2021年01月27日
2024年05月14日
超高齢社会を迎えることによる「2025年問題」は、雇用や医療、福祉といったさまざまな分野へ多大な影響を及ぼすことが予想されています。現時点で安定している企業も、備えがなければ、2025年問題の影響を受けて競争力を失いかねません。
一方で、次のような疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
自分たちへの影響がない、あるいは低ければ、対策に多くのリソースを割く必要はないでしょう。しかし、2025年問題はどの業界にも影響を与えるとされています。
そして2025年を目前に控えた今、対策を行わなければ、将来的に企業の競争力が低下する可能性が高くなるでしょう。なぜなら、2025年問題は過渡期的な現象で、ピークはさらにその先にあるからです。
そこで本記事では、2025年問題の基礎知識をはじめ、国が行っている対策や、企業が備えておくべきことまで幅広く取り上げます。2025年問題は社会全体の問題なので、広い視野を持っておくことが大切です。ぜひ「社会の変化の中で、自社や社員らはどのように立ち向かうべきか」という視点で読み進めてください。
【お役立ち資料】2030年問題に備えて対処すべき2つのポイント
2025年問題に続き、「2030年問題」によって多くの企業が人材不足に陥ることが予測されているため、事前に対策を進めておくことは企業活動において重要です。
・2030年問題に今から備えておきたい
・人材不足を解消するノウハウを知りたい
そのような方に向けて、「【2030年問題に備える2つのポイント】労働力不足に効果的な人材マネジメント・組織づくり」を公開しています。
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目次
2025年、いわゆる「団塊の世代」800万人全員が75歳以上、つまり後期高齢者となります。2025年問題とは、超高齢社会が訪れることで生じるさまざまな影響を指します。
団塊の世代は、第1次ベビーブームの時期に生まれ、さまざまな分野で日本の成長を牽引してきました。この世代が75歳以上を迎えることで、総人口1億2257万人のうち、後期高齢者の人口が2,180万人に達します。
また、厚生労働省のレポートでは、2025年の社会像を以下のように描いています。
2025年の崖とは、2018年に経済産業省が「DXレポート」内で提示したキーワードです。DXを推進できず国際競争力を失う問題を指しており、2025年以降に大きな経済損失が発生すると予測されることから、警鐘を鳴らす意味を込めて「2025年の崖」と呼びました。
2025年の崖では、主に次の2点が問題として取り上げられています。
これらの問題が解決できなければ、DXが推進できないだけではなく、2025年以降、年間で現在の約3倍である最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるとされています。これが「2025年の崖」と呼ばれ、近年注目されているのです。
「2025年の崖」については、以下の記事で経済産業省のレポートの解説や、解決策を提示しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】2025年の崖とは?定義や問題点・必要な対策をわかりやすく解説
2040年問題とは、2025年問題と同様に、超高齢化社会が進行することによって生じる社会問題の総称です。しかし、問題の深刻さに違いがあります。
2025年には団塊世代が後期高齢者を迎えますが、2040年にはさらに団塊ジュニア世代が高齢者になります。これにより、日本の高齢者人口が全体の約35%を占めると予測されています。つまり、2025年問題が世代人口変化の過渡期であるとすれば、2040年にはその変化がついにピークを迎えるのです。
日本はさまざまな社会問題が深刻化する2040年に備えて、まずは間近に迫っている2025年問題への対応が求められています。企業も2025年問題だけでなく、さらにその先の未来を見据えた戦略を立てることが大切です。
【お役立ち資料】人材不足に備える人材マネジメントと組織づくり
2030年には、600万人以上もの人材が不足すると予測されています。業務縮小や人材獲得の難化を避けるためには、将来を見据えた対策を行う必要があります。本資料では、労働力不足への対策として企業が今から取り組むべきポイントを紹介しています。
2025年問題の社会的影響は以下の通りです。
マクロ的には、2025年問題は経済の縮小は税収を減らし、かつ社会保障費の負担が大きくなるという、二重の圧力によって国の財政に大きな負担をかけていきます。
社会保障費とは、年金・医療保険・介護保険・生活保護などの社会保障制度に基づいて、国が支出した費用のことです。このうち、老齢年金や介護保険などの高齢者向けの社会保障費の支出の占める割合が非常に多くなっています。
国立社会保障・人口問題研究所が公表している高齢者関係給付費の推移によると、2021年の高齢者向けの社会保障費は、全体の60.1%です※1。
2025年には後期高齢者が増加し、高齢者に支払われる社会保障費は、さらに増加する見込みです。一方で、社会保障制度を支える現役世代は減少します。つまり、増加の一途を辿る社会保障費を、減少を続ける現役世代で支える構図になるのです。
そのため2025年問題では、現役世代の負担を軽減する対策が大きな課題となります。
後期高齢者が増えれば、介護・医療サービスを必要とする人も増えます。これに対応して、サービスの担い手である介護・医療人材を確保しなければなりません。しかし、必要とされる数の人材を確保できていないのが実状です。
厚生労働省によると、必要とされる介護職員数は、2023年には233万人、2025年には243万人となっています※2。ところが、2019年(約211万人)から2021年(約215万人)の2年間で約4万人しか増えておらず、人材確保が間に合っていません※3。
現状のペースでは、2025年には約20万人が不足する見込みです。このままでは介護体制が維持できなくなるため、早急な対策が求められます。
2025年までに中小企業・小規模事業者の経営者約245万人が、平均引退年齢である70歳を超えます。しかし、約127万人の後継者がまだ決まっていません。
一般的に中小企業・小規模事業者では、企業運営の多くを経営者自身の経営能力や意欲に依存しており、後継者未定の半数に黒字廃業の可能性があります。その結果2025年までの累計で約650万人の雇用と、約22兆円のGDPが失われる可能性があるとも言われています※4。
中小企業・小規模事業者が持つ技術やノウハウなどの貴重な経営資源を守るためにも、後継者の養成や資産・負債の引継ぎなどが喫緊の課題となっています。また、中小企業庁では、今後は第三者承継(事業承継型M&A)のニーズが一気に増大する可能性があるとしています。
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ビジネスケアラーとは、仕事と家族などの介護を両立する就労者のことです。2025年以降、超高齢化が本格化するのに伴い、ビジネスケアラーも急増する可能性があります。
ビジネスケアラーのこれまでの推移を見ると、2012年(約291万人)から2022年(約364万人)の10年間で約70万人増えており、1年あたり7万人程度増加している計算です※5。
2017年までは年10万人程度の増加で、これと比べるとペースは鈍化していますが、この先高齢化が加速するため、大きな社会問題として顕在化するでしょう。実際、ビジネスケアラーの離職や労働生産性の低下による経済的損失は、すでに約9兆円に及ぶとされています※6。
以上のような状況の中、企業にもビジネスケアラーへの対策が求められています。ビジネスケアラーへの対応を含め、企業が行うべき取り組みについては後述します。
2025年問題がもたらす企業への深刻な影響は、大きく分けると「事業承継問題」と「人材不足」の二つです。
パーソル総合研究所の調査によると2025年に505万人、2030年には644万人の人材が不足すると予想されています。2030年の予測値になりますが、業種別に最も不足するのは「サービス」、次いで「医療・福祉」となっています。
人材不足はすでに進行中で、2019年(1-12月)の人材不足による倒産は426件にものぼっています。過去最多だった前年より、さらに10%増えた数値です。最も多い理由が、代表者や幹部役員の死亡・病気入院・引退などによる「後継者難」で、その数は270件。事業承継の問題とも密接にリンクしています。
また、人材を確保できなかった「求人難」は78件(前年比32.2%増)、中核社員の独立・転職などが退職した「従業員退職」が44件(同83.3%増)。今後は、こうした人材不足による倒産が、ますます増えると危惧されます。
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先に解説した通り、既存システムの複雑化などによってDXが妨げられ、2025年以降、最大12兆円の経済的損失が発生する可能性があり、これを経済産業省は「2025年の崖」と呼びました。では、個々の企業には具体的にどのような影響があるのでしょうか。
DXレポートから読み取れる、旧来のシステムを維持することによる企業への影響は以下の通りです。
DXレポートでは、多くの旧来システムの技術的サポートが、2025年を境に終了されると予想されています。これをきっかけとして、上記のような問題が顕在化します。
2025年問題は、業界を問わず企業に大きな影響を与えます。自社の属する業界以外の動向も把握しておくことで、リスクを多角的に予測できるようになるので、他業界についても読み進めていくと良いでしょう。
IT・情報サービス業界は、「2025年の崖」の問題が顕著に現れます。既存システムが複雑化・老朽化したままでは、2025年以降、競争力を維持するのが難しくなるでしょう。
2025年に直面する課題への対処として、既存システムの維持および新システム構築のためのIT人材の確保が急務です。しかし、この分野では最先端の技術に精通した人材が不足しています。
経済産業省の参考資料によると、IT関連産業への入職者は2019年をピークに減少し、2030年には最大約79万人もの人材が不足すると予測されています。さらにIT人材の平均年齢も高齢化が予測されており、ITニーズの増加に伴う需給ギャップの拡大も大きな懸念材料です。
現状では、社会的なレベルでこのニーズを満たすことが困難であるため、各企業の採用力が鍵となります。そのため、今から働きやすい環境を整えて、企業の魅力をアピールしていくことが大切です。
高齢者の増加は、保険業界にダイレクトに影響を与えるでしょう。高齢者が増加し、若年層が減少するということは、新規契約者の減少と保険金の支払いの増加を意味します。つまり、保険業界は2025年問題によって、大幅な売上の減少が予想されるのです。
このような未来のビジネス環境で、保険業界は人件費削減などのコストカットと、新規サービスの開拓による売上の確保が、競争優位性を保つ上で欠かせません。
飲食業界は低賃金と長時間の労働により、慢性的な人手不足に直面しています。2025年以降、この状況はさらに深刻化するでしょう。さらに、飲食業界の正社員は学生の退職などで過重な労働を強いられることが多く、高い離職率が問題となっています。業界の持続可能な発展のためには、働き方や労働条件の改善が急務です。
高齢者が増加すればするほど、医療・介護業界には多くのしわ寄せが来ます。これらの業界で人材不足が課題になることは、先に説明した通りです。国も対策を進めていますが、独自に給与や労働環境の改善を行い、人材の確保をすることが欠かせません。
建設業界ではすでに就業者の高齢化が進み※3、一方で若手人材も減少傾向にあるため、専門的な技術の継承が課題となっています。2025年以降、さらに若手人材の確保が困難になることが予想されるため、早急に対策する必要があります。
また、これらの課題に加えて、建設業界におけるDXの推進も重要です。現在、建設業界はアナログ作業が主流で、労働者の負担増加や生産性の低下を招いています。そのため、デジタルツールの導入と業務プロセスの最適化により、作業を効率化し、若手人材にとっても魅力的な職場にすることが大切です。
運送業界では、「若年層人口の減少」「時間外労働の上限規制」の2つが大きな要因となって、ドライバーが不足する可能性があります。
まず、「若年層人口の減少」によって、就業可能な人材の絶対数が減少します。その結果、ドライバーを採用することが難しくなり、物流システムに大きな影響が出ることが予想されます。
また2024年より自動車運転業務を対象に時間外労働の上限規制が設けられています。労働環境の改善に繋がる可能性はありますが、一人ひとりの業務時間が短くなるため、これまで勤務時間を長くすることで補っていた分を、ドライバーを増やして対応しなければいけなくなります。
しかし、運送業界は採用難となるでしょう。そのため人材の確保を進めつつ、物流システムの効率化を考えなければいけない局面となっています。
2025年問題に対して国は、次のような対策を行なっています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2025年を境に社会保障費の増大が予想されるため、社会保障費の負担を軽減する対策が必要となります。国はこの課題に対して、次のような取り組みを行なっています。
政府は2025年を目処に、要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を目指しています。
地域包括ケアシステムが機能することで、在宅ケアの強化、病気の予防・早期治療が行われ、結果として社会保障費の削減が実現されます。さらに、医療・介護・福祉・住まいなど複数のサービスの連携が促進されることで、サービスの重複が少なくなり、社会保障費負担を軽減することができると期待されています。
2022年10月より、一定以上の所得がある後期高齢者の医療費負担は、1割負担から2割負担になりました。自己負担の割合が増えることで、その分だけ国の負担が軽減されます。
2021年4月1日より改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業には「70歳までの定年延長」などを含め、意欲のある人が長く働けるような環境を整える努力義務が課されました。高年齢者も社会保障制度の担い手になってもらい、現役世代に偏る負担を軽減する狙いがあります。
以上のような取り組みによって、各世代間の負担を均一化することを目指しています。
先述のように、2025年には介護人材が約20万人不足する見込みです。これに対して国は、介護人材の確保のためいくつかの対策を行なっています。
例えば、介護に関する入門的研修を実施することで、未経験者が介護業界へ参入するハードルの引き下げを狙っています。そのほか、多様な働き方や柔軟な雇用形態を介護施設にモデル的に導入し、効果を検証後、その成果を全国に展開する取り組みを行なっています。
国は「デジタルガバナンス・コード2.0」を発表し、DXへの取り組み方や、経営者に求められる対応に関する指針を提示しています。「デジタルガバナンス・コード2.0」は、2020年に公開された「デジタルガバナンス・コード」に、デジタル人材の育成に関する新たなトピックを加えた改訂版です。
同資料に基づいて、中堅・中小企業向けには「デジタルガバナンス・コード」の実践の手引きを取りまとめ、DXの基本から、全国のDXに取り組む企業の事例紹介などを行っています。また、この資料に関する地域別説明会を定期的に実施し、DXの普及に努めています。
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2025年問題に対する企業の対策として以下が挙げられます。
特に最初の3つに関しては、人材不足解消という目的において互いに密接な関わりがあるため、トータルな戦略を立てることが大切です。
2025年問題で企業に大きな影響を与える人材不足の対策は、はたらきやすい職場環境を整備することが大切です。職場環境を整備することによって、社員の定着率の向上や、優秀な人材の採用に繋がります。
はたらきやすい職場作りの具体的な施策を見ていきましょう。
まず挙げられるのは、法定外福利厚生などの各種制度の拡充です。企業には従業員に対して健康保険の一部負担など、法定福利厚生を提供する義務がありますが、加えて、企業独自の法定外福利厚生を充実させることで、従業員がよりはたらきやすい環境となります。
例えば、企業内保育所の設置によって子育てをしやすい環境を整えることで、子育て世代の定着率向上に繋がります。
また、ビジネスケアラーへの配慮として、介護支援の拡充も重要です。先述のように、ビジネスケアラーに関しては、仕事と介護の両立による労働生産性の低下が問題視されています。
2025年には団塊世代が後期高齢者に突入するため、団塊ジュニア世代で管理職を担う立場にある40歳から50歳のビジネスケアラーが増加する見込みです。介護支援を手厚くし、管理職の労働生産性を向上させることで、競争優位性の高まりが期待できます。
そのほか、社員のキャリア形成支援制度を拡充することで、持続的に成長できる環境を整えるのも良いでしょう。社員のモチベーションへのアプローチは、定着率向上に繋がる有効な手段です。
今後も採用難が予想されるため、多様なはたらき方を導入し、企業の魅力を高めることが重要になります。具体的には、テレワークやフレックスタイム制、通常の正社員雇用よりも所定労働時間が短い「短時間正社員制度」の導入などです。
例えば、多様な雇用形態を導入することでシニア層にアプローチができます。はたらくシニアは年々増加傾向にあり、2018年では60~64歳の70.3%が、65~69歳の48.4%の男女がはたらいています。また、現在仕事をしている60歳以上の約4割が「働けるうちはいつまでも」はたらきたいと考え、「70歳くらいまで」と「それ以上」を合わせると約8割が高齢期を迎えても高い就業意欲を持っています。
一方、60歳以上で就業を希望しながら仕事に就けなかった人の主な理由は、「適当な仕事が見つからなかった」が最も多く、その理由としては「条件にこだわらないが、仕事がない」「職種が希望と合わなかった」「労働時間が希望と合わなかった」が挙げられています。
これらの調査から、はたらきやすい労働時間や条件、環境を整備することで、シニア世代人材を確保しやすくなります。
また、2021年4月には高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業機会の確保が努力義務となっています。高齢者雇用安定法については以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】70歳定年が義務化?法改正の内容と必要な対応、4つのポイントを解説
人材不足解消の手段は、社員向けの直接的なアプローチだけではありません。外部の人的リソースを活用することも効果的な対策です。
例えばBPOの導入が挙げられます。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業の業務プロセスを一括して外部に委託するアウトソーシングの一種の形態です。
BPOを導入することで、経理部門の業務や人事部門の業務など、部門で請け負っている業務を外部の専門家に依頼することができます。そして外注なので、社内の人員の流動や時期ごとの忙しさの波に左右されず、安定して業務を遂行することが可能です。
ノンコア業務はBPOを活用し、コア業務の人員育成に注力するなどの住み分けを行うことで、企業の競争優位性を確保することにも繋がるでしょう。
このように外部のリソースの活用は、人材不足の解消だけでなく、企業の成長戦略の一環としても有効です。BPOについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】BPOとは?アウトソーシングとの違い・事業内容や具体例【導入事例集あり】
DXとは、「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略称です。デジタル技術によってビジネスモデルや業務に変革を起こし、企業の持続的な発展を目指します。具体的には、事業構造の変革や、既存の商品・サービスの付加価値向上、人材採用の効率化・高度化などが挙げられます。
DXはデジタル化と類似する概念ですが、別物です。それぞれには以下のような違いがあります。
デジタル化では業務効率化に重きが置かれますが、DX化ではビジネスモデルや組織に変化を起こし、市場での競争優位性を確立することを目指します。
デジタル化とDXを同時に推し進めることで、既存業務の効率化をして社員の負担軽減や人材不足のカバーをしつつ、企業価値の向上も期待できるでしょう。
DXを成功に導くためには、以下の流れで実施をしていくことが大切です。
事前に綿密に戦略を立て、ステップを踏んで推進していくことで、DXで成果を得られやすくなります。
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(経営承継円滑化法)の施行により、企業は事業承継の負担を減らすさまざまな公的支援が受けられます。
事業承継にはスピード感が必要です。後継者の育成も含めると、事業承継には一般的に5~10年程度の準備期間が必要とされています。経営者の平均引退年齢が70歳前後であることを考えると、経営者が60歳になったころには準備を始める必要があります。
また、事業承継に向けた準備は、税理士などの専門家や、金融機関、商工会・商工会議所などのサポートを得ながら進めることを、中小企業庁では推奨しています。同庁では事業承継診断やよろず支援拠点で無料の専門家派遣を行っている他、後継者のいない場合に向けてM&Aのマッチングを支援する「事業引継ぎ支援センター」を各都道府県に設置しています。
2025年問題とは、超高齢社会が訪れることで生じるさまざまな影響の総称です。企業にとっては、人材不足と「2025年の崖」が目下の課題となります。
人材不足問題への対策として、本記事では「働きやすい環境を整えること」と「外部リソースを活用すること」を紹介しました。具体的には、福祉制度の拡充や多様な働き方の導入、BPOの導入などが挙げられます。
一方で2025年を境として、多くの既存システムの技術的サポートが終了すると予想されています。複雑化・老朽化したシステムを使い続けることは、競争力の低下を招くため、企業は新システムの導入や、DXの推進などが求められているのです。
ポイントはこれらを場当たり的に行うのではなく、長期的な戦略を立てて実行することにあります。2025年問題は過渡期的な現象です。
その先にはピークを迎える2040年問題が待っているため、企業は将来を見据えてさまざまな備えをしておく必要があります。
【お役立ち資料】2030年問題に備えて対処すべき2つのポイント
2025年問題に続き、「2030年問題」によって多くの企業が人材不足に陥ることが予測されているため、事前に対策を進めておくことは企業活動において重要です。
・2030年問題に今から備えておきたい
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