2021年04月21日
2024年08月02日
RPA(ロボティックプロセスオートメーション)は請求書や注文書の伝票の作成や各種伝票の入力作業などオフィスの定型業務をソフトウェアで自動的に行うツールです。業務効率化、人材不足解消、労働時間・人件費削減などさまざまなメリットがあります。
本記事では、RPAの基礎から活用方法までを導入事例を含めながら解説していきます。
【お役立ち資料】RPAの導入準備に欠かせない4つのポイントとは?
RPAを導入してみたがうまくいかないといった課題を多く耳にしますが、導入後の成否を分けるポイントはいったい何なのでしょうか?
パーソルグループでは、RPA導入支援のプロフェッショナルが、導入前の準備に欠かせない4つのポイントを解説し、資料にまとめました。
RPAの導入を検討している皆さまはぜひご覧ください。
目次
RPAとは「Robotics Process Automation」の略語で、「ロボットによる業務自動化」を意味します。RPAは「ロボットによる業務自動化」そのもの、または、それを実行するためのソフトウェア、その両方を指す場合もあります。
RPAでは、定型業務や一部非定型業務の自動化が可能です。定型業務とは、進め方やフローが決まっているものを指します。一方、非定型業務は進め方が決まっておらず、その都度異なる方法や対応が求められる業務のことです。
定型業務の具体例としては以下が挙げられます。
また、一部非定型業務の自動化ができるものもあります。昨今では、音声や画像、動画など構造データとして表せないものもAIと組み合わせることで取り扱いが可能となりました。具体的には、手書きや印刷された文字を読み取りデジタルの文字コードに変換するOCRでも、AIが活用されています。これまでのOCRでは手書きの文字などを誤認するケースがありましたが、AIを活用することで学習し読み取り精度を上げることができます。
RPAはAIと連携し、これまで人間だけが対応可能とされていた業務を代行するツールになりつつあります。総務省の「情報通信白書」によると、2025年までに事務的業務の3分の1がRPAに置き換わる可能性があるともされています。
RPAを利用した業務にはクラス1からクラス3までの3段階があります。
1.RPA(Robotic Process Automation)
2.EPA(Enhanced Process Automation)
3.CA(Cognitive Automation)
クラスが上がるほど複雑な業務に対応できます。
クラス3のCAともなると、AIのような自律的な判断力を備えた、業務プロセスの分析や改善、意思決定までを自動化することも可能です。しかし、クラス3の実現にはまだ時間がかかるといわれています。
現段階でRPAといえば、日本の企業や団体が導入しているクラス1のRPAを指すのが一般的です。
クラス | 主な業務範囲 | 具体的な作業範囲や利用技術 |
---|---|---|
クラス1:RPA (Robotic Process Automation) |
定型業務の自動化 | ・情報取得や入力作業、検証作業などの定型的な作業 |
クラス2:EPA (Enhanced Process Automation) |
一部非定型業務の自動化 | ・RPAとAIの技術を用いることにより非定型作業の自動化 ・自然言語解析、画像解析、音声解析、マシーンラーニングの技術の搭載 ・非構造化データの読み取りや、知識ベースの活用も可能 |
クラス3:CA (Cognitive Automation) |
高度な自律化 | ・プロセスの分析や改善、意思決定までを自ら自動化 ・ディープラーニングや自然言語処理 |
RPA以外にも、業務を効率化する技術があります。RPAとAIやExcelなどの他の技術の違いについても確認していきましょう。
AIとは、「Artificial Intelligence」の略で、一般的に人工知能のことを指します。AIの定義は定まっていませんが、総務省によると「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムをつくる科学と技術」とされます。
RPAは、一般的に業務を自動化するシステムそのものを指します。しかしRPAは、人間に決められた手順で作業を繰り返すことしかできません。
一方、AIはRPAなどのシステム内に組み込まれ、データに基づき自らが学習して最適な判断ルールを構築していきます。自律的に物事を判断してより良い作業方法を提案したり、他のツールに指示したりすることが可能です。
RPAは人間のルールどおりの手作業を代替する「手足」、AIは人間の「頭脳」を代替するツールといえます。このことから、RPAは「デジタルレイバー(Digital Labor)=仮想知的労働者」とも呼ばれています。
RPAとExcelのマクロ機能はどちらも業務の効率化ができるツールですが、適用可能範囲は異なります。
Excelのマクロ機能は、Excel内の作業を自動化します。Excelでは、繰り返し行うデータ入力や計算を自動化することで、作業効率を高めることが可能です。ただし、Excel外の操作には対応できません。
一方で、RPAは複数のアプリケーション間の作業を自動化できます。例えば、メールから情報抽出しそれをExcelに入力するといった一連の作業を自動化可能です。
複数のアプリケーション間で作業を自動化できるRPAに対して、ExcelはExcel内の適用範囲になってしまうことを覚えておきましょう。
RPAの導入が先行したのは銀行・保険・証券など金融業界です。
その背景には、煩雑で定型的な事務業務が多いという金融業界の特性があるといわれています。RPAが金融業界で高い効果を発揮したことから、製造業やサービス業、行政機関など多様な業種でRPAの導入が進みつつあります。
市場調査会社のMM総研の「RPA国内利用動向調査2022」によると、2022年9月時点での国内企業におけるRPAの導入率は年商50億円以上で45%、年商50億円未満で12%でした。
年商50億円以上の企業においてはRPAによる自動化や自動化範囲の拡大が年々進む一方で、年商50億円未満の企業ではあまり導入が進んでいないのが現状です。国内では大手企業が先行する形でRPA導入が進んでいることがうかがえます。
RPA導入が進む背景には次のことが考えられます。
・少子高齢化の進展による労働力不足
・ 働き方改革の進展
・ 国際競争力の低迷
それぞれについて詳しくみていきましょう。
日本の生産年齢人口は、少子高齢化の進行によって1995年をピークに減少の一途です。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、生産年齢人口は2030年には6,875万人、2060年には4,793万人にまで減少するとされ、労働力不足が大きな社会問題となっています。厚生労働省の「労働経済動向調査」によると、2011年8月の調査から連続してすべての産業で人材不足となっていることが明らかになっています。
このような背景のなか、労働力不足を補い、生産力を高める手段として注目されているのが、RPAです。
政府が主導する形で始まった「働き方改革」の動きは、広く企業に浸透しつつあります。
その中で、人材不足を補いながら生産効率を上げるためのさまざまな施策が講じられてきています。テレワークの推進をはじめとするワークスタイルの多様化や、ICTの高度活用による業務効率改善などがその例です。
今後も業務自動化による生産性向上の必要性が今以上に高まるといわれます。RPAは、業務自動化による生産性向上を実現する仕組みとして期待されています。
【関連記事】生産性向上とは?具体的な6つの施策や業務効率化との違いを解説
日本の国際競争力の低下が顕著です。スイスにあるIMD(International Institute for Management Development=国際経営開発研究所)が2020年6月に公表した「世界競争力年鑑(World Competitiveness Yearbook)」の2020年版によると、日本の順位は過去最低の34位となりました。
同調査の中で、国際競争力低下の要因として浮かび上がったのが「ビジネスの効率性」です。この領域に限って見ると日本は55位と、調査対象63の国・地域の中で下位に沈んでいることが分かります。
日本の国際競争力の推移
日本の生産労働人口が減少するなか、労働力を維持しながら国際競争力を強化するためには、労働力の有効活用や生産性を向上させるための方策が求められています。こうした背景からも、RPAはより少ない人数でビジネスの効率性を高めるための手段として注目されています。
RPAは、これまで人だけが対応可能とされていた業務を代行するツールになりつつありますが、得意な業務と苦手な業務があります。RPAの得手、不得手を知ることが、RPA導入を成功に導く一歩です。
RPAが効果を発揮するとされているのは、ルールやプロセスが固定された定型的かつ繰り返しの作業です。RPAが適用可能な業務としては、以下が挙げられます。
・キーボードやマウスなど、パソコン画面操作の自動化
・ディスプレイ画面の文字、図形、色の判別
・別システムのアプリケーション間のデータの受け渡し
・社内システムと業務アプリケーションのデータ連携
・業種、職種などに合わせた柔軟なカスタマイズ
・条件分岐設定やAIなどによる適切なエラー処理と自動応答
・IDやパスワードなどの自動入力
・アプリケーションの起動や終了
・スケジュールの設定と自動実行
・蓄積されたデータの整理や分析
・プログラミングによらない業務手順の設定
RPAは、基本的には設定されたプロセスを、そのとおりに繰り返し実行することしかできません。そのため、判断を伴ったり、手順が変わったりするような業務には適していません。
RPAに適さないとされる業務には、以下があります。
・ルール化されていない非定形業務
ルールや作業手順が定まっておらず、人間の判断が必要となる非定型業務は、RPAによる自動化は難しいとされています。
具体的には、顧客からのクレーム対応業務や問い合わせ対応業務も非定型業務です。クレームの内容や問い合わせの内容はさまざまで、その場で臨機応変に対応する必要があります。定型的な業務ではないため、マニュアル化が難しく、RPAでの代替も難しいのが特徴です。
・問題解決を目的とした業務
問題解決を目的とした業務には、人間による判断や思考が必要となります。問題解決のためのアプローチ法を見つけ出すといった応用的な判断を必要とする処理も、現段階でのRPAには難しいとされています。
例えば、現在行っている業務を効率化したい場合には現状の業務内容の把握が必要です。現状を把握したうえで、課題や問題点を洗い出し、改善策を考えます。改善策を考えるときには、人間による思考や判断が必要となりRPAに任せるのは難しいのです。
・急な仕様変更が生じる業務
仕様変更が発生した場合、RPAに組み込んであるルールを決め直す必要があります。これによって作業工数が増える可能性があり、業務の自動化によるコストや負担の削減という本来の目的から遠ざかってしまいます。
仕様変更はさまざまな原因で発生します。例えば、業種によっては法規制が改正されたことで変更になったり、性能の向上や利便性の改善があったりして自社の製品の部品や部位を変更しなければいけない場合があります。
こうした仕様変更がRPAに組み込まれているルールに影響する場合には、RPAの仕様変更も行わなければいけません。急に仕様変更が生じる業務の場合、RPAの仕様変更も頻繁に行うことになり、コストや負担削減ができなくなる可能性もあります。
RPA導入のメリットは企業側だけでなく従業員にもあります。
RPAはデジタルレイバー(Digital Labor=仮想知的労働者)とも呼ばれ、人が行ってきた業務を代替してくれます。しかもRPAは、24時間365日稼働が可能で業務も正確なため、定型かつ繰り返しの業務では、人よりも高いパフォーマンスを発揮します。
活用シーン | 具体例 |
---|---|
請求書処理 | 請求書の処理業務をRPAツールの導入で工数削減。ミス防止にもつなげられる。 |
仕訳入力 | 四半期ごとの仕訳入力作業をRPAツールの導入で工数削減。繁忙期の残業時間削減にも貢献できる。 |
人が行っていた業務をRPAに代替させることで、人件費を削減することができます。一般的にRPA導入による自動化で発生するコストは人件費より安く、自動化を進めるほど人件費の削減効果は大きくなります。
活用シーン | 具体例 |
---|---|
事務作業 | 毎日のデータ入力や報告書作成などの事務業務の代替。RPAで自動化することで必要な人員を削減し、人件費を削減・コスト効率を向上できる。 |
カスタマーサービス | 顧客からの問い合わせを自動化。24時間365日対応可能なバーチャルアシスタントが基本的な問い合わせに対応。 カスタマーサポートスタッフの数を削減し、人件費の削減を行える。 |
RPAを導入すれば業務時間を大幅に短縮することができます。
京都府が行政事務へRPA導入を行ったところ、自動化した作業は52時間から11時間で78%削減、また別の作業については14時間から1時間で91%削減と、業務時間の短縮効果が表れました。さらに、1,200回の単純作業の自動化が図られたそうです。
活用シーン | 具体例 |
---|---|
行政事務 | 老人医療補助金の実績確認や、決算統計様式確認/健全化法様式確認の業務を自動化。また、統計データのオープンデータ化とオープンデータポータルサイトへの登録作業も自動化。 |
RPAを導入し業務効率が向上すれば、従業員は人にしかできない付加価値の高い業務へ集中することが可能になります。例えば、企画や業務改革プランの作成といった創造的な業務です。業務時間に余剰が生まれれば、スキルアップ・学習などによる従業員の付加価値の向上にも貢献するでしょう。
RPAは決められたルールに従って作業を実行するため、人為的なミスを減らすことができます。人の手による業務は、一般的に工数に比例してミスが発生しやすいといわれます。人為的なミスを減らすことができれば、業務品質の向上が期待できます。
RPAは24時間365日稼働できます。また人間と違い、疲労やストレスを感じることもありません。RPAによる業務が増えるほど、残業を減らすことも可能となります。膨大で単純な作業・繰り返し作業から解放されれば、ストレスも減るでしょう。
RPAの導入はメリットがある一方、デメリットも指摘されています。
担当者の異動・退職の際、しっかりと情報共有、引き継ぎを行わないと、RPAによって自動化した業務は何かが後任者によって理解されず、業務がブラックボックス化する懸念があります。
業務がブラックボックス化すると、業務手順の変更やシステム更新時に適切な対応が困難になります。RPAは「導入すれば終わり」ではないことを認識しておく必要があるでしょう。
RPAはシステムの一つであるともいえます。そのため、システム障害やバグが発生すれば業務が停止する可能性があります。例えば、サーバの能力を超えるような動作を実行するとサーバがダウンし、作業データを失う事態になりかねません。
現場とIT部門がしっかり連携していないと、RPAがうまく動作しなかったり、時には動作停止したりする可能性も指摘されています。
RPAのロボットの使用権限やアクセス権限が不正に使用されると、情報が流出したり、データが改ざんされたりする可能性があります。外部からの脅威も指摘されています。
RPAをインストールしたサーバが社外のネットワークにつながっていると、スパイウェアやウイルスが侵入してくる可能性があります。情報セキュリティ対策には、万全を期す必要がありそうです。
RPAは人が行ってきた従来の業務の一部を代替してくれます。しかもRPAは、24時間365日稼働が可能なので、定型的な業務においては人よりも高いパフォーマンスを発揮します。「AIは人の仕事を奪う」といったAI脅威論がありますが、同じようなことがRPA導入の際にも起きる可能性があります。
慣れた業務が変更される不安や疑念、抵抗が、現場では起こりうるものとして認識しておきましょう。
RPAの活用事例を2社ご紹介しますので、自社で取り組む際のご参考にしてください。
パーソルグループでは、働き方改革を促進するべく、2017年5月、グループ社内にRPA推進室を新設。業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation ロボティックプロセスオートメーション)の導入検討および導入を推進し、約1年で年間約17.5万時間の業務自動化を実現しました。
その後、さらなる推進を行い、2019年5月現在、グループ内でのRPA運用は年間約300案件となり、約30万時間の業務を自動化しています。これに伴い、グループ内でRPA人材の育成も進んでおり、パーソルテンプスタッフ株式会社では社員6名がRPA開発専任者としてキャリアチェンジやキャリアアップを実現しています。また、自部署にてRPAを導入している社員約50名についても、RPAに関する講座を受講しRPA業務に携わっています。
【RPAによる自動化対象業務例】
ニチレイロジグループ本社では2016年からRPAを導入し2021年10月時点では年間で約30万時間の業務自動化・業務改善を達成しました。
RPA事務局を本社に設置して、全体のRPAを統括し幅広くRPA推進の取り組みを実施しています。役割は操作研修や問い合わせ対応、自習会の開催などの人材育成からRPA関連のイベント企画やTeams運用など多岐にわたります。 RPA推進で生み出された時間を付加価値創出時間と位置づけ、推進しています。
今まで事務処理を行う従業員の多くの主な業務は入力業務だったが、RPAの業務効率化によって時間や心に余裕を生み出しリソースシフトを実現しました。
以下のような付加価値を生み出す時間を創出することができています。
RPA導入をスムーズに行い、業務効率化を実現するために準備すべきこと、留意したいポイントをまとめました。
RPA導入にあたっては、どのような段階を踏んでRPA導入を推進していくかイメージすることがポイントです。その際、「どのような業務を」「何の目的で」自動化していくかを明確にすることが欠かせません。
これを怠ると、ロボットの設計・設定などで手戻りが発生し、負担が大きくなる可能性があります。
RPAは人が行う業務の処理手順を設定すれば、さまざまなアプリケーションを横断して作業を処理します。そこで必要となるのが、ロボットに入力するデータフォーマットの統一です。
もし入力するデータのフォーマットが統一されていないと、システム間の情報が一致しないため、RPAの開発工数が膨らむ可能性があります。
RPAの自動化による業務のブラックボックス化を防ぐ対策です。導入当初の担当者から次の担当者への引き継ぎを確実に行うために、RPA化された業務フローやRPAの運用方法などをマニュアル化しておきましょう。作成したマニュアルは、内容に変更があった際にはすぐに更新し、常に最新の状態にしておくことも大切です。
より大きなRPA導入効果を生み出すためには、BPR(Business Process Re-engineering:業務改革)への展開が不可欠とされます。
一部の業務の効率化だけではなく、全社的な業務プロセスの改革を見据えることが、持続的な企業の成長のためには望まれます。BPRには業務の可視化が不可欠で、導入準備において作業工程の可視化を行うRPAは、BPRの展開と表裏一体の関係にあるといっても過言ではありません。部分的な業務工数の削減やコスト削減だけでなく、RPAを全社的に展開するには、BPRとの連携が望まれます。
【関連記事】BPRとは?進める際のステップやポイント、成功事例を解説
RPAの導入にあたっては、まず導入しやすい部門や業務を選定し、効果を見極めたのちに展開するプロセスを経るのが望ましいとされます。いわゆる「スモールスタート」によるRPA導入です。
効果の見極めにあたっては
・どの業務がRPAで自動化しやすかったか
・自動化できるという想定は正しかったか
・自社内でロボットを作成できるか
といった点を評価します。
もしも想定した効果が得られない場合は、対象とする業務範囲やロボットが行う業務の手順などを見直します。その後、再度テスト導入と検証を繰り返すといったPDCAサイクルを回しながら、導入部門を拡大していきます。
RPAの導入にあたっては、現場とIT部門との連携が欠かせません。しかしながら、IT部門が社内にあるとは限りません。外部のITベンダーが関わる場合も想定されます。ロボットの稼働が始まると、RPAのメンテナンスの比重は現場に偏りがちになります。そこでポイントとなるのが、社内のRPA人材の育成強化です。
IT部門だけでなく現場を巻き込み、社内人材育成を行うことで継続的な運用が可能になるでしょう。
野良ロボットとは、管理者不在のRPAロボットを指します。
野良ロボットが生まれる要因はいくつか指摘されています。テスト導入で作成されたロボットが役目を終えたまま放置されたり、ロボットの開発・運用ルールが不明確であったりしたために、行き場を失ったロボットが増殖することなどがあげられます。
野良ロボットが処理する作業の把握は難しく、何らかの原因で停止するまで処理を続ける可能性もあります。結果、システムへの負荷や情報漏洩リスクが高まるといわれています。野良ロボット対策はRPAの安定運用に欠かせないといえるでしょう。
ロボットの使用権限を明確にし、ID・パスワードの管理を厳重に行います。その目的は、どのロボットがどの部門や業務で使用されているかを管理するためです。そうすれば、営業部門が扱うRPAが経理部門の帳簿へアクセスするといった事態を防ぐことができます。 ロボットの権限管理は、情報漏洩対策としても有効です。
必ずしもプログラミングの知識が必要なく、比較的安価かつ簡単にオフィス業務を自動化してくれるRPA(ロボティックプロセスオートメーション)。
導入メリットとして、業務効率化による労働時間・人件費の削減、人為的ミスの低減、ひいては人材不足の解消も見込めます。しかし、野良ロボットと呼ばれる管理者不在のロボット(プログラム)や、セキュリティ上の不安については前もって対策が必要です。
より大きな導入効果を得るにはBPR(業務改革)を前提にするという指摘もあります。さまざまな影響に配慮してまずはスモールスタートから始め、最終的な成功に導きましょう。
【お役立ち資料】RPAの導入準備に欠かせない4つのポイントとは?
RPAを導入してみたがうまくいかないといった課題を多く耳にしますが、導入後の成否を分けるポイントはいったい何なのでしょうか?
パーソルグループでは、RPA導入支援のプロフェッショナルが、導入前の準備に欠かせない4つのポイントを解説し、資料にまとめました。
RPAの導入を検討している皆さまはぜひご覧ください。