2021年01月27日
2025年10月20日
ビジネスシーンで広く行われている「フィードバック」。しかし、適切に実施できておらず、部下の成長につながっていないケースも多いのではないでしょうか。フィードバックの方法を誤ると、部下の成長を促せないどころか、モチベーションやエンゲージメントの低下を招く要因にもなりかねません。適切なフィードバックのためには、種類や「型」を知ることが大切です。
本記事では、ビジネスシーンでよく使われるフィードバックの種類や例文、フィードバックの実施効果を高めるポイント、そしてビジネスでの活用方法を解説します。効果的な人材育成につなげるためにも、部下の成長を促すフィードバックを目指しましょう。
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目次
フィードバックの語源は「feed(養分・食べ物)」+「back(戻す)」の組み合わせで、文字通り「養分を戻し、成長を促す」という意味合いがあります。もともとは制御工学の分野で使われ始めた言葉とされており、後に医学や心理学の分野でも広く用いられるようになりました。そこから派生し、現代ではビジネスシーンでも使われるようになっています。
ビジネスシーンでのフィードバックは「問題解決や成長促進を目的とし、本人の行動や成果に対する評価を具体的に伝えること」を指します。
【フィードバックの例】
このように、相手の行動を具体的かつ客観的に評価するのがフィードバックのポイントです。
ビジネスシーンでのフィードバックは、すでに起きた事柄から見えた課題や改善点を本人が認識し、今後の行動変容につなげてもらうためのコミュニケーションといえます。
フィードバックを行う側には、以下の2つの力が求められます。
「フィードバック」という言葉は、状況や相手に応じて他の表現に言い換えることができます。言葉を工夫することで相手に与える印象を調整でき、より効果的なコミュニケーションにつながります。
| ポジティブな場面で使える表現 | 意見、助言、コメント、アドバイス |
|---|---|
| 改善点を伝えるときに使える表現 | 指摘、評価、示唆 |
| ビジネス文書で使える表現 | 振り返り、所見、考察 |
ビジネスシーンのフィードバックにはさまざまな種類があり、目的や場面に応じて使い分けるとより効果的です。代表的な3つのフィードバックを紹介します。
それぞれの特徴を理解し、実際のフィードバックに生かしましょう。
コンストラクティブフィードバックとは、改善点を指摘する際に相手の考えも尊重しながらより良い方向へ導く、建設的なフィードバックの手法です。部下なりに導き出したプロセスや行動を一度受け止めた上で、客観的な事実に基づき「どうすればより良くなるか」を伝えます。
部下は失敗したくて行動しているわけではありません。そのことを念頭に置いて、本人の成長につながるフィードバックを行いましょう。
ポジティブフィードバックとは、部下がとった望ましい行動や成果が出た行動を取り上げ、それによって生まれた良い影響を伝えるフィードバックの手法です。フィードバックはおのずと前向きな内容になるため、部下の自己肯定感やモチベーションの向上も期待できます。
漠然と褒めるのではなく、「具体的にどこが良かったのか」「組織にどのような良い影響を与えたのか」に目を向けて、具体的に伝えましょう。
ネガティブフィードバックとは、今後の課題を明らかにし、改善を促すフィードバックの手法です。現状維持ではなく、さらにパフォーマンスを高めてほしいときに、課題を的確に伝えることで成長を促します。
ただし、伝え方によっては相手に過度なストレスを与えかねません。ポジティブフィードバックを併用して「こうすればもっと良くなる」といった前向きな言葉を添えるなど、伝え方には十分な配慮が必要です。
フィードバックは、業務上の課題解決や従業員の成長促進といった直接的な効果だけでなく、従業員が抱える不満や不公平感の解消にもつながります。
フィードバックの場は、上司と部下の相互理解を深める貴重な機会です。部下は客観的に自己認識ができ、上司はこれまで気づけなかった部下の考えや悩みに触れられます。
適切なフィードバックは、上司と部下の間で起こりがちな3つのギャップを解消できます。
1.「MUST」のギャップ:
上司が考える「やるべきこと」と、部下が考える「やるべきこと」がずれている
2.「CAN」のギャップ:
上司の「このくらいはできるはず」という期待と、部下の自己認識に開きがある
3.「WILL」のギャップ:
上司が「やってもらいたいこと」と、部下が「挑戦したいたいこと」が異なっている
いずれも「知っているはず」「分かってくれているはず」といった双方の思い込みから生まれるギャップといえます。フィードバックを通じて互いの思いや考え、認識を共有することで、二者間のギャップを解消できるでしょう。
継続的なフィードバックは、部下一人ひとりの成長を促し、組織全体の人材育成につながります。部下は自身の強みや課題を客観的に把握し、目指すべき方向性を明確にできるため、自律的なキャリア形成が可能になります。組織にとっては、個々の成長が全体のスキル底上げとなり、将来のリーダー育成や事業拡大の基盤となるのがメリットです。
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フィードバックによって自身の強みや弱点、課題が明確になると、部下は改善に向けた具体的な行動が取りやすくなります。努力の方向性が定まることで、パフォーマンスの向上が期待できるでしょう。
また、定期的なフィードバックは、上司が部下の進捗を確認し、タイムリーに支援する機会にもつながります。上司のサポートは部下の安心感や自信につながり、結果として業務効率や生産性の向上にもつながるでしょう。
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自身の仕事ぶりを上司がどう見ているかは、部下の大きな関心事です。日々の努力や成果を認めるポジティブなフィードバックは、仕事へのモチベーションを直接的に高めます。
さらに、フィードバックはエンゲージメント、すなわち「組織に貢献したい」という部下の自発的な意欲を引き出す上でも極めて重要です。上司が一方的に評価を伝えるだけでなく、部下の意見にも耳を傾ける双方向の対話を行うことで、部下は「自分は尊重され、大切にされている」と感じるでしょう。
こうした信頼関係は、責任感や組織への帰属意識を育む礎となり、「このチームや会社のためにもっと頑張りたい」というエンゲージメントの高い状態を生み出します。
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役職や立場に関係なく、誰もが率直に意見を交わせるフィードバック文化は、イノベーションの土壌となります。建設的な意見や反対意見が歓迎される環境では、部下は失敗を恐れずに新しいアイデアを提案し、挑戦できます。
こうした活発な意見交換を通して多様な視点が交わることで、一人では思いつかなかった新しい発想が生まれ、既存の枠組みを超える画期的なサービスや業務改善のヒントにつながります。
フィードバックの方法には、いくつかの「型」があります。伝え方に悩んだときは、型に沿って進めることでスムーズに相手に思いを届けやすくなるでしょう。ここでは、代表的な5つのフィードバック手法について、特徴と向いている場面をあわせて紹介します。
| 手法名 | 特徴 | 向いている場面 |
| サンドイッチ型 | 良い点→改善点→良い点の順で伝える。相手が受け入れやすい | ネガティブな指摘を和らげて伝えたいとき |
| SBI型 | 状況→行動→影響の順に、客観的かつ具体的に事実を伝える | 行動の評価や改善点を明確に伝えたいとき |
| ペンドルトン型 | 本人に自己評価を促した上で、改善点を一緒に考える | 1on1や育成面談など、本人の主体的な気づきを促したいとき |
| FEED型 | 事実→指摘する理由→影響→改善点で構成。次のアクションにつなげやすい | 指導や業務改善など、具体的な次のステップを明確に示したい場面 |
| KPT型 | Keep/Problem/Tryで構造化する、振り返りのフレームワーク | チームミーティングや定期的な振り返りの場に活用したいとき |
サンドイッチ型とは、ネガティブなフィードバックをポジティブなフィードバックで挟む手法で、初めに褒めて、次に改善点を伝え、最後にもう一度褒めて締めくくります。相手のモチベーション低下を防ぎ、前向きな気持ちで話を聞いてもらいやすいのが特徴です。
例文:
「提出してもらった資料、とても読みやすかったよ」(ポジティブ)
「あとは、表やグラフをもっと活用すれば、もっと分かりやすくなるかもしれない」(ネガティブ)
「とはいえ、全体的に要点がまとまっていて良い資料だったよ」(ポジティブ)
SBI型は、「Situation(状況)」「Behavior(行動)」「Impact(影響)」の頭文字を取ったもので、この順で客観的な事実を伝える手法です。感情的にならず、起きた事柄を冷静に伝えられるため、相手の納得感を得やすくなります。
例文:
「今日の会議でのことなんだけど、」(状況)
「後輩へも配慮して発言してくれたよね」(行動)
「おかげで場の空気が変わって、また意見が活発に出始めたと思う。ありがとう」(影響)
心理学者のペンドルトン氏が考案した、相手の主体性を引き出す対話型のフィードバックの手法です。「確認→良かった点→改善点→行動計画→まとめ」のステップで、相手に質問を投げかけながら進めます。一方的な伝達ではなく、本人に考えさせることで気づきを促し、成長を支援します。
例文:
「今日のプレゼンについて振り返ってみようか」(確認)
「準備した資料はかなり完成度が高かったと思うよ。〇〇さんはどうだった?」(良かった点)
「ありがとうございます。より自信を持って話せるようになると良いと思いました」(改善点)
「たしかに。そのためにできることって何かあるかな?」
「部署内で事前にプレゼンの練習をしたいです!」(行動計画)
「良いアイデアだね!ぜひやろう。さっそく日程を調整しようか」(まとめ)
FEED型は、相手の行動から改善策を4つのステップで具体的に伝える手法です。「Fact(事実)」「Example(理由・背景)」「Effect(影響)」「Different(改善提案)」の頭文字を取っています。特に改善を促したい場面で有効です。
例文:
「今日のクライアントへの説明、少し早口になっている場面があったね」(事実)
「君の説明はロジカルで分かりやすいからこそ、少しもったいないと思って伝えたんだ」(指摘する理由)
「相手の方が何度か聞き返そうとしていたから、理解が追い付いていなかったのかもしれない」(影響)
「次からは、要点ごとに『ここまででご不明点はございますか?』と一呼吸入れてみるのはどうかな」(改善点)
KPT(ケプト)型は「Keep(良かったこと・継続したいこと)」「Problem(課題・問題点)」「Try(次に試したいこと)」の3つの観点で振り返りを行うフレームワークです。個人だけでなく、チームの振り返りにも広く活用されます。
例文:
「今回の商品企画プロジェクト、良かった点や成功のポイントはどこにあったと思う?」
「ターゲットを明確にできたことが成功要因だと思います」(良かったこと・継続すべきこと)
「逆に、改善点があるとすればどこだろう?」
「スケジュール管理が甘く、終盤に作業が集中してしまいました」(課題・問題点)
「たしかに。じゃあ、次はどうすれば改善できそうかな?」
「週次で進捗確認のミーティングを設けてみたいと思います」(次に試したいこと)

【お役立ち資料】フィードバックの進め方5ステップ
フィードバックはただ信頼感を伝えるだけではいけません。メンバーが目標を達成するために軌道を修正することが大切です。本資料では、フィードバックの進め方を5ステップで詳しく解説します。
フィードバックは、やり方次第で部下が大きく成長するきっかけになり得ます。効果的なフィードバックを行うためにも、以下のポイントを意識しましょう。
話す側の頭の中が整理されていなければ、聞き手も混乱してしまいます。フィードバックで伝えたい内容は、事前に書き出して整理しておきましょう。事前準備のポイントは以下の2点です。
例えば、業績について話すなら具体的な成果やそのプロセスを、期待する行動についてならビジョンに沿った行動がとれていたかなど、憶測ではなく客観的な事実やデータを集めておきましょう。
伝えるべきことは、できる限り具体的にします。特に数量や期限などを盛り込み、「何をどう改善すればいいのか」「目指すべきゴールはどこか」を相手がはっきりとイメージできるように準備することで、話がスムーズに進みます。
フィードバックを始める前に、まずその目的を部下に伝えましょう。部下の成長を願って実施することを伝えた上で、話した情報は外部へ漏らさないことを約束しておくと、部下は安心して話を聞くことができます。
フィードバックを受ける側は、多くの場合、緊張していたり、身構えたりしています。相手をリラックスさせ、フィードバックを前向きに受け入れてもらうためにも、この最初のステップは非常に重要です。
フィードバックでは、組織としてどう成長してほしいのか、具体的な目標を共有することも重要です。目標が明確であればあるほど現状とのギャップや達成度合い、行動基準などが明確になるため、次につながる具体的なフィードバックができるでしょう。
目標を設定する際は、組織の方針を伝えるだけでなく、部下のスキルや「どうなりたいか」という思いも尊重しましょう。あまりにも非現実的な目標や、トップダウンの一方的な目標設定は、部下のモチベーションの低下につながるため、注意が必要です。
フィードバックで伝えるのは、人格や性格ではなく、あくまで「行動」です。「いつ、どんな状況で、どのような行動があったか」を具体的に伝えましょう。
例えば「今日のプレゼンテーションでは、過去の数値データを根拠にして自分の考えを説明できたのが良かったね」のように具体的に伝えることで、相手も何が良かったのかを正しく理解し、次の行動へと活かせます。日頃から部下の行動をよく観察し、具体的な行動にフォーカスした助言を心がけましょう。
上司の「こう思う」「こうに違いない」といった主観は、部下からすると一方的な決めつけに聞こえてしまうかもしれません。なぜその行動が良い(悪い)のか、客観的な事実やデータとともに伝えましょう。
具体的には、「~だった」と断定するのではなく、「私には~のように見えるが、どうか」のように、自分に見えた事実を伝えつつ、相手に問いかける姿勢が理想です。部下が自身を振り返るための「鏡」のような存在になりましょう。
例)
×「今のままじゃダメ。もっと顧客のことを考えて、相手が喜ぶような提案の工夫を」
〇「先日の提案は、先方のニーズには合っていたが、提案のタイミングが適切ではなかったように見える。繁忙期の3月以外の時期であれば結果は違ったかもしれない。相手の状況を考え、タイミングを見て再提案していこう」
フィードバックは、記憶が新しいうちに行うのがもっとも効果的です。時間が経つと記憶も曖昧になり、効果が薄れてしまいます。可能な限り、対象となる行動があったその日に行いましょう。
厚生労働省の調査「令和元年版 労働経済の分析ー人手不足の下での「働き方」をめぐる課題についてー」でも、フィードバックを毎日行う企業は「はたらきやすい」と感じている人の割合が大きくなることが明らかになっています。
フィードバックを実施する際はいきなり本題から入るのではなく、まずは雑談でアイスブレイクをしましょう。相手の緊張をほぐして、話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
雑談に使える「木戸に立ちかけせし衣食住」
キ …… 気候、季節 ド ……道楽(趣味) ニ ……ニュース
タ ……旅 チ ……知人、友人 カ ……家庭、家族
ケ ……健康 セ ……世間話 シ ……新聞記事 衣、食、住
また、部下の真向かいではなく、隣り合うポジションに座ることは、相手の心理的負担を減らす効果があります。
アクティブ・リスニング(積極的傾聴)とは、相手の言葉の意図を読み取り、伝え返すことで理解を示す聞き方の技法です。「要するに~だったんだね」と要約したり、「それは悔しかったね」と気持ちを代弁したりすることで、「あなたの話をしっかりと聞いていますよ」というメッセージを伝えます。
アクティブ・リスニングの例
アクティブ・リスニングには、聞き手が話し手への理解を深められるだけでなく、話し手自身が考えを客観視できる効果があります。
オープンクエスチョンとは、「はい/いいえ」で終わらない質問や、コーチング技法のことです。相手の中にある「答え」を引き出し、自発的な行動を引き出します。
・オープンクエスチョン:「はい/いいえ」では答えられない、自由な回答を促す質問
・クローズドクエスチョン:「はい/いいえ」で答えられる質問
「なぜそう思う?」「具体的にはどうしたい?」といったオープンクエスチョン(5W1H)は、相手に新たな視点を与え、無意識に抱いていた考えに気づくきっかけとなります。ただしオープンクエスチョンには、相手が回答に時間を要するという特徴があるため、沈黙が続いても、急かさず、傾聴を心がけることが大切です。
パッシブ・リスニング(受動的傾聴)とは、「うなずく」「相槌を打つ」「じっくり聞く」などのアクションで、相手を受け止めているサインを示しながら聞く技法です。
パッシブ・リスニングにおいては、ボディランゲージも重要なコミュニケーション要素です。フィードバックを受ける側が「自身を理解しようとしてくれている」と感じることができれば、より活発なコミュニケーションが生まれやすく、フィードバックの効果も高まるでしょう。
フィードバックの効果は、日頃の関係性の質に大きく左右されます。信頼できる上司からの言葉であれば、たとえ厳しい内容でも、部下は「自分のために伝えてくれている」と素直に受け止めやすくなります。
特にリモートワークが中心の環境下では、コミュニケーションが希薄化しがちです。なるべく意識的にコミュニケーションを取る機会を設け、土台となる信頼関係を築いていきましょう。
フィードバックは、部下が自身の課題と向き合う大切な機会です。しかし、伝え方を誤ると、かえってやる気を失わせたり、反発心を招いたりする原因にもなりかねません。
部下の前向きな成長につなげるためにも、フィードバックを行う際は以下の2点に注意しましょう。
感情的になったり、威圧的な態度をとったりすると、相手は恐怖や緊張を感じてしまいます。
恐このようなネガティブな感情が根底にあると、部下は萎縮してしまい、「どうすれば怒られないか」だけを考えるようになってしまいます。安心して話せる「心理的安全性」が担保されていないと、フィードバックが本来の意味を失ってしまうでしょう。
たとえ部下の行動が間違っていると感じたとしても、まずは相手の考えに耳を傾け、自身の感情をコントロールしながら対話することを心がけましょう。
フィードバックにおいてもっとも注意したいのは、個人の人格や能力に言及したり、他人と比較したりすることです。「フィードバックは苦痛だ」という印象を与えてしまうと、部下の成長機会を阻害してしまうだけでなく、ハラスメントとも受け取られかねないため、絶対に避けましょう。
前述の通り、フィードバックで重要なのは「行動」にフォーカスすることです。もし改善点を伝える場合でも、その人の能力や人格とは完全に切り離し、「次はどうすればより良くなるか」に集中して伝えましょう。
【関連記事】ハラスメント研修の目的や内容、義務化を解説!カリキュラム例も
これまで見てきたように、フィードバックは個人の成長を促す上で欠かせません。さらに、その効果は組織全体にも及ぶと言えるでしょう。一人の成長がチームを活性化させ、チームの成長が組織全体のパフォーマンス向上につながります。そのためには、フィードバックを単発のイベントで終わらせず、組織の文化として根付かせることが重要です。
具体的な活用事例として、まず「360度評価」があります。360度評価は、上司から部下へという一方向だけでなく、同僚や部下など、複数の立場から多角的にフィードバックを行う評価方法です。
本人は自分では気づきにくい強みや課題を客観的に認識できるため、リーダーシップ開発や人材育成の大きなきっかけとなり得ます。こうした取り組みを効果的に進めるためには、パーソル総合研究所の「LDR-ATLAS(リーダー・アトラス)」のような360度フィードバック調査ツールを活用し、客観的なデータに基づいて自己のリーダーシップ行動を振り返ることも有効です。
【関連記事】360度評価とは?メリット・デメリット、効果を高めるポイント
より日常的なコミュニケーションの中でフィードバックを根付かせる仕組みが「1on1」です。1on1は評価のために行われるものではなく、部下の成長やキャリア、悩みの解消などを目的に、上司・部下間で定期的に行われます。継続的な対話を通じて信頼関係を深め、タイムリーなフィードバックを行うことで、部下の自律的な成長を支援するのが目的です。
1on1を意味のあるものにするためには、上司側の傾聴や質問のスキルが欠かせません。パーソル総合研究所が提供する「1on1研修」のようなプログラムは、部下が自ら考える力を引き出すための対話スキルを学ぶ上で役立つでしょう。
フィードバックは、人材育成に大きく寄与する重要なコミュニケーションです。しかし、ただ思ったことを勢いに任せて伝えればいいというものではありません。伝え方ひとつで、部下の成長を力強く後押しすることもあれば、かえってその可能性の芽を摘んでしまうこともあります。
大切なのは「指導する」ことではなく、「成長を支援する」というスタンスです。まずは目的を明確にし、客観的な事実に基づいて話す内容を準備しましょう。そして、サンドイッチ型やSBI型といった手法も参考にしながら、人格ではなく具体的な「行動」に焦点を当てて伝えることも大切です。そして何より、相手の話に真摯に耳を傾ける姿勢が、フィードバックの効果を最大限に高めます。
フィードバックは単なるテクニックではなく、部下との信頼関係そのものです。正しい知識とスキルを身につけ、部下の成長を願う姿勢で臨むことが、部下一人ひとりの、ひいては組織全体の持続的な成長につながっていくでしょう。フィードバックの進め方や実践方法をさらに詳しく知りたい方は、以下の資料もぜひご参照ください。
【無料DL】メンバーの成長を促す!フィードバックの進め方
フィードバックはただ伝えるだけでは不十分。部下が思うように成長しない、伝えた内容が誤解されるなど、フィードバックに関する悩みを抱えるマネージャーは少なくありません。ハラスメントへの意識が高まる今、適切に伝えるスキルが求められています。
本資料では、フィードバックの進め方を5つのステップで解説し、実践のポイントも紹介しています。フィードバックついての知識を深め、正しいフィードバックのやり方を知りたいとお悩みの方に、ぜひご活用いただきたい一冊です。
A.フィードバックの効果を高めるには、部下とのコミュニケーションが欠かせません。現代ではコミュニケーションがおろそかになりがちですが、日頃から積極的に会話を心がけ、信頼関係を築きましょう。
部下とのコミュニケーション方法や面談のコツについて、パーソルグループではさまざまなテーマの研修プログラムを用意しています。研修プログラムの詳細は、以下のリンクよりどなたでも無料でダウンロードいただけます。
>>課題別に研修テーマを探せる!階層別 育成課題解決ガイド
A.ビジネスシーンでのフィードバックとは、「問題解決や成長促進を目的として、取った行動やパフォーマンスを本人に伝えること」です。
>>フィードバックとは