2025年03月13日
2025年07月29日
近年、企業競争力を高めるためにデジタル技術を活用する動きが加速しています。しかし、ただアナログ情報をデジタルへ変換するだけでなく、そこから新たな価値やビジネスチャンスを生み出す『デジタライゼーション』に取り組むことが重要です。
本記事では、デジタライゼーションの意味やDXとの違い、さらに実際の事例を交えながら解説します。大きな経済損失が懸念される「2025年の崖」への対応も含め、企業が今後取り組むべきポイントを理解し、次のステップにつなげるためのポイントを解説します。
【お役立ち資料】デジタライゼーションとDXの関係を整理したい方へ
デジタライゼーションをDXへ昇華させるには、取り組みの全体像を描き、プロセスを正しく設計することが欠かせません。
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目次
デジタライゼーションは、従来の業務プロセスを単に電子化(デジタイゼーション)するだけではなく、そこからビジネスモデルやサービス、製品に新しい価値を付与することに焦点を当てています。例えば、紙をPDF化してオンラインで共有するのはデジタイゼーションですが、そのデータを解析し、顧客ニーズに応じて個別提案する仕組みを構築するのがデジタライゼーションです。
このステップを踏むことで、組織は強力なIT基盤を確立するとともに、後述するDX(デジタルトランスフォーメーション)の土台をつくることができます。新たなビジネスチャンスの模索やサービスの拡充、さらには既存社内プロセスの高度化にも効果的です。

DXは、デジタル技術を駆使してビジネスモデルや企業文化そのものを変革し、競合優位性を得ることを目指します。
デジタライゼーションは、このDXを成功させるうえで欠かせない重要な前段階です。まずはデジタイゼーションで基本的な電子化を行い、次にデジタライゼーションで新しい価値を付加し、最終的にDXで企業を抜本的に変革するという段階的アプローチが効果的です。
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【お役立ち資料】DXを成功に導くポイントとは?
デジタライゼーションをはじめ、DXは多くの企業にとって不可欠となっていますが、成果を出すDXを実現するにはいくつかのポイントを押さえることが重要であることをご存じでしょうか。
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デジタライゼーションが求められる背景には、従来のシステムや紙ベースの業務を維持したままだと、競争力を失いかねないという懸念が存在します。特に、日本企業においては「2025年の崖」という深刻な問題が顕在化していることが、大きなきっかけとなっています。
ここでは、その社会的背景や経済的リスク、さらに企業がデジタライゼーションを推進することで得られる効果について、詳しく説明していきます。
経済産業省の「DXレポート(2018年)」によれば、過去の技術や仕組みで構築され、老朽化・ブラックボックス化したレガシーシステムを放置し、DXの推進が遅れると、2025年以降に年間最大12兆円もの経済損失が生じる恐れがあると予測されています。これがいわゆる「2025年の崖」という問題であり、 日本全体の競争力を脅かす要因です。
デジタライゼーションを進めることで、レガシーシステムを新しいプラットフォームへ移行しやすくなり、業務を効率化しながら新たな価値を創出する土台を整備できます。例えば、事業部門ごとに電子化だけが進められ、柔軟なカスタマイズや部門間の連携ができないシステムを、新しい価値を生み出せるように再編成するなどがあります。これが結果として、DXの本格的な実現に近づき、この崖を乗り越えるための具体的な対策へシフトできるのです。
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【お役立ち資料】2025年の崖を乗り越えるために取り組むべき8の施策
本資料では、企業が「2025年の崖」を克服できない要因やDXを成功に導くための8つのポイント、外部の支援サービスについてまとめています。DX推進にあたって既存システムに課題をお持ちの方はぜひご活用ください。
ビジネス環境は競合企業だけでなく、テクノロジーの進化からも大きな影響を受けます。グローバル市場では、いかに早くデジタル技術を導入し、顧客に対して価値を提供できるかが、生き残りを左右する重要なカギとなっています。
とりわけ、新たなビジネスモデルやサービスを立ち上げる際には、デジタライゼーションによってスムーズに情報収集・分析が行える体制を整えることで、自社の競争力確保へとつながります。
デジタライゼーションを実施し、アナログから脱却して業務データを一元管理できるようになると、多方面での応用が可能になります。例えば、データから顧客の嗜好を分析し、需要予測やパーソナライズしたサービス提供など、多彩な展開が見込まれます。
その結果、市場における差別化要素をつくりやすくなり、新規分野への参入や自社ブランド力の強化につなげることができます。こうしたビジネスチャンスの拡大は、中長期的な成長に不可欠です。
企業がデジタライゼーションを推進する際、コストや社内調整などの懸念材料はあるものの、それ以上に大きなメリットが得られる点が注目されています。新たな付加価値づくりや業務効率化、さらにはDXを加速させる効果も期待できます。
ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのかを俯瞰し、企業や組織のどの部分にどのようなインパクトをもたらすのかを整理します。
デジタル技術の導入により、従来にはなかった革新的なサービスや製品機能を提供できるようになります。例えば、販売した製品にセンサーを搭載して、使用状況をリアルタイムで把握し、消耗品の自動発注やメンテナンスサービスを最適化するなどが考えられます。
新しい付加価値を提供する企業は顧客満足度の向上だけでなく、市場における立ち位置やブランドイメージを高めることにつながります。長期的に見ても、継続的な収益源を確保しやすくなる点が大きな魅力です。
デジタルツールを導入することで、手作業や紙ベースのプロセスを大幅に削減できます。例えばクラウドシステムを活用すれば、社内外との情報共有やデータ管理が一元化され、スムーズなプロジェクト進行が可能です。共有データを利用することで、データ共有ミスによるコミュニケーションエラーも発生しないでしょう。
さらに、タスク管理やコミュニケーションツールを連携させることで、時間のロスを最小限に抑えられます。このように最適化されたワークフローが生まれることで、従業員一人ひとりの生産性向上につながるのです。
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ペーパーレス化などのデジタル技術の導入は、企業にとって大きなコストメリットをもたらします。書類の印刷や郵送などにかかる費用が減るだけでなく、保管スペースの節約やセキュリティ強化にも役立つでしょう。申請書などの承認フローも最適化されるため、無駄な待ち時間がなくなります。
また、クラウドサービスを使用することで、自社内に大規模な設備を構築する必要がなくなります。このような業務に合わせた拡張性の高い環境へ移行することで、運用コストの削減と効率的なリソース配分が実現します。
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デジタライゼーションはDXのベースとなるプロセスです。部分的な業務のデジタル化を進めると、組織全体がデータやシステムの活用に慣れ、より包括的な改革へのモチベーションが高まります。デジタル基盤が整うことで、新技術の導入がスピーディかつ柔軟に行えるようになるのです。
さらに、デジタライゼーションを実施する段階で人材育成や運用体制の整備を進めれば、DXへの移行がスムーズになります。外部パートナーや社内IT部門との連携体制も強化され、企業全体のデジタルリテラシーが向上するでしょう。
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デジタライゼーションは、業界や企業の規模を問わず広く適用できます。売上向上や業務効率化、顧客購買体験の向上などの目的で活用されている事例が存在し、いずれも大きな成果を上げています。
ここでは具体的な取り組み内容に焦点を当てて、それぞれのメリットや得られる効果について解説します。
日常的な業務の多くは、RPAやAIを活用することで自動化できます。特に経理処理や人事関連の定型業務では、手作業による処理時間を大きく削減できる可能性があります。
例えば、請求書処理では、AIによる光学文字認識技術(OCR)を使用することで、データ入力から支払い処理まで一連の作業を自動化できます。
従来は手作業で行っていた給与計算や経費精算も、クラウド会計システムとの連携により、大幅な効率化が期待できます。
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実店舗とオンラインを効果的に組み合わせることで、売上向上と顧客満足度向上を同時に目指せます。
例えば、ECサイトの開設だけでなく、実店舗の在庫状況をリアルタイムで確認できるシステムの導入により、顧客の購買体験を大きく向上させることができます。
さらに、スマートフォンアプリを活用したポイントプログラムやパーソナライズされた商品レコメンドにより、顧客の購買意欲を効果的に高められるでしょう。
工場や倉庫などの現場では、IoTセンサーを活用することで予防保全や在庫管理の最適化が実現できます。
例えば、製造ラインに設置したセンサーが機器の異常を事前に検知し、突発的な故障による生産停止時間を削減することで、工場の稼働率を最大化できます。また、温度や湿度を自動制御することで、保管品質の向上と省エネルギー化を同時に達成することが可能です。
デジタライゼーションは単純作業の自動化だけでなく、効率的な工場運営にも大きく貢献するでしょう。
社内のコミュニケーションツールを一元化することで、情報共有の効率と正確性を向上させることができます。
チャット、ビデオ会議、ファイル共有などの機能を統合したプラットフォームを導入することで、業務の進捗管理が容易になります。またクラウドベースのツールを活用することで、場所や時間に縛られない柔軟なはたらき方を実現できるでしょう。
特に在宅勤務やハイブリッドワークの導入において、セキュリティの高い情報共有と円滑なコミュニケーションが可能となります。
いざデジタライゼーションを始めようとしても、そのアプローチや優先度の付け方に迷う企業が少なくありません。
ここでは、業務フローを洗い出す手順や導入効果を見極める方法、そして実際の運用段階での改善サイクルなど、実践的なプロセスについて紹介します。
最初のステップは、各部署や担当者が日々行っている業務を詳細に洗い出し、可視化することです。現場で何が課題となっているのか、どの部分に非効率が潜んでいるのかを明確にするため、インタビューや観察を行い、フローチャートやプロセスマップで業務の流れと合わせて情報を整理します。
これにより、手戻りが多い工程や、重複して入力している作業などを客観的に把握できます。デジタライゼーションによる改善効果を見積もりやすくなり、どの業務から優先的に手を付けるべきかを判断しやすくなるでしょう。
【関連記事】業務可視化とは?進め方を3ステップで解説【フォーマットあり】
業務プロセスを全体的に可視化したら、次はデジタライゼーションに取り組んだ場合の影響を考慮しながら優先度を決めます。具体的には、作業工数が大きい業務や、エラーが発生しやすいタスク、高額なコストを要するプロセスなど、導入効果が大きい箇所をピックアップしていきます。
さらに、必要なシステム投資や研修コスト、そして導入による業務の混乱リスクなども併せてピックアップします。決定した優先度を踏まえて、段階的にプロジェクトを進めることが成功の秘訣と言えるでしょう。
課題が把握できたら、今度は具体的にどのようなデジタル技術やサービスを利用するかを検討します。例としては、クラウド型サービスの導入や、IoTデバイスの取り付け、RPAツールの活用などが挙げられます。
導入の判断基準としては、費用対効果、既存システムとの相性、運用後のメンテナンス性などが重要です。経営層や実際に運用に携わる現場担当者との意見をすり合わせ、将来的な拡張性にも配慮しながら選択することが求められます。個別最適の考え方はレガシーシステムが生まれる要因になるため、全体最適の視点で現場から経営層まで含めて検討することが大切です。
実際にデジタライゼーション施策を導入し始めたら、必ず実装後の効果検証を行い、改修点を洗い出すことが肝心です。どうしても想定外のトラブルや課題は発生するものなので、これを優先的につぶし、最適化を進める必要があります。
継続的なモニタリングを行うことで、次の段階のDXに向けたノウハウが蓄積されます。小さな成功体験を重ねることで社内の抵抗感が薄れ、さらなるイノベーションを呼び込む下地ができ上がるでしょう。
デジタライゼーションを進めるうえでは、システム導入やデータ移行だけに注力しても十分ではありません。適切なプロジェクトマネジメントはもちろん、社内文化の変革や専門人材の育成も不可欠です。
以下に紹介するポイントを押さえることで、デジタライゼーション施策が形だけのものに終わらず、実際に効果を発揮する取り組みになるよう育てられます。
広範囲にわたるデジタライゼーションを一度に実行しようとすると、現場の混乱やリソース不足、コスト超過などのリスクが高まります。そのため、まずは小規模なプロジェクトや一つの部署など、限定的な範囲で開始するのがおすすめです。
小さな成功事例を積み上げることで、社内の支援や理解を得やすくなり、次の段階へ移行するモチベーションを維持できます。投資規模も小さいため、失敗した際のリスク管理もしやすいでしょう。
優れたシステムを導入しても、実際に使用する従業員のリテラシーが低ければ効果は半減します。日々の業務でデジタルツールを活用するためには、基本的なITスキルやデータ活用のリテラシーを身に付ける機会が必要です。
そのため、研修プログラムや各種トレーニング、マニュアルの整備に加えて、トラブル時にサポートできる体制づくりを進めましょう。経営層からのトップダウンのメッセージや、成功事例の社内共有なども従業員のモチベーションを支える要素となります。
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デジタライゼーションをDXへ昇華させるには、取り組みの全体像を描き、プロセスを正しく設計することが欠かせません。
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デジタライゼーションは、DXを円滑に実現するための重要な前段階であり、企業の競争力を高める多くのメリットをもたらします。業務プロセスの可視化から取り組みを始め、スモールスタートや社内の専門人材育成などを意識しながら着実に進めることが成功のカギです。
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