社員研修とは|種類やプログラム例・おすすめ研修一覧を紹介

「毎年研修の内容が変わらないため、形骸化している気がする」「受講する社員が主体的でなく、研修が業務に生きていない」など、社員研修の悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

多くの時間や費用を割いて研修を行っても、受講者が学んだことを業務で生かせなければ意味がありません。このような状況を解決するには、研修の意義や目的を明確化し、実施すべき社員研修を定義することが必要です。

質の高い社員研修を行うには、社内で研修プログラムを組むのではなく、外部の研修サービスを活用する方法も有効です。研修を実施するまでには、研修企画の立案、会場設定、資料の作成から実施後のフォローまで非常に多くの工程があるため、研修に必要なリソースやノウハウを考慮し、外部への委託を検討する企業も多いのです。

【社員研修のカリキュラム例】

ビジネスマナー研修 ビジネスをする上で、組織の一員としての自覚をもってもらい、以下のようなことを習得する

・学生と社会人の違い
・社会人に必要なビジネス意識 
・会社のルール
・目標の立て方 など
マネジメント研修 マネージャーとしての早期活躍を目標に、新任マネージャーが特につまずきやすいポイントを学習する

・仕事の任せ方
・部下育成
・プレイヤーとマネージャーのバランス感覚 など
プロジェクトマネジメント研修 プロジェクトマネジメントの基本的な流れを体系的に習得する

・プロジェクトマネジメントとは
・プロジェクト立ち上げ
・プロジェクト計画
・プロジェクトの実行とコントロール
・プロジェクトの完了 など

本記事では、優秀な社員を育成する社員研修の実施にあたり、具体的にどのような研修が行われているのか、受講者に主体的に参加してもらうためにはどうすればよいのかを解説します。

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社員研修の効果を高めるには、全社一括で行う研修よりもキャリア・階層によってプログラム内容を分けることが重要です。

・階層別に分かれた研修プログラムがない
・階層別に研修を実施するノウハウがない

そのような方に向けて、階層やキャリア別に体系立てられた研修が一覧できる「人材育成課題を解決する"社員研修のススメ"」を無料で公開しています。
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目次

社員研修とは?

社員研修とは、業務に関するさまざまなスキルや知識を高め、優秀な人材を育成することを目的とした教育プログラムです。

研修プログラムは、新人社員向けや中堅社員向けなど階層別に細分化されており、以下が研修の具体例です。

    • 新人社員・若手社内向け・・・ビジネスマナー研修・コンプライアンス研修など
    • 中堅社員向け・・・マネジメント研修・リーダーシップ研修など
    • 管理者向け・・・プロジェクトマネジメント研修・メンタルヘルス研修など

各研修プログラムの実施方法には、直接参加者が集まって行うものやパソコンを活用したオンラインのものなどがあります。

社員研修を通じて学んだ新しい知識やスキルは、日々の業務に活用されます。研修で行う取り組みは、企業全体の競争力を強化し、長期的な利益の最大化につながるでしょう。

詳しい研修の内容は次章で解説します。

【階層別】社員研修の種類やプログラム例

パーソルグループが提供する社員研修の中から、いくつかをピックアップし詳細を解説します。

「社員研修でどのような内容を学べるのかが分からない」という方は、ぜひ参考にしてください。

    1. 新入社員・若手社員向け
    2. 中堅社員向け
    3. 管理職向け

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パーソルグループではさまざまな目的や対象者にあわせた社員研修を提供しています。研修の開催・実施にあたってお困りごとがあれば、お気軽にパーソルグループまでご相談ください。

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1. 新入社員・若手社員向け

新入社員は他業種から入ってくるなど社会人経験を経ている人もいますが、ほとんどが学校を卒業して間もない人ばかりです。そのため、社会人としての基礎でもあるコンプライアンスやビジネスマナーについて学び、企業に属する一員としての意識を培うことが重要です。

また、入社2~3年目の若手社員はある程度仕事にも慣れてきた分、モチベーションの形成に悩むことが多いです。組織での自身の役割やキャリアを考えさせる研修を実施しましょう。

■ビジネスマナー研修

どの職種においても、社会人1年目から社外の顧客と関わる機会がありますビジネスマナーは相手との関係性を構築するうえで欠かせません。ビジネス社会における信頼関係構築の基盤として、社会人としての身だしなみや振る舞い方といったマナーは新入社員のうちに学ぶべきといえます。

ビジネスマナー研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
組織の一員としての意識づけ ビジネスをする上で、組織の一員としての自覚をもってもらい、以下のようなことを習得する

・学生と社会人の違い
・社会人に必要なビジネス意識
・会社のルール
・目標の立て方 など
身だしなみと挨拶・態度 ビジネスマナーの重要性や、基本を習得する

・身だしなみ
・表情
・態度
・基本動作 など
信頼される言葉遣い ビジネスにおける正しい言葉遣いや話し方を習得する

・敬語の重要性
・尊敬語・謙譲語・丁寧語
・ビジネス応対用語
・感じの良い話し方(クッション言葉) など
電話応対 正しい電話応対を習得する

・電話応対のポイント
・声の印象・発声トレーニング
・基本的な受け方、掛け方、取次ぎ
・さまざまな場面での取次ぎ など
ビジネス文書、ビジネスメール 正しい文章の書き方を習得する

・社外文書と社内文書の違い
・正しくわかりやすく伝わる・文書の作成
・電話、メール、FAX、ハガキ、手紙の使い分け など
名刺交換 正しい名刺交換方法と取り扱い方を習得する
職場でのコミュニケーション 周囲と円滑に業務を進めるための、基本的なコミュニケーションの取り方を習得する

関連記事「おすすめのビジネスマナー研修は?必要な理由も合わせて解説」を見る

■コンプライアンス研修

コンプライアンス研修は、違反にあたる行動や求められる行動を理解するための研修です。法令や企業規則など、基本的な知識を身につけるとともに、組織の一員としてどう行動すべきか、といった感覚を磨きます。

特にSNSが身近である若い世代だからこそ、新入社員や若手社員のうちに炎上リスクや個人情報の取り扱いなどに関して学ぶ機会を設けることが大切です。

コンプライアンス研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
法律、一般常識 法令や企業規則など、基本的な知識・感覚を身につける

・企業規則
・個人情報保護法
・知的財産法
・労働基準法
・著作権法
・雇用対策法 など
ハラスメント対策 ハラスメントの発生や潜在化を防止する

・ハラスメントの種類、内容
・価値観や受け取り方の違い
・ハラスメント予防の方法
・ハラスメントが起こった際の対処法
・自身の行動チェック など
情報セキュリティ対策 業務時に起こりうるリスクを理解し、自身で取り組んでいるセキュリティ対策を見直す

・個人情報の取り扱い方
・流出時のリスク
・在宅勤務、テレワーク時のセキュリティ対策 など
不適切投稿や炎上防止 SNSでの不適切投稿によって起こりうるリスクを理解し、一人ひとりのモラルや情報リテラシーを高め、炎上を防止する

・どのような投稿がコンプライアンス違反なのか、SNSのリスクを知る(情報漏洩、不適切発言)
・炎上時の対処方法について学ぶ/社内ガイドラインに盛り込むべきポイントを理解する など

関連記事「コンプライアンス研修とは?テーマ例や必要性・実施のポイントを解説」を見る

■モチベーション研修

モチベーション研修は、自己の視点を尊重しながら、自律的にキャリアを描くことに気づいていくプログラムです。

近年、規模に関わらず若手の「早期離職」が問題となっています。組織での自身の役割やモチベーションのコントロール方法を研修で学ぶことで、社員が自身のキャリアを慎重に考えることができます。

モチベーション研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
キャリアデザイン 激しい変化を伴う時代のビジネスパーソンに必要なキャリアデザインの基本的な知識やスタンスを学ぶ

・キャリアに対する考え方
・自分自身に関する理解
・これまでのキャリアの振り返り など
具体的なキャリア形成 若手社員のキャリアに関する潜在的な不安を引き出し、キャリアプランを具体化する

・律的にキャリアを描くことの必要性
・客観的に測ったデータを活用した、自身のキャリア意識への理解
・上司とのキャリア面談 など

関連記事「効果的なモチベーション研修とは?研修内容や進め方を解説」を見る

2.中堅社員向け

中堅社員になると、チームを率いるポジションにつく社員も多くなってきます。これまでとは異なるスキルが求められるため、研修で学ぶことが重要です。

■マネジメント研修

マネジメント研修は、現代で求められるマネジメントの役割を果たすために、マネジメントの原理原則や、具体的な行動変容を促進するための研修を実施します。

単に部下を管理するだけではマネジメント力があるとは言えません。現状分析をもとに、一人ひとりの強みを生かした目標設定を行う能力が求められます。

グループディスカッションを通じたビジョンの策定や、部下役・上司役に分かれ強みを引き出す対話シミュレーションを行うことで、より実践的なスキルを身につけることができるでしょう。

マネジメント研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
マネージャー移行 マネージャーとしての早期活躍を目標に、新任マネージャーが特につまずきやすいポイントを学習する

・仕事の任せ方
・部下育成
・プレイヤーとマネージャーのバランス感覚 など
マネジメントの原則 マネジメントの基本を学ぶ

・チームづくり
・部下育成
・部門間連携
・オンラインも加味した会議の進行
・目標咀嚼(目標や戦略をチームに浸透させ、適切にプロジェクトを推進する能力) など
組織マネジメント 現場のマネージャーに求められる「人と組織を動かす基本」について学習する

・部下への動機付け
・部下の教育
・部下への割り振りや進行管理 など

関連記事「マネジメント研修を紹介|おすすめプログラムや効果【事例あり】」を見る

■リーダーシップ研修

リーダーシップ研修とは、リーダーシップが求められる人材に対し、リーダーとしての知識や能力を身につけてもらうための研修です。組織全体が方向性を合わせ、共通の目標を達成するためには、優秀なリーダーの存在は欠かせません。 しかしながら、パーソル総合研究所の調査によると、リーダー志向を持つ社員は35歳を過ぎると急速に減少する傾向が見られます。

【出典】パーソル総合研究所(旧富士ゼロックス総合研究所)「『人材開発白書2017 リーダーシップの発芽』

将来的に経営を担わせる人材の候補を枯渇させないためにも、早くから研修を実施し、リーダー志向を持続させる必要があります。 リーダーシップ研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
管理職向けのリーダーシップ リーダーとして直面する課題に対し、解決に必要なコミュニケーションスキルや対人スキルを身につける

・目標達成に向け、チームを牽引していくスキル
・情報を見極め、組織の課題と戦略について説得力をもってメンバーに伝える能力 など
中堅社員向けのリーダーシップ 自身の担当業務以外にも意識をひろげ、新たな視点を獲得する

・全体像を俯瞰したうえでの仕事の割り振り方
・テレワーク時代のリーダーシップ など
次世代リーダー向けのリーダーシップ 将来的に組織の経営者や幹部として活躍するために必要になるスキルを獲得する

・人を動かす話し方
・メンバーとの信頼関係の構築
・着想や発想力、アイデアのビジネス化力 など

関連記事「リーダーシップ研修の目的とは?対象者やプログラム内容を紹介」を見る

■ハラスメント研修

ハラスメント研修とは、一人ひとりのハラスメント防止への意識を高め、組織内でハラスメントを起こさない環境を整えるために実施される研修です。

職場で起こり得るハラスメントはセクハラ、パワハラ、モラハラなど多岐にわたります。研修を通してどのような言動がハラスメントにつながるのかを伝えながら、社員同士で心地よくコミュニケーションができる環境を整えましょう。

ハラスメント研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
ハラスメントの基礎 ハラスメントに対する基礎知識を学ぶ

・ハラスメントとは何か
・何がハラスメントに該当するのか
・ハラスメントが組織どのような影響を与えるのか など
ハラスメント防止 ハラスメントを予防法や起こってしまった際の対処法などを学ぶ

・ハラスメントが起きやすい状況
・ハラスメントの防止策
・ハラスメントが起こった際の対処法(社内相談窓口の活用や社内規定) など
行動改善 指導とハラスメントの違いを学び、正しいマネジメントを行えるようにする

・自身の行動傾向を知る
・指導とパワハラの違いを理解する
・チェックシートをもとに、自身の行動で改善すべきポイントを探る など

関連記事「ハラスメント防止研修|導入目的や内容・流れ・実施のポイントを解説」を見る

3.管理職向け

管理職にはチームを目標達成へと導くためのマネジメントスキルや、事業を牽引する力が求められます。また、メンバーの健康管理やモチベーションを高める育成の手法も学ぶ必要があります。

■プロジェクトマネジメント研修

多くの企業でプロジェクト型の仕事が増えており、プロジェクトマネジメントの機会が増えています。研修では、計画、実行、管理、完了について学ぶ基本的なマネジメントスキルのほか、組織の事業戦略を考えたり、ビジネスプロセスを改善したりといった高度なスキルも学びます。プロジェクトマネジメント研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
プロジェクトマネジメント入門 プロジェクトマネジメントの基本的な流れを体系的に習得する

・プロジェクトマネジメントとは
・プロジェクト立ち上げ
・プロジェクト計画
・プロジェクトの実行とコントロール
・プロジェクトの完了 など
リスクマネジメント プロジェクトにおけるリスクの理解や、重要なリスクの影響度合いを評価する手法を身につける

・プロジェクトのリスクとは
・リスクマネジメント計画とリスク特定
・リスク分析とリスク優先順位
・リスク対応計画策定
・リスクへの対応(実行・監視・コントロール) など
ネゴシエーションスキル プロジェクトマネジメントに適用される交渉の重要性や基本的な知識・スキルを身につける

・交渉の全体像
・状況の把握
・交渉の準備
・交渉の実施
・対立型交渉
・リスクマネジメントとしての交渉
・協調型交渉 など
ビジネス思考 自身の携わるプロジェクトが組織の上位戦略とどのように繋がっているのか、ビジネス全体を俯瞰してプロジェクトマネジメントができる力を養う

・ビジネスの全体像を捉える
・ビジネスゴール(戦略)を理解する
・ビジネス遂行力(戦術)を高める
・コミュニケーション力(組織力)を高める など

関連記事「プロジェクトマネジメントおすすめ研修8選|カリキュラム例や比較方法も解説」を見る

■メンタルヘルス研修

精神疾患を理由に休職や退職をする社員は年々増加しています。また、「不調に気づかなかった」「気づいていたが、どう接すればよいかわからなかった」という課題も見受けられます。

管理職としては、ストレスを抱えている社員を早期に発見し、時には外部機関とも連携を取るなどといった、適切な対応を取る力が求められています。

メンタルヘルス研修のプログラム例は以下のとおりです。

プログラム 内容
セルフケア メンタルヘルスに関する知識をつけ、自分自身のストレス対処法を取得する

・メンタルヘルスの現状、早期発見のポイントを知る
・チェックリストを用いて、自身のストレス耐性を知る
・身近な人が病んでいるときの対処法を知る
・自分の傾向をもとに、不調時の対処方法を考える など
ラインケア 管理者が、部下のメンタル不調にいちはやく気づき、適切に対応できるスキルを身につける

・メンタルヘルスの現状と企業にとってのリスクを知る
・早期発見のポイントを知る
・病んでいる人への望ましい対処法(話の聴き方)について、自己チェックやロールプレイングを通して学ぶ
・管理職としての対処法を学ぶ
・ストレスの少ない職場環境について考える など

関連記事「メンタルヘルス研修の目的は?研修内容や効果を高めるポイントを解説」を見る

社員研修の6つの種類(学習形式)

一般的に行われる座学形式の研修は、実施のしやすさから多くの企業で導入されています。しかし、受動的な形式がゆえインプットに寄ってしまい、実際の現場で使えない知識となってしまうことが懸念されます。 実際に社員研修は座学だけでなくさまざまな形式があり、主な研修の種類は以下のとおりです。

学習形式 概要 メリット デメリット
OJT 実務を通して業務を教える手法 ・個人の特性にあわせて教育できる
・実務に基づくため即戦力につながりやすい
・教える側の学習にもなる
・体系的な教育ができない
・現場での教育コストがかかる
オンライン研修 Web会議ツールを用いてオンライン上で行う手法 ・場所・時間・人数問わず開催できる
・チャットを活用した質問が気軽に行える
・繰り返し学習できる
・表情や仕草がわかりにくい
・通信環境の影響を受けやすい
eラーニング スマートフォンやパソコンで動画学習を行う手法 ・場所や時間を問わず実施できる
・繰り返し学習できる
・実践的な教育ができない
・学習の進捗管理が煩雑になりやすい
グループワーク 与えられたテーマに対し、同じグループのメンバーと共にワークを行う手法 ・交流の機会を作りやすい
・解決力や思考力を培いやすい
・日程調整や場所の確保などが必要になる
・理解度やアウトプット量がメンバーによって異なる
ロールプレイング 実際の状況に近い場面を設定し、その通りに演じる手法 ・座学で学んだ知識をその場でアウトプットできる
・対面でのコミュニケーションを要する学習に適している
・参加人数が多い場合は時間がかかる
・メンバーの組み合わせによっては緊張感に欠けてしまう
集合研修 講義形式で行われる手法 ・コミュニケーションが取りやすい
・グループワークができ、どのような内容でも学べる
・場所の制限がある
・参加者の日程調整が難しい

今回紹介する方法を組み合わせることで、効率的にスキルを学べます。例えば、OJTでやる内容を一度、ロールプレイングで練習することで、要領がわかりOJTでもうまくできるでしょう。

OJT

OJT(On-the-Job Training)は、実際の職場で実務を通じて行われる研修方法です。例えば、新入社員が先輩社員の指導のもとで業務を学ぶケースがあります。

実際の業務環境で学ぶため、理論だけではなく実践的なスキルの習得や社員の特徴に合わせた指導が可能な点がメリットです。

一方で、指導者の能力によって研修の質が左右される点や教育コストがかかる点などがデメリットとして挙げられます。

OJTを導入する際には、実務経験が必要な業務を学ばせたり、インプットした内容を定着させたりしたい場合におすすめです。

オンライン研修

オンライン研修は、主にWeb会議ツールを用いて行われる研修方法です。

研修は場所や時間、人数を問わずに開催できるため、研修に参加するハードルが低いことがメリットです。また、チャットを活用することで、気軽に質問できる環境を整えられます。

一方、研修参加者の表情や仕草がわかりにくく、研修内容を理解しているかが不透明な点がデメリットです。また、通信環境に影響を受けるため、参加者によっては研修をきちんと受講できない場合も考えられます。

オンライン研修はリモートワークがメインの会社や研修参加者が多く、場所を借りられなかった場合におすすめです。しかし、対面でないため、チャットを活用して不明点を積極的に解決する姿勢が大切になるでしょう。

e-ラーニング

e-ラーニングは、スマートフォンやパソコン、テキストで学習を行う研修です。具体的には、オンラインでアクセスできる動画講座やライブ授業などがあります。

オンライン研修と同様、場所・時間・人数問わず開催でき、わからなかった部分を繰り返し学習できる点がメリットです。

しかし、すべての学習をオンラインで行うため、実践的な教育が難しく、実際の現場での経験を積めない可能性が高いでしょう。

e-ラーニングは特定のスキルや知識を短期間で習得したい場合や、継続的な学習が必要な職業におすすめです。しかし、参加者には自ら学習計画を立て、モチベーションを維持することが求められます。

グループワーク

グループワークは、与えられたテーマに対して複数の参加者が協力してワークに取り組む学習・研修方法です。

参加者が協力してワークに取り組むため、交流の機会を作りやすく、さまざまな参加者の考えに触れられます。そのため、解決力や思考力を鍛えられるでしょう。

一方、参加者が多い場合、日程調整や場所の確保などが難しく、理解度やアウトプット量が参加者によって異なる点がデメリットです。

グループワークはチームワーク、コミュニケーション、リーダーシップスキルの向上を目指す場合におすすめで、多角的な視点や創造的な問題解決が求められる課題に対しても有効的です。

ロールプレイング

ロールプレイングは、参加者が特定の役割やシナリオを演じることによってスキルや知識を学ぶ研修方法です。例えば、営業研修での顧客との模擬交渉といったものが当てはまります。

座学で学んだ知識をその場でアウトプットでき、対面でのコミュニケーションが必要な交渉や商談を学ぶ研修に適しています。

しかし、研修の参加人数が多いと時間がかかったり、メンバーによっては緊張感に欠けたりする点がデメリットです。

ロールプレイングはコミュニケーションスキルや交渉術、顧客対応のスキル向上を目指す研修など特定の状況における反応や判断力を養うためにおすすめです。

集合研修

集合研修は、講義形式で行われる研修方法です。例えば、業界の著名人や外部講師に依頼して行う社内セミナーや外部研修施設でのワークショップなどです。集合研修のメリットは参加者とのコミュニケーションが取りやすく、グループワークも同時に行うことで、アウトプットもしやすいというメリットがあります。

しかし、参加者の人数によって、場所や時間の制約があり、時間における柔軟性に欠ける点がデメリットです。また、大人数の場合、参加者一人一人に合わせた学習が難しい場合があります。

集合研修は新入社員教育やチームビルディングや組織文化を強化するための研修を行いたいときにおすすめです。くわえて、同程度の能力の参加者が集まるときには、より効果的と言えるでしょう。

課題にあわせた最適な社員研修をご提供します

階層やキャリア課題にあわせ、体系立てられた研修プログラムを実施することで、計画的・戦略的に人と組織の成長を促すことが可能です。

数々の企業で導入実績をもつパーソルグループでご提供する、課題ごとに最適な研修プログラムをご案内します。

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社員研修を受講した企業の事例

パーソルグループにご依頼いただいた企業の事例をもとに、社員研修の内容や実施形式などをご紹介します。

※具体的な費用はお問い合わせください。

ハラスメント対策研修の事例

職場でのダイバーシティ推進を行っている企業におすすめの研修です。

過去に、以下のような課題を持つ企業に受講していただきました。

    • ハラスメント相談が増えている
    • 管理職が、ハラスメントと誤解をされることを恐れ、適切な指導ができなくなっている
    • 職場のダイバーシティが進んでいるため、社員一人一人に合わせたマネジメントが必要になっている
受講対象者 管理職
実施期間 1日
人数 24名
受講形態 当社より講師派遣
お客さま内での講師養成
担当した講師の経歴 事業会社にて営業・営業マネージャー経験者
一定数の講師経験があり、かつ当社の基準をクリアした講師
カリキュラム 1.イントロダクション
2.セクシャルハラスメントとは
・チェックシートによるセクシャルハラスメントとはなにか確認
3.セクシャルハラスメントについて知る
・セクシャルハラスメントについての知識を得る(対価型・環境型)
・セクシャルハラスメントの与える影響
4.判例に見るセクシャルハラスメント
・法律上、セクシャルハラスメントとみなされるポイントを知る
5.職場におけるセクシャルハラスメント
・意識の相違、価値観の相違、温度差に気づくことにより原因を探る
6.パワーハラスメントについて知る
・パワーハラスメントの知識をえる
・与える影響を考える
7.ケーススタディ
・想定したケースをグループ討議し、パワーハラスメントかどうか、また、どうすればよいかを考える
8.職場でのハラスメント予防
・予防の方法について考える
・ハラスメントを受けていることをどのように伝えるか
・深刻になる前のサインの出し方を学ぶ
9.まとめ

案件戦略研修の事例

自社のセールスに対して以下のような課題を感じていらっしゃるお客さまを受講対象としたプログラムです。

    • 面談は重ねているものの、なかなか受注に繋がっていない
    • 担当者が変わった瞬間に売上が目に見えて下がるなど、営業が属人化してしまっている
    • 重要案件を成約するまでの攻略シナリオを描けていない

交渉スキル研修の詳しい内容は、以下のとおりです。

受講対象者 営業経験が1年以上、または営業部門への配置転換者
実施期間 2日間
人数 9~15名(最適人数)
受講形態 当社より講師を派遣して開催する形式
お客さま内での講師を養成して開催する形式
担当した講師の経歴 事業会社にて営業・営業マネージャーの経験者、または一定数の講師経験がある者。かつ当社の登壇基準を満たした講師にて運営。
カリキュラム 1日目
イントロダクション
Session1 「戦略と戦術」
Session2 「営業活動の6つの戦略」
Session3 「お客さまの経営課題とニーズ」
Session4 「経営課題とニーズの喚起」
まとめ
2日目
Session5「意思決定スタイル」
Session6「阻害要因の対応」
Session7「戦略検討会の実施」
まとめ

パーソルグループが提供する社員研修

パーソルグループでは、各企業や組織の課題に合わせて、以下のようなプログラムを実施しています。

※その他にもさまざまなセミナーや公開研修・アーカイブ動画の配信を行っています。詳細は「研修・セミナー」をご覧ください。
研修によっては、講師との事前面談や課題のヒアリング・それらをもとにしたカスタマイズが可能です。

貴社に最適な社員研修についてご相談いただけます


パーソルグループではさまざまな目的や対象者にあわせたマネジメント研修を提供しています。マネジメント研修の開催・実施にあたってお困りごとがあれば、お気軽にパーソルグループまでご相談ください。

社員研修に関する
お問い合わせはこちら

社員研修を行う目的

社員研修の目的の一つは、社員(個人)が成長することで生産性を高め、企業の利益を最大化することです。企業を構成する一人ひとりの社員が研修を通じて成長すれば、結果的に企業のミッション達成にもつながるのです。

また、得た学びを現場で生かす「行動変容」も社員研修の目的の一つと言えます。そもそも研修は「自社にとっての理想の人材が必要」「自社や業務の課題を解決できる人材が必要」という課題から行われるものです。そのため、学んだことが業務で活用されることで、はじめて研修がうまく機能していると言えるでしょう。

また、社員研修は生産性の向上や課題解決のためだけではなく、企業の損失を防ぐことを目的に行われるケースもあります。例えばビジネスマナーやコンプライアンス、リスクマネジメントなどについても学習し、一人ひとりが正しく理解していれば、ブランドの毀損や社会的な問題に繋がってしまうような言動を事前に防げるでしょう。

このように社員研修は、生産性の向上やリスク管理など、企業の発展に必要なさまざまな教育を行うために取り入れられています。

一人ひとりに身につけてほしいスキルに加え、研修を通じてどんな行動ができる人材になるのかを明確にすることで、より効果的な社員研修を行うことができます。

現代における社員研修の重要性

時代や企業の状況によって組織で求められるスキルは異なるため、研修内容は定期的に見直すことが必要です。受講する社員も含め研修を実施する必要性を理解するべく、いま求められるスキルと研修を取り巻く背景について解説します。

学び続ける必要性の高まり

先の予測がつかないVUCA時代へ突入し、従来の研修内容では技術や価値観など、環境の変化に対応することが困難です。そのような状況で求められるのは、環境の変化に柔軟に対応できる人材、つまり学び続ける姿勢を持つ社員の育成です。

パーソル総合研究所の「APAC就業実態・成長意識調査(2019年)」によると、社外で自己啓発に取り組んでいるかについての調査に対し、日本では「とくに何も行っていない」が約2人に1人と、他の国と比べると突出して学習習慣がないことがわかりました。

出典】パーソル総合研究所「APAC就業実態・成長意識調査(2019年)

学習習慣がないからこそ、社員研修を通じ、企業が主体的な学びを促す必要性が高まっているのです。

また、日々大きく環境が変化する現代において、変化に適応するためにスキルを獲得するリスキリングも重要視されています。そのアプローチとして、新たに必要となる学びを取り入れていくことや、他者を巻き込みながら学習していくこと、それらを業務と紐付けていくことが求められています。社員研修を通じて、リスキリングに結びつく工夫を取り入れてみましょう。

【出展】パーソル総合研究所「従業員のリスキリングを支える「3つの学び」とは

研修形態の変化

新型コロナウイルス感染症流行に伴い、オンライン研修の実施が増加しています。パーソル総合研究所の「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」によると、オンラインと対面を組み合わせた研修の実施が28.0%と最も高い結果となりました。

オンライン研修は、「時間が削減できた」「スケジュール調整がしやすい」といった場所や時間面での効率性が向上する一方で、「受け身になりやすい」「受講者同士の交流機会が不足」のような課題も浮き彫りになっています。

これらの課題を解決するためにも、従来の研修をただオンラインに落とし込むのではなく、オンラインの強みを生かした研修を実施することが必要です。

課題にあわせた最適な社員研修をご提供します

階層やキャリア課題にあわせ、体系立てられた研修プログラムを実施することで、計画的・戦略的に人と組織の成長を促すことが可能です。

数々の企業で導入実績をもつパーソルグループでご提供する、課題ごとに最適な研修プログラムをご案内します。

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社員研修実施までの3つの流れ

階層別に研修プログラム例を解説してきました。ここでは多くの研修に共通している、実施までの流れについて解説します。

1.求める人材像を定義する

まずは、自社にどのような人材が必要なのか、定義を明らかにしましょう。明確な人材像がなければ、研修の目的と内容を定めることができません。例えば、顧客満足度を高めるためには、コミュニケーション能力や問題解決力を備えた人材が必要です。

目指すべき具体的な人材像を設定することで、研修の方向性が明確になり、効果的なプログラムを構築できます。

2.研修内容・スケジュールを決める

自社の課題や目的に応じた研修を選びましょう。

研修内容とスケジュールの決定は、単に研修を実施するための手順ではなく、企業の戦略的な目標達成に必要なプロセスです。研修プログラムは企業の将来像に合致し、実践的なスケジュールで行うことで、社員のスキルアップと企業の成長を同時に実現できます。

3.振り返りを行う

社員研修の成果を最大化するには、研修終了後の振り返りが重要です。振り返りでは、研修の効果を評価し、今後の改善点を洗い出せます。例えば、参加者からのフィードバックを集めることで、研修内容の有効性や改善が必要な点を具体的に把握できます。

さらに、振り返りによって参加者自身が学んだことを再確認し、現場での活用を促進する機会にもなるでしょう。参加者からもらったフィードバックをもとに、社員が成長し、会社が求める人材を育成できる研修に改善し続けることが大切です。

自社で社員研修を実施する際の3つのポイント

主体的な学びを実現するには、受講者の参加意欲や動機づけを重視した研修を行うことが肝要です。本章では、既存の研修を「業務に生かせる」「もっと学びたい」と感じる研修へと見直すための3つのポイントについて解説します。

自分ごととして臨むことのできる研修を設計する

やらされ感がない研修を実施するためには、一人ひとりが当事者意識を持ち参加できる工夫を行うことが効果的です。「自分の業務には関係のない内容だ」「目の前の仕事が忙しいから研修どころではない」といった意識があると、主体的な学びは実現しません。

そこで、研修内容が自身の業務にどのように生きるのか、事前に受講者に周知しましょう。研修に対して当事者意識を持たせ主体的な行動を促すためには、人事部門がはたらきかけるだけではなく、企業として社内研修の必要性や目的を明確にし、周囲から協力してもらう必要があります。

そのためには、経営陣の発信なども有効です。人材育成と経営戦略との関連性や、スキルアップによる効果を社内報や方針発表の場で表明することも検討してみましょう。

また、事前ワークの実施も一般的ですが、ワークの内容も自身の言葉で参加の目的や参加後の理想像を書き出すなど、自身に置き換えて考える場面を創出することが大切です。

例えばMBOなど、目標管理制度を取り入れることも効果的でしょう。上司とのコミュニケーションを通じて自らの目標に向かって行動できているか確認することで、成長速度の向上も見込めます。

関連記事「MBO(目標管理制度)とは?意味や目標設定の方法・具体例を解説」を見る

優先順位をつける

予算や人的リソースを加味して、優先順位をつけて研修を進めることが重要です。企業における組織・人材の重要課題は、以下の通り階層別・機能別に分けられます。

企業における知識・人材の階層別・機能別重要課題

すべての課題には着手できないため、「影響範囲」と「即効性」の二つの観点から優先度を検討しましょう。「影響範囲」の観点から考えると、上の層から着手することが鉄則です。

基本的に組織の人的課題は、上位階層が下の階層に影響を及ぼしています。しかし、役員クラスから対応するのはなかなか難しいでしょう。一方、「即効性」の観点で考えると、新しい施策の浸透が早いのは若手・新人層ですが、その影響範囲は限定的です。

このことから、管理職・中堅層をターゲットとした「次世代リーダーの育成のためのサクセッションプランニング」や、「伸び悩み防止のためのストレッチアサインメント」から着手するのがおすすめです。企業における中間管理職の役割は多岐にわたるため、この層の意識が変われば会社全体に与える影響範囲も広く、結果として投資対効果が高まる可能性があります。

実践で活用する機会を提供する

研修の効果を高めるには、研修と実践を繰り返すことが大切です。

人材開発の領域で有名なロミンガーの法則は、「70:20:10」の法則とも言われ、それによると社員の成長に影響を与えるものは「仕事上の経験」が70%であるとされています。

つまり、学習した内容を定着させるには、アウトプットの機会を設けることが非常に重要なのです。

また実践では、研修では想定しなかったことが多々発生します。研修の内容を実践で試し、足りない知識やスキルを認識することにより、さらに能力を高めていくことも可能です。

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まとめ|社員研修を通じて主体的な社員の育成を

ミッションの実現に向け、企業が行うべき社員研修のプログラム例や目的、受講者が主体的に参加できる研修のポイントについて解説しました。

社員研修は階層別にわかれており、新人社員・若手社内向けにはビジネスマナー研修があり、中堅社員向けにはマネジメント研修があります。管理者向けには、プロジェクトマネジメント研修・メンタルヘルス研修などが有効です。

受講者にとって、なぜ受講するのか、研修を通じてどのような姿を目指すのかを明確にすることで、主体性を持った研修につながります。また、複数の研修形式を組み合わせたり、実施後の振り返りや実践を充実させることで、業務改善が期待できます。

社員研修を通じた人材育成は、一朝一夕で結果が出るものではありません。企業の3年後、5年後を見据え、長期的な視点で研修計画全体を見直していきましょう。