【事例有】アウトソーシングとは?メリット・デメリットを解説

業務改革(BPR) 人事 総務

業務の効率化や従業員をコア業務へ注力させることを目的として、社外のリソースを活用する「アウトソーシング」を導入する企業が増えています。2019年4月より順次施行がされている「働き方改革関連法」や、2021年4月に改正された「派遣法」といった法改正も合間って、労働力不足の課題解決の手段としてアウトソーシングの活用を検討する企業も少なくないでしょう。 

しかし、このようにアウトソーシングへの注目は高まっている一方で、自社業務を闇雲に外部委託しても期待していた成果が得られなかった、かえって業務効率が悪くなってしまったというケースも多く聞かれます。

アウトソーシングの導入を成功に導くためには、組織が抱えている課題をしっかりと整理した上で、現場の状況を正確に把握し、委託業務を見極めることが重要です。

本記事では、自社でのアウトソーシング導入を検討している担当者に向けて、アウトソーシングの定義やメリット・デメリット、具体的にどの業務をアウトソーシングすべきなのかといった点を、事例を交えながら解説します。

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目次

アウトソーシングとは

アウトソーシング(Outsourcing)とは、社内の業務の一部を外部に委託することを指します。自社に不足している人材やサービスを外部から調達することで、企業の生産性向上や競争力強化に寄与します。

アウトソーシングの対象となる主な業務は、受発注業務や営業事務・総務や経理、営業コンサルティングなど非常に多岐に及びます。

アウトソーシングの形態

アウトソーシングの形態には、大きく分けて以下の3種類があります。

  1. BPO
  2. ITアウトソーシング
  3. KPO

1.BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業の業務プロセスを一括して外部に委託する形態です。BPOの対象となるのは、人事・総務・経理・受付など企業のバックオフィスに加えて、コールセンターやヘルプデスクといった業務が中心です。

一般的なアウトソーシングと比較して、外部に委託する業務範囲が広いのが特徴で、人事部や総務部が請け負っていた業務のすべてを委託するといったケースもあります。

BPOを導入することによって、企業の売上の柱となる「コア事業」に、人的リソースや資金を集中させることが可能になり、競合優位性を高める大きな要因になり得ます。

関連記事「5分でわかる「BPO」とは|対象業務や具体的な事例を解説」を見る

2.ITアウトソーシング

ITアウトソーシングとは、企業の情報システム(IT)に関する業務を外部に委託する形態です。デジタル化が急速に進み、企業にも新しい技術やサービスを取り入れることで生産性を向上しようという流れが加速しています。その一方で、社内にITに精通している人材が不足しており、インフラ設計やシステムの運用・保守が困難なケースも多くあります。そこで活用されるのがITアウトソーシングです。

IT分野において高い技術や豊富な知識を有する専門企業に委託することで、新たな人材の獲得や社員への教育が不要になり、コスト削減に繋がります

3.KPO(ナレッジ・プロセス・アウトソーシング)

KPO(ナレッジ・プロセス・アウトソーシング)とは、日本語で「知的業務委託」と略され、主にデータ処理や加工・レポーティングを中心とした付加価値の高い業務を外部委託することを指します。

近年、マーケティングや経営戦略において、購買データや行動データなど企業の内外に日々蓄積されるビックデータの活用が注目を浴びるようになりました。いざビックデータを扱うためには、膨大なデータを蓄積するデータベースの構築や、データを加工・分析し次なるアクションに繋げるための知見など、高度なスキルセットを有した人材(データサイエンティストなど)の確保が不可欠になります。しかしこれらのスキルを持った人材は、採用市場でも限られており、自社でそのような人材を確保するのは困難を極めます。

そこでKPOにより、データの収集・加工・分析といったビジネスの重要性が高い業務を専門企業に任せることによって、自社のビジネスに新たな知見をもたらすことや従来よりも高度な意思決定を可能にします

アウトソーシング活用のメリット

自社のコア業務に集中できる

企業が市場で競争力を高めるためには、自社のノウハウや技術・スキルをコア業務に集中させ、顧客により良いサービスを提供する必要があります。しかしながら、企業活動を維持するためには、従業員の給与計算や社会保険、入退社の手続きといったノンコア業務が多く存在します。

そこでアウトソーシングを活用することで、これらのノンコア業務を外部に委託することができ、本来注力すべきコア業務に専念できます。

外部の専門的な知見やノウハウを活用できる

多くのアウトソーシング企業は、専門的ノウハウや最新の知識を持っています。そのため、自社で業務を遂行するよりも、業務の処理速度や正確性が高まることを期待できます

例えば、一般的に総務部門が担当する従業員の年末調整においては、毎年のように制度改正が行われるため、その都度、総務担当者は情報をアップデートしなければなりません。それに伴い業務フローの変更も必要になるため、多くの時間やコストを費やします。

一方で、年末調整に精通した外部企業に委託することによって、総務部門の業務負担を軽減させるだけでなく、書類の記載ミスを減らし業務の正確性を高めることができます。

人件費や固定費の削減に繋がる

さらに、アウトソーシングを活用することで従業員の採用コストや毎月の給与、設備投資にかかる費用を抑えることができます。また社内の人材リソースを用いないことで、従業員の配置がより柔軟になるといったメリットも期待できます。

アウトソーシング活用のデメリット

社内にノウハウが蓄積されない

懸念しなければならない点の一つは、特定の分野に関して社内にノウハウを蓄積することが難しくなることです。例えば、企業の採用活動を外部に一括して委託すると、従業員が採用領域の経験値を高めることができません。将来的に、自社で採用活動を行いたいと考えた時に、新たに採用領域に詳しい人材を雇用しなければならないといった問題が発生します。

また、委託先の倒産や、サービスの撤退による社内知識の断絶といったリスクも考えなければいけません。このような将来的なリスクも十分に考慮した上で、アウトソーシング導入の可否を決定する必要があります。

情報漏えいのリスクがある

委託する業務によっては、顧客情報や従業員情報といった機密性の高い情報を外部企業と共有する必要がでてきます。多くのアウトソーシング企業では、個人情報の保護について厳しいルールを設けていますが、自社で取り扱う場合よりもセキュリティのレベルが低い可能性も考えられます。

業務の実態を把握できない

アウトソーシングによって、業務がどのように進められているのかを発注側で把握し続けることが困難になる場合もあります。発注した結果、以前よりも業務の品質が落ちてしまう、業務効率が悪くなる、重要な欠陥やミスに気づかないといった問題が考えられます。

このようなリスクを防ぐために、委託先に任せきりにするのではなく、業務フローの共有や進捗の報告など、綿密なコミュニケーションを取ることが求められます

アウトソーシングが必要な企業とは?注目を集める背景

それでは、これらのリスクを理解した上で、改めてアウトソーシングが必要なのはどのような企業と言えるでしょうか?そのためには、アウトソーシングが注目される背景を見てみたいと思います。

前提として、BPOをはじめとするアウトソーシングの需要は年々高まっています。IT専門調査会社である IDCJapan株式会社が2021年4月に公表したデータによると、2020年の国内BPOサービス(人事/財務経理/カスタマーケア/調達購買)の市場規模は、8,484億円となっており、前年から3.9%増加しています。また、2020年~2025年の年平均成長率は4.9%で、2025年には1兆785億円まで成長することが予測されています。

【参考】IDC Japan「国内ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス市場予測:2020年~2025年」

このようにアウトソーシングの市場が拡大する大きな要因には、「慢性的な人材不足」が挙げられます。日本国内の人口は少子高齢化に伴い2008年をピークに減少、生産年齢人口(15歳〜65歳未満)も同様に減少の一途を辿っています。

そんな中、企業は新たな人材を確保するのが難しくなり、限られた人材で競争力や生産性を維持・向上することが求められるようになりました。そこで注目を集めたのがアウトソーシングです。

例えば、総務部門ではアウトソーシングがよく活用されます。総務部門は、主に企業の事務業務および各部門の管理業務を担います。総務の業務は、重要書類、備品、名刺発注の管理といった管理業務から、受付や秘書、株主総会関連といった業務、さらには、広報や人事、経理業務まで非常に多岐におよびます。

一方で、ビジネス環境の変化やテクノロジーの急速な発展により、総務部門には拠点集約・働き方改革・イノベーション促進など、経営ビジョンに紐づいたより戦略的な役割が求められるようになりました。

しかし、現実的には総務部門のリソースは限られており、さまざまな部署から依頼される業務に追われ、戦略的な業務に注力ができないという課題を多くの企業では抱えています。

そこで、総務部門が請け負っているあらゆる業務の標準化・可視化を行うことで、自社でやるべき業務とそうではない業務を明確に区別し、重要度の低い業務に関しては、アウトソーシングを活用することで、限られたリソースでも戦略的な業務に注力することが可能になるのです。

どの業務をどこまでアウトソーシングすべきか

どの業務をアウトソーシングすべきか、また業務のどの部分までを外部に任せるのかといった疑問を持つ担当者の方も多いかと思います。自社リソースが足りないから、とりあえずアウトソーシングの活用を検討するという企業もあるかと思いますが、アウトソーシングが必ずしも現状の課題を解決するとは限りません。

闇雲にアウトソーシングの導入を検討するのではなく、まずは以下の2点をしっかりと整理することが大切です。

  1. 現状の課題把握と分析
  2. 委託業務の定義

1.現状の課題把握と分析

現状において、自社が直面している課題を明確にしましょう。仮に総務部門において人手不足を感じており、アウトソーシングの導入を検討しているとします。

この課題を分析すると、多くの企業では

  • 業務量に対して人的リソースが足りない
  • 業務が属人化しており、限られたスキルを持った担当者しか業務を遂行できない
  • 業務フローが複雑で、無駄な作業が多い
  • 専門的な知識やノウハウが社内にない
  • 単純作業に時間をとられ、コア業務に時間を割けない

といった本質的な課題が浮き彫りになってきます。

もし、業務フローが複雑で無駄な作業が多いのであれば、一連の業務フローを見直し、具体的にどこの工程が非効率なのか、どのように改善すべきなのかを定義しなければいけません。また、業務が属人化しているのであれば、誰でも同じように業務がこなせるように「標準化の仕組み」を作る必要があります。

人手が足りないからアウトソーシングを活用しようと考える前に、まずは現状の課題を正しく把握すること、そして深く分析することから始めることが大切です。

2.委託業務の定義

現状の課題把握と分析ができたら、どの業務を外部に委託するのかを決めていきます。この際に意識すべきなのが、「コア業務(直接業務)」と「ノンコア業務(間接業務)」の違いです。

コア業務は、直接的な利益を生み出し、定型化が難しく再現性が低い業務です。多くの場合、専門的な知識やスキルを必要とします。その一方で、ノンコア業務とは直接的な利益を生む業務ではなく、定型化がしやすく再現性が高いのが特徴です。

例えば、多くの企業ではマーケティング戦略や経営戦略・人事計画の立案などはコア業務にあたりますが、従業員のマイナンバーの管理や社会保険の手続きなどはノンコア業務に該当します。

一般的にアウトソーシングを活用する場合、ノンコア業務の定型業務が対象となります。定型業務とは、定常的に発生し、内容や流れが決まっている業務のことを指します。

アウトソーシングの導入事例

ここからは、アウトソーシングの具体的な導入事例について解説していきます。

【参考】パーソルテンプスタッフ株式会社「BPOプラクティカ|VOICE」

わずか1ヶ月で総務の業務改善とマニュアル作りを実現|日野自動車様

トラックやバスの製造販売や保守整備を行う日野自動車様では、広い構内にさまざまな施設があること、そして構内に多くの従業員を抱えているため、総務の業務が非常に多岐に及んでいました。

そのため、担当者が本来進めるべき業務に注力できないという課題がありました。加えて、業務の属人化が起こっており、名刺の発注にしても担当者がいない時間帯には、業務を円滑に進めることができなくなっていました。

そこで、パーソルテンプスタッフが総務BPOの導入プロジェクトに参画。受注からわずか1ヶ月で、総務カウンターである「トントンサポートオフィス」を開設し、業務の改善とマニュアル作りを実施しました。

ただ以前の総務の業務を引き継ぐのではなく、現行の手順のどこに無駄があるのかといった課題把握を行い、また現場の担当者に困っていることや、こういうシステムがあったらいいなというご要望をヒアリングした上で、業務効率の改善へと繋げました。

BPOの導入により特別定額給付金のスピード給付を実現|神戸市様

神戸市は人口150万人を抱える大都市ながら、新型コロナウイルス感染症の緊急経済対策である「特別低額給付金」の迅速な給付を目指して、BPOを導入。大都市の中では異例の早さでのスピード給付を実現しました。

パーソルテンプスタッフでは、給付業務を受託し、パーソルワークスデザインとともに2ヶ所でコールセンターの運営をサポートしました。

同市では、特別定額給付金が一人につき10万円支給されることが2020年4月20日に閣議決定し、その3日後にはコールセンターを開設し、5月18日にはオンライン申請分、同月28日には郵送での申請分の給付を開始しました。1日最大250名の体制を整えた上で、夜間や土日も含めた対応を実現。スピード感が求められる入力作業では、スタッフ一人ひとりのスキルをチェックしながら、途中からデータ入力の経験があるスタッフ中心に入れ替え、業務の効率を図りました。

また、コールセンターの受付が終了する夜間でもお問い合わせに対応するために、チャットボットを用意する、頻出する質問に対する回答を集めたFAQを用意するなど、パーソルテンプスタッフが持っているナレッジを活用。結果的に、申請を開始した5月末には約80%、7月6日には99%の振り込みを完了しました。

まとめ

本記事では、アウトソーシングとは何かといった基礎知識からメリット・デメリット、委託業務の対象範囲の決定方法、具体的なアウトソーシング事例について解説しました。

アウトソーシングは、自社業務を単純に外部に依頼することと思われがちですが、闇雲なアウトソーシングの導入は、コスト削減や業務効率のアップに繋がらない可能性があるだけでなく、自社にノウハウを蓄積する機会や品質の低下を招く恐れがあります。

アウトソーシング導入を成功に導くためには、メリット・デメリットをしっかりと理解したうえで、なぜ自社でアウトソーシングを必要としているのかといった「現状課題」や、いま現場でどのように業務が行われているのかといった「現場把握」を怠らないようにしましょう。

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