MBO(目標管理制度)のデメリット
MBOは社員のモチベーション向上やスキルアップが期待できますが、取り組み方によっては逆効果を招いてしまう場合もあります。注意すべき2つのケースを紹介します。
モチベーションを低下させてしまうことがある
MBOは「目標が達成できたか」が明確になるため、結果にばかり注目してしまう傾向があります。
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- 個人目標と行動計画がともにマネジメントから決められた場合
- 自分の実力以上に高い目標や、達成できるイメージが湧かない目標を設定された場合
- 簡単に達成可能な目標を設定された場合 など
上記のように社員の自主性やスキルを無視してしまうと、モチベーション低下につながります。
特にMBOにおいては、設定される目標は一人ひとり異なるため、評価判断基準もそれぞれです。評価が納得できない、適切に評価されていない、とネガティブなものになってしまうと、モチベーションの低下につながりかねません。
また、経験の浅い新入社員やMBOを導入して間もない企業では、適切な目標の立て方が分からないことや、マネジメントから適切なフィードバックが受けられないことも、モチベーションの低下につながるため注意が必要です。
新入社員や経験の浅い社員に対しては、目標設定のワークショップやトレーニングを実施することも効果的です。目標の進行状況のチェックやフィードバックを定期的に行うことで、課題や改善点を早期に発見するようにしましょう。
手段が目的化し、かえって業務効率を下げてしまうことがある
MBOの実施自体が重視されるあまり、手段が目的化してしまうと上手く機能しないことがあります。
MBOは本来、社員自らが目標到達までを管理することで、成果を上げる手段です。ただ面談や目標管理だけが目的化し、面談の実施や成果の達成状況を共有するための作業負担が大きくなってしまった場合、かえって業務効率を下げてしまう可能性もあります。
面談や目標管理が煩雑になってしまうと、管理自体が目的化しやすくなるので注意が必要です。プロセスを簡潔にして、手段が目的化しないようにします。またMBOの本質的な目標や意味を常に社員に伝えて、手段が目的化することの問題点を共有しましょう。