2025年03月28日
2025年07月30日
営業活動の成果を最大化し、ビジネスを成功に導くためには、適切なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の設定が不可欠です。
KPIとは目標達成度を測るための具体的な指標であり、売上高や顧客単価、成約率など、さまざまな種類があります。KPIを設定することで、営業活動の現状を把握し、改善点を洗い出せます。
しかし、KPI設定は闇雲に行うのではなく、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
本記事では、営業のKPIを設計する上で重要なポイントや、具体的な設計ステップについて詳しく解説していきます。これらの情報を参考に、自社にとって最適なKPIを設定し、営業活動の成果向上につなげていきましょう。
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KPIとは、営業目標の達成度を測るための定量的な指標です。営業活動の成果を可視化し、目標達成に向けた進捗状況を把握する上で、KPIは欠かせない存在です。
KPIを設定することで、チーム全体の目標意識を高め、効率的かつ効果的な営業活動を促進できます。
KPIを設定する際は、自社の営業戦略や目標に合わせて、適切な指標を選択することが重要です。ここからは、営業組織で用いられる代表的なKPIや、KGIとの違いを解説します。
営業活動の成果を測るKPIは多岐にわたります。KPIは企業の規模や業種、営業戦略によって、重要度や設定するべき項目が異なります。自社の課題や目標に合わせて適切なKPIを設定し、定期的に見直し・改善することが重要です。
ここでは営業活動の流れに沿って、代表的なKPI例を詳しく解説し、それぞれの指標が持つ意味合いと、KPIを達成するための施策例を具体的に示していきます。
アポイント獲得率は、リードにアプローチをした件数のうち、アポイントを得られた割合です。どれだけ効率的に顧客との接点を獲得できているかを示します。
アポイント獲得率向上のための施策には、以下のような内容が挙げられます。
キーパーソン接触率とは、意思決定者へのアプローチ成功率を測る指標です。キーパーソンとの関係構築は、成約率の向上に大きく影響します。
キーパーソン接触率向上のための施策は以下の通りです。
商談件数は、営業活動の量を測る指標です。多くの商談を行うことで、成約につながる可能性を高められるでしょう。
商談件数を増やすための施策は、以下の通りです。
成約率は、営業活動を行った顧客のうち、成約に至った顧客の割合です。営業活動の最終的な成果を測る、重要な指標です。また商談から成約に至るまでの効率性を示しており、営業プロセスの改善に役立ちます。
成約率向上のための施策には、以下の内容が挙げられます。
売上高は、企業の収益を測る基本的な指標であり、営業活動の最終的な成果を示すものです。企業全体で目標としている売上高を達成するために、個々の営業担当者やチーム全体の月次の売上目標をKPIとして設定し、進捗状況を管理します。
売上高を向上させるための施策例は以下の通りです。
顧客単価は、顧客一人当たりから得られる売上高を示す指標です。顧客単価を高めることで、売上高の増加につながります。
顧客単価の向上につながる施策例は以下の通りです。
新規顧客獲得数は、文字通り獲得した新規顧客の数であり、事業の成長を測る上で重要な指標です。新規顧客の獲得は、売上増加だけではなく、将来的な顧客基盤の拡大にもつながります。
新規顧客獲得数の向上につながる施策として、以下が挙げられます。
顧客獲得コストは、新規顧客を獲得するために必要な費用を示す指標です。営業活動の費用対効果を評価し、効率的な顧客獲得戦略を立てるために活用します。営業組織のマネージャーや、インサイドセールスなどを担うマーケティング組織のメンバーがKPIとして設定するケースが目立ちます。
顧客獲得コスト削減のための施策例は以下の通りです。
顧客維持率は、一定の期間にどれだけ既存顧客との取引を継続できているかを示す割合です。既存顧客の維持は、新規顧客の獲得よりもコストパフォーマンスが高く、安定的な収益確保につながります。
顧客維持率を上げるための施策例は、以下の通りです。
アップセル・クロスセル率は、既存顧客への追加販売の成功率を測る指標です。顧客単価の向上につながり、売上高の増加に寄与します。
アップセル・クロスセル率の向上のための施策には、以下のようなものが挙げられます。
顧客生涯価値(LTV)は、顧客一人当たりから生涯にわたって得られる利益を示す指標です。LTVを高めることで、長期的な収益増加につながり、事業の安定化に貢献します。
顧客生涯価値を向上させるには、以下のような施策が必要です。
【関連記事】LTV(ライフタイムバリュー)とは?計算方法や向上させる施策を解説
顧客満足度は、顧客が製品やサービスにどの程度満足しているかを示す指標です。顧客満足度を高めることで、顧客維持率向上や口コミによる新規顧客獲得につながります。
顧客満足度を向上させるには、以下のような施策を行います。
KPIとKGIは、どちらも目標達成度を測る指標ですが、その役割は明確に異なります。KGIは「Key Goal Indicator」の略で、最終的な目標を指します。一方、KPIは前述の通り「Key Performance Indicator」の略で、KGI達成に向けた中間目標を指します。
例えば、ある企業が「年間売上高10億円」というKGIを設定したとします。このKGIを達成するために、「新規顧客獲得数100件」「顧客単価1,000万円」「成約率20%」といったKPIを設定し、日々の営業活動を評価・改善していくのです。
KGIは目指すべき最終的なゴールを示すものであり、KPIはそのゴールに到達するための道標といえます。KPIを達成することで、KGIの達成に近づけます。
KGIとKPIを区別し、それぞれの指標を適切に設定・管理することが重要です。KGIを達成するためには、KPIを分析し、改善を繰り返すPDCAサイクルを回していくことが求められます。

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営業組織においてKPIを設定することは、個々の営業メンバーからチーム全体、そして企業全体の成長にまでつながる、多くのメリットをもたらします。それぞれのメリットを理解し、KPIを効果的に活用することで、営業パフォーマンスの向上とビジネスの成功を実現できるでしょう。
ここでは、営業のKPIを設定する主なメリットを、4つの視点から詳しく解説していきます。
KPIを設定することで、営業メンバーの評価をより客観的かつ公平に行うことができます。従来の評価では、売上高のような結果のみを重視する傾向がありました。しかし、KPIを設定することで、成約率や顧客単価、商談件数など、メンバーの成果をさまざまな指標から総合的に判断できるようになり、適切な評価と育成につなげられます。
例えば、売上高は高くなくても、新規顧客獲得数が多い担当者は、将来的な売上増加に貢献する可能性を秘めているといえるでしょう。成約率が高い担当者は、顧客ニーズを的確に捉え、効果的な提案を行えていると評価できます。
KPIは、営業メンバー自身の営業活動の改善にも役立ちます。日々の活動におけるKPI達成度を可視化することで、自身の進捗状況を把握し、改善すべきポイントを明確にできます。
例えば、アポイント獲得率が低い場合は、アプローチ方法や提案内容を見直す必要があるかもしれません。また商談件数は多いのに成約率が低い場合は、顧客ニーズのヒアリングやプレゼン方法に課題がある可能性があります。
KPIを意識することで、自身の営業活動を客観的に分析し、パフォーマンス向上のための具体的な行動計画を立てられるのです。
チーム全体のKPIを設定し、個々のメンバーの達成度を比較することで、マネージャーはメンバー同士のパフォーマンスの差異を明確に把握することができます。
例えば、成約率が高いメンバーの営業手法を分析し、他のメンバーに共有することで、チーム全体の成約率向上につなげることができます。また顧客単価が低いメンバーには、アップセル・クロスセルに関する研修を実施するなど、個々の課題に応じた育成プログラムを設計することができます。
一度立てた営業戦略も、KGIやKPIの達成状況に応じて柔軟に見直すことが重要です。KPIの達成状況を分析すれば、現在の営業戦略の有効性を評価し、改善点を見つけることができます。
例えば、新規顧客獲得数が目標を下回っている場合は、マーケティング戦略の見直しや、新たな顧客層へのアプローチが必要となることが考えられます。顧客維持率が低い場合は、顧客満足度向上のための施策を強化する必要があるでしょう。
【関連記事】営業戦略を立案するための6ステップと8つのフレームワークを解説
営業活動の成果を最大化するためには、適切なKPIを設定することが不可欠です。しかし、漠然としたKPIを設定しても、効果的な営業活動にはつながりません。
ここでは、KPIを設計するための4つのステップを、具体例を交えながら詳しく解説していきます。これらの4つのステップを踏むことで、KGIの達成につながるKPIを設計できます。KPIの設定は、営業活動の成功を左右する重要な要素です。しっかりと計画を立て、実行しましょう。
KPI設計の出発点は、KGIの設定です。前述の通りKGIは、最終的に「どのような状態を目指すのか」を示す指標です。つまり、営業活動のゴール地点を明確に定める作業といえるでしょう。
KGIを設定する上で重要なのは、目指す状態を具体的にイメージすることです。例えば、「売上を伸ばす」という曖昧な目標ではなく、「年間売上100億円に到達する」「市場でシェアNo.1を獲得する」など、より鮮明な目標を掲げましょう。
またKGIは単に数値目標を掲げるだけではなく「なぜその目標を達成したいのか」という目的意識を全体に共有することも重要です。目標達成がもたらす顧客・自社への価値、社会への貢献など、目標の意義を明確にすることで、チーム全体のモチベーションを高め、目標達成に向けた推進力を生み出すことができます。
KGIは単なる数値目標ではなく、チームの指針であり、モチベーションを高める原動力です。KGIを明確にすることで、チーム全体が同じ方向を向き、目標達成に向けて力を結集できるでしょう。
なお営業組織のKGIは売上高であることが一般的ですが、営業組織をインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなどに分業している場合は、それぞれの組織によってKGIが異なるケースがあります。
KGIを設定したら、次にKGI達成に影響を与える可能性のある指標を洗い出し、可視化していきます。
この段階では、数値化できる指標をできるだけ多くリストアップすることが重要です。例えば、先ほどの「年間売上100億円に到達する」というKGIを達成するために、以下のような指標を可視化することができます。
これらの指標を可視化することで、KGI達成に影響を与えている要素を把握できます。
可視化した指標の中から、KGI達成に大きく影響を与えると思われる指標をKPIとして選定します。KPIを設定する際は、以下の点を考慮しましょう。
KGIとの関連性については「KPIツリー」を作成し、また後述する「SMARTの法則」を意識すると、適切な指標を設定できます。
例えば、「年間売上100億円に到達する」というKGIを達成するためのKPIとして、以下のような指標を設定することができます。
設定したKPIは定期的に見直し、必要があれば修正していくことが重要です。
市場環境や顧客ニーズの変化、社内体制の変更などによって、KPIの妥当性は変化する可能性があります。またKPIを達成し続けている場合は、より高い目標を設定する必要があるかもしれません。
KPIを見直す際は、以下の点を考慮しましょう。
KPIを定期的に見直し、改善を繰り返すことで、KGIの達成がしやすくなります。
営業活動の成果を最大化し、ビジネスを成功へと導くためには、適切なKPIを設定することが不可欠です。しかし、KPIの設定は、ただ闇雲に指標を決めれば良いというものではありません。
ここでは、効果的なKPIを設計するための重要なポイントを、具体的な例を交えながら詳しく解説していきます。これらのポイントを踏まえることで、営業目標の達成度を正確に把握し、課題を明確化し、改善に向けた具体的なアクションを促進することができます。
KPIは企業の規模や業種、ビジネスモデル、そして提供する製品・サービスによって、適切な指標が異なります。自社のビジネスの特徴を理解し、それに合ったKPIを設定することが重要です。
例えば、高額な製品・サービスを販売する企業であれば、顧客単価や成約率を重視したKPIを設定する必要があるでしょう。一方、低価格な製品・サービスを大量に販売する企業であれば、顧客獲得数や売上高を重視したKPIを設定する方が効果的です。
またサブスクリプション型のサービスを提供する企業であれば、顧客維持率をKPIとして設定することで、長期的な収益の安定化を図ることができます。
このように、自社の製品・サービスの特徴を分析し、それに合ったKPIを設定することで、より良い営業戦略を構築できるでしょう。
KPIは、営業担当者自身がコントロールできる指標である必要があります。営業担当者が直接的に影響を与えることができない指標を設定しても、モチベーションの低下や責任感の喪失につながりかねません。
例えば、クライアント対応を主な業務とする営業メンバーのKPIとして「Webサイトへのアクセス数」を設定しても、営業担当者は数字を直接的にコントロールすることができません。Webサイトへのアクセス数を増やすためには、マーケティング部門との連携が必要となるでしょう。
一方で「商談件数」や「成約率」であれば、営業担当者自身の行動によって直接的に改善できます。これらの指標をKPIとして設定することで、営業担当者のモチベーションやパフォーマンスの向上につなげることができます。
KPIを設定する際は、目標設定の際に使用されるフレームワーク「SMARTの法則」を意識することが重要です。SMARTとは、以下5つの項目の頭文字です。
KPIは多過ぎても少な過ぎても良くありません。多過ぎると、営業担当者の混乱を招き、フォーカスすべき点が不明確になる可能性があります。また多過ぎるとモチベーションの低下につながることもあるでしょう。
一方で、少な過ぎるKPIは、重要な指標を見落とす可能性があります。重要な指標をKPIに盛り込めないと、結果的にKGIを達成できなくなってしまうでしょう。そのため、KGIの達成に不可欠な要素だけを抽出し、KPIとして設定するのがおすすめです。「盛り込んだ方が良い」という考え方ではなく「盛り込まなくてはならない」という考え方で取捨選択をすると良いでしょう。
KPIを設定したら、それが本当に妥当な指標であるかどうかをチェックする必要があります。KPIが適切でなければ、営業活動の改善につながらず、KGIの達成を阻害する可能性もあります。
KPIを立てたタイミングの見直しだけではなく、前述の通り設定後の見直しも重要です。KGIやKPIの達成状況を見ながら、柔軟に内容を変えていくと良いでしょう。
KPIを効果的に活用するためには、営業担当者が日々の活動記録を簡単に入力できる環境を作る必要があります。しかし、営業担当者にとって負担の大きい入力作業は、モチベーションの低下やデータの入力ミスにつながりかねません。
SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)などのツールを導入することで、営業担当者の入力作業を効率化し、正確なデータ収集を促進できます。
またKPIの達成状況を可視化するダッシュボードなどを活用することで、営業担当者自身が自分のパフォーマンスを把握し、改善につなげられるようになります。
【関連記事】SFA(営業支援)ツールとは?機能やメリット、導入ステップについて解説
【関連記事】CRMとは?基本機能や選定・比較方法、メリットを分かりやすく解説
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営業組織を機能させるためには、KGI・KPIを正しく設計してマネジメントをすることが重要です。
パーソルグループでは、営業が成果を出すためのKGI・KPIの設計方法から、営業組織を機能させるためのPDCAサイクルを回すにはどうすればいいかといったノウハウをまとめた資料を無料で公開しています。営業マネジメントや、営業活動を改善したい方はぜひご活用ください。
営業活動の成功には、適切なKPI設定が不可欠です。KPIとは、最終的な目標であるKGIの達成度を測るための指標です。売上高や顧客獲得数など、さまざまな指標があります。
KPIを設定することで、営業活動の可視化や目標達成に向けた進捗状況の把握、チーム全体の目標意識の向上、効果的な営業活動の促進などが可能になります。
KPIの指標となり得る項目は数多くあり、その中から自社の製品・サービスや目標に合わせた指標を選ぶ必要があります。本記事で紹介したKPI設定のステップやポイントを参考に、ぜひ自社のKPIを設定してみてください。適切なKPIを立てることで、営業パフォーマンスの向上、そしてビジネスの成功へとつながるでしょう。

パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
ビジネストランスフォーメーション事業本部 セールストランスフォーメーション統括部
エグゼクティブマネージャー
加持 宏晃
2007年にパーソルプロセス&テクノロジー株式会社(現:パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)へ新卒で入社。IT領域におけるBPO業務に従事。
その後、関西支社でセールスマーケティング事業を立ち上げ。
2023年より企業のセールス課題を解決するサービスの責任者として従事。
多くのセールス課題に対して、コンサルティングから実行までを支援。

パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
ビジネストランスフォーメーション事業本部 セールストランスフォーメーション統括部
セールスイネーブルメント部 セールスイネーブルメント第4グループ
マネージャー
島田 裕斗
2020年にパーソルプロセス&テクノロジー株式会社(現:パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)へ中途入社。
大手通信事業者、大手SaaS事業者など複数顧客のセールス領域における営業支援、業務設計、業務改善などのコンサルティング支援を担うプロジェクトの責任者として従事。
2023年よりテクニカルセールス領域 (現セールスイネーブルメント部)のマネージャーとして様々な業界のPJTを管掌し、セールス領域におけるコンサルティングから実行までを支援。