コスト削減、どこから手をつけるべき?必要性とアイデア紹介

コスト削減 経営者・役員

どのような業務にも人件費や材料費といった「コスト」は必ず生じています。コストを抑えれば粗利は大きくなるため、企業としては自社の利益向上・競争力強化のために積極的にコスト削減を行っていきたいところです。しかし、闇雲なコスト削減は、生産性の向上や従業員のモチベーション低下に影響してしまう場合があります。

本記事では、コスト削減の必要性、注意すべき点、取り組みのアイデアについて解説します。

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目次

企業における「コスト」の内訳とは?コスト削減が求められる理由


コスト削減とは、業務を行う際に必要となるさまざまな費用(=コスト)を削減することを指します。企業の利益 = 売上 コストであるため、コスト削減を行うことは利益の向上に直結します。

企業経営におけるコストの種類|固定費と変動費

コストには大きく分けて「固定費」「変動費」があります。

    • 固定費:売上に関係なく計上される経費
    • 変動費:売上や状況に応じて変わる経費

一般に、固定費のうち最も占める割合が高いのは「人件費」と言われています。

コスト削減が求められる理由

コスト削減に取り組むことで以下のメリットが期待できます。

  1. 利益の向上
  2. 業務効率化の促進による生産性向上

1.利益の向上

コスト削減が実現すれば、粗利を多く確保できるため、利益の向上につながります。利益を向上させるためには「純粋に売上を増やせばよいのでは?」と考える方もいるでしょう。

しかし、市場規模が縮小している業界や、競合の参入が激しい業界だと、売上を増加させることが難しい場合もあります。コスト削減や見直しはどのような企業でも必ず取り組むことができるので、利益の向上につながります。

2.業務効率化の促進

コスト削減においては、前述した固定費・変動費を削減すべく現在コストがかかっている業務や備品などを棚卸しし、「無駄」を省いていきます。その結果、業務効率化の促進や生産性向上が期待できます。

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やってはいけない3つのコスト削減

次にコスト削減を行ううえで注意すべき点について解説します。

  1. 従業員のモチベーション低下につながるもの
  2. 自社の生産性を低下させてしまうもの
  3. サービスの品質が下がるもの

1. 従業員のモチベーション低下につながるもの

    • 福利厚生の縮小
    • 備品や消耗品の極端な制限
    • 闇雲な人員削減 など

福利厚生など従業員のモチベーションに与える影響が大きい部分は、安易にコスト削減してはいけません。福利厚生として代表的なものは通勤手当や家賃補助、休暇制度などです。

また、闇雲な人員削減は、従業員からの反発も大きくなります。人件費は抑えることができるかもしれませんが、少ない人員で業務を遂行すると、これまで以上の時間を要したり残業代が増えたりしてしまいます。

生産性の低下や優秀な人材の離職にも影響するため、従業員のモチベーションを左右するコスト削減は避けたほうが良いでしょう。

2. 自社の生産性を低下させてしまうもの

    • PCデバイスやITツールのスペックを落とす
    • 各種機器のメンテナンスを怠る
    • 従業員の育成・研究開発費用の削減 など

コスト削減の本当の目的は「利益の向上」です。業務フローを見直したうえで現状のスペックが必要以上である場合はPCデバイスやITツールのスペックを落とすことも考えられますが、目先のコスト削減のために安易にカットしてしまうと、業務効率や生産性の低下につながる可能性もあります。

サービスの品質が下がるもの

    • 原材料を下げる
    • 生産ラインの簡略化 など

サービス品質の低下は顧客離れにつながります。さらに、積み重ねてきた企業の信用が落ちてしまうことも起こり得ます。

また、取引先へ負荷をかける行為も避けましょう。正当な理由のもと交渉の機会を設けるのであれば取引先の合意次第では値下げも可能かもしれませんが、業界内・消費者から批判を受ける可能性もあります。

自社のイメージ・強みにつながる部分はできるだけ予算を確保しましょう。

コスト削減のアイデア

では、どのようにしてコスト削減に取り組めば良いのでしょうか。本章では、効果が出やすいコスト削減のアイデアを4つのカテゴリに分けて紹介します。

  1. 人件費・経費の見直し
  2. 採用・教育コストの適正化
  3. オフィスコストの削減
  4. エネルギーコストの削減

1.人件費・経費の見直し

人件費とは、従業員にかかる給与や賞与、社会保険料、福利厚生費などを指します。コストのなかでも一番多くを占めているため、コスト削減と考えると一番に思い浮かぶでしょう。ただし、前述のとおり、安易な削減は厳禁です。

▼人件費・経費の見直し例
・業務フローの見直し、効率化
・長時間労働の是正
・オンライン会議の活用で出張回数の削減
・アウトソーシングの導入

業務を洗い出し、無駄な業務を減らすといった業務フローの見直しによって、一人ひとりの業務効率を高めることができます。限られたリソースでも業務を遂行できる体制を整えていきましょう。

また、長時間労働を是正することで、残業代が削減されます。しかし、ただ「残業を減らしてください」と依頼しても長時間労働の是正にはつながりません。人員配置を再検討したり、前述した業務効率化を図ったりすることで、工数削減を図りましょう。

出張回数の見直しも有効です。出張には交通費や宿泊費、出張手当といった経費がかかります。オンライン上で完結できる業務であれば、オンライン会議システムの活用で代替してみることも一つの手です。

なお、業務を見直すなかで、「自社で行う必要がない」という業務があればアウトソーシングを活用してみるとよいでしょう。

関連記事「【事例有】アウトソーシングとは?メリット・デメリットを解説」を見る

人件費の見直し成功事例|製造業A社様

A社様では、経理業務を派遣スタッフが行っていました。しかし、業務の繁閑にかかわらず固定費がかかること、管理や教育のための担当社員の負担が課題になっていました。

そこで、業務を委託するアウトソーシングに切り替えたところ、閑散期の余剰人件費を削減することができました。

加えて、手作業が発生していた業務システムの見直しも行ったことで、業務の無駄や出力帳票も整理でき、業務改善も実現しました。


【参照】パーソルワークスデザイン株式会社「 導入事例|製造業 A社様

2.採用・教育コストの適正化

求人広告の掲載費、自社採用ページの制作費といった採用にかかるコストは、採用業務や手法を見直すことで適正化できる可能性があります。

▼採用・教育コストの適正化例
・採用手法の見直し
・採用業務の効率化
・離職率の改善

関連記事「採用業務を効率化する方法とは?」を見る

具体的には、RPOの検討や、自社のターゲットに合った求人広告媒体の見直しなどが考えられます。また、リファラル採用やダイレクトリクルーティングといった新しい採用手法を取り入れるのも有効です。

採用担当者の業務負荷が高いのであれば、採用業務の効率化を図ってみましょう。例えば、ツールを導入して応募受付時の返信や選考結果通知を自動化したり、カレンダーツールを利用して面接のアポイントメントを自動化したりといった工夫が考えられます。採用担当者の工数が削減され、採用戦略の立案に注力できます。

なお、就職みらい研究所「就職白書2020」によると、2019年の一人あたりの平均採用コストは、新卒採用が93.6万円、中途採用が103.3万円です。

そのため、離職率が高い場合は福利厚生の見直しや長時間労働の是正など、従業員はたらきやすい環境を作ることで結果的にはコスト削減につながるでしょう

採用コストの見直し成功事例|イオン株式会社様

イオン株式会社様では、全店舗ではたらく従業員のおよそ8割を占める、時間給社員の採用および育成に課題を抱えていました。従来は個社で採用活動を行っており、募集や面接など店舗側の業務負荷が高く、タイムリーな対応に欠ける状態でした。

そこで合同採用センターを立ち上げ、グループ一括で募集から面談セッティングまでの業務を行う体制を構築しました。

その結果、応募に対するクイックレスポンスが実現し、面接の設定率、入社数が増加しました。併せて、グループ一括での集中購買による媒体コスト低減など、コスト削減にもつながりました。

関連記事「従業員58万名を誇るイオンが挑む、グループ一体での採用活動の革新とは?」を見る

3.オフィスコストの削減

コロナ禍の影響で、テレワークを導入する企業が増えました。パーソル総合研究所の調査によると、ワクチン普及後の第6波の感染が拡大した2022年2月における正社員のテレワーク実施率は、全国平均で28.5%となっています。

2020年3月〜2021年7月のテレワーク実施率の推移(正社員ベース)


【参照】株式会社パーソル総合研究所「第六回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」

また、多くの企業がペーパーレス化を推進しています。

ペーパーレス化を「積極的に行った」は31.3%、「ある程度行った」は41.0%


【参照】ペーパーロジック株式会社「ペーパーレス化に伴う2022年度予算」に関する調査

出社を前提としないといったはたらき方の変化や、書類など紙を保存するスペースの縮小にあわせて、オフィス規模を見直すこともおすすめです。

▼オフィスコストの削減例
・ペーパーレス化
・通信費の見直し(契約プランの見直し、不要なオプションの解除)
・出社人数に合うオフィスへの見直し など

関連記事「バックオフィス業務で抱えがちな課題と効率化する3つの方法」を見る

4.エネルギーコストの削減

総務省の調査によると、テレワークの実施やフリーアドレス化、間引き消灯などの取り組みを行うことで、オフィス全体の電力消費量は一人あたり43%削減可能と試算されています。


【参照】総務省「平成22年度次世代のテレワーク環境に関する調査研究

▼エネルギーコストの削減例
・LED電球・人感センサーのものに変える
・テレワークで出社を抑制する
・エアコンの設定温度を見直す
・クールビズを推奨する など

エネルギーコストは一番効果が大きく、成果が見えやすいです。そのため、これからコスト削減に着手する場合は、足がかりとして取り組むとよいでしょう。

しかし、コスト削減を意識するあまり、はたらく環境が悪化してしまわないよう注意が必要です。例えばエアコンの設定温度が適切でないと、従業員のモチベーション・パフォーマンスも低下してしまいます。現場の意見を尊重しながらコスト削減に取り組んでいきましょう。

まとめ

コスト削減への取り組みは、利益の向上だけでなく、業務効率化や生産性向上にも直結します。従業員のモチベーション低下や生産性低下につながらないよう注意しながら、自社で取り組みやすい部分からコスト削減を進めていきましょう。

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