建設業DXとは?重要性やよくある課題・導入方法【事例あり】

屋外での作業が多い建設業界でも、設計や現場作業におけるDXへの取り組みが、積極的に推進されています。本記事では、建設業DXのメリットや課題、必要とされるスキルなどのポイントを徹底解説します。

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目次

建設業DXとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術(テクノロジー)を活用して業務効率化を進めつつ、ビジネスモデルや組織体制の変革を進める取り組みのことです。

建設業界は、住宅やビルなど建物を扱う「建築」と道路や橋梁、ダムなどのインフラをメインに扱う「土木」に大別されますが、双方でこれまでもデジタル技術(テクノロジー)の導入が進められてきました。

また、DXが注目される前から「アイ・コンストラクション(i-Construction)」と呼ばれる取り組みがありました。これは、国土交通省が建設現場の生産性向上を図る目的で2016年に打ち出した取り組みです。測量や設計、検査などにおけるICT(情報通信技術:Information and Communication Technology)の活用や、規格や施工時期を平準化させることで、建設業の現場作業を効率化させる狙いがあります。

しかし、これらの取り組みは主として生産性の向上に注目した取り組みです。一方でDXは、それに加えて、業務そのものや組織、働き方なども含めた変革への挑戦が含まれています。デジタル技術(テクノロジー)の進化と活用範囲の拡大により、建設業DXへの注目がさらに高まっているのです。

関連記事「DXとは?意味や取り組み内容、必要性をわかりやすく」を見る


【出典】国土交通省「i-Construction、インフラ分野のDXの推進について」p10「インフラ分野のDXアクションプラン2」p3

建設業DXが注目される背景

建設業DXへの取り組みが進む背景には、以下3点があげられます。

①慢性的な人材不足

建設業の就業者数は、1997年の685万人をピークに減少を続け、近年は500万人前後で推移しています。日本全体での人口減少や少子高齢化が大きな要因ですが、その他にも建設業には「3K(きつい・汚い・危険)」という言葉で表現されるネガティブなイメージの影響もあり、人材が集まりにくいと言われています。

②技術の継承

建設業で人材不足とともに深刻化しているのが、就業者の高齢化問題です。下図のグラフは、建設業の就業者数とともに、65歳以上の就業者の割合を示すものです。就業者が減少する一方で、65歳以上の高齢者が占める割合も年々増加しています。

高齢の就業者は、近い将来、大半が引退するでしょう。若い世代の就業が進まなければ、熟練技術者が持つ業務のノウハウが継承されず、事業自体の継続も難しくなります。

【出典】総務省「労働力調査」より引用・パーソルイノベーション独自加工 ※2021年は推計値(パーソルイノベーション調べ)

③生産性の低さ

慢性的な人材不足や就業者の高齢化は、建設現場の生産性にも影響を与えると言われています。人材不足が深刻な建設現場では、作業の遅延や長時間労働の解消が困難です。また、建設業には業界の特性として重層下請け構造があります。企業間でのさまざまな管理業務に加えて、契約や施工関連、申請に関する書類の作成など、多くの事務作業が必要です。

このような特性が背景にあるため、建設業は生産性が低いと言われています。人件費や建設資材の高騰が進む中で、生産性向上への取り組みはますます重視されるでしょう。

建設業のDX推進状況

総務省の「令和3年情報通信白書」によると、「建設業」のDXへの取り組み状況は以下の通りです(2021年)。すでにDXに取り組んでいる企業は20.7%、「実施していない、今後実施を検討」の18.9%を加えると39.6%となります。これは他の業界と比べると大きく遅れているとは言えないものの、DX推進は決して進んでいないことが分かります。


【出典】総務省「令和3年情報通信白書
※総務省「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究(2021)」p42より加工・作成

建設業DXで使われる技術

建設業DXで使わる代表的な技術は以下の通りです。

技術 説明
BIM/CIM 建物の3Dモデルを作成し、事業全体で情報共有を実現する
IoT デバイスをネットに接続し、リアルタイムでデータを収集・分析し、効率と安全性を向上させる
AI/機械学習 AIによる重機の自動制御や、学習したデータをもとに、設計支援や施工支援を行う
AR/VR ・ARは遠隔での出来形確認、完成イメージの共有などに活用する
・VRはビジュアライゼーションや現場の安全確認や技術研修などに活用する
ドローン 現場の空撮による地形把握、進捗管理、安全確認に利用する

建設業DXで欠かせないのが、BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling)です。建設(Building)、土木(Construction)ともに、対象となる製作物の設計段階から3次元で表現し、関連する属性情報も含めてデータ化します。この3次元化されたデータは計画段階のみならず、施工や維持管理に至るまでデジタルで連携が可能です。それにより、効率的な運用や、関係者間での情報共有も円滑に進められます。

国土交通省は、小規模工事を除くすべての公共事業にBIM/CIMを原則適用する方針を掲げていることからも、BIM/CIMへの期待の高さがうかがえます。


【参照】国土交通省「今後のBIM/CIM適用拡大に向けた進め方について

さらに建設業では、油圧ショベルやトラックなどの重機、身につける装備品などのIoT(モノのインターネット:Internet of Things)化や、AIによる自動制御が可能な重機の導入などが進められています。。近年は、AR(拡張現実:Augmented Reality)による遠隔での検査や出来形確認の実施、VR(仮想現実:Virtual Reality)技術を活用した、バーチャル空間での技術研修などへの注目も高まっています。

例えば、測量でドローンを活用すれば、緻密な測量や高所・危険個所での検査を可能にするほか、レーザースキャナーを搭載すれば3次元の点群データ化も可能です。会社外での業務が多い建設業では、こうしたデジタル化に伴うデータの取扱いをクラウドサービスで行う活用事例も増えています。

建設業DXを推進する3つのメリット

建設業DXを推進すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。本章では、その代表的な3つのメリットについて解説します。

①業務効率化の推進とコスト削減

建設業DXにより、デジタル技術(テクノロジー)の導入が進めば、現場作業の軽減や、正確さの向上などが期待できます。就業者の減少、高齢化が進む建設業では、人材不足を解決する手段の一つとなり得るでしょう。

また、建設業は契約や申請など、事務作業の多い業界です。DXを進めることで業務フローの効率化が進み、ペーパーレス化や人件費削減によるコスト圧縮が可能です。

②働き方改革の推進

建設業の職場環境は、3K(きつい・汚い・危険)と呼ばれることがありますが、デジタル化によって労働負担が軽減されたり、危険個所での作業を機械に任せたりすることが可能になります。具体的には、危険個所での作業にドローンを活用したり、センサーを取り付けて現場作業員の作業状況や健康状態を管理したりすることなどです。

また建設業では「2024年問題」と呼ばれる、2019年に施行された働き方改革関連法に関する取り組みの猶予措置期限が迫っています。これは、時間外労働の上限規制を徹底するもので、適正な労働時間管理と、「月45時間・年間360時間」の原則が適用されます。デジタル技術(テクノロジー)の導入により労働環境の改善が進めば、「2024年問題」への対応もスムーズに進められるでしょう。


【出典】厚生労働省「時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務

③データ利活用による価値創造の推進

建設業DXの推進に伴い、現場やバックオフィスではデータの蓄積が進みます。その分析を進めることで、顧客ニーズの把握や、戦略的な商品・サービスの開発、提供などが可能です。

このデータ活用では、技術の継承も期待されています。建設業で進む高齢化は、減少が懸念されている若手従事者への技術継承が課題となっていますが、熟練技能者のノウハウをデータ化することで企業の資産にできるからです。また、VR(仮想現実:Virtual Reality)を活用すれば、現場外での技術講習が可能になります。

建設業DXを推進する上で直面する3つの課題

前章では建設業DXのメリットを解説しました。一方で、建設業DXの推進における課題には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、建設業DXの課題を3つの視点で解説します。

①現場作業におけるDX施策導入の難しさ

建設業は、現場作業やバックヤードともにアナログ業務の多い業界です。特に現場作業では、デジタル機器の導入が進む一方で、紙での図面確認や目視作業が多く、属人的な側面が強いのが特徴です。そのため、DXをさらに進めるためには属人化を回避し、新しい技術を取り扱う社員(従業員)を育成する必要性があります。

また、建設業はその業界特性から、自社のみならず多くの協力会社とともに工事を行わなければなりません。それは企業規模の大小にかかわらず同じ構造です。元請け企業から次々に業務委託されていく構造を、「多重下請け構造」と呼ぶこともあります。

建設業の企業が自社でDXを進めても、協力会社のデジタル化が進まなければ、効果は限定的になります。

②設備投資の難しさ

建設業DXでは、BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling)や重機のIoT化などが、進められていることは既述した通りです。しかし、こうしたソフトや建機は高額なものが多く、すぐに導入が決められるものではありません。

建設業DXを進めるときに重要なのは、自社にとって、何を優先するべきかを判断する視点です。デジタル技術(テクノロジー)を活用する環境整備や得られたデータの活用方針、働きやすい職場環境の整備など、検討要素は多くあります。さらに、新たな技術を導入するには、社員(従業員)が操作技術を習得するための時間も必要です。費用対効果も含めて、デジタル技術(テクノロジー)の導入を判断することが肝要です。

③DX人材の確保・育成

建設業DXの推進においては、どのようなデジタル技術(テクノロジー)を導入すれば良いかを検討するのと同時に、その技術を取り扱える人材の確保・育成が不可欠です。これらの能力を備えた人材の確保・育成に向けた手法としては、「人材採用(新卒・中途)」「外部人材活用」「社員(従業員)教育・リスキリング」などがあります。

建設業では慢性的な人材不足が続いており、さらにDXに対応する人材が求められる中で、人材確保・育成は今後さらに難しくなることが懸念されます。そのため、社員(従業員)教育・リスキリングは効率的に人材の確保・育成を進められる手段だと言えるでしょう。

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建設業DXの進め方

DXは単なるデジタル化とは異なり、企業全体で戦略的に取り組まなければなりません。ここでは、建設業DX推進の流れを説明します。

    1. DX推進の目的とビジョンを明確にする
    2. DX戦略を策定する
    3. 必要な人材やスキルを定義する
    4. 推進プロセスを策定する
    5. DX推進状況を評価し、結果に基づいて戦略やリソース配分を見直す

1. DX推進の目的とビジョンを明確にする

DX推進は目的とビジョンを明確にすることから始まります。建設業では、測量ドローンやIoTの導入など、さまざまなデジタル化の「手段」が存在します。しかしDXにおいて重要なのは、それらの手段を通じて何を実現するのか、顧客にどのような価値を提供するのかといった視点です。

このようなDXの目的やビジョンを明らかにすることによって、DXの個別的な取り組みを有機的に結びつけることができるのです。また目的やビジョンを明確にし、それを全社的に共有することで、社員一人ひとりがDXを自分ごととして捉え、主体的に行動できるようになるでしょう。

2.DX戦略を策定する

DXの目的やビジョンを明確化できたら、次は実現するための戦略に落とし込みます。まずは、SWOT分析などによって、現在、自社が置かれている内部環境・外部環境を分析・整理し、最終的なビジョンを確立するまでに必要な要素を洗い出します。

この際に、現場の声を吸い上げ、課題やニーズを洗い出すことも重要です。

また建設業の多くのプロジェクトでは、重層下請け構造となっています。そのため、建設業DXは協力会社との連携も不可欠です。システム開発などを行う場合は、「協力会社も使えるか」といった視点も忘れてはいけません。

次に、初期、中期、長期に分けて自社のあるべき姿とやるべきことを定めていきます。例えば、初期にすべきことには「関係者間での意識共有」「デジタル化による、DXに必要なインフラの整備」などがあげられます。中長期的には「DX推進体制の整備」「デジタルプラットフォームの構築」などがあげられます。

3.必要な人材やスキルを定義する

次のステップでは、DX戦略に沿ってどのような人材やスキルが必要なのかを定義します。必要な人材やスキルを定義することで、採用や教育・育成などの施策を正しく立てられるようになります。

ここでは、建設業DXに求められる人材のスキル例を解説します。

3-1.社内・現場でのデジタル技術(テクノロジー)対応能力

建設業DXでまず重視されるのは、現場作業で効果を発揮するデジタル技術(テクノロジー)の選択と、社員(従業員)の操作技術習得です。設計や図面化、それに基づく施工管理など、現場作業を一貫してデジタルで対応する能力が求められます。

一方、バックヤードにおいても、契約や申請事務のデジタル化はもちろんのこと、現場業務のデジタルによる見える化を進めることが不可欠です。得られたデータを活用した顧客管理や営業活動への応用も、バックヤードとしては重要な取り組みだと言えるでしょう。

3-2.セキュリティ対応能力

建設業DXは、扱う情報の多様さから、今後はクラウドの活用がさらに進むと予想されます。また、業界の特性上、自社のみならず協力会社との業務連携や労務管理の実務などが発生します。これらのことから、セキュリティ対応の強化は欠かせません。

具体的には情報セキュリティポリシーの策定はもちろんのこと、多拠点、複数の協力会社とのデータ共有を前提とする運用指針の策定、リスク管理などです。リスク管理への対応には、チェック体制の構築や事故対応(情報漏えい時の対応や復旧プロセスの準備など)が必要であり、対応する社員(従業員)への教育も含まれます。

3-3.さまざまな部署や関係者の間での調整力、コミュニケーション能力、リーダーシップなど

建設業DXが進むことにより、社内でも業務報告や契約事務・勤怠管理・ワークフローなど、従来の業務スタイルから変更が発生する可能性があります。それに伴い、扱うデータの量や範囲が増加し、全社的な連携がより重要になります。DX推進を担う人材として、部門間の調整やコミュニケーション、時にはリーダーシップなどへの対応力が必要です。

4.推進プロセスを策定する

ビジョンや取組領域の策定、必要な人材の定義を終えたら、それらを達成するための具体的な行動計画、つまり推進プロセスを策定しましょう。推進プロセスを策定するには、以下の内容を明確にして全体のマイルストーンを設定します。

    • プロジェクトの優先順位
    • 目標期限
    • 進行スケジュール
    • 必要なリソース
    • 責任者 など

ビジネスプロセスのデジタル化(デジタイゼーション)が十分に進んでいない場合、まずはそれらの取り組みから始めることも検討が必要となります。短期的な対応と中長期的な対応の両面から考えることが重要です。

5.DX推進状況を評価し、結果に基づいて戦略やリソース配分を見直す

最後に、策定した戦略とプロセスに基づいてDXを実施し、その結果を評価します。この評価結果をもとに戦略やリソース配分を見直し、必要であれば再度ビジョンの見直しも行いましょう。この評価・見直しのフェーズがDX戦略のPDCAサイクルを形成し、継続的にDXを進めていくための鍵になります。

また、顧客に対する価値提供をできているかの成果を、指標を基に評価をすることが重要となります。評価のためには事前に適切なKPIを設定し測定、改善していくことが必要です。また、PDCAの速度を上げるために失敗を許さない管理ではなく、こまめに速度感を持った対応ができる管理体制を確立し、デジタル化に関するリスクへの対応を行いましょう。

建設業DXの成功事例

ここまで建設業DXについて解説してきましたが、まだ自社でそのようなDXが可能なのか、具体的なイメージがついていない方もいるでしょう。ここでは、建設業界においてDXに成功した事例を紹介します。自社DXを考える際の参考にしてください。

BIM生産基盤の構築で品質・生産性向上に成功|株式会社大林組

課題・背景 2次元の施工用図面を作成し施工していたが、業務効率が悪かった
主な取り組み内容 BIM生産基盤の構築に注力
成果 BIM技術の活用により、業務の効率化と品質の向上を実現

株式会社大林組は「従来の建設事業の習慣や常識にとらわれず、デジタル技術を活用して抜本的に業務プロセスを見直す」ことを宣言し、建設事業の基盤強化や、業務プロセス変革などに取り組んでいます。

その具体的な取り組みの一つとして、今回はBIM生産基盤の構築について紹介します。

BIMとは、建築物の3次元の形状情報に、設備の名前や面積・部材の仕様・仕上げなどの情報を付加したモデルを構築する仕組みのことを指します。

従来の建築工事では、意匠図・構造図・設備図を統合した2次元の施工用図面を作成し施工していましたが、高さ方向で部材の位置がかぶっている場合など、不整合が見分けにくいという課題がありました。一方で、BIMには施工に必要な情報が収納され、3次元で表現されるため、不整合の有無の確認などを行いやすくなります。

さらに「BIMモデルに必要な情報を更新するだけで施工用図面として抽出・表示・伝達できる手法」を確立したことにより、以下のような変革を実現しています。

    • BIMの情報を施工用図面に直接反映させ、施工用図面の修正作業を不要にする
    • BIMに設計情報と生産情報を集約し、各関係者に、必要な情報を視覚化(図面化)して伝達する
【出典】大林組「BIMモデルを施工用図面として活用するプロセスを確立

実際に大林組は国際規格に基づくBIM認証を取得しており、日本初の高層純木造耐火建築物「PortPlus」の建設では、BIMを活用して部材加工から工事進捗管理まで行いました。

【参考】
・IPA「DX銘柄2023
・大林組「BIMモデルを施工用図面として活用するプロセスを確立

建物OS「DX-Core」で建物の一元管理を実現|清水建設株式会社

課題・背景 管理するビル毎に、その都度設備間・システム間を連携するのが、コスト、時間、手間がかかっていた
主な取り組み内容 いわば建物のOSである「DX-Core」を導入
成果 入居者・建物管理者・オーナーの利便性や業務効率性の向上

清水建設が行なったDXの取り組みの1つは、建物のシステムや設備を一元管理できるシステムの開発です。従来、建物内に新しいシステムを導入しようとすると、システムや設備を個別に連携する必要がありました。

例えば、ビル内の搬送用や清掃用のロボットの場合、ロボットが移動するためにエレベーターや自動扉を利用するシーンがありますが、従来はこれらとロボットを個別に連携させなければなりませんでした。

この問題を解消するのがDX-Coreです。DX-CoreのAPIを通すことで、ロボットやエレベーターのほか、監視カメラや空調などの設備も一元管理できるようになります。そしてDX-Coreを導入した結果、ビルの付加価値向上、オーナーの利便性や業務効率性向上につながりました。

【参考】IPA「DX銘柄2023

その他の業種も含め、さまざまなDXの取り組み事例について確認したい方は、以下の記事もご覧ください。

関連記事「DXの成功事例10選|他社の取り組み内容・成功の共通点を解説」を見る

外部リソースを活用したDX人材の育成

建設業に求められるDX人材には、高度化が進むデジタル技術(テクノロジー)への理解や習得に加え、セキュリティへの対応力がますます重視されています。

DX人材は、外部から新たに確保するよりも、既存社員(従業員)へのリスキリングを通して育成する手法が効率的です。しかしながら、専門性の高いデジタル技術(テクノロジー)やマインドセットの醸成などに向けて、日々の業務を行いながら学ぶ場を作るのは負担がかかります。

パーソルイノベーションでは、DX人材の新規スキル習得と定着を支援する研修サービス「リスキリングキャンプ」を提供しています。「リスキリングキャンプ」は、オンラインコンテンツを活用し、着実に力が身につくスキル習得の仕掛けと、潜在能力を引き出すマインドセットの仕掛けを提供する、大企業に特化したプログラムです。IT人材の確保を課題とする企業にとっては有効なサービスです。個別最適化したカリキュラムの設計に加え、キャリアコーチ、テクニカルコーチによる学習伴走サポートによって、学びの継続と着実なスキル定着が、期待できます。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

DXへの取り組みが遅れていると言われていた建設業においても、近年はデジタル技術(テクノロジー)の導入が、推進されています。例えば、設計から施工管理までを3次元化する技術や、重機のIoT(モノのインターネット:Internet of Things)、ドローンの活用などです。しかし、高価な技術の導入判断や扱う社員(従業員)への技術指導、セキュリティ対策の強化など、多くの課題に直面しています。日々の業務を行いながらDX人材の確保・育成に向けて取り組むのは負担が大きいのが実情です。

DX人材育成に必要な新規スキルの習得と定着を支援する「リスキリング キャンプ

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企画・編集/パーソルイノベーション株式会社 リスキリングキャンプ コラム編集室 三浦 まどか