2023年06月19日
2026年10月08日
IT・デジタル技術の発展によって、これまでにない新たな価値が次々と生まれている中で、企業が競争力を強化するためには、DX推進が不可欠となっています。しかし、DXは本質を正しく理解していないと、単なるデジタルツールの導入で終わってしまうこともあります。
そこで本記事では、DXを推進するうえで企業が抱える課題、必要なスキルやマインドを解説します。
「AIを入れただけ」で終わらせないために見直すべき5つの観点
AIを導入しても、現場に定着せずPoCで止まってしまう企業は少なくありません。本資料では、成果を阻む原因や見直すべき5つの観点、推進体制のつくり方を事例とともにわかりやすく解説しています。AI活用を自社のDX推進の成果につなげたい方は、ぜひご覧ください。
目次
DX推進とは、企業がデジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)の実現に向けて、あらゆる取り組みを加速させることを指します。
経済産業省が企業のDXの自主的な取り組みを促すために経営者に求める対応をまとめた「デジタルガバナンス・コード3.0」において、DX推進のメリットは以下のように書かれています。
・データとデジタル技術を活用して、既存ビジネスモデルの深化や業務変革・新規ビジネスモデルの創出を行うことで、顧客提供価値や収益等が向上する。
・DXを推進していく中で、企業は、生産性や従業員エンゲージメントの向上、創造性人材の育成等の恩恵を享受し、結果的に優秀な人材を獲得でき、人的資本経営の実現にもつながる。
・DXを推進していく上での前提となるサイバーセキュリティ対策を必要不可欠な投資であると捉え、サイバーセキュリティリスクを把握・評価し、対策を実施することで、企業活動におけるコストや損失を最小 化できる。
・また、個社のDXを超えて、国境・産業・組織等をまたぐデータ連携を行うことで、さらに付加価値を高めることができる。その際、法令等に従い適切なデータの保護措置等を実施し、データを管理・活用すること(データガバナンス)で、取引先等からの信頼性が向上する。
このように、DX推進は企業における業務効率や生産性の向上にとどまらず、新たな価値の創出や競争力の強化にもつながります。人手不足の深刻化やレガシーシステムへの対応、AIをはじめとするデジタル技術の急速な進展など、企業を取り巻く環境が変化するなか、DX推進の重要性はますます高まっています。
前述した経済産業省による「デジタルガバナンス・コード3.0」では、DXは以下の通り定義されています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
つまり、DXは「最新のツールやテクノロジーを活用することによって、組織全体や業務フロー、はたらき方を再構築し、市場での競合優位性や生産効率の向上を目指すこと」を指しています。
紙で行っていた作業にデジタルを活用することで業務効率化を図るだけではなく、ビジネスそのものを変革するためにデジタルを活用することを意味しています。
【関連記事】DXとは?意味や取り組み内容・メリットをわかりやすく
DXと混同されやすい用語として、IT化、デジタイゼーション、デジタライゼーションが挙げられます。

まずIT化とは、特定の業務に関してデジタルツールなどを導入して効率化を図ることです。DXは組織全体の業務変革によって新たな価値の創出を目指すものであるため、そもそもの目的が異なると言えるでしょう。
また、デジタイゼーションとデジタライゼーションについては、DXの前段階となるステップを指します。業務をデジタル化するデジタイゼーションから、ビジネスにおける社内外のフローやプロセスをデジタル化するデジタライゼーションを経て、DXへと到達します。
あらゆる企業にとって不可欠なDXですが、具体的に何に取り組めばよいかイメージができない方も多いのではないでしょうか。ここでは、企業が取り組むべきDXを大きく分けて3つの領域にまとめました。
DX推進のはじめの一歩となるのが「仕事のやり方を変える」プロセスDXです。従来の業務プロセスにデジタル技術を活用することで、業務効率化や業務改善を実現するために行います。
取り組み例
プロセスDXで仕事のやり方を改善した後に着手するのが「はたらき方を変える」ワークスタイルDXです。はたらく環境にデジタル技術を活用することで、時間や場所の制約を減らし、多様なはたらき手を受容し活躍機会を増やします。
取り組み例
最後に取り組むのが「あたらしい事業を生み出す」ビジネスDXです。新たな事業創造や既存ビジネスモデルの変革を目的として、デジタル技術を活用します。
取り組み例

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なぜDXが多くの企業にとって急務となっているのでしょうか。背景として以下の3点があげられます。
企業がDXを推進するうえで、老朽化・複雑化した既存システムへの対応は重要な課題の一つです。
長年にわたる改修によってシステムが複雑化・ブラックボックス化すると、維持・運用に多くのコストや人材を要するだけでなく、新たなデジタル技術の導入やデータ活用を進めにくくなる場合があります。
経済産業省は2018年に公表した「DXレポート」において、こうした既存システムの問題を解消できない場合、DXを十分に推進できず、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性を「2025年の崖」として指摘しました。
2025年を経過した現在において重要なのは、「2025年」という期限そのものではなく、そこで指摘されたレガシーシステムの課題に継続して対応することです。既存システムを見直し、データやデジタル技術を活用しやすい環境を整えることが、DX推進の基盤となります。
【関連記事】2025年の崖とは?定義や問題点・必要な対策をわかりやすく解説
AIをはじめとするデジタル技術の進展により、企業には既存業務を効率化するだけでなく、新たな商品・サービスの創出や顧客体験の向上など、デジタル技術を事業の変革につなげていくことが求められています。
実際に、生成AIなどの新たな技術を業務やサービスに組み込み、顧客への価値提供や業務のあり方を変える企業も登場しています。こうした変化が進むなか、これまで競争力を持っていた企業であっても、従来と同じビジネスや業務の進め方を続けているだけでは、競争優位を維持することが難しくなる可能性があります。
・Klarna(スウェーデンのフィンテック企業)
生成AIを活用したAIアシスタントをカスタマーサービスに導入し、顧客対応の効率化や応答時間の短縮など、生成AIを業務プロセスに組み込む取り組みを進めています。
・Walmart(米国の大手小売企業)
生成AIをはじめとするデジタル技術を、ECや商品情報の管理、従業員の業務支援など幅広い領域で活用し、顧客体験と業務の双方の変革を進めています。
このように、デジタル技術の活用は業務効率化にとどまらず、顧客への価値提供や事業の競争力にも影響しています。企業が競争力を維持・強化していくためには、データやデジタル技術を活用し、業務や組織、ビジネスそのものを継続的に変革していくことが重要です。
企業を取り巻く環境が変化するなか、DXはこうした変化に対応するための手段としても重要性を増しています。 特に日本では、少子高齢化などを背景とした人手不足が大きな課題となっています。パーソル総合研究所などの調査によると、2030年には7,073万人の労働需要に対して、労働供給は6,429万人となり、644万人の人手が不足すると予測されています。

人材の確保が難しくなるなか、従来と同じ業務の進め方を続けるだけでは、必要な業務を限られた人員で担うことが難しくなる可能性があります。デジタル技術やデータを活用して業務プロセスを見直し、生産性を高めていくことも、企業が持続的に事業を展開するうえで重要です。
また、顧客ニーズや働き方など、企業を取り巻く環境は継続的に変化しています。こうした変化に柔軟かつ迅速に対応できる組織や業務の仕組みを整えるという観点からも、DX推進の重要性は高まっています。
【関連記事】人手不足の現状と原因|業界別データと6つの解決策・事例も解説
DXに取り組む際は、以下の5つのステップにしたがってプロジェクトを進行すると良いでしょう。
まずはDX推進の目的を明確にすることから始めましょう。DX推進はすべての企業が早急に対応すべきことではありますが、目的がはっきりしないままプロジェクトを進めていても関係者に当事者意識が醸成されず、十分な効果が得られなくなってしまいます。自社のビジネスをどのように変革するためにDX推進を行うのかを明らかにして、関係者全員が共通認識を持つことが大切です。
DX推進の目的を定めたら、次は自社の現状と課題を整理しましょう。たとえば、現在運用しているシステムをリストアップし、その保守や管理に関わっている従業員の負担がどれくらいか、業務のボトルネックになっているのは何かなどを調査します。
解決すべき課題を抽出したら、DX推進の取り組みに必要な人員を揃えて、社内体制を整備します。DX推進は全社に影響するため、さまざまな部門やスペシャリストとの連携が欠かせません。プロジェクトマネージャーをはじめ、エンジニアやプログラマー、デザイナー、データアナリストなど、DX推進にあたって必要なDX人材を確保することが大切です。
プロジェクトの規模によっては、新たにDX人材を採用することも検討しましょう。
【関連記事】DX人材とは?役割や求められるスキル・獲得方法【事例あり】
DX推進は自社のビジネスへの影響範囲が大きく、一気にすべてを変えるのは難しいと言えます。そのため、着手するタスクの重要度や緊急性などにしたがって優先順位をつけてスケジュールを策定し、計画的に進めていきましょう。
DX推進は中長期的に取り組む必要があるため、新たな仕組みを運用しながら、都度改善点がないかを点検し、PDCAサイクルを回しましょう。外部環境の変化とともにビジネスのあり方も変容しなければなりません。刷新したシステムが再びレガシー化する可能性もあるため、常にアップデートを図ることが重要です。
DX推進の方向性が定まらないまま取り組みを進めると、投資対効果が見えにくく、プロジェクトが停滞することもあります。DXコンサルティングを活用し、現状診断から実行計画の策定まで、専任コンサルタントが伴走することで、計画的なDX推進を実現できます。
DX推進を阻む企業課題としては、主に以下の3つが挙げられます。落とし穴になりやすいポイントを踏まえて、自社のDXへの取り組み方を検討しましょう。
DXを推進するうえでは、デジタル技術に関する知識だけでなく、ビジネスや業務への理解をもとに、データやデジタル技術を活用して変革を進められる人材が必要です。しかし、多くの企業でこうしたDX推進を担う人材の不足が課題となっています。
IPAの「DX動向2026」によると、DXに取り組む企業のうち、DXを推進する人材の「量」が「大幅に不足している」「やや不足している」と回答した企業は合計85.5%に上ります。

また、人材の「質」についても88.8%が不足していると回答しており、量・質の両面で人材不足が続いています。
DXは一部のIT部門だけで進めるものではなく、事業や業務に精通した人材とデジタル技術に詳しい人材が連携しながら、全社的に取り組むことが重要です。DXを継続的に推進するためにも、必要な人材を確保・育成し、組織として推進できる体制を整えることが求められます。
また、パーソルホールディングスの調査によると、大手企業の6割、中小企業の4割が、DX推進に課題感をもっていることが明らかになりました。取り組みの障壁となっている課題として、最も回答数が多かったのは「推進のためのスキルを持った人材を社内で育成できない」でした。

DXを推進していくためにはデジタル技術に精通した人材だけではなく、業務プロセスを理解し改善できる人材や、抜本的な改革を推進できる人材など、さまざまなスキルをコラボレーションさせる必要があります。しかし、DX人材は獲得競争が激化しており、「予算を確保しているものの採用ができない」「社内でどう育成すればよいのかわからない」といった課題を抱える企業が増えているのが現実です。

【お役立ち資料】DXをリードする人材を育成するポイント
多くの企業においてDXが推進されていますが、DX人材の採用市場は競争が激しいため、推進できるスキルを持った人材を社内で育成する企業が増えてきています。本資料では、DX人材を社内で育成する際のポイントや準備すべきことについてまとめました。DX人材の不足にお悩みの方はぜひご覧ください。
長年、社内で使われてきた既存システムから刷新する場合の負担が大きく、DX推進が阻まれているケースもよく見られます。これまでの運用で蓄積されてきたデータが多いなどの理由で既存システムに依存していると、新たなシステムにリプレイスすることができず、古いシステムを使い続けざるを得ない状況になりかねません。

DXを推進する人材には、デジタル技術に関する専門的な知識だけでなく、ビジネスやデータ活用、関係者と協働して変革を進める力など、幅広いスキルが求められます。 ここでは、DX推進人材に求められるスキルを5つの観点から紹介します。
前述の通り、DX推進は単なるデジタルツールなどの導入にとどまらず、ビジネスの変革を目的に行われます。従来のビジネスモデルから転換し、新たな販売チャネルを立ち上げるなどの取り組みが考えられるでしょう。そのためDXの推進に関わる人材には、ビジネス戦略の策定・実行をはじめ、ビジネスモデルや業務プロセスの設計、マーケティングやブランディングの理解といった多様なスキルが求められます。
また、顧客提供価値を向上させる上で欠かせない顧客・ユーザー理解も、ビジネス変革のスキルに含まれます。
データ活用のスキルは、DXを推進する人材には不可欠と言えるでしょう。データを正しく理解し、ビジネスにおける意思決定や業務改善に活用できるスキルはもちろん、データ・AIの活用戦略を設計するスキルも必要です。
さらに、データサイエンティストとしての数理統計・多変量解析・データ可視化や、データエンジニアとしてのデータ活用基盤設計など、幅広い専門性が求められます。

【お役立ち資料】データサイエンティストの育成における課題とスキルレベルにあわせた適切な研修プラン
本資料では、データ活用人材の育成に必要なスキルや研修プランをレベル別に詳しく解説しています。専門家による伴走支援やオーダーメイドの研修設計を通じて、貴社のDX推進を成功へと導くヒントが満載です。
DX推進におけるテクノロジーのスキルは、主にエンジニアが担うソフトウェア開発を指します。基本的なプログラミングスキルはもちろん、ソフトウェアの設計や開発プロセスの策定、フロントエンドシステムやバックエンドシステムの開発などが当てはまります。
デジタル技術を駆使しながら自社の課題を解決する能力を持った人材は、DX推進の要となる存在と言えるでしょう。

【お役立ち資料】ChatGPTで変わるエンジニアのスキル・採用・組織作り
本資料では、ChatGPTの活用事例や、IT業界へのアンケート結果も交えて、AI時代におけるエンジニア組織のあり方を具体的に解説しています。これからの業務の流れやチーム運営を考える際の参考にご活用ください。
DXにおいて非常に重要なのがセキュリティのマネジメントです。社内の膨大なデータを扱うにあたって、データの流出や不正アクセスなどを防ぐ必要があり、万が一トラブルが起こった場合には企業の社会的信用にも関わるためDX人材に必須のスキルと言えます。企業の財産とも言えるデータを適切に管理することが、DX推進の基盤となります。
ここまでに挙げたビジネススキルや専門的な技術力はもちろん大切ですが、中長期にわたるDX推進のプロジェクトを進める上ではリーダーシップや適応力といったパーソナルスキルも欠かせません。困難な状況に直面しても柔軟に対処しながら確実にプロジェクトを遂行できるように、プロジェクトメンバー間で連携を図り、問題解決に導くスキルが求められます。

【お役立ち資料】DXを成功に導く人材採用・人材育成・組織設計と成功事例
DXの具体的な施策は企業ごとにさまざまですが、どの場合にも共通して重要なポイントがあります。本資料では、DX推進を成功に導くステップやDX人材の採用・育成ポイントと成功事例についてまとめています。これからDXに取り組む方も、推進にお悩みの方もぜひご活用ください。
DXを推進するためには、必要な知識やスキルを持つ人材の確保が欠かせません。DX人材を確保する方法には、外部から必要な人材を採用する方法と、社内の人材を育成する方法があります。 ここでは、それぞれの進め方やポイントについて紹介します。
人材市場におけるIT 通信業界出身者の需要はここ数年で急増し、獲得競争が激化しています。一般的な採用活動のほかに優秀なDX人材を競合他社からスカウトするケースも増えています。
前述のIPA(独立行政法人情報処理推進機構)の調査によると、外部人材の活用として、先端技術のエンジニアといったシステムの実務を担う業務に、外部の人材を積極活用している企業が多くなっています。一方、プロダクトマネージャーやビジネスデザイナーといったDXを主導するリーダー層は社内の人材を登用する傾向にあります。
DX人材を採用するためには、次のポイントを押さえておきましょう。
採用活動を始める前に自社の課題を洗い出し、DX人材に求める役割や必要なスキル、ノウハウを明確にします。
求める人物像が漠然としているときに陥りがちな、採用後の組織戦略とのミスマッチや、選考がスムーズに進まないといった事態を防ぐことができます。
DX人材への需要の高まりから、求職者にとって魅力的な企業であることをアピールできないと、なかなか応募や内定受諾者が集まらない可能性があります。
以上のように、「この企業に入りたい」「自身の能力が発揮できそう」という動機付けにつながる要素を棚卸ししてみましょう。面接時に「自社のどこに魅力を感じたか(気になったか)」を聞いてみると、求職者目線での企業の選び方のヒントを得ることもできます。
DX人材の採用は競争力が激しいため、「待ち」ではなく「攻め」の姿勢でアプローチしていくことを心がけましょう。
【関連記事】DX人材を採用するには?必要な資質や採用時のポイントについて解説
社内の人材を育成すれば、テクノロジーだけでなく自社のビジネスにも精通した、DXを推進する上で心強い戦力となる人材が確保できるようになります。ここでは、DX人材を育成するための3つのステップを解説します。
まずは、DX人材にどのような「スキル」「マインド」「行動」を求めているかを整理しましょう。整理する方法は2つです。
既存事業の価値向上を目指す、または新規事業でのマネタイズを目指すなどの経営戦略から、組織戦略を描き、あるべき人材像を深堀していく方法があります。ITと一口に言っても、知識の幅は多岐に渡るため、今後自社で強化したい方向性に合わせて、どのような知識が、どのくらいの成熟度で必要なのかを整理しましょう。
また、すでに社内で走っているプロジェクトにおいて高い価値を発揮している従業員がいれば、その従業員が持つスキルやマインド、行動を抽出してみるのも有効です。
求める人物像を定めたら、育成対象者のスキルセットやマインドとのギャップを確認します。ギャップを埋めるためにどのような研修が適しているか検討しましょう。
多くの場合、数回または短期間の研修で育成ゴールを達成できるわけではありません。段階的な育成施策を検討し、現状のスキルセットやマインドによってスタートする研修を変えられるカリキュラムだとよいでしょう。
なお「スキル」「行動」「マインド」のうち、マインドは簡単に変わるものではないため、「マインドを変え、行動を変える」のではなく、「行動を変えることで、マインドを変えていく」と考えておくことが重要です。
DX人材の育成を進める際は、「DXとは?」といった知識だけのインプットで終わらせずに実務実践を交えて行いましょう。実務実践とは、実際の課題を設定した上で、テクノロジーを活用した解決を試みることです。

上記のように、インプットとアウトプットを含んだサイクルを回しましょう。重要なのは「現場を変えるために行う」といった視点を持ち続けることです。
DXは単なる業務効率化ではなく、競合優位性の確立や生産効率の向上が目的であるためです。実践(=アウトプット)を繰り返すなかで、徐々にデジタル・自動化をベースに業務プロセスを考える癖が身についていき、デジタル思考へと変わっていくことが期待できます。

プロジェクト型のワークショップを多く行うなど、座学で終わらないカリキュラムを企画するとよいでしょう。
【関連記事】DX人材育成の6ステップ|ポイントやよくある課題、事例も解説

DX人材育成支援・研修サービスカタログを公開中
多くの企業ではデジタルスキルを持つ人材の不足や、現場での定着が課題となっています。このような背景のもと、全社的なDX推進や職種特化型のスキル習得が求められています。本資料では、PERSOLグループが提供するデジタル人材育成支援プログラムの概要やカリキュラム、導入事例などについて詳しくご紹介します。
最後に、DX推進のポイントを2つ解説します。
DXは既存の業務にツールを導入してデジタル化することと捉えがちですが、DXの本質は企業を変革していくための一つの手段であり、ツールの導入が目的ではありません。
例えば、従来Excelで管理していた勤怠管理にクラウド型ツールを導入したり、給与計算ツールと結び付けたりすることは、業務の効率化を叶えるための「IT化」といえます。一方、DXではその先の競合優位性や生産効率の向上を目指していきます。
したがって、ツールを入れた後も、期待した効果に対し、どれだけの成果が得られているかを検証しなくてはいけません。例えば、もともと月20時間程度かかっていた業務を5時間に削減して、営業活動により多くの時間を割く体制を作り、生産性の向上を目指していたとします。
新たに営業活動にかけるようになった15時間で「どれだけの売上や顧客満足度などの向上に貢献しているか」の検証が必要です。「ツールを入れて便利になった」で終わってしまわないよう、目的意識を持って導入しましょう。
繰り返しにはなりますが、DXは部署やチームのような小さな枠組みの中での改革ではなく、組織全体の改革です。経営者はもちろん、現場の従業員まで全員が同じ方向を向いて課題を解決していこうとする意識が大切です。
そのために、経営部門とマネジメント層だけがプロジェクトを把握するのではなく、現場の従業員にも十分な情報共有を行いましょう。
実際の企業が行ったDX推進の事例を3つ紹介します。自社の取り組みの参考にしてください。
ビルや商業施設・病院などにおいては、部屋や設備などの使用状況に応じた空調コントロールが必要です。しかし、設備管理者の人手不足が課題になっているケースも多く、できるだけ効率的で手間のかからない運用や管理が求められていました。
ダイキン工業株式会社が2021年から展開している「DK-Connect」は、空調機をクラウドに接続し、パソコンやスマートフォン・タブレット端末からの監視や制御を可能にします。これによって、顧客ごとに空調管理を効率化し、快適性の向上やエネルギー消費量の削減、管理工数の削減などにつながっています。
従来、建物内に新しいシステムを導入するには、システムや設備を個別に連携する必要があり、時間やコストがかかりがちでした。
こうした課題に対して、清水建設の「DX-Core」は建物のシステムや設備の一元管理を実現し、入居者・建物管理者・オーナーの利便性や業務効率性の向上に役立っています。
交通事故リスクの防止・軽減には、危険箇所の洗い出しや詳しい分析が欠かせません。ms&adインシュアランスグループホールディングスの「交通安全EBPM支援サービス」は、自社の保険サービスの提供によって蓄積されたデータを、事故リスク軽減のために活用するものです。自動車の走行データをもとに、危険箇所候補の選定、要因分析、対策の提案、効果の検証をワンストップで行うことができます。
「交通安全EBPM支援サービス」は自治体の安心・安全なまちづくりに貢献する取り組みとして、2023年の内閣官房主催「冬のDigi田甲子園」で、最高位の内閣総理大臣賞を受賞しています。
企業のDXが進まない理由とは?
社内DXの進め方をこの一冊で【無料DL】
DX推進に取り組んでいるものの、「人材が足りない」「ツール選定に迷う」「経営の方針が現場に伝わらない」といった理由で、思うように進まないケースは少なくありません。本資料では、こうしたDXが停滞する背景を整理しながら、社内業務を起点にDXを進めるための考え方とステップをまとめています。自社のDXのどこにつまずいているのかを整理したい方におすすめです。
パーソル総合研究所が提供する「リスキリングキャンプ」は、実現したいゴールや対象者のスキルに応じた最適なカリキュラム設計と、アウトプット前提の実践向け学習設計によって企業のリスキリングを支援する研修サービスです。
プロのキャリアコーチが受講者一人ひとりの理解度に合わせてフォローアップを行うため、着実に実践向けスキルを習得しながら継続して学習することができます。
スキル・マインドの両面を効果的にサポートすることで企業のリスキリングを成功へと導きます。リスキリングや自社のDXにお悩みの方はぜひお気軽にお問合せください。
グローバルでDXが加速し、外部環境がめまぐるしく変化していく中、企業が競争力を強化するためにDX推進は不可欠です。会社全体で取り組んでいく意識が必要であり、中長期的な取り組みになります。推進にあたっては、DX人材の不足が多くの企業にとって課題となっています。
本記事を参考にDX人材の採用・育成に一歩ずつ取り組んでいきましょう。
A.DX推進の障壁として多くの企業が「推進のためのスキルを持った人材を社内で育成できない」「社内のITリテラシーが不十分」といった人材・組織における課題をあげています。
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>>【データから読み解くDX推進のための組織づくり】エンジニア・DX人材の採用・育成・外部活用の実態と戦略
A.DX推進とは、企業がデジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)の実現に向けて、あらゆる取り組みを加速させることを指します。経済産業省の定義を用いると、DXとは「最新のツールやテクノロジーを活用することによって、組織全体や業務フロー、はたらき方を再構築し、市場での競合優位性や生産効率の向上を目指すこと」です。
紙で行っていた作業にデジタルを活用することで業務効率化を図るだけではなく、ビジネスそのものを変革するためにデジタルを活用することを意味しています。
DXを推進するにあたり、企業はさまざまな課題に直面しています。
>>DX推進とは?