4つの手段とは?

5.ノンコア業務のアウトソーシング

事務処理など企業の利益に直結しない業務を外部にアウトソーシングすることで、従業員が本来注力すべき業務にかける時間を生み出すことが可能です。RPAでは行えない複雑な工程がある業務も、アウトソーシングによって業務効率化を実現できる可能性があります。社員が担当すべき業務と外注できる業務を適切に仕分けし、必要に応じてアウトソーシングを検討しましょう。

▼アウトソーシングが推奨される業務例

【関連記事】アウトソーシングとは?意味や導入のメリットを簡単に解説
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6.従業員のエンゲージメントを高める施策の実施

業務の見直しに加え、従業員のエンゲージメント向上も重要な指標です。

エンゲージメントとは

企業に対する愛着や理念・ビジョンに対する共感を示す。

エンゲージメントが高ければ高いほど、モチベーションの向上につながり、結果的に生産性も向上します。エンゲージメントを向上させるための適切な施策は、企業によって異なりますが、代表的な例として以下の施策が考えられます。

  • 社内コミュニケーションを活性化させる
  • 公正で客観的な人事評価制度を構築する
  • 自律的に働ける環境を整備する

まずは社員と会社の愛情や心のつながりを調査・可視化するサーベイなどを用いて、自社の現状を正しく把握し、適切な施策を実践しましょう。

【関連記事】エンゲージメントサーベイとは?目的やポイント、設問例を紹介

生産性向上のコツ

「効率の向上」と「付加価値の向上」が生産性を上げるとはいえ、やみくもに新たな施策を実行しても、現場が疲弊してしまい、マイナスの結果を生み出しかねません。生産性向上に取り組む際に押さえるべきことを経済産業省の「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」を参考にチェックしましょう。

  1. 自社の理念に立ち返る
  2. 事業コンセプトを再構築する
  3. 長期的視点で取り組む

1.自社の理念に立ち返る

自社が何を目的とする会社なのか、自社が提供しているサービスは何のためにあるのか、今一度その理由を考えてみましょう。このとき、消費者視点に立って「それは社会のニーズに沿っているのか」に注視することも大切です。

2.事業コンセプトを再構築する

自社の理念が明確になったあとは、事業コンセプトに目を向けましょう。ここで重要なのは「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを考え、常に一貫させることです。どれか一つでもズレていたら、生産性向上にはつながりません。事業コンセプトを決める具体的なステップは以下の通りです。

「誰に」を考える

自社のサービスや商品の特徴を見極め、顧客層を特定します。同時に潜在的な顧客の顕在化にも目を向けると、サービスや商品の提供範囲が広がり、生産性向上につながります。

「何を」を考える

「誰に」が定まったら、顧客のニーズに合ったサービスを考える必要があります。自社が過去に提供していたサービスや他社との差別化要素もしっかりと見つけましょう。顧客の期待値を上げることは、生産性向上に欠かせないプロセスです。

「どのように」を考える

「誰に」「何を」提供するかが決まったら、どう実行に移すかを考えます。例えば、どんなサービスを提供しているのか、情報をしっかりと開示することは重要でしょう。情報を閲覧することで、顧客は自分のニーズと合致しているかを判断した上でサービスを利用できるため、顧客満足度が上がります。

3.長期的視点で取り組む

生産性向上の取り組みは、すぐに変化が表れるわけではありません。研修を導入したりマニュアル化したりと、コストだけかかって一向に効果が出ず、不安に感じることもあるでしょう。しかし、生産性向上のための投資は「こんなことをやっても意味がないから、予算は別に回そう」と諦めず、長期的視点で取り組む姿勢が大切です。中小企業でもIT設備やツール導入など成長のための投資を惜しまない企業は、効果を発揮しやすい傾向にあります。

例えば、決裁において何人ものハンコの確認が必要なアナログなやり方は、業務効率化とはほど遠く、生産性は下がる一方です。変化を恐れずに新しいものを取り入れる姿勢も、生産性向上には欠かせません。

【関連記事】バックオフィスのDX|5つのメリットと業務効率化の方法を解説

生産性関連の中小企業向け助成金

厚生労働省や各自治体は、生産性向上に取り組む企業に向けたさまざまな助成金制度を設けています。該当内容を確認しましょう。

ものづくり補助金

補助額:100万~3,000万円(一般型は最大1,000万円、グローバル展開型は最大3,000万円)/補助率1/2(原則)
内容:新商品やサービスの開発などの経営改革や生産性向上に関連する設備投資への支援

応募条件

①付加価値額+3%以上
➁給与支給総額+1.5%以上/年
③事業場内最低賃金(1人当たりの時間給)地域別最低賃金+30円

上記の要件を満たす3~5年の事業計画を策定・実施する企業なら誰でも応募可能。

過去には「複数形状の餃子を一度に製造できる餃子全自動製造機」の開発のために補助金を活用した企業もあります。

【参考】全国中小企業団体中央会「ものづくり補助金総合サイト」

持続化補助金

補助額:50〜200万円/補助率:2/3
内容:店舗の改装やチラシの作成、広告掲載など、ブランド力を高めて販路開拓を目指す企業が対象

応募条件

提出する事業計画期間で下記を見越していることが必須条件。

・給与支給総額が年率平均増加
・事業場内最低賃金を地域別最低賃金より増加

外国語版Webサイトや営業ツールを作成した旅館は問い合わせ件数が倍増した成功例もあります。

【参考】独立行政法人中小企業基盤整備機構「補助金」

IT導入補助金

補助額:30万~150万円未満(A類型)、150万~450万円(B類型)/補助率:1/2
内容:業務効率化や顧客獲得など生産性向上につながるITツール導入の支援

応募条件

事業計画期間で下記を満たすことなどが加点要件となります。

・給与支給総額が年率平均1.5%以上向上
・事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上

販売管理システムを導入し、得意先の需要予測や仕入れ単価の推移の見える化により売上増加を実現。

【参考】独立行政法人中小企業基盤整備機構「補助金」

業務改善助成金

助成上限額:20万円~100万円/助成率:事業場内最低賃金900円未満の場合は4/5、生産性要件を満たした場合は9/10、事業場内最低賃金900円以上の場合は3/4、生産性要件を満たした場合は4/5

応募条件

中小企業・小規模事業者が生産性向上のための設備投資を実施し、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合に費用の一部を助成。

勤怠管理システムの導入によって勤怠管理報告作業の時間を月平均6時間に削減し、効率化を実現。

【参考】厚生労働省「業務改善補助金」

生産性向上を実現した企業の事例

生産性向上に取り組み、成果をあげた企業の事例を紹介します。以下は厚生労働省の「生産性向上の事例集」から抜粋した事例です。事業場を対象にした「時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)」や「業務改善助成金」、業界団体が対象の「業種別中小企業団体助成金」の活用事例なので、助成金活用の参考にしてください。

食品製造販売業A社|ベルトコンベアの導入による弁当の盛りつけ作業の効率化

新潟県にある食品製造販売業者は、弁当製造の際の盛りつけ時間の削減を目指していました。従来までは配膳台の周りを従業員が移動して盛りつけていたため、非効率なはたらき方でした。そこで助成金を活用してベルトコンベアを導入したところ、盛りつけ時間を2時間から1時間30分への短縮に成功。作業時間の削減により、28人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を30円引き上げることに成功しています。

船具・船舶用塗料販売業B社|販売管理ソフトの導入で在庫管理を適正化

熊本県の船具・船舶用塗料販売業者は、販売管理ソフトと連動した在庫管理による適正な仕入れと販売管理時間の削減を目指し、助成金を活用。一連の業務にかかる時間が30分~1時間削減できたことで生産性が向上しました。結果、1人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を124円、事業場内最低賃金以外の従業員の賃金の引き上げも実施できました。

生鮮食料品小売業C社|セミセルフPOSレジの導入によるレジ業務の効率化

熊本県の生鮮食料品小売業社には、顧客の多い時間帯にレジ待ちの行列ができる課題がありました。原因は、購入代金や釣銭の受け渡しまでをすべて従業員が行っていたことに起因します。セミセルフPOSレジの導入に補助金を活用し、結果的にレジの精算処理スピードが1.5倍になり、預り金や釣銭の受けわたしの間違いもなくなりました。生産性が向上し、23人の従業員の時間給を52円引き上げることに成功しました。

まとめ|企業の生産性向上は必須

生産性向上は企業の成果を高めることはもちろん、社員の満足度にも直結しています。健全な労働環境を実現するためにも、個人としても組織としても生産性向上に取り組むことは重要です。昨今は社会構造や社会制度が大きく変わっているだけに、それぞれのはたらき方にじっくりと向き合ってみましょう。

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よくあるご質問

Q1.「生産性」とは?

A1.「生産性」とは「従業員数や労働時間数に対してどれだけの成果が出せたか」を表す指標です。「1人当たりの付加価値額」と呼ばれることもあり、次の式で計算されます。

1人当たりの付加価値額 = (営業利益 + 人件費 + 減価償却費) ÷ (従業員数・もしくは労働時間数)

>>生産性向上とは?

Q2.生産性向上がもたらすメリットは?

A2.生産性が向上することで以下のメリットが期待できます。

・コスト削減
・人材不足の解消
・離職率の改善とモチベーション向上

>>生産性向上が企業にもたらすメリット

Q3.生産性はどのように向上できるのか?

A3.「時間や工程の効率化」と「サービス価値の向上」を実現することで生産性が向上します。生産性向上に向けた施策は以下の項目が挙げられますが、どの施策が適しているかは企業が抱える課題によって異なります。

・「ムダ」な業務の洗い出し
・業務の標準化
・適切な人員配置
・テクノロジーの活用
・ノンコア業務のアウトソーシング
・従業員のエンゲージメントを高める施策の実施

>>生産性向上を図るための6つの施策