OKRとは?
OKR(Objective and Key Result)とは、組織が設定する目標(Objective)と、目標達成のために必要な成果指標(Key Result)を結び付け、企業の方向性を明確にする目標設定・管理手法です。
具体的には、組織、部門、個人それぞれの階層ごとに目標と成果指標を設定し、連携・共有しながら達成へむけて取り組みます。

OKR・MBO・KPIの違い
OKRとMBO、KPIは定義を見ると一見同じような考え方に見えますが、それぞれ違いがあります。
OKR (Objectives and Key Results:目標と主な結果) |
組織が設定する目標(Objective)と、目標達成のために必要な成果(Key Result)を結び付け、企業の方向性を明確し管理すること |
MBO (Management by Objectives and Self Control:目標管理) |
会社の方針と社員自身が目指したい方向性をすり合わせて一人ひとりに目標を設定し、成果までの道のりを管理すること |
KPI (Key Performance Indicator:重要業績評価指標) |
目標達成までのプロセスを計測・把握するために設定する指標 |
OKRは、MBOやKPIに比べると、企業の方針が重視され、チャレンジングな目標を推奨する点が特徴的です。

それぞれの違いについて「目的」「目標の共有範囲」「評価の頻度」「測定方法」「目標達成度」の観点から解説します。
1.目的
MBOもOKRも生産性の向上を目指している点は共通しています。ただし、OKRは従業員の評価に直接活用しないという点でMBOと異なっています。なお、KPIは目標の達成度をはかることが目的であるため、OKR・MBOと大きく異なります。
2.個人目標の共有範囲
OKRはもともと組織として設定された目標をもとに部門・個人の目標が設定され、社内全体で共有します。一方、MBOでは個人の目標を評価に活用するため、限られたメンバーにしか共有されません。KPIも部門・チーム内での共有に留まることが多いです。
3.評価の頻度
OKRは、1週間~1カ月に1回程度と高い頻度で継続的に評価を行います。設定した目標への到達度を測るためです。一方、MBOでは人事評価の意味合いを兼ねており、半年~1年に1回程度の頻度で評価が行われます。
4.測定方法
MBOでは定性的、すなわち数値化して計測できない項目が設定されることもありますが、OKRとKPIでは、一般的に定量的な項目のみが設定されます。
5.理想的な目標達成度
OKRにおいて求められる目標達成度は60~70%に留まります。MBOとKPIでは100%の目標達成が目指されますが、目標を100%達成することが目的になってしまうとチャレンジングな目標を設定しにくくなり、企業や従業員の成長を促すことができないためです。