プロジェクトマネジメント研修の効果を高める4つのポイント
プロジェクトマネージャーの育成は、短期間で終わるものではありません。短期間の研修で内容を詰め込むのではなく、研修による学習と現場への落とし込みを繰り返すような長期的な育成が必要です。
ここではプロジェクトマネジメント研修の効果を高めるポイントを紹介します。
1. 事前に目標設定を行う
プロジェクトマネジメント研修の効果を高めるためには、適切な目標設定と管理が必要です。
そもそも社員に向けて研修を実施することが目的ではなく、研修を通じて実務に生かし、社員の成長を促すことが本質です。そのためには、社員にやらされ感が生まれないよう、自分ごととして臨むことのできるよう研修を通じて達成させるべき目標を設定しましょう。
研修内容が自身の業務にどのように生きるのか、参加する目的や参加後の理想像を社員自身に書き出してもらうなど、自分ごととして捕らえて考える場面を創出することが大切です。
また、目標設定は組織目標や部門目標、個人目標と規模別に設定し、その目標に沿った内容を研修に盛り込むと良いでしょう。細分化して考えさせることで組織目標と個人目標の乖離が少なくなり、一体感が生まれます。
2. 対象者や現場の体制を構築する
研修を実施する前に、必ず研修内容と対象者にずれがないかを考えましょう。せっかくプロジェクトマネジメント研修を学んでも、現場で研修内容が生かせる体制が構築されていなければ意味がありません。
研修内容を生かすためには、担当プロジェクトにプロセス設計の思考方法を落とし込み、実行する体制が必要です。具体的には、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーにあたるポジションを設け、人員を配置するのが良いでしょう。
プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーのそれぞれの役割や管理範囲、責任は以下の通りです。
ポジション |
プロジェクトマネージャー |
プロジェクトリーダー |
役割 |
プロジェクトの管理 |
プロジェクトの実行 |
管理範囲 |
全ステークホルダー |
プロジェクトメンバー |
責任 |
達成責任 |
実行責任 |
役割を理解して適切な体制を築き、プロジェクトを成功に導きましょう。
3.フィードバックの機会を設ける
せっかく研修を実施しても、実践に活用できなければ意味がありません。目標を達成できたか、得た学びを実践に活用できているかを振り返ったり、上司や講師からのフィードバックを行ったりする機会を用意しましょう。
プロジェクトマネジメントは個人で良し悪しの判断をつけるのが難しく、研修でスキルを学んでも身についているのかが自分では分かりづらいものです。第三者が対象者に対してフィードバックを実施することで、客観的な評価やアドバイスを得られ、次のプロジェクトにつなげられます。
フィードバックはプロジェクトの終了時だけではなく、プロジェクトの途中や個人面談、人事面談時に実施するのも効果的です。
4.学習と実践を繰り返す
プロジェクトマネジメントのスキルを身につけるには、研修と現場を繰り返し経験することが大切です。
プロジェクトマネジメントは難易度の高いスキルのため、研修だけで身につくものではありません。研修で学んだことを現場で試し、うまくいかなかったことを研修で学びなおすことにより、研修と実践が結びつきます。また、研修の中にグループディスカッションやロールプレイングといった実践の場を組み込むこともできます。
ひとつの現場だけではなく、他部署への異動や出向など、環境が異なる場所での経験も有効です。さまざまな状況を経験することにより、プロジェクトマネジメントスキルの向上につながります。まずは小さなプロジェクトから、受講者に実践の機会を与えていきましょう。