2021年10月19日
2025年02月05日
深刻な人材不足やビジネス環境の変化により、BPOの需要が高まっています。BPOはアウトソーシングの一種ですが、アウトソーシングとはどのように異なるのでしょうか。また、導入によるメリットがわからないと感じる方もいるでしょう。
BPOの特徴は、業務プロセスを一括して外注することで、自社のリソースを最適に配分し、企業活動を最大化させられる点です。
本記事では、BPOとアウトソーシングの違いから導入のメリット、具体的な活用方法まで解説します。
【以下の動画では、BPOの概要やメリットを「約1分半」でわかりやすく解説しています。記事と合わせてご覧ください。】
【お役立ち資料】BPO導入のポイントと導入事例集
人手不足の影響により、自社業務のBPOを検討する企業が増えています。
・BPOを活用したいが、何から始めればいいか分からない
・BPOを活用するメリットをしっかりと知りたい
このような方に向けて、BPOのメリットや活用方法、さらに「経理」「総務事務」「受付」「営業/営業事務」「受発注」といった業務別の導入事例を1冊にまとめました。
これからBPOに関する情報を集めたい方はぜひご一読ください。
目次
BPO(Business Process Outsourcing/ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業の業務プロセスを一括して外部に委託するアウトソーシングの一種です。個別の業務を切り出して委託するのではなく、企画・設計から運用までトータルに委託する手法を指します。
BPOは人事・総務・経理・受付といったバックオフィス業務に加えて、コールセンターやヘルプデスクといったカスタマー領域でも導入されています。これらの業務を一括して外注することで、売上の柱となる「コア事業」に人員やコストを集中しやすくなり、競争力向上につながります。
アウトソーシングは、特定の単一業務を切り出して、外部に委託することを指します。一方、BPOは、企業の業務プロセスを一括で外部に委託するため、アウトソーシングと比較して対象の業務範囲が広くなります。
【お役立ち資料】アウトソーシングの成功事例と15のチェックポイント
人材不足の解消を図るべく、アウトソーシングを導入する企業が増えています。本資料では、総務・経理・営業など、業務ごとにアウトソーシングの成功事例を紹介しています。導入すべきかお悩みの方は、ぜひご覧ください。
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BPRとは「Business Process Re-engineering/ビジネス・プロセス・リエンジニアリング」の略称であり、業務プロセス全体を根本的に見直し、改善する手法です。一方、BPOは業務プロセス全体を外部に委託することを指します。
BPOは業務の効率化やコスト削減、自社のリソースをコア業務に集中させる、いわゆる「業務改善」を目的としているのに対し、BPRは業務の必要性から抜本的に見直す「業務改革」である点が大きな違いです。BPRはBPOのさらなる上位概念だと言えるでしょう。
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矢野経済研究所の調査によると、2022年度のBPOサービス全体の市場規模は4.7兆円超と右肩上がりで成長しており、今後も引き続き拡大すると予測されています。
BPOの需要が高まっている背景には、深刻な人材不足とビジネス環境の変化があげられます。
少子高齢化が進む日本では、労働力の確保が難しくなっており、多くの企業が人材不足に直面しています。こうした中で、企業は限られた人材をコア業務に集中させることが求められており、BPOを活用し効率化を図る企業が増えています。
また、専門的なスキルを持つ人材を確保することが難しい領域でも、BPOを活用することで外部の知見を取り入れることができ、業務の品質改善に繋がります。
【お役立ち資料】人材不足に備える2つのポイント
日本の市場において人材不足は深刻な課題です。2030年には約600万人以上の人材が不足すると予測される中、企業が今から取り組むべき備えについて解説します。
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現代は、将来の予測が困難なVUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代といわれています。デジタル技術の進展やDX、グローバル化に伴い、ビジネスのスピードと複雑性が増しています。
企業が競争力を強化すべく、こうした急速な変化に対応することが求められていますが、自社のみで対応することは難しいため、BPOを活用し、効率的に外部のスキルやリソースを取り入れる企業が増えています。
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BPOを活用できる領域は幅広く、さまざまな業務において導入されています。
アデコの調査によると、IT・運用保守・Web・データ入力・マニュアル作成・翻訳などを筆頭に、幅広い業務で活用されていることがわかります。
なかでも、定型化しやすく自社の業務を支援するノンコア業務は、委託しやすい傾向にあります。BPOの対象となる業務について、部門別に解説します。
間接部門は、会社の売上に直接的な関わりは持たないものの、会社運営において欠かせない業務を担当する部門です。職種によってはバックオフィスとも呼ばれ、具体的には以下の部門・業務が該当します。
間接部門の業務はBPOに適しています。例えば、経理や人事・労務に関する業務は、決算シーズンや採用シーズンは忙しい反面、閑散期も存在します。繁閑に波があると人員の配置に課題が発生しますが、BPOの導入により柔軟な対応が可能です。
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直接部門とは、会社の売上に直結する業務を担う部門です。顧客との折衝を担当することからフロントオフィスとも呼ばれます。直接部門にあたる業務や部署は以下の通りです。
直接部門におけるBPOは、主にノンコア業務を切り出して外注するケースが多いですが、コア業務も一括して外注するケースもあります。例えば、「顧客リストの管理」「資料作成」「データ入力」などのノンコア業務にBPOを活用すれば、自社の人材はコア業務である営業活動に集中できます。
また、自社で営業部門を設置していない企業の場合、営業戦略の立案から提案活動まで一貫して外注するケースもあります。
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コールセンター部門では、顧客からの受電対応と顧客への架電対応、どちらもBPOの対象です。具体的には以下のような業務が挙げられます。自社にノウハウが少ない、担当部署がない場合は、BPOを検討すると良いでしょう。
特に、インバウンド業務はマニュアルやトークスクリプトを作成することで定型化しやすいため、BPOに向いています。一方、アウトバウンド業務はサービスへの十分な理解や営業スキルが求められるため、委託先が十分なスキルやノウハウがあるかを見極めが必要です。
【お役立ち資料】全52ページ!コールセンター運用完全攻略本
コールセンター部門は人材不足や人材育成の難しさなど、さまざまな課題を抱えているのではないでしょうか。本資料では、コールセンター運用におけるよくある課題と解決策などをまとめています。コールセンターの運用に課題をお持ちの方は、ぜひご活用ください。
IT・システム部門のBPOは「ITO(Information Technology Outsourcing)」とも呼ばれています。BPOの対象としては以下の業務が挙げられます。
IT・システム部門は高い専門性が求められるため、自社で一から立ち上げるのではなく、BPOが適していると言えます。
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企業がBPOを導入し、内製業務を外注することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
経理や総務などのバックオフィス業務は、定型業務を受動的に行うのが従来のあり方でした。しかし、企業の競争力維持の観点において、業務効率化に向けた能動的なアクションが求められるようになりました。BPOを導入することで、定型的なノンコア業務の工数を削減できます。本来注力すべきコア業務に人材や資金、時間を集中的に投入できるため、生産性が高まるでしょう。
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BPOでは委託先の専門的な知見やノウハウを有効活用できるため、業務品質の向上につながります。スタッフのマネジメントや教育も委託先が行うため、自社で業務を遂行するよりも、業務の処理速度や正確性、生産性の向上が期待できます。
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BPOを導入する過程で、委託先が現状の業務フローを整理します。属人化・ブラックボックス化している業務が可視化され、業務のムダの発見にもつながります。
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自社のみで業務を行う場合、社員の離職や休職のたびに教育する必要があり、教育・時間的コストがかかります。また、ビジネス環境が変化するたびに、必要な人材の採用・育成を行うのも効率的ではありません。
BPOを活用し、信頼できる会社に委託すれば、突発的な事態にも柔軟な対応ができ、中長期的に教育コストを削減できます。
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BPOの導入は、コア業務への集中や業務品質の向上など、企業に多くのメリットをもたらします。注意点やデメリットを理解することで、より効果的に活用できるでしょう。
BPOを導入する際には、委託先との要件定義やマニュアル作成など、一連の運用フロー構築のための初期費用がかかります。また、運用にかかるランニングコストも考慮する必要があります。
一方で、BPOの活用によって教育や研修にかかるコストの削減や、業務品質の向上が期待できます。コスト削減を目的とする場合は、初期費用やランニングコスト・改善による効果などを踏まえ、中長期的なコストパフォーマンスをあらかじめ試算しておきましょう。
BPOの導入には委託のための準備コストがかかるため、初期段階での準備が鍵となります。業務を外部委託する際は、事前に業務の流れを整理し、社内外の連携を計画的に行いましょう。この段階で発生するコストと期間を効果的に管理することが、結果的に全体的なコスト削減と効率化につながります。
特に初期投資の回収計画やランニングコストの削減見込みをしっかりと試算し、長期的な視点での成果最大化を目指しましょう。
一般的にBPOを提供する企業は、高いセキュリティの基準を設けています。そのため、情報の取り扱いに関しては細心の注意が払われますが、外部企業が情報を取り扱う以上、情報漏えいのリスクに関しては十分に留意する必要があります。リスク管理の観点から「どんな情報を誰が取り扱うのか」の取り決めを明確にしましょう。
委託先が業務を行うため、どんな作業が行われているのかを正確に把握できず、ブラックボックス化してしまうケースがあります。運用フローの中で、定期的に報告書や業務進捗を共有する機会を作り、改善のためのPDCAサイクルを回すことが大切です。
BPOを行う際、自社と委託先でコミュニケーションギャップが生じることがあります。直接的な対面コミュニケーションの欠如や、委託先が自社の文化やプロセスに精通していないことに起因します。
こうした事態を避けるためには、社内でのコミュニケーションのように密接に連携する体制を整え、細かく情報共有を行うことが不可欠です。
BPO導入に伴い、管理・運用ノウハウを社内に蓄積できていない場合、万が一解約が必要となると、解約後の業務の内製化がネックになるかもしれません。シームレスに内製化ができないと、会社全体の業務にも影響が及ぶ恐れがあります。定期的にノウハウを共有する機会を設け、いざ内製化するとなってもスムーズに移行できる土台を整えておきましょう。
BPOの導入効果を最大化するために、導入までの各ステップで注意すべきポイントを押さえておきましょう。
委託したい業務の範囲や将来的な依頼範囲拡大の可能性などの要件を整理しましょう。BPOをより効果的に活用するためには、導入による部署や会社全体の変化のイメージを想定することが重要です。「業務を効率化したい」「品質を向上させたい」「コア業務に専念したい」「教育にかける時間を削減したい」など、BPOにより何を実現したいのかを依頼前に定義しましょう。
以下の点を整理し、現状の課題を明確化しておきましょう。
課題を明確化し、委託したい業務範囲を選定したら、現状の業務フローを整理しましょう。どの業務にどの程度の工数を要しているのか、誰が担当しているのか、現行のマニュアルや担当者へのヒアリングを通じ、徹底的に可視化します。その過程で、不必要な作業や属人化した業務、マニュアルには記載のない独自ルールが見つかることもあるでしょう。工程ごとに改善の可能性を探りつつ、BPOに適した工程管理や業務フローの再設計を進めましょう。
【お役立ち資料】業務整理ノウハウBOOK(見える化チェックシート付き)
本資料では、業務改善のコンサルタントが現場で得た事例をもとに、具体的な業務洗い出しのステップ、業務改善の進め方・コツを紹介しています。チェックシートもありますので、既存業務の洗い出しや委託する業務の選定時などにご活用ください。
委託先によって、業務範囲や実績、得意とする領域は異なります。委託先次第で大幅に成果が変わるため、委託先を選定する際は、以下の3点を中心に確認し、慎重に判断しましょう。
自社が委託したい業務と同程度の規模感や業務内容、期間、フェーズでの実績があるかを確認し、費用よりも優先して判断しましょう。加えて、以下の点についても確認が大切です。
初期に関しては部分的にBPOを導入し、徐々に委託業務の範囲を拡大する方法が多く採用されます。この際、委託先の企業規模によっては拡大する業務に対応ができないケースがあります。将来的なBPO活用のビジョンと照らし合わせて、対応範囲を確認しましょう。
経理や人事などの業務にBPOを導入する際には、社員情報や顧客情報・会計情報といった機密性の高い情報を委託先が取り扱うケースがあります。セキュリティに関するルールを確認するとともに、事業者の個人情報の取り扱いが適切であることを示す「プライバシーマーク」や、国際的に設定されたセキュリティ基準をクリアしていることを示す「ISMS認証」を取得しているかをチェックしましょう。
BPOを導入した業務に不測の事態が発生し、緊急の対応や連絡調整が必要になる場合もあります。コミュニケーションにかかる工数が多かったり、対応までのスピードが遅かったりすると、コア業務に支障が生じるほか、問題が大きくなるかもしれません。委託先選定の段階から、スムーズに対応してくれるかどうかを1つの視点として持っておきましょう。
BPOの運用形態は、オンサイト型かオフサイト型に分けられます。オンサイト型では外注先のスタッフが自社内で業務を行い、オフサイト型では自社外で業務を行います。オンサイト型は緊密な連携が取りやすい反面、オフサイト型では自然災害や大火災時のリスクを分散させるBCP対策を実現できます。また、オフサイト型の中でもオフショアBPO(委託先が海外企業)は、人件費やインフラ費用を大きく抑えることが可能です。自社の課題に応じて選択しましょう。
【お役立ち資料】知っておきたい外注先選択のポイント
本資料では、はじめて業務をアウトソーシングする方に向けて、運用の全体像やメリットをケーススタディを交えてわかりやすくまとめています。委託先選びに悩む方はぜひご覧ください。
【関連記事】失敗しないアウトソーシング先企業の選び方|手順と選定ポイント
BPOは「委任契約」もしくは「準委任契約」にあたるため、事前に定めた業務範囲外の仕事は行いません。委託先に丸投げしてしまうと、トラブルに発展しやすくなります。BPOの導入で失敗しないためにも、自社でしっかりと事前の要件定義を行い、委託先と擦り合わせましょう。導入の目的に応じてKPIを設定し、導入後は自社にて定期的に効果をモニタリングすることが大切です。
例えば、コスト削減が目的の場合は人件費も含めたコストを、コア事業への注力が目的の場合は、担当者がコア事業に割けている時間をBPO導入前後で比較・計測します。導入が成功であったか、失敗であったかの定量的な判断が不可欠です。
ただし、BPOの導入当初は、委託先と業務内容のすり合わせや事業理解など、コミュニケーションコストが発生します。そのため、短期間で評価するのではなく、中長期的に判断することが大切です。
BPOは、自社での運用と異なる視点から気づきを得られることもあります。顧客の応対業務を委託した場合を例として挙げましょう。委託先は、依頼業務と並行して応対時の顧客の傾向をベースに対応マニュアルを作成したり、問い合わせの多い内容から最新の顧客ニーズに沿ったFAQを整えたりといった効率化を図ります。
自社内で日々の業務をこなしつつ効率化を図ることは多くの手間を要しますが、BPOでは業務を分担しつつナレッジを蓄積できます。委託先との間でこまめな連絡共有をしつつ、ナレッジを共有してもらうことで、全社的に業務改善を図りましょう。
BPOで外部企業に業務を委託する際には、準委任契約と請負契約のどちらかを採用するのが一般的です。責任の範囲はそれぞれ異なるので、契約前によく確認しましょう。
委任契約は、法律行為を委任する際に用いられますが、BPOの契約形態として用いられるケースはそこまで多くはありません。
(委任)
第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。【出典】e-GOV 法令検索「民法」
準委任契約は、法律行為ではない事実行為を委任する際に用いられます。
(準委任)
第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。【出典】e-GOV 法令検索「民法」
例えば「事務処理を行う」「データ入力を行う」「調査レポートを作成する」などが該当します。
「業務の処理」を目的として契約が結ばれるため、その業務が完遂されたかどうかが重要視され、成果を得られるかどうかは問われません。受託者が決められた作業を実行したかどうかに責任が発生し、作業期間が終わると契約も終了します。
請負契約は受託者が「業務の達成」を約束し、その対価として発注者が報酬を支払う契約です。
(請負)
第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。【出典】e-GOV 法令検索「民法」
委任契約や準委任契約との違いは、受託した業務の達成によって生まれる成果物の納品義務が発生する点です。BPOを利用する際は、業務の「遂行」と「達成」、どちらを目的とするのかによって契約形態が異なることに注意しましょう。
BPOを導入することで、企業にはどんな利点や成果があるのでしょうか。業務の品質向上や効率化を実現した事例を2件紹介します。
医療機器メーカーA社は、複数の事業部に営業サポート部隊を置いていましたが、事業部ごとにスタッフの人数が違うこともあり、事業部によって営業へのサポート対応にばらつきがあることが課題でした。また、労働者派遣法の改正で派遣スタッフが同じ部署で3年を超えてはたらけなくなったことも課題でした。
そこで、経験豊富なスタッフの継続性と、業務の統合・標準化による均一な営業サポート体制を構築するため、BPOの導入検討を開始。立ち上げ時はサポートの内容が低下しないよう、営業の要望を丁寧に聞き、満足度を上げることを意識しました。また、最初からすべてを業務委託化するのではなく、業務委託に適する業務、適さない業務を切り分け、段階的に進めました。
営業サポート業務が標準化・効率化できたことで、はたらきやすい現場が実現され、A社社員の満足度も向上しました。
自動車メーカーのH社では、自動車業界の外部環境の変化に対応するため、社内異動が活発に行われていました。しかし、総務部は業務の可視化・標準化・マニュアル化が十分にできておらず、業務の属人化の傾向が強かったことから、ベテラン社員の異動によって生産性が低下していました。また、総務から能動的に会社を動かすべく、『戦略総務』への変革も目指していました。
これらの課題を解決する手段としてBPO導入を検討。以前から要望としてあった総務カウンターを作りました。パーソルが受託し、以下を並行して進行しました。
既存業務は今までの手順をそのまま引き継ぐのではなく、「効率的なフローになっているか」を精査した上でシステム化やペーパーレス化などの改良を実施。約1ヶ月と短い期間で総務の26業務の引き継ぎ、改善やマニュアル手配まで行い、総務カウンターの立ち上げに成功しました。必要に応じてシステム化やペーパーレス化も進め、業務効率の改善へと貢献しています。
BPOは業務の企画や設計・施策の実行・分析までを一括して外部委託する形態を指すため、一般的なアウトソーシングとは異なる面もあります。「自社で人手が足りないから、外部リソースを活用する」といった自社業務の単純な外注ではなく、経営戦略の一端として、いかにして業務を効率化できるかという業務改善の視点を持つことが重要です。
BPOを成功へ導くためには、特定の分野に関して豊富な知見やノウハウを持ち、業務フローの見直しや業務課題の分析を得意とするBPO企業に発注することが求められます。過去の業務実績を確認した上で、将来的なBPOのビジョンと照らし合わせながら、適切な委託先を見極めましょう。
【お役立ち資料】BPO導入のポイントと導入事例集
人手不足の影響により、自社業務のBPOを検討する企業が増えています。
・BPOを活用したいが、何から始めればいいか分からない
・BPOを活用するメリットをしっかりと知りたい
このような方に向けて、BPOのメリットや活用方法、さらに「経理」「総務事務」「受付」「営業/営業事務」「受発注」といった業務別の導入事例を1冊にまとめました。
これからBPOに関する情報を集めたい方はぜひご一読ください。