BPOとは?アウトソーシングとの違い・対象業務や導入事例

企業活動を最大化させる手段として、アウトソーシングが注目されています。BPOもアウトソーシングの一種ですが、アウトソーシングとどう違うのか、導入することでどのようなメリットがあるのかが分からない人も多いでしょう。

BPOの大きな特徴は、業務プロセスを一括して外注する点ですが、上手く取り入れることで、「リソース配分の最適化」が行えます。経営戦略の一端として捉えることがポイントで、効果的に活用することで、VUCA時代において競争優位性を高めることができます。

本記事では、今後重要なキーワードであるBPOについて、アウトソーシングとの違いから導入のポイントまで幅広く解説していきます。どのような業務に活用できるかも解説していますので、自社での導入をイメージしながら読み進めてください。

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人手不足の影響により、自社業務のBPOを検討する企業が増えています。

・BPOを活用したいが、何から始めればいいか分からない
・BPOを活用するメリットをしっかりと知りたい

このような方に向けてBPOのメリットや活用方法、さらに「経理」「総務事務」「受付」「営業/営業事務」「受発注」といった業務別の導入事例を1冊にまとめました。

これからBPOに関する情報を集めたい方はぜひご一読ください。

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目次

BPOとは

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業の業務プロセスを一括して外部に委託するアウトソーシングの一種です。つまり、ある業務について、個別タスクを切り出して外注するのではなく、企画・設計から運用までトータルに外注する手法を指します。BPOによってリソース配分の最適化を行えるため、経営戦略の一端として期待されています。

BPOの例として、「経理業務(債務管理や一般会計など)をまとめて外部に委託する」といった、部署レベルの業務を丸ごと外部に委託することもBPOに該当します。委託された企業は、業務を一括で引き受けつつ、現状の業務フローを整理し最適化を行うこともあります。

そのほかにも、BPOは人事・総務・経理・受付など企業のバックオフィスに加えて、コールセンターやヘルプデスクなどといった領域でも導入されています。これらの業務を一括して外注することによりB、企業は売上の柱となる「コア事業」に人的リソースや資金を集中させることが可能となり、競合優位性を向上させることができるのです。

アウトソーシングとの違い

一般的にアウトソーシング とは、自社業務の一部を切り出して外部に委託することを意味します。

BPOもアウトソーシングの一種であるものの、アウトソーシングが「単純業務を切り出して委託する」方法であるのに対し、BPOは「企業の業務プロセスを一括して委託する」という違いがあります。

BPOは業務の企画や設計・施策の実行・分析までを一括して外部委託するため、対象となる業務範囲が広く、人事部や総務部など部門単位で請け負っていた業務のすべてを委託するケースもあります。

【お役立ち資料】アウトソーシングの成功事例と導入後の効果

人材不足の解消を図るべく、アウトソーシングを取り入れる企業も増えています。本資料では、総務・経理・営業など、業務ごとにアウトソーシングの成功事例を紹介しています。導入すべきか悩む方は、ぜひご覧ください。

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【関連記事】アウトソーシングとは?意味や導入のメリットを簡単に解説

BPOの需要が高まっている理由

BPOの需要が高まっている背景には、深刻な人材不足があります。現在の日本では、人材不足のために経営改善までリソースが回らず、倒産するケースも増加しています。自社で人材採用ができなくても、BPOを活用すれば高い専門性を持つ外部業者へ委託することができるため、業務の効率化を図れます。

また、働き方改革やDX推進などの施策の一環としても、BPOの活用が注目されています。テレワークなど多様なはたらき方が広まりつつある今、統合的な業務改善がどの企業にも求められています。従来通り内製で業務を進めるのか、外部委託を検討するのか、生産性を高めていくためにどのような経営戦略をとっていくべきか、考えていかなければなりません。

そして現在は将来の予測が困難なVUCA時代を迎えています。この時代のビジネス環境は頻繁に変化し、その度に新しい人材の採用・育成を行うのは、費用や即時性の面で効果的ではありません。

他方で、外部環境の変化に応じて迅速に外部リソースを活用することができれば、他社との競争において優位に立つことができます。だからこそ、企業の中・長期的な成長のために、BPOは今まさに注目されているのです。

矢野経済研究所の調査によると、2021年度のBPOサービス全体の市場規模は約4.6兆円と右肩上がりで成長しており、今後も引き続き拡大していくと予測されています。

国内BPOの市場規模推移・予測

【お役立ち資料】人材不足に備える2つのポイント

日本の市場において人材不足は深刻な課題です。2030年には約600万人以上の人材が不足すると予測される中、企業が今から取り組むべき備えを解説します。

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「BPO」と「BPR」の違い

BPOとよく混同して捉えられる用語に「BPR」があります。

BPRとは、「Business Process Re-engineering(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」の略称で、業務本来の目的達成に向けて、業務・組織・戦略を再構築することを指します

BPOが既存業務を部分的に見直して業務の効率化や適正化を図る「業務改善」を目的としているのに対し、BPRは抜本的に既存業務の必要性から見直す「業務改革」を目的としている点が大きな違いです。

内容
BPO 業務改善:既存の業務の必要性は肯定しつつ、フローを部分的に見直して業務の効率化や適正化を図る
BPR 業務改革:経営戦略と照らし合わせて既存業務の必要性から見直す

業務単位や部署単位ではなく、組織全体を俯瞰して見ることによって、組織体制そのものの健全性を高められます。つまり、BPOのさらなる上位概念だといえるでしょう。

【関連記事】BPRとは?意味や手法・成功事例をわかりやすく解説

【お役立ち資料】BPOの導入事例集

・どのような業務の改善において、BPOが有効なのか
・具体的に何を行い、どう改善したのか
BPOに少しでも興味のある方は、ぜひご参考ください。

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【部門別】BPOの対象となる業務の例

BPOが可能な領域は幅広く、さまざまな業務に対応しています。

アデコ株式会社の調査では、IT・運用保守・Web・データ入力・マニュアル作成・翻訳などを筆頭に、幅広い業務でBPOが活用されていることがわかっています。

なかでも定型化しやすく自社の業務を支援するノンコア業務は委託しやすい傾向にあると考えられるでしょう。

間接部門

間接部門とは、会社の売上に直接的な関わりは持たないが、会社運営において必須の業務を担当します。具体的には、以下のような業務が間接部門です。

    • 経理
    • 人事・労務
    • 総務
    • 法務

間接業務はBPOに適しています。例えば、経理や人事・労務に関する業務は、決算シーズンや採用シーズンが特に忙しく、逆に業務の閑散期もあります。繁閑に波があると人員の配置に課題が発生しますが、BPOを導入することで柔軟に対応することができます。

直接部門

直接部門とは、会社の売上に直結する業務を担う部門のことです。直接部門にあたる業務は以下の通りです。

    • 営業
    • 製造
    • 販売

直接部門におけるBPOは、主にノンコア業務を切り出して外注するケースが多いですが、コア業務も一括して外注することもあります。

例えば、営業のノンコア業務は「顧客リストの管理」「資料作成」「データ入力」などの営業事務がありますが、これらの業務にBPOを導入することで、コア業務である営業活動にリソースを集中することができます。

また、会社に営業部門を設置していない場合、自社製品の販売のために、戦略立案から営業活動まで一貫して外注するケースもあります。

【関連記事】営業アウトソーシングとは|メリットや料金形態、事例を解説

コールセンター(カスタマーサポート)

コールセンター業務においては、顧客からの受電・顧客への架電といった電話対応業務がBPOの対象となります。特に自社にノウハウが少ない場合や担当部署がない場合は、BPOによるメリットも大きくなるでしょう。

インバウンド業務(受電対応)

  • 商品・サービスの受注
  • 予約・問い合わせへの対応
  • カスタマーサポート
  • ヘルプデスク

アウトバウンド業務(架電対応)

  • セールスアポイント
  • テレマーケティング
  • 既存顧客へのサービス案内・フォロー説明

インバウンド業務は特に定型化しやすいため、マニュアルやトークスクリプトを作り込めれば、BPOに向いている業務だと言えます。一方アウトバウンド業務は、サービスへの十分な理解や営業スキルが必要になってくるため、委託先企業が十分なスキルや情報共有フローを持っているかを見極めることが重要です。

【お役立ち資料】コールセンターアウトソースの委託先選定ポイント

コールセンターのBPOでは様々な要件をもとに選定しますが、選定先を誤ると「追加コストを要求された」「サービスの品質が一向に上がらない」といったお悩みが生まれます。
そのような事態を防ぐために、委託の注意事項や失敗例、チェックポイントなどを一冊にまとめて解説しています。

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IT部門

IT部門のBPOは、ITOとも呼ばれています。IT部門のBPOの対象は以下のものが挙げられます。

    • システム運用保守
    • ヘルプデスク
    • セキュリティ管理

IT部門は高い専門性が求められるため、自社内にノウハウがない状況から部署を立ち上げるのはコストパフォーマンスがよくありません。そのため、IT部門はBPOに適しています。

【関連記事】ITアウトソーシングとは?活用事例とメリット、導入方法まで

BPOを導入するメリット

企業がBPOを導入することで、以下のようなメリットが得られます。

1.経営資源をコア業務に集中できる

経理や総務など、従来のバックオフィス業務は定型化した業務を受動的に行うことが一般的でした。しかし、働き方改革やDX推進など企業を取り巻く環境が変化し続けるなかで競争力を維持していくため、バックオフィス部門であっても、能動的に業務効率化に向けたアクションを行うことが求められるようになってきています。

BPOを導入することで、定型的なノンコア業務の工数が削減され、本来注力すべきコア業務に人材や資金・時間を集中的に投入することができます。その結果、業務効率や生産性の向上につながり、非定型な業務に集中できる環境も整います。

2.業務品質の向上

BPOは委託先企業の専門的な知見とノウハウを活用できるため、業務品質の向上につながります。スタッフのマネジメントや教育も委託先企業が行うため、自社で業務を遂行するよりも、業務の処理速度や正確性が高まることが期待できます。

【関連記事】業務改善とは?進め方と具体例・成功ポイントを解説

3.業務の標準化・効率化

BPOを導入する過程で委託先企業が現状の業務フローを整理します。属人化・ブラックボックス化している業務が可視化され、業務のムダを見つけることができます。

非効率な業務を見直し、フローを最適化することで、業務が標準化・効率化され、コスト削減や業務負荷の軽減につながります。

【関連記事】業務効率化の進め方|手法や改善アイデア・成功事例も解説

4.中長期的な教育コストの削減

自社の社員のみで業務を行う場合、社員の離職や休職のたびに新たに教育を行う必要があり、教育・時間的コストがかかります。また、ビジネス環境の変化のたびに、必要な人材の採用・育成を行うのも効率的ではありません。

しかし、BPOを活用し、信頼できる会社に委託すれば、突発的な事態にも柔軟に対応することができ、中長期的に教育コストを削減できます。

BPOの導入に伴う注意点・デメリット

BPOの導入は、コア業務への集中や業務品質の向上など、企業に多くのメリットをもたらします。確かに以下で見ていくように、導入にあたっては様々な注意点が存在します。

しかし、これらはBPOの可能性を否定するものではなく、適切な導入に向けた考慮点です。注意点・デメリットを十分に理解し、それを踏まえた上でBPOを活用することで、その魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。

1.初期費用やランニングコストがかかる

BPOを導入する際には、委託先との要件定義やマニュアル作成など、一連の運用フローを構築するための初期費用がかかります。また、実際の運用にかかるランニングコストも考慮する必要があります。

ただし、BPO導入のメリットでも解説した通り、BPOを活用することで教育や研修にかかるコストの削減や、業務品質の向上を期待することができます。コスト削減を目的とする場合は、初期費用やランニングコスト・改善による効果などをある程度試算し、中長期的に見てどれくらいメリットがあるのかを把握しておくことが大切です。

2. 委託のための準備コストがかかる

アウトソーシングやBPOの導入には委託のための準備コストがかかるため、初期段階での準備が鍵となります。

業務を外部に委託する際、事前に業務の流れを整理し、社内と社外の連携を計画的に行うようにしましょう。この段階で発生するコストと期間を効果的に管理することが、結果的に全体的なコスト削減と効率化へとつながります。

特に、初期投資の回収計画やランニングコストの削減見込みをしっかりと検討し、長期的な視点でアウトソーシングの成果を最大化することが重要です。

3.情報漏えいのリスクがある

一般的にBPOを提供する企業は、高いセキュリティの基準を設けています。そのため情報の取り扱いに関しては、細心の注意を払っていますが、外部企業が情報を取り扱う以上、情報漏えいのリスクに関しては十分に留意する必要があります。

また、リスクを管理するためにも「どのような情報を誰が取り扱うのか」といった取り決めをあらかじめしておくことが求められます。

4.管理・運用のノウハウを社内に蓄積することが難しい

BPO導入の懸念点として、管理・運用のノウハウを社内に蓄積することが難しい点が挙げられます。委託先の企業が業務を行うため、どのような作業が行われているのかを正確に把握できず、ブラックボックスになってしまうケースがあります。

運用フローの中で、定期的に報告書や業務進捗を共有する機会を作り、改善のためのPDCAサイクルを回すことが大切です。

5.コミュニケーションギャップが発生する可能性がある

BPOを行う際、企業内部と外部のアウトソーサー間でコミュニケーションギャップが生じることがあります。これは、直接的な対面コミュニケーションの欠如や、外部委託先が自社の文化やプロセスに精通していないことに起因します。

このような事態を避けるため、社内でのコミュニケーションのように密接に連携する体制を整え、細かく情報共有を行うことが不可欠です。

6.解約後の内製化が負担になる

BPOを導入したことにより、管理・運用のノウハウを社内に蓄積できていない場合、万が一解約が必要となると、解約後の業務の内製化が大きな負担となります。シームレスに内製化を行えなければ、会社全体の業務に影響を与える可能性があります。

このような事態を避けるためにも、解約をする前にノウハウを蓄積し、内製化の目処を立てておくようにしましょう。

BPOの導入手順や業務改善に繋げるポイント

うまく活用すれば大幅な業務改善が期待できるBPOですが、導入には当然コストがかかります。効果を最大限引き出すために、導入までの各ステップで注意すべきポイントを知っておきましょう。

【依頼前】委託したい業務の要件とありたい姿を定義する

まずは、委託したい業務の範囲や将来的な依頼範囲拡大の可能性など、要件を整理しましょう。ただ委託するだけでは、「業務を行う場所や人が変わっただけで、結局コストが下がらない、業務品質も上がらない」といった結果に陥りがちです。以下の点を整理し、現状の課題を明確化しておきましょう。

  • 自社でしかできない業務は何か
  • どの業務に問題を抱えているか
  • その問題はどうして生じていると考えられるか
  • 直近の課題ではないものの、問題がある業務がほかにあるか

また、BPOをより効果的に活用するためには、BPOを導入することで部署や会社全体をどう変えたいのかという部分までイメージしておくことが重要です。「業務を効率化したい」「品質を向上させたい」「コア業務に専念したい」「教育にかける時間を削減したい」など、「BPOにより実現したい姿」を具体的に定義しておきましょう。 

【導入前】アウトソーシングする業務を洗い出す

課題を明確化し、委託したい業務範囲を決めたら、現状の業務フローを整理しましょう。どの業務にどの程度の工数を要しているのか、誰が担当しているのか、現行のマニュアルや担当者へのヒアリングを通じ、徹底的に可視化します。

業務を洗い出す過程で、不必要な作業や属人化した業務、マニュアルには記載のない独自ルールが見つかることもあるでしょう。工程ごとに、本当に必要な作業なのか、減らしたり簡単にしたりできないか、改善の視点を持ちつつ、アウトソーシングに適した工程管理や業務フローの再設計を進めましょう。

【お役立ち資料】業務整理ノウハウBOOK(見える化チェックシート付き)

本資料では、業務改善のコンサルタントが現場で得た事例をもとに、具体的な業務洗い出しのステップ、業務改善の進め方・コツを紹介しています。チェックシートもありますので、アウトソーシング前の確認にもご活用ください。

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【選定時】委託先の実績や業務範囲を確認する

BPO企業によって業務範囲や実績、得意としている領域が異なります。委託先次第で大幅に成果が変わってくるため、委託先を選定する際は、以下の3点を中心に確認し、慎重に判断しましょう。

1.実績は豊富か

自社が委託したい業務と、同程度の規模感や業務内容・期間・フェーズでの実績があるかを確認しましょう。

加えて、以下の点についても確認しておくことが大切です。

  • 委託したい業務に対する専門性やスキルは十分か
  • ナレッジの蓄積・更新の仕組み化を行っているか
  • 人材育成に向けた研修など教育体制が整っているか
  • 自社の業界を理解し、適切かつ誠実な対応をしてくれるか

こうしたポイントを確認せずにコストだけを優先して委託先を選定してしまうと、委託した業務がうまく機能せず、結局失敗に終わってしまったというケースもあります。

自社が委託したい業務を遂行できるだけの能力やプランがあるかどうかをしっかり確認し、費用よりも優先して判断することが重要です。 

2.業務範囲の拡大に対応できるか

BPO導入時はまず部分的にBPOを導入し、徐々に委託業務の範囲を拡大する方法が多く採用されます。この際、委託先の企業規模によっては、拡大する業務に対応ができないといったケースがあります。将来的なBPO活用のビジョンと照らし合わせて、対応可能な環境であるかを確認しましょう。

3.セキュリティレベルが高いか

経理や人事といった業務にBPOを導入する際には、社員情報や顧客情報・会計情報といった機密性の高い情報を委託先が取り扱うケースがあります。

セキュリティに関するルールを確認するとともに、事業者の個人情報の取り扱いが適切であることを示す「プライバシーマーク」や、国際的に設定されたセキュリティ基準をクリアしていることを示す「ISMS認証」を取得しているかをチェックしましょう。

4.担当者とのコミュニケーションは円滑に取れるか

BPOは外部に業務を切り出しますが、不測の事態が発生し緊急の対応や連絡調整が必要になる場合もあります。コミュニケーションにかかる工数が多かったり、対応までのスピード感が遅いと、解決までに時間を要したり、コア業務に支障が生じたりする可能性もあります。

委託先選定の段階から、スムーズに対応してくれるかどうかを1つの視点として持っておくとよいでしょう。

5.運用形態はオンサイト型かオフサイト型か

BPOの運用形態はオンサイト型かオフサイト型に分けられます。

オンサイト型は外注先のスタッフが自社内で業務を行う運用形態で、緊密な連携が取りやすい点に特徴があります。オフサイト型は外注先スタッフが自社外で業務を行います。業務拠点が分散されるため、自然災害など予期せぬ事態が発生した際に、リスクを分散させるBCP対策を実現することができます。また、オフサイト型の中でもオフショアBPO(委託先が海外企業)は、人件費やインフラ費用を大きく抑えることができます。

どちらも一長一短ですが、企業課題に応じて選択すると良いでしょう。

【関連記事】失敗しないアウトソーシング先企業の選び方|手順と選定ポイント

【導入後】定期的にモニタリングを行う

アウトソーシングは「委任契約」もしくは「準委任契約」にあたるため、事前に定めた業務範囲外の仕事は行いません。委託先にアバウトに業務を委託したり、丸投げしたりしてしまうと、トラブルに発展しやすくなります。

BPOの導入が失敗にならないためにも、自社でしっかりと事前の要件定義を行い、委託先と擦り合わせておきましょう。導入の目的に応じてKPIを設定し、導入後は自社にて定期的に効果をモニタリングすることが大切です。

たとえば、コスト削減が目的の場合、BPO導入前と導入後のコストを人件費も含めて比較します。コア事業への注力が目的の場合は、導入前と導入後で担当者がどれだけコア事業に時間を割けているのかを計測します。

なんとなくBPOを導入するのではなく、導入が成功であったか、失敗であったかを定量的に判断できることが求められます。

ただし、BPOの導入当初は、委託先と業務内容のすり合わせや事業理解など、コミュニケーションコストが発生します。そのため、短期間で評価するのではなく、中長期的に判断することが大切です。

【導入後】ナレッジをもとに全社的に業務改善していく

BPOは自社での運用と異なる視点から気づきを得られることもあります。

例として、顧客の応対業務をアウトソーシング企業に委託したとします。アウトソーシング企業は、依頼業務と並行して応対時の顧客の傾向をベースに対応マニュアルを作成したり、問い合わせの多い内容から最新の顧客ニーズに沿ったFAQを整えたりしてくれます。

日々の業務をこなしつつ業務効率化を図ろうとすると、それだけ多くの手間を要しますが、アウトソーシングすることで、業務を切り出しつつナレッジを蓄積できます。

委託先との間でこまめな連絡共有をしつつ、ナレッジを共有してもらうことで、全社的に業務改善を図っていきましょう。

BPOの契約形態

BPOで外部企業に業務を委託する際には、準委任契約と請負契約のどちらかを採用することが一般的です。委任契約という契約形態もありますが、BPOの契約ではあまり利用されません。

責任の範囲が異なるので、契約前によく確認しておくことが大切です。

委任契約・準委任契約

委任契約は、法律行為を委任する際に用いられます。BPOの契約形態として用いられることは、そこまで多くはありません。

(委任)
第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

【出典】e-GOV 法令検索「民法

準委任契約は、法律行為ではない事実行為を委任する際に用いられます。

(準委任)
第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

【出典】e-GOV 法令検索「民法

例えば「事務処理を行う」「データ入力を行う」「調査レポートを作成する」などが該当します。

「業務の処理」を目的として契約が結ばれるため、その業務が完遂されたかどうかが重要視され、成果を得られるかどうかは問われません。

受託者が決められた作業を実行したかどうかに責任が発生し、作業期間が終わると契約も終了します。

請負契約

請負契約は受託者が「業務の達成」を約束し、その対価として発注者が報酬を支払う契約のことです。

(請負)
第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

【出典】e-GOV 法令検索「民法

委任契約や準委任契約との違いは、受託した業務の達成によって生まれる成果物の納品義務が発生する点です。

BPOを利用する際は、業務の「遂行」と「達成」、どちらを目的とするのかによって契約形態が異なることに注意しましょう。

業務改善を実現したBPOの導入事例2選

実際に、業務の品質向上や効率化を実現したBPOの導入事例を紹介します。

事業部ごとにバラバラだった営業サポートを標準化|医療機器メーカーA社

課題

医療機器メーカーA社は、複数の事業部に営業サポート部隊を置いていましたが、事業部ごとにスタッフの人数が違うこともあり、事業部によって営業へのサポート対応にばらつきがあることが課題でした。また、労働者派遣法の改正で派遣スタッフが同じ部署で3年を超えてはたらけなくなったことも課題でした。

施策

そこで、経験豊富なスタッフの継続性と、業務の統合・標準化による均一な営業サポート体制を構築するため、BPOの導入検討を開始。

立ち上げ時はサポートの内容が低下しないよう、営業の要望を丁寧に聞き、満足度を上げることを意識しました。また、最初からすべてを業務委託化するのではなく、業務委託に適する業務、適さない業務を切り分け、段階的に進めました。

成果

営業サポート業務が標準化・効率化できたことで、はたらきやすい現場が実現され、A社社員の満足度も向上しました。


【参考】パーソルテンプスタッフ株式会社「事例紹介」

わずか1ヶ月で総務の業務改善とマニュアル作りを実現|自動車メーカーH社

課題

自動車メーカーのH社では、自動車業界の外部環境の変化に対応するため、社内異動が活発に行われていました。しかし、総務部は業務の可視化・標準化・マニュアル化が十分にできておらず、業務の属人化の傾向が強かったことから、ベテラン社員の異動によって生産性が低下していました。また、総務から能動的に会社を動かすべく、『戦略総務』への変革も目指していました。

施策

これらの課題を解決する手段としてBPO導入を検討。以前から要望としてあった総務カウンターを作ることになりました。パーソルテンプスタッフが受託し、以下を並行して進行しました。

    • 業務の引き継ぎ・改善
    • 人員の手配
    • マニュアルの作成

既存業務は今までの手順をそのまま引き継ぐのではなく、「効率的なフローになっているか」を精査した上でシステム化やペーパーレス化などの改良を進めました。

成果

最終的に約1ヶ月と短い期間で総務の26業務の引き継ぎ、改善やマニュアル手配まで行い、総務カウンターを立ち上げることができました。必要に応じてシステム化やペーパーレス化も進め、業務効率の改善へと貢献しています。


【参考】パーソルテンプスタッフ株式会社「事例紹介」

まとめ

本記事では、BPOとは何かといった基礎知識から、BPOとBPRとの違い、そして具体的な事例について解説しました。BPOは業務の企画や設計・施策の実行・分析までを一括して外部委託する形態を指すため、一般的なアウトソーシングとは若干異なった意味合いを持ちます。

「自社で人手が足りないから、外部リソースを活用する」といった自社業務の単純な外注ではなく、経営戦略の一端として、いかにして業務を効率化するかといった業務改善の視点を持つことが重要です。

そのためには、特定の分野に関して豊富な知見やノウハウを持ち、業務フローの見直しや業務課題の分析を得意とするBPO企業に発注することが求められます。過去の業務実績を確認した上で、将来的なBPOのビジョンと照らし合わせながら、適切な委託先を見極めましょう。

パーソルグループでご提供しているBPOサービスについて詳しく知りたい方は「パーソルプロセス&テクノロジーのBPOサービス」もあわせてご確認ください。

【お役立ち資料】BPOの成功事例をまとめたノウハウBOOK

人手不足の影響により、自社業務のBPOを検討する企業が増えています。

・BPOを活用したいが、何から始めればいいか分からない
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これからBPOに関する情報を集めたい方はぜひご一読ください。

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