2024年08月01日
2025年05月30日
営業戦略とは、企業が市場で生き残るために欠かせない事業計画のことです。効果的な営業戦略を立案するには、明確な目標の設定、市場および顧客ニーズの理解、内部および外部環境の分析など、いくつかのプロセスを経る必要があります。
本記事では、営業戦略を立案するための6ステップと、戦略立案に活用できる8つのフレームワークについて解説します。
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営業戦略は、「どの市場で」「どのターゲットに」「どの商品・サービスを」「どれくらい」売るのかといった目標や方向性を設定した計画を指します。事業の売上や市場シェアを拡大するための中長期的な指針となるため、目標は数値や「~になっている状態」など具体的に設定します。
営業戦略の立案時は、主に以下のような内容について策定します。

「営業戦略」は、事業における長期的な売上目標を達成するための方向性です。似た言葉に「営業戦術」がありますが、営業戦術は営業体制の配置や営業方法、見込み顧客へのアプローチ方法といった、営業戦略の実現に向けた具体的な行動計画のことを指します。
例えば、飲食店を開業する場合、自分の店舗の強みや競合店の強み、地域ごとの環境などを調査・分析して、店舗の立地やターゲットとなる顧客を定めることを営業戦略と言います。営業戦略を踏まえて、どのようなメニューを打ち出すか、チラシやSNSを使った広告でどのような訴求をするかなどを決めるのが営業戦術です。

経営戦略は、一事業だけではなく、会社の組織全体がどのようなビジネスモデルで利益創出や社会貢献を行っていくかの方向性を示したものです。営業戦略は、あくまで組織の営業部門における目標達成のための方向性である点で両者には違いがあります。
例えば、3年後に業界のトップシェアを目指すという経営戦略に対して、営業戦略には顧客層の拡大に向けた新商品の開発や、新たな販路の開拓などが挙げられるでしょう。

営業部門もマーケティング部門も、自社の商品・サービスの売上を伸ばすことを目標としている点では同じですが、具体的な役割や業務については両者間で分担されています。
マーケティング戦略では、市場やターゲットの調査・分析を踏まえて、商品やブランドの見せ方、見込み顧客とのコミュニケーション設計などを担い、見込み顧客の購買意欲を高めるための方向性を定めます。

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企業の営業戦略が重視されるようになった背景の一つには、生産年齢人口の減少が挙げられます。
生産年齢人口とは「労働に従事できる年齢層の人口」のことで、15歳以上65歳未満の数を指します。内閣府によると、生産年齢人口は令和4年(2022年)10月時点で7,421万人だったのに対し、約50年後の2070年には4,535万人まで減少すると予想されています。

生産年齢人口が減少すると、労働力不足だけでなく、国内需要の減少など経済全体に大きな影響を及ぼします。すでに「やみくもに営業しても売れる」という時代ではなくなっており、企業は営業戦略を策定する上で「縮小する市場にどう向き合うべきか」を考えなければなりません。企業によっては営業人材の確保が難しいケースも多く、一人当たりの営業リソースを増やしたり人材を育成したりするためには、できるだけ無駄を減らし、方向性のブレをなくす必要があります。
だからこそ、限られた労働力で効率的に目標達成を目指すためには、今まで以上に強固で精度の高い営業戦略が求められるのです。
営業戦略を立案する際のステップは、大きく6つに分けることができます。それぞれについて解説します。
まずは、中長期的な営業目標を設定します。具体的には売上目標や市場シェア率、年間契約件数、利益率、売上成長率などが挙げられます。
市場調査を行い、顧客ニーズやそのニーズを満たすための要件、市場で自社の置かれている立場・状況を正しく理解します。顧客ニーズに対して自社が提供している商品が適合しているかについても、あらためて確認することが重要です。
市場との適合性を見極める手法として、自社の内部環境と外部環境を「強み」「弱み」「機会」「脅威」として洗い出すSWOT分析などがよく用いられます。
自社の商品・サービスが顧客の現場ニーズを満たすだけでなく、顧客の事業にどのような価値を提供できるのかを明確にし、顧客が自社商品を購入する理由を具体化します。
顧客の上位課題を考えるにあたっては、5C分析が有効です。5C分析とは、3C分析の概念をさらに深掘りしたフレームワークで、顧客(Customer)が、顧客の市場(Customer's Customer)に対し、顧客の競合(Customer's Competitor)とどのような競争を強いられているのか、そこから見えてくる課題を分析するものです。
また、BtoBの場合は一個人で購買活動が完結しないため、意思決定に係る人物を洗い出し、その上位課題に対する役割を整理しておくことが重要です。
基軸営業プロセスとは、顧客が自社の課題を認識し、商品・サービスを購入するまでの購買プロセスを明確にしたものです。
「課題認識」「情報収集」「解決策の決定」「比較検討」「購入」「評価・改善」それぞれのフェーズで、顧客の状態・期待・達成ゴール・売り手側の営業プロセスとその期待に応える活動を定義・明記します。
また、顧客が購買行動を起こすまでの思考を分析するのも大切です。購入までのプロセスの中でプラス要因とマイナス要因を特定し、購入を控える要素をつぶしていくことで、売上アップにつながります。
基軸営業プロセスの策定においては、既存顧客や営業担当へのリサーチ、競合他社の営業プロセス分析などが効果的です。
現状の営業活動における課題点を洗い出します。工数がかかり過ぎている業務やボトルネックの要因などを見つけ出すことで、営業活動の効率化や成果の最大化につながります。
現状の課題の把握には、SWOT分析や3C分析などが有用です。
目標達成に向けた進捗の測定および管理には、KPIの設定が不可欠です。KPIとは、何を達成したいか、そのためにどのような行動が必要かを明確にする「重要業績評価指標」のことで、営業活動を評価・管理するための定量的な指標といえます。
KPIは営業活動の進捗を可視化し、課題発見や解決につながる重要な概念であるため、必ず設定しましょう。営業におけるKPIの指標例は、以下の通りです。なお、設定するKPIは必ずKGIと連動していなければなりません。
【関連記事】営業のKPIとは?設定するメリットや6つのポイントについて解説
営業戦略の立案時は、フレームワークを活用するとより効率的に分析や指標の設定ができます。ここからは、営業戦略立案時に活用できるスタンダードなフレームワークを8つご紹介します。
3C分析とは、ビジネス環境の理解に役立つフレームワークです。「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の頭文字をとって3Cと呼びます。
| 市場・顧客 Customer |
市場の規模や成長性、顧客ニーズ、顧客の購買および消費行動を分析します。理想像の顧客がどのような商品やサービスを求めているか、どのような購買行動をとるかも含まれます。 |
|---|---|
| 競合 Competitor |
競合他社のシェア、競合他社の特徴、参入や代替の脅威、業界ポジション、対象となる競合の特徴や今後想定される行動を分析します。 |
| 自社 Company |
自社の強みや弱みを分析します。分析項目は、理念やビジョン、事業や製品の現状、資本力、PR力、投資能力、現有リソース(ヒト・モノ・カネ)、現有ビジネスの特徴などです。 |
【関連記事】3C分析とは?目的、やり方、戦略への活かし方をわかりやすく解説
事業やプロジェクトの戦略を立てる際に用いられるフレームワークです。自社の内部環境と外部環境を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4象限で分析します。

内部環境の分析では、自社の競合優位を生み出す要素(強み)と改善が必要な点(弱み)を洗い出します。一方、外部環境の分析では市場の成長性や技術の発展といった有利な要素(機会)と、競合の増加や社会情勢などのリスクや警戒要因(脅威)を洗い出します。
【関連記事】SWOT分析とは?やり方や具体例、活用法をわかりやすく解説
4P分析とは、アメリカのマーケティング学者であるジェローム・マッカーシー氏が提唱したマーケティング戦略のフレームワークです。「製品(Product)」「価格(Price)」「販売場所(Place)」「販促活動(Promotion)」という「P」から始まる4つの軸で分析します。

| 製品 Product |
提供する商品やサービスのスペックや特徴、デザイン、パッケージ、補償内容などを分析します。そして、顧客のニーズを満たせているか、競合の商品との差別化はできているかなどを評価します。 |
|---|---|
| 価格 Price |
商品やサービスの価格設定で、顧客がその価格をどう感じるか、ターゲットに対する価格設定は正しいかを分析します。競合他社との価格を考慮し、価値を感じられる設定にしなければなりません。 |
| 販促活動 Promotion |
商品やサービスを認知してもらうための販促活動を指します。ターゲット顧客にマッチしたプロモーションを分析し、魅力を最大限に伝えることが重要です。 |
| 流通 Place |
商品やサービスの販売場所および流通経路を分析します。ターゲット顧客に需要のある場所で販売できているか、イメージに合う販売場所であるかを確かめます。 |
【関連記事】4P分析とは?目的、やり方、マーケティング戦略での活用法を解説
4C分析はアメリカの経済学者、ロバート・ラウターボーン氏が提唱したフレームワークです。顧客目線でのマーケティング戦略で「顧客価値(Customer Value)」「コスト(Cost)」「利便性(Convenience)」「コミュニケーション(Communication)」という4つの軸から分析します。

| 顧客価値 Customer Value |
顧客が抱いている、自社商品やサービスに対する価値を指します。 |
|---|---|
| コスト Cost |
商品やサービスの価格が顧客にとってどう感じるか、妥当性があるかを分析します。品質に合致した価格設定が重要です。 |
| コミュニケーション Communication |
ECサイトやSNS、カスタマーサポートなど、顧客との接点について評価します。求められている接点は補えているか、顧客とのコミュニケーションを十分に取れているかを確認します。 |
| 利便性 Convenience |
自社商品やサービスが顧客によって購入しやすいかを評価します。アクセシビリティーや決済方法、移動コストなどから判断します。 |
ファイブフォース(5フォース)分析とは、アメリカの経営学者であるマイケル・ポーター氏が提唱した法則です。フォース(force)は「脅威」や「競争要因」を意味する言葉で、自社の事業にとって脅威となり得る以下の5つの要素を分析します。

| 競合企業 | 競合他社の脅威を、市場シェア状況や資金力、認知度、差別化状況から分析します。 |
|---|---|
| 新規参入企業 | 異業種から新規参入しやすい業界は価格変動が起こりやすく、収益性が下がるリスクがあります。市場規模や成長率、既存ブランドの強さなどから分析します。 |
| 代替品 | 代替品となり得る他社の商品・サービスのことです。競合他社の商品やサービスではなく、異業種から参入される脅威を指します。独自の商品価値やコストパフォーマンスから分析し、乗り換えられない強みや工夫を導き出します。 |
| 売り手 | 自社と売り手との関係は、仕入れ値に関わる重要な要素です。仕入れ値や市場における売り手の現状、コスト交渉を分析し、交渉内容によっては売り手を代替可能とする状態が望ましいでしょう。 |
| 買い手 | 価格競争が激しい業界では、買い手が値下げを交渉したり、品質向上を求めたりすることで収益が下がるリスクがあります。スイッチングコストや価格設定、価格交渉対策について検証します。 |
【関連記事】ファイブフォース分析とは?具体例を用いて分かりやすく解説
イタリアの経済学者、ビルフレッド・パレート氏が発見した法則です。「結果の80%は、全体の20%の要素によって生み出される」という考えから、重要な20%の要素を導き出すためのフレームワークとして活用されます。
具体的には、タスクの優先順位を決めて生産性を上げたり、売上規模上位2割の顧客に営業リソースを割いたりするなどの施策に落とし込まれます。
PEST分析とは、アメリカの経営学者であるフィリップ・コトラー氏が提唱した外部環境を分析するためのフレームワークです。自社を取り巻く外部環境を、以下の4つの観点から分析します。

| 政治的要因 Politics |
国内および国際的な政治の変動はビジネスにも影響します。業界に関わる法改正や制度の変更、規制緩和、物流や貿易に関わる国際的な政治動向、新しい公的支援制度など、事業に影響を与える変化に注目します。 |
|---|---|
| 経済的要因 Economy |
景気および経済の情勢は、顧客の消費動向に影響します。国の経済成長率や景気、金利、為替、物価に関わる動向、雇用情勢や賃金動向に着目します。 |
| 社会的要因 Society |
トレンドや文化、習慣の変化もビジネスに大きな影響を与えます。人口や世帯の変動、流行、消費スタイルの変化、社会問題、教育制度、世論にも注目します。 |
| 技術的要因 Technology |
業界に関わる技術の進化や開発の情報も重要です。業務効率化や事業拡大につながるチャンス、機械化や自動化が進んでいる分野、ITインフラの変化などを考慮します。 |
PEST分析は、自社ではコントロールできない外部環境の現状を把握できます。事実と解釈、チャンスとリスク、短期と長期で分けるなど外部環境をさらに細分化すると効果的です。
【関連記事】PEST分析とは?目的や事例、自社の戦略に活かす方法を解説
MECE(ミッシー/ミーシー)とは論理的思考の基本的な概念のことで、もともとはコンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーで使われていた社内用語として知られています。
「漏れなく、ダブりなく」を意味し、問題の全体像を見て要素を網羅し、構造を理解していることを指します。「お互いに(Mutually)」「重複せず(Exclusive)」「全体に(Collectively)」「漏れがない(Exhaustive)」の頭文字をとって「MECE」と呼びます。
MECEは汎用性が高いフレームワークとして知られています。話の飛躍なく因果関係を理解でき、重複や漏れ、ズレがないことはあらゆるビジネスにおいて重要です。
最後に、営業戦略立案時に意識しておくべきポイントを解説します。
いくら素晴らしい営業戦略を立案したとしても、現場のセールスパーソンが忠実に実行してくれなければ「絵に描いた餅」です。セールスパーソンが営業戦略に沿ったアクションをやらない(できない)のは、「正しく理解できていないこと」が原因である可能性が高いといえます。
やることだけを落とし込もうとすると、誤解や反発を招く可能性があります。営業戦略を掲げるだけで満足するのはNGです。落とし込むにあたっては、「なぜそうなったのか」というところまで説明し、メンバーが理解・納得できるように導くことが重要です。
営業戦略には、状況に応じて適宜変更・調整していく柔軟性が欠かせません。市場や競合の動向、顧客ニーズ、テクノロジーのトレンドなどは、時間の経過とともに変化していきます。人員の増減なども含めて、社内体制も「ずっと同じ」ということはありません。そのため、定期的に分析を行い、目標の見直しを図ることが大切です。
とはいえ、営業時の機会損失を招かないためにも、戦略の見直しにはスピード感が求められます。実務を通して実行と検証を重ねながら戦略レベルを見直していくというアジャイルマインドが必要です。
営業戦略には、「立案」と「アジャスト(調整・浸透)」という2つのフェーズがあります。策定した営業戦略を組織にしっかり落とし込みたい場合は、営業戦略コンサルタントの力を借りるのも手です。
営業戦略コンサルタントにはこれまでの経験から戦略立案やアジャストに適したスキームがあり、どんなワークやディスカッションが必要か、どういった企業でうまくいったか(いかなかったか)という事例を持っています。戦略立案だけではなく、現場の教育や上流・下流の橋渡し、実行までフォローしてくれるコンサルタントなら、いち早く成果につなげることも可能です。
営業戦略を立案する際には、顧客や営業活動に関する過去のデータも検討材料として参照するとよいでしょう。特に以下の営業ツールを導入している場合は、レポーティング機能を用いて顧客の特性や営業活動のボトルネックなどを把握しておくことをおすすめします。
SFA(Sales Force Automation)とは、営業支援ツールのことです。SFAは営業プロセスの可視化に役立ち、リアルタイムに売上予測や商談状況を確認することができます。このようなデータを根拠にすれば、実現性の高い営業戦略の立案が可能になるでしょう。
【関連記事】SFA(営業支援)ツールとは?機能やメリット、導入ステップについて解説
MA(Marketing Automation)とは、マーケティング活動を自動化・効率化するツールのことです。MAは企業のマーケティング活動における顧客一人ひとりへのアプローチを仕組み化でき、顧客を購買へ導くためのプロセスの可視化を実現します。SFA同様に蓄積されたデータをもとに、自社の現状に即した営業戦略を検討することが可能です。
【関連記事】MA(マーケティングオートメーション)ツールとは|機能や選び方をわかりやすく解説
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客との良好な関係性を構築するための施策を管理するツールです。顧客情報はもちろん、顧客との過去のやり取りも一元管理できるため、営業戦略の立案にあたって自社の顧客対応に関するデータを参照したい際に有用です。
【関連記事】CRMとは?基本機能や選定・比較方法、メリットを分かりやすく解説
営業戦略の立案において、市場調査は欠かせません。市場や顧客に対して価値の高い商品やサービスを提供し続けなければ、企業の継続的な利益創出は望めないでしょう。また、市場は目まぐるしく変化するため、常に時代のニーズを汲み取り、営業戦略に反映する必要があります。
市場調査の具体的な手法や手順については、以下の記事をご参考にしてください。
【関連記事】市場調査の方法とは?手法や具体的な手順と実施時のポイント
営業戦略の立案に関して、実際にパーソル総合研究所が支援し、成果が上がった事例を2つご紹介します。
高度な技術を扱っている技術商社兼メーカーA社では「新製品が出ないから売れない」という現場の声に、製品化のスピードを強化しましたが、その新商品はなかなか売れないばかりか、新製品を欲していたはずの営業担当者が、ほとんど紹介すらしていませんでした。
なぜなら、サービス開発部門がスピードを重視するあまり、甘い市場ニーズ分析に基づいた「作りたい製品」を作ったため、営業は「どう売ればいいか分からない」という状況だったからです。スピードも重要ですが、「リアルなニーズ」を押さえておかなければ、良い商品でも売れないことがあります。
そうした状況を解決するため、製品を「売る側」の目線でフレームワークを使って整理。マーケティング部署と営業部署が共同でワークを実施し、「どうすれば売れる商品になるのか」を合議しました。結果、営業サイドのやるべきことがクリアになり、初動率が約20%向上。新商品は初動が命、営業の迅速なアクションにより売上アップが実現しました。
化粧品メーカーB社は、自社の化粧品を代理店経由でサロンに販売しています。代理店には専売のケースと併売のケース(競合の商品も扱っている)があり、併売の場合は代理店によって「どの程度本気で売り込んでくれるか」が変わります。
にもかかわらず、営業は「(エンドユーザーに)何軒に売り込んだか」「(代理店に)何回説明会を実施したか」といった別々の指標で管理・評価されていたため、行動が成果につながりにくい状況になっていました。
そうした状況を解決するため、エンドユーザーベースで営業活動を管理しながらも、「エンドに対してどれだけ啓発したか」、それが「代理店の担当者によってどうフォローされたか」のアクションを営業活動にひもづけて、自分たちでするようにマネジメントを変更していきました。その結果、各セールスパーソンは「どれくらい」ではなく「どのように」活動したかを意識。営業の手法や質にこだわるようになり、以前に比べて施策実行率や受注率が上がりました。
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パーソルグループでは、営業組織が機能しない原因や成果を出す組織設計のポイントをまとめた「営業のためのPDCA・KGI/KPI設計ポイント」を無料で公開しています。
営業戦略の策定や、KGI/KPI設計にお悩みの方はぜひご活用ください。
本記事では、営業戦略立案のステップや立案時に活用したいフレームワーク、営業戦略を立てる際や実行・定着を図る際に意識したいポイントについて解説しました。効率的・効果的な営業戦略の立案には、フレームワークの活用と現場の参画が欠かせません。
自社の限りあるリソースを最適に分配し、目標を達成するために強固な営業戦略を立て、現場のスタッフを巻き込みながら浸透させていきましょう。

株式会社パーソル総合研究所
営業力強化事業本部 営業力強化コンサルティング部 第2グループ シニアコンサルタント
河村 亨
機械商社を経て富士ゼロックス総合教育研究所(現パーソル総合研究所)に入社。教育の営業・営業マネジメントを経て「SFAの現場定着」「戦略実行」をテーマとした営業マネジメント力強化コンサルティングに従事。その後自社マーケティング部にてABM(Account Based Marketing)を構想・実践、現在に至る。PMI認定PMP。
著書に「自ら考え戦略的に動く営業集団をつくる 3つのフレームワーク」「Sales Enablement アカウント型BtoB営業における営業力強化」、共著「訪問しない時代の営業力強化の教科書」など