IT人材が不足はなぜ起こるのか|対策や人手不足の解消方法を解説

「IT人材が不足して困っている」「IT人材が不足している理由や対策を知りたい」といった疑問を抱えていませんか。

IT人材不足はIT需要の拡大などの要因により深刻化しており、国の調査でもその実態が明らかになっています。IT人材不足は、企業における競争力や生産性向上のためにも早急に取り組むべき課題です。本記事では、IT人材不足の実態や要因、IT人材の定義、IT人材を確保する重要性を解説します。その上で、IT人材確保のために実施するべき施策と、IT部門の業務効率化を推進する方法を紹介します。

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DXが社会に浸透してきていますが、IT人材・組織に関する課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。

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目次

日本のIT人材不足の実態

経済産業省によるIT人材数の推計では、IT関連産業への入職者は2019年をピークに減少し、2030年には最大約79万人もの人材が不足すると予測されています。さらにIT人材の平均年齢も高齢化が予測されており、ITニーズの増加に伴う需給ギャップの拡大も大きな懸念材料です。

【出典】経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課「IT人材育成の状況等について

実際に独立行政法人情報処理推進機構の「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2021年度)全体報告書」によると、IT人材の量と質が「やや不足している」「大幅に不足している」と答えた事業会社の割合が合計で90%以上ありました。

なお、IT人材は以下の3つに大別されます。

    • 従来型IT人材:ITツールの運用・保守、請負開発を行える人材
    • 高度IT人材:画期的な商品・サービスを生み出すなど、ITの戦略的活用を実現できる人材
    • 先端IT人材:AIや機械学習、IoTなどの最先端技術を理解・習得している人材(DXを推進できる人材)

基本的なIT活用スキルを持ち合わせる従来型のIT人材に加え、近年はDX推進やIT技術の発展といった状況を反映し、上記のように高度IT人材および先端IT人材という区分も設けられるようになりました。

詳細は後述しますが、IT人材の中でも「先端IT人材」のニーズが急速に高まっています。

また、これらをさらに細分化して考えた際には、以下の人材育成ニーズが生まれています。

分類 ニーズ例
IT分野全般に対する人材育成ニーズ IoTやビッグデータ、AI(人工知能)、ロボティクス、Fintech、ブロックチェーンといった分野を担える人材
分野・内容・レベルに関するニーズ ビッグデータ・ データサイエンス 「データもツールもあるけど、何に使えばいいか分からない」という問題を解決できる人材
人工知能(AI) AIをビジネスに活用できる人材
情報セキュリティ 法律や業務、プロトコルなどの知識を豊富に持ち、企業の情報を守れる人材
デジタルビジネス
(デザイン企画等)
新規事業のデザイン・構想を発想し、デジタルテクノロジーを遂行できる
クラウドコンピューティング オンプレミスとクラウド双方の運用ができる人材
IoT IOTの全体像を俯瞰して対応できる人材
アジャイル (状況の変化に応じて素早く対応する)アジャイル開発ができる人材
【参考】経済産業省「IT分野について

この中でも特に「情報セキュリティ人材」のニーズが高まっています。NRIの「企業における情報セキュリティ実態調査2022」では企業の9割弱がセキュリティを担える人材が不足していると回答しています。

【出典】NRIセキュアテクノロジーズ株式会社「企業における情報セキュリティ実態調査2022

これらの調査結果から、現状でもIT人材は大幅に不足していることがわかります。多くのIT企業の実情として例えば、限られた人材がレガシーシステム(古い技術で構築されたシステム)などの技術的負債の保守・運用といった付加価値の低い業務に割かれています。そして、クラウド上のアプリ開発といった利益拡大を目指す取り組みにシフトしきれていないといった状況があるようです。

また企業では、ITで何ができるかを理解している人材が不足することで、日々蓄積されるデータが活用できずにいます。このままIT人材不足を放置すれば、企業としての発展が見込めないどころか、ITを活用する市場にも参入できず、先細りになりかねません。そのためIT人材を確保し、ITツールの利活用を進めていくことが大切です。

DX人材、IT人材の確保に苦戦している方へ

IT人材が不足している近年では、採用よりも育成の方がコストを抑えられるケースも増えてきています。

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IT人材の定義と種類

IT人材とは、ITを活用でき、ITツールの運用・保守を担えるだけのスキルを有する人材の総称です。

IT人材は、先述の通り「従来型IT人材」「従来型IT人材」「高度IT人材」の3種類に分けられます。ここからは、各人材の定義について、より詳しく見ていきましょう。

従来型IT人材

ITツールの運用・保守、および請負開発を行える人材のことを指します。この人材に求められるスキルは、既存のツールを運用できること、要求に応じたプログラミングができることなどです。具体的な職種としては、システムエンジニアやプログラマーなどが挙げられます。

高度IT人材

ITを他の産業と結びつけて新たな商品・サービスを生み出すなど、ITの戦略的活用を実現できる人材です。ITツールを運用するだけにとどまらず、付加価値を与えて別の戦略に応用できるようなスキルが求められます。新たなビジネス戦略を上手く提案できるプレゼンテーションスキルやコミュニケーションスキルも必要です。

高度IT人材には、幅広い職種が挙げられます。例えば、経営戦略の立案を行うIS(Information System)アナリストやコンサルタント、生産性の向上を実現するITアーキテクトやスペシャリスト、技術革新および新たなサービスを創造するソフトウェアデベロップメントやITサービスマネジメントなどです。

先端IT人材

AIや機械学習、IoTなどの最先端技術を理解・習得している人材を指します。AIやIoTのほかにも、ビッグデータおよびクラウドといった最先端技術を扱えるスキルを持ち、それらに関するセキュリティの知識も必要です。具体的な職種としては、AIエンジニアやデータサイエンティスト、クラウドエンジニアなどが挙げられます。またDXを推進していける「DX人材」も先端IT人材に分類されます。

IT人材とデジタル人材の違い

IT人材と似た意味で捉えられがちなのが、デジタル人材です。両者は、「ITに関連するスキルを持ち合わせている人材」という点ではほとんど変わりませんが、そのスキルの使用法に違いがあります。IT人材は、ITに関連する知識やツールを利活用できる人材全般を指し、そのスキルはもっぱら組織内のIT関連課題の解決に向けられます。

一方、デジタル人材はDX推進の文脈で語られ、ITの知識やスキルを企業のニーズに合わせて活用し、ビジネス的な観点からさらなる成長へ導く人材です。そのため、デジタル人材のスキルの用途としては、デジタル技術を活用した企業価値の創出に力点が置かれます。なお、デジタル人材にはITの知識やスキルだけでなく、コミュニケーションスキルや提案スキルも求められることから、上述の高度IT人材が含まれる場合もあります。

IT人材の不足はなぜ起きるのか

IT人材不足を引き起こす要因はIT需要の拡大や労働力人口不足など複数あります。ここでは、代表的な要因を4つ解説します。

IT需要の拡大

IT需要が急激に拡大したことは大きな要因のひとつです。インターネットの利用がごく一般的になってから久しく、近年では働き方改革の推進やリモートワーク、オンライン会議の普及などを受け、企業はIT技術の導入の必要性が高まっている状況です。

また、これまでITとは程遠い分野と考えられがちだった農業や漁業などの第一次産業でもITの活用が求められており、あらゆる分野でITの需要が拡大しています。

例えば、農業においては政府主導で「スマート農業」の推進が行われています。「スマート農業」は「ロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業」として、従事者が減少している農業の生産力を向上する取り組みとされています。

このようなIT需要の拡大に伴い、AIやIoTなどの最先端技術もますます発展していることから、IT人材不足が加速することが想定されます。

【出典】農林水産省「スマート農業の展開について

労働人口の減少

労働力人口の減少も、IT人材不足に拍車がかかる要因です。パーソル総合研究所の「労働市場の未来推計2030」においても、2030年には644万人もの人手不足になるという予測が示されました。

【出典】パーソル総合研究所「労働市場の未来推計 2030

2030年には労働需要が7,073万人なのに対し、労働供給は6,429万人しか見込めないという調査結果になっています。産業別にみるとサービス業、医療・福祉業などが大きな人手不足が予測されています。これらの産業は現状でも人材不足に苦しんでおり、現状から労働力確保に向けた取り組みが必要となっています。

IT技術の進展による需要構造の変化

IT技術が進展することで、IT人材の需要構造が変化していることも要因です。経済産業省委託事業の「IT人材需給に関する調査」では、従来型IT人材は需給ギャップが2030年には軽減されるものの、先端IT人材にいたっては需給ギャップがさらに広がると予測されています。

技術革新により、AIやIoT、クラウド、ビッグデータなどに対応できる人材が多くの分野で求められていることから、先端IT人材の需要は増加の一途をたどっています。

【出典】経済産業省「IT人材需給に関する調査

IT技術の進歩への適応

IT技術の急速な進歩により、求められるスキルや知識の習得、育成が追いついていないのが現状です。日本の企業におけるIT人材の教育・研修制度および自己研鑽支援制度について満足度が低いという現状もあり、自主的に勉強している割合も低いという調査結果も公表されています。

こうした背景から、IT人材を企業で確保する際には、教育体制の整備やモチベーション管理を合わせて行う必要があると考えられます。

【出典】経済産業省「IT人材に関する国際比較調査

レガシーシステムへの対応にリソースが割かれている

IT人材が不足している現状で、レガシーシステムにおける保守・運用にIT人材が割かれているという実情も大きな課題です。

レガシーシステムとは、老朽化や肥大化、複雑化、さらにブラックボックス化したシステムを指します。より具体的には、1980年代に多くの企業が導入した、メインフレームや、それを小型化したオフィスコンピューターなどを使用したシステムのことです。レガシーシステムは以下のような理由から問題視されています。

    • システム障害などのトラブルが発生しやすい
    • 扱える人材が限られる
    • 最新のデジタル技術に対応できない

レガシーシステムは日本国内の約8割の企業が抱えていると言われています。そのような技術的負債に対して貴重なIT人材を割かなければならないことは、人材不足を引き起こす要因となっています。

企業がIT人材を確保すべき理由

企業がIT人材を確保すべき理由として、DXの推進やITリテラシーの向上が挙げられます。この2つの理由について詳しく解説します。

DXの推進に必要

企業におけるDX推進にはIT人材が必要不可欠です。DXは、デジタル技術およびデータの活用によりビジネスに革新をもたらし、企業の競争力・生産力を高めることが目的です。

ITを活用して新たなビジネスを生み出していくには、IT人材の確保が必要です。

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社が行った「デジタル人材育成に関する調査」では、DXを進めるために必要な人材として、「全社DX現場DXリーダー:57.8%」「現場DX企画・推進者:53.8%」と、多くの企業で全社を先導していく人材へのニーズが特に高いようです、

【出典】パーソルプロセス&テクノロジー株式会社「デジタル人材育成に関する 調査結果

そうしたDX人材に求められる代表的な知識・スキルとしては、以下が挙げられます。

    • DXを企画・推進するソフトスキル:アイデア企画・構想力、課題発見力、プロジェクト・マネジメント力
    • 業務プロセスデザイン力:現状業務を可視化し、あるべき業務プロセスをデザインする力
    • 先端IT技術に関する一定の基礎知識(エンジニアとの連携に必要)

このようにDXの推進には、上記のような能力を持つIT人材の確保が必要です。外部委託や自社での育成、採用を通じて、これらの人材が確保できればDXを進めやすくなるでしょう。

企業のITリテラシー向上に役立つから

企業におけるITリテラシーの向上は、ITの必要性が高まる昨今、大きな課題となっています。そもそもITリテラシーとは、ITを正しく活用するための基礎知識のことです。ITリテラシーが低いことで、情報漏えいなどのセキュリティ事故や生産性低下、誤った情報の入手、企業SNSの炎上などさまざまなリスクを招く恐れがあります。

ITツールを使いこなすスキルだけでなく、データの取り扱いなどのセキュリティに精通したIT人材の確保は、企業全体のITリテラシー向上に大きな効果をもたらします。

企業がIT人材を確保する方法

企業の競争力や生産力を高めるためには、IT人材の確保が急務です。その一方で、深刻なIT人材不足から、確保することは簡単ではありません。以下では、IT人材を確保するための方法を4つ紹介します。

採用強化

企業がIT人材を確保する上では、採用活動の品質を高めていくことが有効です。IT人材を効率的・効果的に確保するには、市場を理解することがポイントです。市場理解とはすなわち、求職者のニーズ動向を理解することを指します。

例えば、多くのエンジニアは、求人に応募する際に以下の2点を重視しているようです。

    • 安定して働けるか
    • 実務を通じて成長できるか
【出典】パーソル総合研究所「ITエンジニアの人的資源管理に関する定量調査

そうした応募者に対して訴求すべきことは、自社の職場がアットホームな雰囲気であることや、サービスが有名であることよりも、「安定して働けそうか」「自分が成長できるか」です。

たとえば、成長に焦点を当てた施策の例を挙げるなら、社内でのキャリアパスを明確にすることが挙げられます。入社後にどのような経験を積め、どのようなスキルを獲得していけるのか、またどのタイミングでどの役職につけるのかなど、求職者が入社後の活躍を具体的にイメージできるようにします。

また、転職市場の動向を細かくチェックすることも大切です。例えば、自社の求める人材と同等のスキル・経歴を有する人材がどの程度の待遇で募集されているのか、給与面などの条件を確認しましょう。

このように市場・求職者の動向を理解して、採用活動に取り入れていくことで、多くのIT人材からの応募が集まるようになるはずです。

定着率の向上

IT人材を確保する上では、採用後に長く定着してもらうことも重要です。採用後の定着率を向上させる1つの手段は、企業と応募者のミスマッチを減らすことです。

企業側は選考過程で自社のアピールをすることや、応募者のスキルを確かめることに意識が向きがちです。しかし自社が求めるスキルがあったとしても、自社のカルチャーや価値観とマッチしない人材を採用すると、入社後にストレスや不満を抱えやすくなります。その場合は、従業員のモチベーションやパフォーマンスが低下し、短期間で離職に至りやすくなるでしょう。そのため、企業と応募者のミスマッチを避けることが大切なのです。

ミスマッチを減らす上で効果的なのは、面接時に応募者に関して、曖昧な部分を減らすことです。採用過程で、自社のアピールばかりをするのではなく、応募者のキャリアパスの考え方や価値観を掘り下げ、応募者が自社に何を望んでいるのか、自社に適性があるのかをしっかりと把握しましょう。また普段の仕事の進め方や、入社後の働き方のイメージといった点も確認しておくことも大切です。

外部人材の活用

派遣やフリーランス、アウトソーシングなどの外部人材を活用するのもひとつの方法です。外部人材は、高い専門性を有することに加え、実務経験も豊富です。内部人材を活用するケースと異なり教育コストもかかりませんし、業務の難易度や分量に応じて契約できるため、人件費の節約にもつながります。

派遣人材については、派遣会社の仲介があるため、通常の採用と比べ人材確保までの難易度も低いことが特徴です。また、アウトソーシングでは外部委託を行うため、社内での設備投資も要しません。IT人材を活用する方向性が決まっており、その範囲が限定されている場合は、外部人材の活用は有効な手段です。

IT人材育成

自社でIT人材を育成していく方法もあります。自社の事業や業務に詳しい人材を新たな戦力として活用することで業務やプロジェクトが円滑に進みやすく、従業員本人にとっても仕事の幅が広がり、モチベーションも向上するといった点がメリットです。

IT人材を育成していく上で役立つ方法の1つが、e-learningです。e-learningは、スマホやパソコンなどネット環境があれば、いつでもどこでも視聴できる学習方法です。e-learningであれば、従業員が気軽に必要な知識を身につけられます。

ただし、自由度の高さから、学習の習熟度合いが個人のモチベーションに大きく左右されるというデメリットがあります。そのため学習前に、まずは「そもそも何のためにITやDXについて学ぶのか」「習得・活用できれば、どのようなメリットが従業員・会社にあるのか」をしっかりと説明することが大切です。意義の教育・周知活動を通じてITに関する社内リテラシーを向上させていくことで、モチベーション高く取り組んでもらえるようになるでしょう。

また育成方法としては、社内研修や公開型講座の実施も考えられます。ITパスポートなどの資格取得に報奨金を出すといった形で、従業員に自学自習を促すのもよいでしょう。

これらの取り組みを採用と並行して行うことで、IT人材を確保できる可能性はさらに高まります。

オフショア開発

オフショア開発もひとつの方法です。オフショア開発とは、システムおよびソフトウェア開発の一部、またはすべてを海外の企業に委託することを言います。この方法のメリットは、比較的人件費が低く、高い技術を持った多くのIT人材を抱える国に委託することで、人件費を抑えた開発が実現することです。

一方で、委託先が遠隔であることや文化の違いから、スケジュール管理やコミュニケーションに苦労するといったデメリットも存在します。

オフショア開発は、国による違いが生じにくいシステムの作成案件や、スケジュール管理のしやすい納期に余裕がある案件の場合におすすめです。

IT部門の業務を効率化させる方法

IT人材の確保は、さまざまな施策を行っても思い通りにいかないこともあります。その場合、IT部門の業務を効率化させることで、IT部門の人材不足を解消することが可能です。

業務のDXを推進する

RPAやチャットボット、社内wikiなどデジタルを活用することで、顧客対応業務や情報編纂業務の一部をシステム化でき、必要な人材を減らすことが可能です。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、これまで人間が行っていた作業を、AIや機械学習といった認知技術を活用して機械が代行することを指します。

業務効率化にあたっては、まず現状の業務を洗い出すことから始めましょう。業務を可視化することで、短縮できる部分や廃止できる部分、統合できる部分が見えてきます。さらにデジタル化や自動化できる業務を洗い出し、費用対効果を検証した上でツールを導入していきます。

改善したい業務にいきなりツールを導入するのではなく、「業務そのものを減らせないか」「業務にかける時間を減らせないか」といった視点から検討しましょう。

問い合わせ対応(ヘルプデスク)業務の見直し

企業の内外からITシステムやツールに関する問い合わせ対応を行うヘルプデスク業務は、その業務量や業務範囲の多さから人材不足に陥りやすく、貴重なIT人材の浪費にもつながる業務です。ITツールの活用やFAQの公開、属人化を防ぐノウハウの共有などを行い、業務を見直し改善させることが求められます。ヘルプデスク業務の見直しは、IT部門の人材不足を解消するだけでなく、企業全体の業務効率化に寄与します。

業務をアウトソーシングする

特定の業務をアウトソーシングすることも業務効率化に役立ちます。高度な専門知識を持つ外部の会社に委託することで、従業員は重要なコア業務に集中でき、かつ外部の専門的な知識やノウハウの活用が可能です。

アウトソーシングした業務は、自社で進めるよりも速やかに処理されるだけでなく、正確性の観点から確実な業務遂行が期待できます。また、採用コストや人件費、設備投資といった固定費の削減も見込めます。

企画から要件定義、開発・運用まで全てを外部ベンダーに委託する「フルアウトソーシング」や、IT分野の一部を外部委託するケースなど、委託の形態は企業によってさまざまです。自社に合う形でアウトソーシングを導入しましょう。

アウトソーシングの主な形態

形態 概要
フルアウトソーシング 企画・要件定義・開発・運用まですべてを外部委託する
運用 サーバーやOSなどインフラの運用を外部委託する
ホスティング 外部ベンダーのサーバーやストレージを活用し、運用や保守などを外部委託する
ハウジング 自社が用意したサーバーや通信機器を外部ベンダーのデータセンターなどに間借りする
ヘルプデスク 顧客からの問合せやクレーム対応などを外部に委託する
常駐 外部ベンダーのスタッフが自社に常駐し、技術的なサポートを受ける

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DXが社会に浸透してきていますが、IT人材・組織に関する課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。

・DX推進のためのエンジニアが確保できない
・ITスキルを持った人材がいない

上記のような悩みをお持ちの方に向けて、【エンジニア・外部人材の採用・外部活用・育成の実態と戦略】を公開しています。
IT人材の採用・育成にお悩みの方はぜひご活用ください。

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まとめ│必要なIT人材のスキルを定義し、組織の効率化を図ろう

近年の日本におけるIT人材不足は深刻化しており、2030年には最大約79万人のIT人材が足りなくなることが予測されています。特にAIや機械学習などの最先端技術を担う先端IT人材は需給ギャップの拡大が加速しているのが現状です。企業にとってIT人材の確保は急務ですが、IT需要の拡大や労働力人口の減少、IT技術の急速な進展による需要構造の変化などから簡単なことではありません。

自社にとって必要なIT人材のスキルを定義することで、採用基準の見直しや外部人材の活用、育成・教育体制の強化、アウトソーシングの活用などを適切に行えます。DXなどの施策に取り組み、組織の効率化を図りましょう。

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