社員研修とは?種類・手法の比較と選び方、目的や実施ステップを解説

社員研修には、新入社員・若手社員向けや管理職向けなどさまざまな種類があり、OJTやオンライン研修、e-ラーニング、集合研修など実施手法も多岐にわたります。研修の効果を高めるためには、目的や対象者を明確にしたうえで、身につけたい知識・スキルや受講環境に合った研修を選ぶことが重要です。

本記事では、社員研修とは何か、その目的や階層別の種類・プログラム例を紹介するとともに、6つの研修手法の特徴を比較します。さらに、自社に合った社員研修の選び方や導入ステップ、効果を高めるためのポイントまでわかりやすく解説します。

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社員研修は単に実施するだけでは成果につながりません。研修の効果を高めるには、各階層(新入社員~管理職)に求められる役割や課題を整理したうえで、適切な研修テーマを設定することが重要です。本資料では人材育成課題を解決するために最適な研修プログラムをご提案しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

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目次

社員研修とは?

社員研修とは、企業が従業員のスキルや知識を向上させるために行う教育のことです。新入社員向け、中堅社員向けといったように階層別に実施することが多く、以下が研修の具体例です。

    • 新入社員・若手社内向け・・・ビジネスマナー研修・コンプライアンス研修など
    • 中堅社員向け・・・マネジメント研修・リーダーシップ研修など
    • 管理者向け・・・プロジェクトマネジメント研修・メンタルヘルス研修など

研修の実施方法は、参加者が会場に集まる集合型の形式や、オンラインで受講する形式などさまざまです。

研修を通じて従業員が新しい知識やスキルを学ぶことで、日々の業務が効率化・高度化するだけでなく、企業全体の競争力強化にもつながります。

社員研修の目的

社員研修の目的の一つは、社員の知識やスキルを高め、一人ひとりの成長を組織の成果につなげることです。
また、得た学びを現場で活かす「行動変容」も社員研修の目的です。そもそも研修は企業が抱える課題を解決できる人材を育てるために実施するものです。そのため、学びが業務で活用されることではじめて研修の効果が出ていると言えます。

また、社員研修は生産性向上や課題解決だけではなく、企業の損失を防ぐことを目的に行われるケースもあります。例えば、ビジネスマナーやコンプライアンス、リスクマネジメントを学び、社員が正しく理解していれば、ブランドの毀損や社会的問題を未然に防ぐことができます。

このように社員研修は、企業の成長やリスク管理に必要な教育を行う重要な手段です。研修を通じて身につけてほしいスキルや求める行動を明確にすることで、より効果的な社員研修が実施できます。

【階層別】社員研修の種類とプログラム例

社員研修にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは、多くの企業が導入している階層別研修の種類とプログラムを紹介します。

    1. 新入社員・若手社員向け
    2. 中堅社員向け
    3. 管理職向け

1.新入社員・若手社員向け

新入社員の多くは学校を卒業して間もない若者です。そのため、社会人としての基礎であるコンプライアンスやビジネスマナーを学び、企業の一員としての意識を培うことが重要です。

一方、入社2~3年目の若手社員は仕事にも慣れてきた反面、モチベーションの形成に課題を感じやすい時期です。そのため、このタイミングで自身の役割やキャリアについて考える機会を提供する研修を実施すると効果的です。

■ビジネスマナー研修

どのような職種でも、社会人1年目から社外の顧客と関わる機会があります。そのため、ビジネスマナーは相手との信頼関係を築くうえで重要です。身だしなみや振る舞いといった基本的なマナーは、社会人としての土台となるため、新入社員のうちにしっかり身につけておく必要があります。ビジネスマナー研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
組織の一員としての意識づけ ビジネスをする上で、組織の一員としての自覚をもってもらい、以下のようなことを習得する
 ・学生と社会人の違い
 ・社会人に必要なビジネス意識
 ・会社のルール
 ・目標の立て方 など
身だしなみと挨拶・態度 ビジネスマナーの重要性や、基本を習得する
 ・身だしなみ
 ・表情
 ・態度
 ・基本動作 など
信頼される言葉遣い ビジネスにおける正しい言葉遣いや話し方を習得する
 ・敬語の重要性
 ・尊敬語、謙譲語、丁寧語
 ・ビジネス応対用語
 ・感じの良い話し方(クッション言葉) など
電話応対 正しい電話応対を習得する
 ・電話応対のポイント
 ・声の印象・発声トレーニング
 ・基本的な受け方、掛け方、取次ぎ
 ・さまざまな場面での取次ぎ など
ビジネス文書、ビジネスメール 正しい文章の書き方を習得する
 ・社外文書と社内文書の違い
 ・正しくわかりやすく伝わる文書の作成
 ・電話、メール、FAX、ハガキ、手紙の使い分け など
名刺交換 正しい名刺交換方法と取り扱い方を習得する
職場でのコミュニケーション 周囲と円滑に業務を進めるための、基本的なコミュニケーションの取り方を習得する

【関連記事】ビジネスマナー研修とは?プログラム例や目的、内容を解説

■コンプライアンス研修

コンプライアンス研修は、法律や企業のルールを守るために必要な行動を学ぶ研修です。基本的な知識を身につけるだけでなく、組織の一員としてどう行動すべきか、といった感覚を養うことを目的としています。特にSNSが身近な若い世代にとっては、新入社員や若手社員の段階で、炎上リスクや個人情報の取り扱いについて学ぶ機会を設けることが大切です。コンプライアンス研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
法律、一般常識 法令や企業規則など、基本的な知識・感覚を身につける
 ・企業規則
 ・個人情報保護法
 ・知的財産法
 ・労働基準法
 ・著作権法
 ・雇用対策法 など
ハラスメント対策 ハラスメントの発生や潜在化を防止する
 ・ハラスメントの種類、内容
 ・価値観や受け取り方の違い
 ・ハラスメント予防の方法
 ・ハラスメントが起こった際の対処法
 ・自身の行動チェック など
情報セキュリティ対策 業務時に起こりうるリスクを理解し、自身で取り組んでいるセキュリティ対策を見直す
 ・個人情報の取り扱い方
 ・流出時のリスク
 ・在宅勤務、テレワーク時のセキュリティ対策 など
不適切投稿や炎上防止 SNSでの不適切投稿によって起こりうるリスクを理解し、一人ひとりのモラルや情報リテラシーを高め、炎上を防止する
 ・どのような投稿がコンプライアンス違反なのか、SNSのリスクを知る(情報漏洩、不適切発言)
 ・炎上時の対処方法について学ぶ/社内ガイドラインに盛り込むべきポイントを理解する など

【関連記事】コンプライアンス研修とは?テーマ例や目的、内容と実施のポイント

■モチベーション研修

モチベーション研修は、社員の自律的・主体的なキャリア形成を促すための研修です。近年、若手社員の早期離職が多くの企業で課題となっています。組織における自身の役割やモチベーションのコントロール方法を研修で学ぶことで、社員が自身のキャリアをより深く考えられるようになります。モチベーション研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
キャリアデザイン 激しい変化を伴う時代のビジネスパーソンに必要なキャリアデザインの基本的な知識やスタンスを学ぶ
 ・キャリアに対する考え方
 ・自分自身に関する理解
 ・これまでのキャリアの振り返り など
具体的なキャリア形成 若手社員のキャリアに関する潜在的な不安を引き出し、キャリアプランを具体化する
 ・自律的にキャリアを描くことの必要性
 ・客観的に測ったデータを活用した、自身のキャリア意識への理解
 ・上司とのキャリア面談 など

【関連記事】効果的なモチベーション研修とは?研修内容や進め方を解説
【関連記事】キャリア研修とは|取り組むべき理由やプログラム例を解説

2.中堅社員向け

中堅社員になると、チームを率いる役割を担うことが増えます。これまでとは異なるスキルが求められるため、研修でそれらを学ぶことが大切です。

■マネジメント研修

マネジメント研修は、現代のビジネス環境で求められるマネジメントスキルを学ぶための研修です。具体的には、マネジメントの原理原則や部下の行動変容を促す方法などを学びます。また、単に部下を管理するだけではマネジメント力があるとは言えません。現状分析をもとに、各メンバーの強みを活かした目標設定を行うスキルを養います。マネジメント研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
マネージャー移行 マネージャーとしての早期活躍を目標に、新任マネージャーが特につまずきやすいポイントを学習する
 ・仕事の任せ方
 ・部下育成
 ・プレイヤーとマネージャーのバランス感覚 など
マネジメントの原則 マネジメントの基本を学ぶ
 ・チームづくり
 ・部下育成
 ・部門間連携
 ・オンラインも加味した会議の進行
 ・目標咀嚼(目標や戦略をチームに浸透させ、適切にプロジェクトを推進する能力) など
組織マネジメント 現場のマネージャーに求められる「人と組織を動かす基本」について学習する
 ・部下への動機付け
 ・部下の教育
 ・部下への割り振りや進行管理 など

【関連記事】マネジメント研修とは|プログラム例や得られるスキル【事例あり】

■リーダーシップ研修

リーダーシップ研修とは、リーダーシップが求められる人材に、リーダーとしての知識やスキルを身につけてもらうための研修です。組織が一丸となって目標を達成するためには、優秀なリーダーの存在は欠かせません。 しかし、パーソル総合研究所の調査によると、リーダー志向を持つ社員は35歳を過ぎると急速に減少する傾向が見られます。

リーダーを志す人の割合
【出典】パーソル総合研究所(旧富士ゼロックス総合研究所)「『人材開発白書2017 リーダーシップの発芽』

将来の経営を担う人材を確保するためにも、早い段階で研修を行い、リーダー志向を維持させる必要があります。リーダーシップ研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
管理職向けのリーダーシップ リーダーとして直面する課題に対し、解決に必要なコミュニケーションスキルや対人スキルを身につける
 ・目標達成に向け、チームを牽引していくスキル
 ・情報を見極め、組織の課題と戦略について説得力をもってメンバーに伝える能力 など
中堅社員向けのリーダーシップ 自身の担当業務以外にも意識をひろげ、新たな視点を獲得する
 ・全体像を俯瞰したうえでの仕事の割り振り方
 ・テレワーク時代のリーダーシップ など
次世代リーダー向けのリーダーシップ 将来的に組織の経営者や幹部として活躍するために必要になるスキルを獲得する
 ・人を動かす話し方
 ・メンバーとの信頼関係の構築
 ・着想や発想力、アイデアのビジネス化力 など

【関連記事】リーダーシップ研修とは?目的やカリキュラム例・得られるスキルを解説

■ハラスメント研修

ハラスメント研修とは、ハラスメントへの意識を高め、ハラスメントが起こらない環境を作るための研修です。職場で起こりうるハラスメントは、セクハラ、パワハラ、モラハラなど多岐にわたります。研修では、どのような言動がハラスメントにつながるのかを学び、社員同士が快適にコミュニケーションできる環境を作ることを目指します。ハラスメント研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
ハラスメントの基礎 ハラスメントに対する基礎知識を学ぶ
 ・ハラスメントとは何か
 ・何がハラスメントに該当するのか
 ・ハラスメントが組織にどのような影響を与えるのか など
ハラスメント防止 ハラスメントの予防法や起こってしまった際の対処法などを学ぶ
 ・ハラスメントが起きやすい状況
 ・ハラスメントの防止策
 ・ハラスメントが起こった際の対処法(社内相談窓口の活用や社内規定) など
行動改善 指導とハラスメントの違いを学び、正しいマネジメントを行えるようにする
 ・自身の行動傾向を知る
 ・指導とパワハラの違いを理解する
 ・チェックシートをもとに、自身の行動で改善すべきポイントを探る など

【関連記事】ハラスメント研修とは?必要性やテーマ・カリキュラム例

3.管理職向け

管理職にはチームを目標達成へと導くためのマネジメントスキルや、事業を牽引する力が求められます。また、メンバーの健康管理やモチベーションを高めるスキルも学ぶ必要があります。

■プロジェクトマネジメント研修

多くの企業でプロジェクト型の仕事が増えており、プロジェクトマネジメントスキルが重要になっています。研修では、プロジェクトの計画から実行、管理、完了までに必要な基本的なマネジメントスキルに加え、組織の事業戦略を考えたり、ビジネスプロセスを改善したりといった高度なスキルも学びます。プロジェクトマネジメント研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
プロジェクトマネジメント入門 プロジェクトマネジメントの基本的な流れを体系的に習得する
 ・プロジェクトマネジメントとは
 ・プロジェクト立ち上げ
 ・プロジェクト計画
 ・プロジェクトの実行とコントロール
 ・プロジェクトの完了 など
リスクマネジメント プロジェクトにおけるリスクの理解や、重要なリスクの影響度合いを評価する手法を身につける
 ・プロジェクトのリスクとは
 ・リスクマネジメント計画とリスク特定
 ・リスク分析とリスク優先順位
 ・リスク対応計画策定
 ・リスクへの対応(実行・監視・コントロール) など
ネゴシエーションスキル プロジェクトマネジメントに適用される交渉の重要性や基本的な知識・スキルを身につける
 ・交渉の全体像
 ・状況の把握
 ・交渉の準備
 ・交渉の実施
 ・対立型交渉
 ・リスクマネジメントとしての交渉
 ・協調型交渉 など
ビジネス思考 自身の携わるプロジェクトが組織の上位戦略とどのように繋がっているのか、ビジネス全体を俯瞰してプロジェクトマネジメントができる力を養う
 ・ビジネスの全体像を捉える
 ・ビジネスゴール(戦略)を理解する
 ・ビジネス遂行力(戦術)を高める
 ・コミュニケーション力(組織力)を高める など

【関連記事】プロジェクトマネジメント研修とは|おすすめのカリキュラム例を紹介

■メンタルヘルス研修

精神的な問題で休職や退職をする社員が年々増加しており、「不調に気づかなかった」「気づいていたが、どう接すればよいかわからなかった」という課題も見受けられます。管理職には、ストレスを抱えている社員を早期に発見し、必要に応じて外部機関とも連携するなど、適切な対応が求められます。メンタルヘルス研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
セルフケア メンタルヘルスに関する知識をつけ、自分自身のストレス対処法を習得する
 ・メンタルヘルスの現状、早期発見のポイントを知る
 ・チェックリストを用いて、自身のストレス耐性を知る
 ・身近な人がメンタルヘルス不調を抱えているときの対処法を知る
 ・自分の傾向をもとに、不調時の対処方法を考える など
ラインケア 管理者が、部下のメンタル不調にいちはやく気づき、適切に対応できるスキルを身につける
 ・メンタルヘルスの現状と企業にとってのリスクを知る
 ・早期発見のポイントを知る
 ・メンタルヘルス不調を抱えている人への望ましい対処法(話の聴き方)について、自己チェックやロールプレイングを通して学ぶ
 ・管理職としての対処法を学ぶ
 ・ストレスの少ない職場環境について考える など

【関連記事】メンタルヘルス研修とは?必要性やプログラム例・得られるスキル

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社員研修の主な手法│6種類を比較

社員研修にはさまざまな手法があり、それぞれ特徴や適している目的が異なります。
代表的な6つの手法を比較すると、以下のとおりです。

手法 特徴 向いているケース
OJT 実際の業務を通じて、上司や先輩から知識・スキルを学ぶ 実務スキルの習得や、学んだ内容を現場で定着させたい場合
オンライン研修 Web会議ツールなどを利用し、離れた場所から研修を受講する 複数拠点の社員を対象にした研修や、講師との対話を取り入れたい場合
eラーニング パソコンやスマートフォンを使い、動画などの教材で学習する 基礎知識を幅広い社員に習得してもらいたい場合や、継続的に学習してほしい場合
グループワーク 複数人でテーマや課題について議論・検討しながら学ぶ コミュニケーション力や問題解決力、チームワークを高めたい場合
ロールプレイング 実際の業務に近い場面を設定し、役割を演じながら学ぶ 営業・接客・交渉など、実践的なコミュニケーションスキルを身につけたい場合
集合研修 受講者が同じ会場に集まり、講義や演習を受ける 新入社員研修やチームビルディングなど、対話や演習を重視したい場合

社員研修は、目的や対象者、身につけたい知識・スキルによって適した手法が異なります。それぞれの特徴を踏まえ、自社に合った方法を選ぶことが重要です。

ここからは、6つの研修手法について、それぞれ詳しく解説します。

OJT

OJT(On-the-Job Training)は、職場での実務をベースに知識やスキルを習得させる研修手法です。 職場の技術をまだ習得していない人に対して教えていく手法のため、新人や未経験者に対して行われることが多いとされています。

日常の業務の中で育成が行われることにより、理論だけではなく実践的なスキルの習得や個人の特性に合わせた指導が可能な点がメリットです。一方で、指導者の能力によって研修の質が左右される点や現場での教育コストがかかる点などがデメリットとして挙げられます。

OJTを導入する際には、実務経験が必要な業務を学ばせたり、インプットした内容を定着させたりしたい場合におすすめです。

【関連記事】OJTとは?OFF-JTとの違いや運用ポイントを簡単に解説

オンライン研修

オンライン研修は、主にWeb会議ツールを用いてオンラインで行う研修手法です。

受講者が一つの会場に集まる必要がなく、勤務地を問わず参加しやすい点がメリットです。また、チャットやブレイクアウトルームなどを活用することで、質疑応答や参加者同士のコミュニケーションを取り入れることもできます。一方、通信環境の影響を受けるほか、対面研修と比べて参加者の表情や反応を把握しにくい場合があります。

オンライン研修は、複数の拠点にいる社員を対象に研修を実施したい場合や、講師との対話を取り入れながら場所を問わず受講できる環境を整えたい場合に適しています。

【関連記事】オンライン研修とは?種類やメリット・実施方法【具体例あり】

e-ラーニング

e-ラーニングは、パソコンやスマートフォンなどを使い、動画やオンライン教材を通じて学習する研修手法です。

時間や場所を問わず学習しやすく、わからなかった部分を繰り返し学べる点がメリットです。一方、対話や実技を伴う学習には工夫が必要で、受講者が主体的に学習を進められる仕組みづくりも求められます。

e-ラーニングは、基礎知識を幅広い社員に習得してもらいたい場合や、社員がそれぞれのペースで継続的に学習する環境を整えたい場合に適しています。

グループワーク

グループワークは、与えられたテーマに対して複数の参加者が協力してワークに取り組む研修手法です。

交流の機会を作りやすく、他の参加者の考えに触れることで、解決力や思考力が鍛えられるでしょう。一方、参加者が多い場合、日程調整や場所の確保などが難しく、理解度やアウトプット量が参加者によって異なる点がデメリットです。

グループワークはチームワーク、コミュニケーション、リーダーシップといったスキルを身につける研修での活用が有効です。

ロールプレイング

ロールプレイングは、実際の場面に近い状況を設定し、参加者が特定の役割を演じることでスキルや知識を身につける研修手法です。例えば、営業向けの研修では、顧客との交渉をシミュレーションします。

実際の状況を再現することで、座学で学んだ知識をアウトプットできます。特に、商談や交渉など、対面でのコミュニケーションが重要な場面で効果的です。しかし、研修の参加人数が多いと時間がかかることや、メンバーの組み合わせによっては緊張感に欠けることがデメリットです。

ロールプレイングはコミュニケーションスキルや交渉力、顧客対応スキルを向上させるための研修におすすめです。

集合研修

集合研修は、受講者が同じ会場に集まって行う研修形式です。講師による講義のほか、グループワークやロールプレイングなどを組み合わせることもできます。

参加者とのコミュニケーションが取りやすく、グループワークも同時に行うとアウトプットもしやすい点がメリットです。しかし、参加者の人数によって、場所や時間の制約があり、時間の柔軟性に欠ける点がデメリットです。また、大人数の場合、参加者一人ひとりに合わせた学習が難しい場合があります。

集合研修は、新入社員研修やチームビルディングなどの研修におすすめです。

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社員研修の選び方

社員研修を選ぶ際は、研修テーマだけで判断するのではなく、目的や対象者、身につけてほしい内容などを整理したうえで、自社に合った研修を検討することが重要です。 ここでは、社員研修を選ぶ際に確認したい3つのポイントを紹介します。

1.研修の目的・対象者に合っているか

まずは、「誰を対象に、どのような変化を目指すのか」を明確にしましょう。 同じテーマの研修でも、新入社員と管理職では、求められる知識やスキル、研修の到達目標が異なります。

例えば、新入社員であればビジネスマナーや業務の基礎、中堅社員であれば後輩指導やリーダーシップ、管理職であればマネジメントや部下育成など、対象者の役割や課題に応じて研修内容を検討することが大切です。

2.身につけたい内容に適した研修手法か

研修で身につけたい知識やスキルによって、適した研修手法も異なります。
基礎知識の習得を目的とする場合はe-ラーニングやオンライン研修、実践的なスキルの習得を重視する場合は、ロールプレイングやグループワークなどが選択肢になります。

また、一つの手法だけで完結させる必要はありません。 例えば、事前にe-ラーニングで基礎知識を学び、集合研修で演習を行い、その後OJTを通じて実務で定着させるなど、複数の手法を組み合わせる方法もあります。

研修後に社員がどのような状態になっていることを目指すのかを考え、その目的に適した手法を選びましょう。

3.実施人数や受講環境に適しているか

研修を選ぶ際は、対象となる社員の人数や勤務地、受講できる時間などの実施環境も確認しておきましょう。

例えば、全国の拠点にいる多くの社員を対象にする場合は、オンライン研修やe-ラーニングが活用しやすいでしょう。 一方、少人数で意見交換や実践的な演習を行いたい場合は、集合研修やグループワークなどが適しています。

研修内容だけでなく、社員が参加しやすく、学習を継続しやすい環境かどうかも踏まえて検討することが大切です。

社員研修は、目的や対象者、身につけたい内容、受講環境などを整理したうえで、自社に合ったものを選ぶことが重要です。 研修を実施すること自体を目的とせず、社員のスキル向上や行動の変化につながる研修を選びましょう。

社員研修の導入ステップ

では、実際に社員研修を実施する場合、どのように進めれば良いのでしょうか。社員研修実施までの流れについて解説します。

1.求める人材像を定義する

まずは、自社にどのような人材が必要なのか、定義を明らかにしましょう。明確な人材像がなければ、研修の目的と内容を定めることができません。例えば、顧客満足度を高めるためには、コミュニケーション能力や問題解決力を備えた人材が必要です。

目指すべき具体的な人材像を設定することで、研修の方向性が明確になり、効果的なプログラムを構築できます。

2.研修内容・スケジュールを決める

自社の課題や目的に応じた研修を選びましょう。

研修内容とスケジュールの決定は、単に研修を実施するための手順ではなく、企業の戦略的な目標達成に必要なプロセスです。研修プログラムは企業の将来像に合致し、実践的なスケジュールで行うことで、社員のスキルアップと企業の成長を同時に実現できます。

3.振り返りを行う

社員研修の成果を最大化するには、研修終了後の振り返りが重要です。振り返りでは、研修の効果を評価し、今後の改善点を洗い出せます。例えば、参加者からのフィードバックを集めることで、研修内容の有効性や改善が必要な点を具体的に把握できます。

さらに、振り返りによって参加者自身が学んだことを再確認し、現場での活用を促進する機会にもなるでしょう。参加者からもらったフィードバックをもとに、社員が成長し、会社が求める人材を育成できる研修に改善し続けることが大切です。

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自社で社員研修を実施する際の3つのポイント

主体的な学びを促すためには、受講者の参加意欲や動機づけが重要です。本章では、既存の研修を「業務に生かせる」「もっと学びたい」と感じる研修へと見直すための3つのポイントについて解説します。

1.自分事として臨むことのできる研修を設計する

やらされ感がない研修を実施するためには、一人ひとりが当事者意識を持ち参加できる工夫を行うことが効果的です。「自分の業務には関係のない内容だ」「目の前の仕事が忙しいから研修どころではない」といった意識があると、主体的な学びは実現しません。

そこで、研修内容が自身の業務にどのように生きるのか、事前に受講者に周知しましょう。研修に対して当事者意識を持たせ主体的な行動を促すためには、人事部門が働きかけるだけではなく、企業として社内研修の必要性や目的を明確にし、周囲から協力してもらう必要があります。

そのためには、経営陣の発信なども有効です。人材育成と経営戦略との関連性や、スキルアップによる効果を社内報や方針発表の場で表明することも検討してみましょう。

また、事前ワークの実施も一般的ですが、ワークの内容も自身の言葉で参加の目的や参加後の理想像を書き出すなど、自身に置き換えて考える場面を創出することが大切です。

例えばMBOなど、目標管理制度を取り入れることも効果的でしょう。上司とのコミュニケーションを通じて自らの目標に向かって行動できているか確認することで、成長速度の向上も見込めます。

【関連記事】MBO(目標管理制度)とは?手法や目標設定の例・メリット

2.優先順位をつける

予算や人的リソースを加味して、優先順位をつけて研修を進めることが重要です。企業における組織・人材の重要課題は、以下の通り階層別・機能別に分けられます。

企業における知識・人材の階層別・機能別重要課題

すべての課題に同時に着手することは難しいため、「影響範囲」と「緊急度・重要度」などの観点から優先順位を検討しましょう。例えば、組織への影響範囲が大きい管理職・中堅同の育成を優先することなども一つの方法です。

基本的に組織の人的課題は、上位階層が下の階層に影響を及ぼしています。しかし、役員クラスから対応するのはなかなか難しいでしょう。一方、「即効性」の観点で考えると、新しい施策の浸透が早いのは若手・新人層ですが、その影響範囲は限定的です。

このことから、管理職・中堅層をターゲットとした「次世代リーダーの育成のためのサクセッションプランニング」や、「伸び悩み防止のためのストレッチアサインメント」から着手するのがおすすめです。企業における中間管理職の役割は多岐にわたるため、この層の意識が変われば会社全体に与える影響範囲も広く、結果として投資対効果が高まる可能性があります。

3.実践で活用する機会を提供する

研修の効果を高めるには、研修と実践を繰り返すことが大切です。

人材開発の領域で有名なロミンガーの法則は、「70:20:10」の法則とも言われ、それによると社員の成長に影響を与えるものは「仕事上の経験」が70%であるとされています。

ロミンガーの法則

つまり、学習した内容を定着させるには、アウトプットの機会を設けることが重要です。また、実践では研修では想定しなかったことが多々発生します。研修の内容を実践で試し、足りない知識やスキルを認識することにより、さらに能力を高めていくことも可能です。

パーソルグループが提供する社員研修

パーソルグループでは、各企業や組織の課題に合わせて、さまざまなプログラムを実施しています。

パーソルグループの社員研修の特長

  • 30年21,000社以上に提供してきた豊富な実績と、調査・研究を基盤とした体系的な研修プログラム
  • 研修目的や課題の整理といったコンサルティングから、課題解決に向けた研修の実施などオールインワンでのソリューション提供
  • 新入社員から若手、中堅、管理職など階層ごとに最適化し、組織課題にあわせたカスタマイズ研修をご提案

パーソルグループの研修プログラム例

この他にもさまざまなセミナーや公開研修・アーカイブ動画の配信を行っています。研修によっては、講師との事前面談や課題のヒアリング・それらをもとにしたカスタマイズが可能です。目的に沿った社員研修の実施や見直しでお困りの場合は、ぜひパーソルグループへご相談ください。

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まとめ|自社に合った社員研修を選び、人材育成につなげよう

社員研修には、新入社員・若手社員、中堅社員、管理職などの階層に応じたさまざまな種類があります。また、実施手法もOJTやオンライン研修、e-ラーニング、グループワーク、ロールプレイング、集合研修など多岐にわたります。

大切なのは、特定の研修や手法を導入すること自体を目的とせず、「誰を対象に、どのような変化を目指すのか」を明確にすることです。そのうえで、身につけたい知識・スキルや実施人数、受講環境などを踏まえ、自社に合った研修を選びましょう。

また、研修で学んだ内容を実務で生かす機会を設け、実施後の振り返りや改善を継続することも重要です。中長期的な人材育成の方針と結びつけながら、社員と組織の成長につながる研修を実施していきましょう。

よくある質問

社員研修にはどのような種類がありますか?

社員研修には、新入社員・若手社員向け、中堅社員向け、管理職向けなど、対象となる階層に応じたさまざまな種類があります。
例えば、新入社員・若手社員向けにはビジネスマナー研修やコンプライアンス研修、中堅社員向けにはマネジメント研修やリーダーシップ研修、管理職向けにはプロジェクトマネジメント研修やメンタルヘルス研修などがあります。詳しくは「【階層別】社員研修の種類とプログラム例」をご覧ください。

社員研修にはどのような手法がありますか?

社員研修の主な手法には、OJT、オンライン研修、e-ラーニング、グループワーク、ロールプレイング、集合研修があります。 それぞれ特徴や適している目的が異なるため、身につけたい知識・スキルや対象者、受講環境に応じて使い分けることが重要です。
詳しくは「社員研修の主な手法|6種類を比較」をご覧ください。

自社に合った社員研修はどのように選べばよいですか?

まず「誰を対象に、どのような変化を目指すのか」を明確にし、身につけたい知識・スキルに適した研修内容や手法を検討しましょう。 あわせて、対象人数や勤務地、受講できる時間などの実施環境を確認することも大切です。詳しくは「社員研修の選び方」をご覧ください。

社員研修を実施する際は何から始めればよいですか?

まずは、自社にどのような人材が必要なのかを明確にし、研修によって目指す人材像を定義することから始めます。 そのうえで、自社の課題や目的に合った研修内容やスケジュールを決め、実施後は振り返りを行いながら改善していきましょう。詳しくは「社員研修の導入ステップ」をご覧ください。

社員研修の効果を高めるにはどうすればよいですか?

研修の効果を高めるには、受講者が研修の目的を理解し、自分の業務と結びつけて学べるようにすることが重要です。 また、研修で学んだ内容を実務で活用する機会を設け、振り返りや実践を繰り返すことで、知識やスキルの定着につなげましょう。詳しくは「自社で社員研修を実施する際の3つのポイント」をご覧ください。

「どの研修が自社に合っているかわからない」「自社の課題に合わせて研修を設計したい」といった場合は、ぜひパーソルにご相談ください。課題や対象者を整理しながら、適した研修・人材育成施策をご提案します。

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