2022年12月19日
2023年11月27日
人材育成のための企業研修にはさまざまな種類があります。なかでも、社員のモチベーションを向上させるためのプログラムが用意されているのがモチベーション研修です。新入社員などの若手社員だけでなく、中堅やシニア層の社員のモチベーション研修も存在します。
モチベーション研修といっても対象者によって受講プログラムはさまざまです。それぞれどのような狙いや効果があるのか、モチベーション研修を実施する際のポイントについて詳しく解説します。
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従業員のモチベーションが低下してしまうと、業務の生産性が落ちてしまったり、早期離職や転職の原因にもなりかねません。そのため、研修等を通じてキャリアを考える機会を設けたり、自身のモチベーションをコントロールする力を身につけることが重要です。
従業員のモチベーションに悩んでいる方に向けて、パーソルグループでは【人材育成課題を解決する”社員研修”のススメ】を作成いたしました。計画的に人材の成長を促す方法のほか、パーソルグループが提供する研修プログラムを公開しています。
早期離職の防止や従業員のモチベーションアップを検討している方はぜひご覧ください。
目次
モチベーション研修の受講により、社員のモチベーションを向上させるだけでなく、離職や転職のリスクを軽減できるメリットがあります。効果的な研修を実施するために、モチベーションの定義や低下要因、研修の受講で得られるメリットについて解説します。
モチベーション(Motivation)とは、心理学の用語で「動機づけ」という意味で、人が行動を起こすための要因を指しています。
社員のモチベーションがアップすると、意欲的に仕事に取り組めるため、生産性の向上が期待できます。さらに、社員が企業に対して抱く帰属意識や貢献意欲も高くなります。そのため、離職率が下がるといった効果も期待できるでしょう。
モチベーションは、外部との関係から発生する外発的動機と、個人の内部から発生する内発的動機の2種類に分かれます。
外発的動機 | 内発的動機 | |
---|---|---|
意味 | 目的意識から発生する | 自分の心の中から湧き出る |
具体例 | 「昇給やボーナスを求めているから」やる 「社長や上司に褒められたいから」やる 「顧客にありがとうと言われたいから」やる |
「楽しいから」やる 「興味があるから」やる 「継続することに意味があるから」やる |
外発的動機は、評価や報酬、罰則などの外部からの影響による動機づけを意味します。例えば、「ボーナスが欲しい」「罰則を受けたくない」という強い感情はモチベーションの向上に有効です。
一方、内発的動機は関心事や好奇心など自身の欲求からくる動機づけを指します。例えば、長く同じ部署で同じ作業をしていた社員が「やったことの無い新しい仕事がしたい」「エンジニア職ではなく営業職を経験してみたい」など、新しいことを求める強い好奇心からなる動機づけです。
外発的動機、内発的動機の違いを理解し、それぞれの動機づけをいかにうまく活用するかがマネジメントを成功させるポイントです。
モチベーション研修の目的は、「若手向け」と「管理職向け」で異なります。
若手社員向けの研修では、自ら設定した目標達成を目指し、モチベーションを向上させるための方法を学びます。そのためにはまず自己分析を行い、自身の動機づけとなるきっかけは何かを把握することが重要です。研修を通じて、自身のモチベーションをコントロールし自律的にキャリアを考えていく力を身につけます。
一方、管理職を対象とした研修は、部下のモチベーションを向上させるにはどうすれば良いかを学びます。
新入社員や若手が退職してしまう理由として上位にランクするのが「人間関係」です。「人間関係」には、上司や先輩との関係も含まれることから、部下に対する接し方に問題があるケースも多くあり、モチベーションを下げてしまう要因になります。
モチベーションを高めるためには、目標を達成すると「どのような報酬を得られ」「将来どのようなキャリアを形成できるのか」というキャリアプランについて面談を実施して、部下が自身の将来像を明確にイメージできるようにすることが必要です。
管理職の社員は部下に対して、将来像を明確にイメージさせる方法を、研修を通じて学習します。それにより、有望な若手社員の離職率を下げるというメリットを享受できます。
関連記事:モチベーションマネジメントとは|低下する原因と具体的な改善施策
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人材育成課題を解決する"社員研修"のススメ
モチベーション研修には、対象者ごとにそれぞれのプログラムが用意されています。ここでは、パーソルグループで実施しているプログラムを例に、対象者ごとのモチベーション研修のプログラム内容を紹介します。
キャリアに対する基本的な考え方を把握しながら、自分のキャリアを考えていく参加型の全社員向けプログラムです。
激しい変化を伴う時代のビジネスパーソンに必要なキャリアデザインの基本的な知識やスタンスを学び、自己のキャリアに関して自律的に考えられるようになることを目的としています。
目的 | ・キャリアを考える上で、大切な視点を知る ・ワークを通じ、自分自身に関する理解を深める ・今後の自己開発に関して、具体的なヒントを得る |
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プログラムの目標 | ・激しい変化を伴う時代のビジネスパーソンに必要なキャリアデザインの基本的な知識およびスタンスを学ぶ ・自己のキャリアに関して自律的に考えられるように |
学習の流れ | 1.はじめに 2.キャリアを形作る ~3 つの 要素~ 3.キャリアの振り返り ~CAN を探る~ 4.仕事への期待を考える ~MUSTの捉え方~ 5.変化する時代の未来に向けて ~あなたの Will~ 6.まとめ |
一人で考えるだけでなく、ともに学習する方のコメントを参考にすることで、自身にない視点から見られるようになります。
目的 | ・自己の視点やペースを尊重しながら、自律的にキャリアを描くことの必要性に気づけるようにする ・他者からのフィードバックから、自分のキャリア像と向き合う ・自己のキャリア意識を客観的に測ったデータを活用して理解する |
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プログラムの目標 | ・若手社員のキャリアに関する潜在的な不安を引き出す ・上司との面談によりキャリア焦燥感の軽減 |
学習の流れ | 1.事前課題 ~キャリアに関するアンケート~ 2.研修1 ~キャリアとは~ 3.インターバル課題 ~周囲の社員へのヒアリング~ 4.研修2 ~キャリアプランの具体化~ 5.上司とのキャリア面談 6.事後アンケート ~上司との面談に関する感想~ |
若手向けの「セルフマネジメント」研修は、自己の視点やペースを尊重しながら、自律的にキャリアを描くことの必要性に気付けるようになるプログラムです。
近年、企業規模に関わらず若手の「早期離職」が課題となっています。
若手社員はキャリアに関する焦りや何とかしなければという切迫した感情であり、離職・転職を急いで決めてしまう傾向にあります。
セルフマネジメント研修を実施することで、若手社員が自身のキャリアを慎重に考える機会になります。早期離職を防ぐことが期待できます。
目的 | ・将来に直面するであろう現実に目を向け、「はたらき方」「生き方」の意味を考え具体的な行動へ落とせるようになる ・はたらけなくなるリスクについて考え、それに備えた準備をする ・自身の強みを活かし、変化に対応できる準備をする |
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プログラムの目標 | ・「生涯現役時代」のキャリア開発について理解 ・自身のこれまでのストーリーを語り、他者視点からの自己の価値観や強みを受け止める ・ミドル、シニア世代が押さえるべきコミュニケーションポイントを理解 |
学習の流れ | 1.キャリアについて考える 2.社会の変化、自社の変化を振り返る 3.自身の30年を振り返る 4.転機になった出来事を語る 5.自らの「特性」や「強み」を理解する 6.今後起こりうることを考える 7.将来像を具体的に考える |
「RCP(Realistic Career Preview)プログラム」は、50代に訪れる役職定年などの転機を乗り越えて躍進し続けるために、キャリア設計やキャリアの棚卸、改めて強みを発見するなどのプログラムを用意しています。
従来のプログラムとは一線を画し、自己のキャリアに生じうる事柄を現実的に捉えるためにシナリオをプランニングし、やがて直面するであろう「想定したくない現実」に焦点を当てることで、はたらき方とその意味について考察する「きっかけ」を提供するプログラムとなっています。
2025年には505万人の労働力が不足することが、パーソル総合研究所の調査で判明しています。この人材不足を解消するためには、シニア層の活躍が必要となってきます。
これらのミドル、シニア層は「活用」されるだけでなく、「躍進」していく環境づくりが必要です。
パーソルグループの「RCP(Realistic Career Preview)プログラム」は、50代に訪れる役職定年などの転機を乗り越えて躍進し続けるために、キャリア設計やキャリアの棚卸、改めて強みを発見するなどのプログラムを用意しています。
従来のプログラムとは一線を画し、自己のキャリアに生じうる事柄を現実的に捉えるためにシナリオをプランニングし、やがて直面するであろう「想定したくない現実」に焦点を当てることで、働き方とその意味について考察する「きっかけ」を提供するプログラムとなっています。
目的 | ・上司、同僚、後輩を巻き込み、成果を出すために必要なことは何かを学ぶ ・会社へ依存する姿勢から、プロフェッショナルを目指す自立型の姿勢へシフトする ・ 他責型から、自己責任型姿勢へのシフト ・自らの存在意義や価値を再定義し、はたらく意味や夢の強化 ・困難を乗り越えることに、喜びを感じる姿勢の強化 |
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プログラムの目標 | ・自分自身と周囲をモチベートできる「自責型人材」と、その逆の「他責型人材」を対比することで、周囲を巻き込んで成果を上げるリーダーシップの本質を理解する ・ストーリーが組み立てられた講義及びワークによって、強みに気づき、深い内省を促す ・受講者どうしで共有し、お互いの刺激と相互理解につなげる |
学習の流れ(2日間) | 1.エンパワーリングとは? ・エンパワーリングとは何か? ・今なぜ本気力なのか? ・現在の組織の抱える問題点とは ・3つの本気力とは 2.対「自分」本気力=主体性を強化する ・自尊力とは ・自立力とは ・自己責任力とは 3.対「仕事」本気力=仕事への情熱を強化する ・ミッション力とは ・ビジョン力とは ・パッション力とは ・アクション力とは ・パーソナルのMVPアクションシートを作成する |
エンパワーリング研修は、部下を持つマネジメント層への実施も有効です。同僚や後輩、上司を巻き込んで成果を出すために、どのようなスキルやテクニックが必要かという「やり方」ではなく、自身の「あり方」が最も重要な要素であることに気づけるようになります。
そういった「変化を生み出したい欲求」=「本気の姿勢」を引き出すことで、周囲も本気にさせられるリーダーを育成するためのプログラムです。
人材課題にあわせた研修プログラムの選び方
パーソルグループでは、育成人材の実践力を培うプログラム策定や事後のフォローアップなど、企業課題に合わせたプログラムの考案・見直しを提供しています。
モチベーション研修の開催・実施にあたってのお困りごと、お悩みはぜひお気軽にご相談ください。
対象者ごとに適切な研修プログラムを実施しても、その後実務に活かせるかが大切です。ここでは、モチベーション研修を効果的なものにするために、押さえておきたいポイントについて解説します。
個人のモチベーションは目に見えるものではなく、状態を把握することが難しいため、研修前に社員のモチベーションを可視化しておく必要があります。そのためには、モチベーションサーベイなどの調査が有効です。
モチベーションサーベイでは、社員のモチベーションの状態を多角的に分析し、モチベーションの高い・低いを把握します。さらに、どのような要素が社員のモチベーションに影響を与えているかを把握することで、課題を明確化します。
こうして明らかになった課題に応じて、課題を解決するための研修プログラムを考えていくことが大切です。
モチベーション研修を効果的なものにするためには、モチベーション研修の実施目的や受講後の目標を明確にし、受講者に理解してもらうことが重要です。
例えば、部下とのキャリア面談が苦手な管理職社員は、なぜキャリア面談を苦手としているか、その潜在的な理由を深掘りして根本的な要因を突き止めます。「部下の将来を左右するアドバイスをすることに責任を負いたくない」という理由であれば、キャリア面談は強いチーム作りにつながる有意義な機会であるというプラスの考え方へ転換させます。
キャリア面談は、部下との将来を語れる前向きな場として捉えられるよう、組織全体の雰囲気をシフトすることで強い会社づくりへとつなげます。
研修を最も効果的なものとするためには、プログラム終了後の振り返りやフィードバックが重要です。
研修受講後、社員のモチベーションが上がったとしても、時間とともに徐々に下がっていくのが一般的です。大切なのは持続させることであり、定期的な振り返りが必要です。
研修後に立てた目標に対して具体的な「行動計画」を策定し、それに則って行動しているかを定期的に確認するようにしましょう。
さらに、モチベーション研修は一度実施しただけでは組織全体への効果が発揮されにくいため、その後も数回研修を実施することでさらなる効果を享受できます。その際、受講した社員の意見を参考にすることで、今後どのような点に注意を配りながら研修を実施すれば良いのか、改良点を見出せるようになります。
次回のプログラム内容について、研修会社との事前打ち合わせでこれらの改良点を議題にあげることで、より自社にマッチした研修内容を確立できるようになります。
研修を実施するトレーナーが専任者としていない場合、モチベーション研修は内製ではなく外部へ委託することがおすすめです。ここでは、モチベーション研修を外部委託すべき理由について解説します。
モチベーション研修は、自社で実施するよりも研修会社に依頼する方がより効果的なものになります。
研修会社の講師は、人材の教育を専門としたプロです。専門的なノウハウを持つ研修企業には、実績豊富な数パターンの研修カリキュラムも用意されているため経験も知識も豊富です。ベースのカリキュラムに加え、事前のヒアリングによって企業に合わせた独自のプログラムを追加する研修会社もあるため、自社にとって最も効果的な研修を実施できます。
自社でモチベーション研修を行う場合、人材の教育に不慣れな社員が講師を勤めては説得力を感じられない可能性があります。受講者の理解度にも差が出ることも想定され、結果的に効果のない研修となってしまうことになりかねません。
専門的なノウハウを有した外部リソースを積極的に活用していきましょう。
モチベーション研修を外部委託することは、ノウハウだけでなくスピーディな人材育成にも有効です。
モチベーションを上げるための研修を自社で設計・実施するには、ノウハウだけでなく相応の時間やコストを要します。また、研修を実施してもその効果を定着させることが困難なモチベーション研修は、効力が発揮されるには数カ月、数年を要するケースもあるでしょう。
多くの時間や人件費を投入しても、定着に時間がかかり効果が見込みづらいようであれば、外部リソースを活用して時間を短縮させることは有効な手段です。結果的にコスト削減につながるケースもあるため、目的に合致した外部委託先を選定しましょう。
高いモチベーションを維持してはたらくには、いかに自身のキャリアを明確にイメージできるかが重要です。
社員のモチベーションを高めるためには、社員一人ひとりの個性を把握したうえで、自律的・主体的なキャリア形成を促す施策を行う必要があります。
パーソルグループでは、組織としてのキャリア開発支援の仕組みづくりや、各年代の特性・課題に応じた研修プログラムをご提供します。
このような悩みを持つ方は、パーソルグループにご相談ください。
時代の流れとともに、日本企業でも長く会社で働くことがキャリア形成につながらなくなりつつあります。有望な若手社員や、シニア層の貴重な労働力を確保するためには、それぞれの世代にあったプログラムのモチベーション研修を行い、自社で働き続けることに魅力を感じさせることが必要です。
モチベーション研修によって得た外部のノウハウをうまく活用し、社員のキャリア形成を積極的にサポートすることで、離職や転職を防ぐ施策を定期的に実施していきましょう。
A.おすすめのモチベーション研修は、キャリアデザイン研修です。キャリアに対する基本的な考えを身につけてもらうことで、転職や離職を急がず目の前の仕事と向き合うことが期待できます。
パーソルグループでは、キャリアデザイン研修をはじめ、シニア向け、若手社員向けなど階層別に様々なモチベーション研修を用意しています。研修プログラムの詳細をまとめたガイドブックは、以下リンクよりどなたでも無料でダウンロードいただけます。
A.モチベーション研修を受講後、企業としてサポートを継続しなければ社員のモチベーションは元に戻ってしまいます。そうならないためにも、研修終了後に各自が目標設定を行い、定期的に振り返りを行うことでモチベーションを保つサポートが必要です。
>>研修を成功させるための3つのポイント