人件費削減のポイントと具体的な方法
では、具体的にどのように進めればよいでしょうか。人件費削減の本質は業務効率化により生産性を向上することで、人件費率を下げることなので、以下のステップで進めましょう。
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- 課題のある部署・部門・業務フローを特定する
- 課題の解決方法を検討する
- 一気にではなく、段階的に業務を改善する
1.課題のある部署・部門・業務フローを特定する
まず、課題のある部署・部門・業務フローの特定を行いましょう。
課題のある部署や部門の特定には、部署ごとの残業時間を照会したり、現場にヒアリングをしたりといった方法が有効です。残業時間が著しく多い場合は業務の効率化が図れないか、他部署から人員を増やすことで改善ができないかを検証してみましょう。
2.課題の解決方法を検討する
課題のある部署・部門・業務フローが特定できたら、どのように改善できそうかを考えていきます。
課題例1 |
残業が他部署に比べて多い |
改善案 |
・業務フローを見直し、不要な工程がないか洗い出す ・人員配置を見直す |
課題例2 |
繁閑の差が大きく、適切な人員配置が難しい |
改善案 |
・繁忙期にはアウトソーシングや人材派遣を活用する |
業務の洗い出しをした結果、社内で行わなくてもよいと考えられる業務はアウトソーシングの利用を検討してみるのもよいでしょう。アウトソーシングの対象となる業務は、受発注業務や営業事務・総務や経理、営業コンサルティングなど非常に多岐に及びます。
導入にはコストがかかりますが、アウトソーシング企業の知見を取り入れることで、業務の処理速度や正確性が高まり、結果的にコスト削減につながることもあります。
3.一気にではなく、段階的に業務を改善する
改善できる箇所が見つかったら、検討した改善策を試してみましょう。
その際、不要と思ったフローが実は重要な役割を果たしている可能性もあるので、一気に変えるのではなく、段階的に変えることをおすすめします。
そもそも自社において、現在の業務に課題があるのか、あるとしたらどのような課題か、明確に把握できているでしょうか。
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人件費削減に成功した事例
最後に給与や福利厚生の削減をせずに、人件費削減に成功した事例を紹介します。
製造業のA社様では、経理業務を派遣スタッフが行っていました。しかし、業務の繁閑にかかわらず固定費がかかることや、担当社員の管理や教育の負担が大きく課題でした。
そこで、業務を委託するアウトソーシングに切り替えたところ、閑散期の余剰人件費の削減に成功しました。
加えて、手作業が発生していた業務システムの見直しも行ったことで、業務の無駄や出力帳票も整理でき、業務改善も実現しました。
【参照】パーソルワークスデザイン株式会社「 導入事例|製造業 A社様」
まとめ
人件費削減の本来の目的は、人件費を最適化し生産性向上に繋げることです。闇雲に給与や人員を削減するのではなく、適切に人件費を見直しましょう。
パーソルグループでは、業務改善のコンサルティングサービスもご提供していますので、どこから着手すべきかわからないなどお悩みの場合はぜひご相談ください。
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