2023年02月09日
2024年11月01日
近年、日本の労働市場における人材不足は深刻化しています。人材不足を解消する鍵として、特にミドル・シニア層の人材が重要な役割を果たすことが期待されていますが、社会人歴が長いと新しい挑戦に対して受け身の姿勢になることも多く、生産性に課題があるという声も聞かれます。
そうした背景の中、社員一人ひとりが自分のキャリアについて主体的に考え、高いパフォーマンスを発揮するための手段のひとつとして、「キャリア自律」が注目されています。ミドル・シニア層のさらなる活躍を期待する企業にとって、キャリア自律の支援は有効な施策と言えるでしょう。
本記事では、キャリア自律が注目されている背景や企業が支援するメリット、具体的な施策内容やポイントなどについて詳しく解説します。
【調査レポート】企業のキャリア自律施策の実態とは?
キャリア自律を支援する施策が注目されていますが、どのように取り組めばいいか分からない方も多いのではないでしょうか。
・他社がどのようなキャリア自律施策を行っているのか知りたい
・これからキャリア自律施策を検討し、組織活性化を図りたい
・キャリア自律で打つべき施策を見極め、自社でも実践したい
そのような方に向け、「企業のキャリア自律施策の実態調査」レポートを公開しています。
キャリア自律を支援する施策を検討する際に、ぜひご活用ください。
目次
キャリア自律とは、社員一人ひとりがキャリアについて主体性を持ち、自らの力でキャリアを切り拓く姿勢のことです。昨今では「キャリアオーナーシップ」とも呼ばれます。
従来、キャリアは会社から与えられるものでしたが、キャリア自律の考え方においては、社員自らがキャリアを選択する意思が重要です。日本政府も2022年6月「骨太の方針」で人への投資を前面に打ち出しており、個人が主体的にキャリアを形成し、多様なスキルを身に着ける重要性を強調しています。
このような考え方は、業務や経験を通して自然と形成されるものではありません。企業は、キャリア自律を促進するため、社員が自らの意思でキャリアについて考え、行動できる仕組みや機会を提供する必要があります。
具体的には、以下のような施策が、キャリア自律の促進にあたって有効です。
各施策については、「キャリア自律を社員へ促す施策」の章で詳しく解説します。
「キャリア自律」という言葉は「自立」と混同されがちですが、両者は異なる概念です。
「自立」とは、他者の助けを借りずに自分一人で物事を行うことを指し、いわば外部からの援助を必要としない状態を意味します。一方で、「自律」は単に一人で行動するだけでなく、自分自身の意思で進むべき方向を決め、その結果に責任を持つ「自らを律する姿勢」を指します。
キャリア自律で求められるのは、一人で行動することではなく、キャリアの選択や目標に対して主体的に考え、企業や周囲の支援を受けながらも、自ら決断し行動に移すことです。
なぜキャリア自律が注目されるのか、必要性も踏まえてその背景を解説します。
キャリア自律が注目される背景のひとつとして、労働人口の減少が挙げられます。パーソル総合研究所の調査では、2030年には国内の労働市場において644万人の人材不足が見込まれます。
人材不足が続く中で、企業は優秀な人材を確保するだけでなく、限られた人材が最大限能力・スキルを発揮することが求められています。そのためにも、一人ひとりが主体的にスキルを身に着け、変化に対応できるよう、「キャリア自律」が求められています。
終身雇用や年功序列に代表される「メンバーシップ型雇用」から「ジョブ型雇用」へと、雇用形態のメインストリームが移行しつつあることも、キャリア自律が注目される背景のひとつです。ジョブ型雇用とは、職務内容を明確に定義し、職務や実績で評価する雇用システムを指します。
ジョブ型雇用では成果やスキルが人事評価に直結するため、社員は主体的にキャリアを考え、職務に応じたスキルを身に着ける必要があります。企業側もこうした社員に対し、仕組みを整えてキャリア自律を支援する必要があります。
【関連記事】ジョブ型雇用とは?メンバーシップ型との違いやメリット、事例を解説
企業を取り巻く環境が大きく変化する中で、社員のはたらき方や価値観、キャリア形成の在り方も多様化しています。
日本マンパワーの調査によると、「仕事の中で、将来の自分についてどのようなイメージを描いていますか」という質問に対し、「管理職になりたい」「出世は希望しない」「副業しながらはたらきたい」「起業をしたい」といった回答が挙がってくるように、キャリアに対する考え方はさまざまです。
このようにキャリアに対する価値観が多様化する中で、企業には社員一人ひとりのキャリア実現を支援し、スキルや能力を上げる人材開発が求められます。これまでのように入社年次に合わせて一律に行う「階層別研修」から、各人の課題に応じて自ら選択して受講する「選択型研修」へと移行している企業が増えているのは、そうした社会の変化を如実に表しています。
企業による積極的なキャリア自律の支援は、社員のみならず組織にもさまざまなメリットをもたらします。
ここでは、企業がキャリア自律を支援するメリットを4つの観点から解説します。自社が直面している課題と照らし合わせて、キャリア自律の考え方をどの観点から取り入れるべきなのか検討しましょう。
企業のキャリア自律支援によって、社員は自分の仕事に対して興味を持ち、意欲的に取り組む状態へと変化することが期待できます。
パーソル総合研究所の調査によると、キャリア自律度が高い層はキャリア自律が低い層と比べ、ワーク・エンゲージメントが1.27倍高いという結果が出ています。ワーク・エンゲージメントが高いほど、社員は誇りとやりがいをもって、いきいきとはたらけると考えられます。
ワーク・エンゲージメントが高い社員は帰属意識が高く企業との関係性が良好なため、業務に対するストレスも低い傾向にあります。このような社員が増えることで、職場のストレスが自然と抑えられ、組織全体にとってプラスになるでしょう。
帰属意識の高さは定着率向上にもつながります。定着率が高く、キャリア自律が支援される職場環境であれば、優秀な人材の採用にもつながり、さらなるパフォーマンス向上が期待できます。
また、先の調査において、キャリア自律度が高い層はキャリア自律が低い層と比べ、人生満足度も高いという結果が出ています。健康経営の観点からも、キャリア自律度の向上は重要な指標と言えるでしょう。
【関連記事】エンゲージメントサーベイとは?目的や効果、実施のポイントを解説
キャリア自律は個人のパフォーマンスにも影響します。キャリア自律度の高い社員が増えれば、組織は活性化し、生産性が向上するでしょう。
個人のパフォーマンスが高い社員は、組織ビジョンの実現に向け自らやるべきことを見出し、能動的・主体的に行動します。こうした社員は目の前の成果だけではなく「組織のビジョンをどう実現するか」という視点から行動できるため、社員同士で成長を支援したり、スキルを補い合ったりといった動きも期待できるでしょう。
社内の良質なコミュニケーションが増えれば、結果として組織のパフォーマンスも高まります。限られた人材の中で組織の生産性を上げるには、個人とチームがともに持続的成長を遂げられるよう、自律度を高める仕組み作りを行うことが必要です。
キャリア自律は、個人のスキルや能力を向上させる点においても有効です。近年、キャリアに対する価値観の多様化を受け、社員一人ひとりのスキルや能力を高めて企業の成長を図る「自律的な人材開発」を導入する企業が増えています。業務に必要なスキルの画一的な取得を促す人材育成とは異なり、自律的な人材開発では社員が自ら目的を設定して、スキルや能力の向上を目指します。
社員が目標を設定するためには、自らの成長イメージや目指すキャリアが描けている状態が不可欠です。企業がキャリア自律の支援を行えば、社員は自発的に自身のキャリアを描くようになり、結果として個々のスキル・能力アップにつなげられるでしょう。
キャリア自律の支援は、シニア人材の活用においても有効です。シニア人材の定義は明確にはありませんが、一般的に65歳以上の高齢者を指します。
シニア人材は、専門的な知識を高く持つ一方で、定年をきっかけにはたらくモチベーションが低下しやすい傾向にあります。企業主導ではなく、シニア人材が自ら理想のキャリアを目指して仕事に取り組むことができれば、組織パフォーマンスの向上にもつながるでしょう。
シニア人材を活用するためには、こうしたキャリア自律意識の醸成も含めた、人材の経験や能力に合わせた人材マネジメントが重要です。
【お役立ち資料】シニア人材の活躍を促す人材マネジメント
組織の高年齢化が進む中、シニア人材の活躍が注目されています。シニア人材のキャリア自律を支援する方法や人材マネジメントについて、一冊にまとめています。人材不足に悩んでいる方はぜひご覧ください。
社員へキャリア自律を促すために、企業はさまざまな施策を講じる必要があります。自社へキャリア自律支援を導入するにあたって必要な施策を理解し、導入の準備を行いましょう。
キャリア自律を促す8つの施策を紹介します。
キャリアに関する課題は、年代によって異なります。そのため、年代に応じたキャリアを考える機会(キャリア研修)を創出しましょう。
「自身のキャリアについて普段から考えている」という人は、若手社員の間では増加傾向にありますが、ミドル・シニアになるほど少ないのが現状です。「多忙により、考えられないまま時間ばかりが過ぎている」というケースも散見されます。
キャリアを考える機会の創出により、自らの強みや価値観、やりがいなどの自己理解を深めるとともに、同年代で対話をすることで相互作用によって気づきが促進され、自分だけでは考えられなかったキャリア目標を掲げられるようになることが期待できるでしょう。
キャリア目標に向けた行動計画を策定したうえで、上司とのキャリア面談を実施すると、実行に向けた支援が受けられます。
【お役立ち資料】人材育成課題を解決する"社員研修"のススメ
パーソルグループでは、従業員のキャリアを考える機会研修を支援しています。本資料では、実際の研修プログラムのほか、若手向けの社員研修プログラムなども紹介しています。
部下と上司がキャリアについて対話する場を設けます。上司は部下が今後のキャリアをどう考えているかをヒアリングし、双方向のコミュニケーションに努めましょう。それによって、部下に対して自律的にキャリアを考える必要性を伝えたり、必要な支援について一緒に考えたりすることができます。
キャリア面談を行う際は、キャリアプランシートの活用がおすすめです。キャリア意思を明確にすることで、過去・現在・将来と段階別にキャリアを考えやすくなります。
STEP1 これまでの経験 今の自分 |
STEP2 これからやりたいこと |
STEP3 どのように 能力を伸ばすのか |
---|---|---|
職務経験 (過去・現在) ・これまでの経験の棚卸し ・身につけた知識、能力 ・現在の職務について |
将来計画 (将来) ・自身の価値観、興味 ・自分の強み ・将来やりたいこと (仕事・プライベート) |
行動計画 (将来) ありたい姿に向けての ・自己啓発計画 ・研修受講計画 ・仕事経験の計画 |
また、先に紹介したキャリア研修にキャリアコンサルティングを組み合わせることもおすすめします。こうした体系的な取り組みは「セルフ・キャリアドック」と呼ばれています。セルフ・キャリアドックでは、中長期的な視点で社員のキャリアビジョンを描いた上で、ビジョン達成のための実践的なプロセスや環境を企業が提供します。
【関連記事】人材開発とは|意義や人材育成との違い、企業が取り組むべきポイント
キャリア面談をはじめとするキャリア自律支援の実践には、そもそも管理職が自身のキャリアについて考え、行動に移すことが重要です。しかしながら、管理職ほどキャリア自律の意識は低い傾向にあります。管理職がキャリア自律について何も理解しないまま、部下のキャリア支援を行っても効果は見込めません。
キャリア自律はなぜ必要か、どのような効果が見込めるのかを理解した上で、管理職が率先して自身のキャリアビジョンを描き、開発に向けた行動を実践できるように促しましょう。
そもそも、キャリア自律は若手層だけの取り組みではありません。ミドル・シニア層を含め、すべての世代がパフォーマンスを発揮し続けるためにも、 管理職自身がロールモデルとなって手本を見せていく姿勢が求められます。
【関連記事】管理職に必要なスキルとは|階層別の役割と育成のポイントを解説
社内にどのような部署や職務、ポジションがあるのかが明示されていることも重要です。今後、どのようなキャリアパスがあるのか把握することで、社員は自己の将来の可能性を認識し、キャリア目標を持ちやすくなります。
将来のポジションや役割を明確にすることで、「何ができなければいけないか」「今、何を学び、何をすべきか」が具体的になるでしょう。
キャリア自律に前向きな社員が増えても、その意向を会社や上司に伝えられなければ意味がありません。公募制度やキャリアカウンセリング、上司との1on1など、「キャリア意向の表明機会」を設けましょう。
必要な人材やポジションを公表し、社内で希望者を募る社内公募制度を活性化させることは、キャリア自律を促す重要な施策のひとつです。新たな業務や部署への異動を希望する社員が手を挙げやすいよう、積極的にキャリア意向が表明できる機会を設けましょう。
ここで重要なのは社内公募制度を策定するだけではなく、社内ジョブ・マッチング・システムを機能させることです。社員がキャリア意向を表明した結果、人事異動で配置転換を行ったなど、実際に希望が反映されていると社内に周知することが鍵となります。優秀な人材ほど、今の会社で自分がキャリア実現できるのかを考えています。
【関連記事】1on1とは?目的や話す内容・面談との違い
リカレント教育の推進も、社員のキャリア自律の支援に役立ちます。リカレント教育とは、学校教育を終えて社会人になった後も、就労と学習の繰り返しによってキャリアのレベルアップを目指すことです。
リカレント教育は誰かが強制するものではなく、個人の主体性に委ねられます。しかし、社員が研鑽に励むことは企業にとってもメリットになるため、キャリア自律と同様に学習支援を行う企業が増加しています。
リカレント教育の促進には、資格取得に応じた報奨金や、学習した社員を評価する制度を設けることが有効です。
【関連記事】リカレント教育とは?意味や必要性・リスキリングとの違い
リスキリングの推進も、キャリア自律の支援に有効です。リスキリングとは、現在とは異なる領域や職務のスキルを新たに習得する取り組みです。リスキリングの目的は、発展や変化をしている領域で新たなビジネス・価値を生み出し、より付加価値の高い職務を遂行できる社員を育成することです。
近年、産業構造が大きく変化し、一部の職種では人材過剰となる可能性も指摘されています。社員に新たなスキルを取得させることで、配置転換が行える観点からも、リスキリングが注目されています。
リスキリングは人材戦略のひとつであり、経営戦略と連動しています。そのため、社員の主体性に任せるのではなく、企業側が市場の情勢や経営戦略を考慮した上で、この先自社で求められる業務・スキルを決定しなければなりません。また決定後は、企業の発展に必要なスキルや、現時点で不足しているスキルを社員に周知することが重要です。現状と理想とのギャップを認識してもらうことで、社員は意欲的に学習に取り組みやすくなります。
【関連記事】リスキリングとは?DXとの関連性、企業が推進すべき理由を解説
【調査レポート】企業のリスキリング推進の実態
パーソルグループでは、660名を対象に「リスキリング」に関する定点調査を実施しています。企業のリスキリング実施率から対象部門、成果実感まで2024年8月に実施した最新調査の結果をまとめていますので、ぜひダウンロードいただき、ご活用ください。
副業では、社内では得られない経験や人脈を形成できます。個人が持つ知識やスキルを異なる形で活用し、その成果を本業に還元することが可能です。
パーソル総合研究所の調査によると、副業の実施によって「視野が拡大した」「業務で役立つスキル・知識が身についた」「モチベーションが高まった」など、スキルやマインドセット面で本業にプラスの効果が見られています。
副業を推進する際には、企業は社員の副業を抑制せず、サポートする姿勢を持つことも重要です。上司による「副業についてのアドバイス」「副業に対する肯定的な評価」といった積極的な支援は、副業が本業へ与えるプラスの効果を高めるでしょう。
企業が単に「キャリア自律を実践してください」と呼びかけるだけでは、社員が主体的にキャリアについて考えたり、学んだりする風土は育ちません。キャリア自律を成功させるためには、全社員がその重要性を理解し、自ら行動を起こしやすい環境の整備が重要です。
本章では、キャリア自律を成功させるための具体的な施策について、要点を絞って解説します。
キャリア自律の支援がなかなかうまくいかない企業の特徴として、社員がキャリア自律の必要性を理解していない点が挙げられます。制度ばかりを整えても、社員の理解が伴わなければ形骸化してしまう恐れがあります。
企業は社員に対し、なぜキャリア自律が重要なのか、その背景や意図を明確に伝えることが重要です。
キャリア自律の促進は、社員の成長のみならず、企業成長にもつながります。企業としてキャリア自律に取り組むという意思を示し、社員に納得感を与えることを心掛けましょう。
社員がキャリアについて考える際に気付きを与え、自分を見つめ直すきっかけが提供するために、キャリア相談窓口を設置しましょう。上司とは異なる視点から、アドバイスがもらえる点がメリットです。
窓口は設置して終わりではなく、相談後のフォローが重要です。相談者が、その後どのようにキャリアを進めているかを把握し、必要に応じてキャリア相談窓口やコンサルタントから、アドバイスを行いましょう。
近年では、メンター制度を導入している企業も増加しています。メンター制度とは、おもに若手社員に対し、精神面やキャリアなどの悩みについて相談できる先輩社員をサポーターとしてつける制度です。
若手社員の中には、相談窓口やコンサルタントに相談しにくい人もいるでしょう。年齢や社歴が近い先輩社員がメンターとして寄り添ってくれることで、より相談しやすくなります。
キャリア自律の醸成には、社員が能動的に学ぶ機会を提供することが重要です。パーソル総合研究所の調査では、個別業務のスキルアップ研修や中途入社研修、管理職向け研修などの研修機会がキャリア自律に影響を与えているが明らかになりました。
マネジメント研修やビジネススキル研修といった研修を実施すれば、社員は能動的な訓練の経験を積めると同時に、自身の適性を知る機会にもなるでしょう。さまざまな研修プログラムを用意し、社員に選択肢を与えることが大切です。
キャリア自律の支援施策についてご相談いただけます
パーソルグループでは、キャリア研修やキャリアカウンセリング、管理職向けの研修やコーチングなど、お持ちの課題や目的・対象者にあわせたさまざまなキャリア自律支援を提供しています。
キャリア自律施策の推進にあたってお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
最後に、キャリア自律促進に取り組んでいる企業の具体的な取り組みについて、パーソルグループがご支援した事例を紹介します。
とある企業では、既存の業態の枠を超えた新たなビジネスモデルの構築を目指し、組織・人事改革が求められていました。特に、社員一人ひとりの成長と自己実現の支援を達成するため、人材マネジメント改革に着手しました。
具体的には、事業を牽引する4つの人材タイプを定め、キャリアパスの複線化を行いました。従来の全員がマネジメントを目指す単線型から、専門職としてのキャリアを選択しやすくできるようになりました。加えて、自律的にキャリアを考えるための支援として、各人材タイプを目指すにあたって、どのような経験を蓄積すべきかといった例を可視化しました。
他にも、キャリアプランシートや上司とのキャリア面談(1on1)、自己申告制度、社内公募制度を導入しました。各制度の整備にあたって重要視されたのは「メンバーがキャリアを考え、上司との対話から気づきを得て、キャリアの意思表示をし、挑戦機会を獲得する」というメンバー視点での成長サイクルです。
このプロジェクトでは運用段階から現場を巻き込み、フィードバックを反映しながら3年かけて実施した結果、組織全体にキャリア自律の文化を根付かせることに成功しています。
企業がキャリア自律支援を行うことで、社員はキャリアについて主体的に考え、成長します。これにより、エンゲージメントが向上し、組織の活性化が期待できます。
キャリア自律を促進するためには、管理職の理解を深めたり、キャリア相談窓口を設置したりするなど、企業全体での啓蒙活動が重要です。
企業がキャリア自律を支援することで、優秀な人材を発掘し、組織の持続的な成長へとつなげましょう。