LTV(ライフタイムバリュー)とは?計算方法や向上させる施策を解説

顧客にリーチするチャネルの多様化やサブスクリプション型ビジネスの台頭などにより、LTV(ライフタイムバリュー)を重視する企業が増えてきました。LTVとはどのようなもので、どのような施策を行えば向上させられるのでしょうか。

本記事ではLTVの概要や注目される背景、活用シーンや向上させるためのアイデアなどをご紹介します。サブスクリプションや定期購入の解約率を下げたい方、収益アップのための効果的な施策をお探しの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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目次

LTV(ライフタイムバリュー)とは

LTVはLife Time Valueの略称で、一人もしくは一社の顧客が、自社製品を利用し始めてから使用しなくなるまでに自社にもたらす利益を表す指標です。日本語では顧客生涯価値と訳されます。

一度の取引だけではなく、リピート購入による利益もLTVに含まれるため、長期的な関係を構築して取引を継続すると、LTVが高くなるのが一般的です。

そのためLTVは、既存顧客との関係強化や満足度向上を目指したい場合に活用できます。またLTVを算出すると、長期的な利益を予測できるため、製品開発や新規顧客の獲得、既存顧客の維持に対して、どの程度のコストがかけられるのかを試算する際にも役立つでしょう。

LTV(ライフタイムバリュー)が注目される背景

なぜ今LTV(ライフタイムバリュー)が注目されているのでしょうか。5つの背景をご紹介します。

新規顧客の獲得が難化している

LTVが注目されている背景の一つとして、新規顧客の獲得が難化していることが挙げられます。

総務省統計局の発表によると、日本の総人口は13年連続で減少しており、減少幅は12年連続で拡大しています(※)。人口の減少によって国内市場は縮小し、かつてに比べて新規顧客の獲得が難しくなっているのが現状です。

加えて一昔前よりも顧客にリーチするチャネルが多様化したことで、幅広い顧客にアプローチするにはより多くのコストがかかってしまうことも、新規顧客の獲得を難しくしている原因となっています。

既存顧客と長期的な関係を構築した方が、より収益アップにつながりやすくなると考え、LTVを重視する企業が増えてきました。

顧客ロイヤルティの向上が求められている

顧客ロイヤルティの向上が求められていることも、LTVが注目されている背景の一つです。顧客ロイヤルティとは自社や自社製品に対して顧客が抱く愛着を意味しています。

市場が縮小している今、新規顧客の獲得のハードルが高くなっているだけではなく、競合他社との差別化に苦戦している企業も多くなっています。しかし、顧客ロイヤルティが高い企業や製品は、競合他社に顧客を奪われにくい傾向にあります。また顧客が自主的にレビューサイトやSNSなどへ好意的な投稿をしてくれる可能性が高くなるため、新規顧客の獲得や広告費の削減にもつながるでしょう。

顧客ロイヤルティが高い企業はLTVも比例して高い傾向にあるので、指標の一つとしてLTV向上に力を入れる企業が増えているのです。

サブスクリプションビジネスが増加している

LTVが注目されている背景には、サブスクリプションビジネスの増加も影響しているでしょう。

サブスクリプションビジネスは、月額や年額で定額料金を受け取り、契約期間中にサービスや商品を提供する事業形態です。ものを持つことよりも、ものを利用することを重視する価値観が主流の現在、さまざまな業界でサブスクリプションビジネスが生まれています。

サブスクリプションビジネスで利益を上げるには、できるだけ長く継続してもらうことが大切です。LTV向上のための施策を講じて顧客との強固な関係が構築されれば、長期的にサービスを利用してもらえる可能性が高くなります。

3rd Party Cookieの規制が強まる可能性がある

3rd Party Cookie(サードパーティクッキー)の規制が強まる可能性があることも、LTVが注目されている背景として挙げられます。

Cookieとは、ユーザーがWebサイトを訪問した際に入力した情報や閲覧情報をブラウザに記録したファイルのことです。Cookieのうち、第三者によって発行・活用されるものを3rd Party Cookieといいます。3rd Party Cookieは、主にユーザーの閲覧履歴をもとにWebサイトをまたいで広告を表示させるリターゲティング広告などで活用されてきました。リターゲティング広告は新規顧客獲得に有効な広告手法の一つですが、プライバシー保護の面から3rd Party Cookieが問題視されるようになっており、今後規制が強まると考えられています。

3rd Party Cookieが規制されると、新規顧客にアプローチする手法が一つ減り、より既存顧客が重視されるようになるため、既存顧客との関係維持につながるLTVを向上させることの重要性に注目が集まっています。

One to Oneマーケティングが主流化している

LTVが注目される背景には、One to Oneマーケティングの主流化も挙げられるでしょう。

One to Oneマーケティングとは、顧客一人ひとりに適した方法でアプローチを行うマーケティング手法です。顧客のニーズや購買行動が多様化する今、従来のマスマーケティングよりもOne to Oneマーケティングが主流になってきました。

One to Oneマーケティングを成功させるには、顧客に合わせたコミュニケーション方法でアプローチし、顧客ロイヤルティを向上させる必要があります。前述した通り、LTVは顧客ロイヤルティの指標となるため、LTVを重視する企業が増えてきたのです。

LTV(ライフタイムバリュー)の計算方法と知るべき用語

ここからは、LTV(ライフタイムバリュー)の計算方法と知っておくべき用語をご紹介します。

LTV(ライフタイムバリュー)の計算方法

LTVの計算方式

LTVの計算方法は複数あり、事業形態によっても適した計算方法が異なるため、ここではサブスクリプション型と売り切り型に分けて解説します。

サブスクリプション型の場合

サブスクリプション型のLTVの計算方法として一般的に用いられるのは、「顧客の平均単価 ÷ チャーンレート」の計算式です。チャーンレートは解約率を意味します。

月額利用料が3,000円でチャーンレートが15%だった場合は「3,000 ÷ 0.15」と計算し、LTVは20,000円になります。

売り切り型の場合

売り切り型の場合のLTVの代表的な計算方法は、「平均購入単価 × 収益率 × 平均購入頻度 × 平均継続期間」です。

例えば、平均購入単価が5,000円、収益率が40%、平均購入頻度が月1回、平均継続期間が5年の場合、「5,000 × 0.4 × 12 × 5」で計算し、LTVは120,000円になります。

LTV(ライフタイムバリュー)で知っておくべき用語

LTVを求める上で知っておきたい用語をご紹介します。

ARPA

ARPA(Average Revenue Per Account)とは、一アカウント当たりの平均売上額のことです。ARPAは「合計売上額 ÷ アカウント数」で計算できます。

一人で複数のデバイスを使用する場合や、一つのアカウントで複数のユーザーが利用する場合、ARPAを取り入れた方が、より正確なLTVを算定できるとされています。サブスクリプションサービスの場合は、ユーザー数よりもアカウント数を重視するケースが一般的です。その際は「ARPA ÷ チャーンレート」でLTVを算出することも多くあります。

ARPU

ARPU(Average Revenue Per User)は、一ユーザー当たりの平均売上額です。ARPUは「合計売上額 ÷ ユーザー数」で計算できます。

MQL・SQL

MQL(Marketing Qualified Lead)は、マーケティング活動によって獲得した見込み客のうち、確度が高い見込み客のことです。またMQLの中でも製品への関心が高く、営業が担当すべき見込み客はSQL(Sales Qualified Lead)と呼ばれます。

何をもってMQL・SQLとするかは企業によって異なりますが、明確に定義しておき、適切なアプローチを行うことで、効率的に収益アップを目指せるでしょう。

チャーンレート

チャーンレートは前述した通り、解約率のことです。「特定期間中に解約したユーザー数 ÷ その期間より前のユーザー数 × 100」で計算できます。

またチャーンレートは、アカウントベースでの算出も可能です。アカウントベースで算出する場合は、「特定期間中に解約したアカウント数 ÷ その期間より前のアカウント数 × 100」で計算できます。

ユニットエコノミクス

ユニットエコノミクスとは、ビジネスの採算性を判断する指標の一つで、「LTV ÷ CAC」で計算できます。

CAC(Customer Acquisition Cost)とは、顧客一人を獲得するのにかかったコストの総額です。コストにはマーケティングや営業の活動費はもちろん、人件費なども含まれ、「新規顧客獲得にかかったコストの総額 ÷ 新規顧客獲得数」で計算できます。

一般的なユニットエコノミクスの基準は3〜5です。数値が高ければ収益が高い、低ければ収益が低いと見なせますが、事業形態や製品によっても基準となる数値は異なります。サブスクリプション型の場合、ユニットエコノミクスが3以上であれば、健全なビジネスを運営できているとされることが多い傾向です。

LTV(ライフタイムバリュー)の活用シーン

ここからは、LTV(ライフタイムバリュー)を活用できる主なシーンを2つご紹介します。

CPA(顧客獲得単価)の算出

LTVを活用すると、CPA(顧客獲得単価)を算出できます。

一般的にCPAとは、顧客一人を獲得するためにかかったマーケティング費用を指します。CPAの計算方法は「コスト ÷ CV(コンバージョン)数」です。例えば顧客獲得のために広告宣伝費を月額300,000円かけ、20人の顧客を獲得した場合、CPAは15,000円になります。

具体的なLTVの目標数値を定めておけば、CPAの上限金額、つまりどのくらいマーケティングに予算をかけられるのかを算出することができます。

KPIの立案

LTVはKPIの立案にも活用可能です。

KPIはKey Performance Indicatorの略称で、重要業績評価指標を意味します。各施策に関する目標達成度合いの測定に用いられる指標のことです。

LTVはカスタマーサクセスのKPIとして活用できます。カスタマーサクセスとは、自社が提供する製品によって顧客が得られる成功体験を支援するための活動のことです。カスタマーサクセスによって顧客が成功体験を積めると、アップセルやクロスセルにつながるでしょう。

LTVの目標数値を設定した上でカスタマーサクセス向上に向けた施策を行うと、施策の効果測定が可能です。

LTV(ライフタイムバリュー)を向上させる8つのアイデア

LTV(ライフタイムバリュー)を向上させるには、どのような方法があるのでしょうか。LTV向上を目指せる8つのアイデアをご紹介します。

1.購入単価を上げる

LTVを向上させる方法の一つは、購入単価を上げることです。顧客一人当たりの一回の購入単価がアップすれば、LTVも比例して上昇します。

購入単価を上げる方法には、特定の製品を購入しようとしている顧客に対して上位モデルの製品購入を進める「アップセル」と、製品に関連するその他の製品とのセット購入を促す「クロスセル」があります。押し売りにならないよう、顧客のニーズに合わせた提案を心掛けましょう。

また顧客ロイヤルティが高いなら、値上げを検討するのも購入単価を上げる一つの方法です。ただし、大幅な値上げや顧客にメリットがない値上げ、納得感が感じにくい値上げなどは顧客離れにつながるため、慎重に検討してください。

2.購入頻度を高める

購入頻度を高めることによっても、LTVの向上を目指せます。

購入頻度を高めるには、DMやメールマガジンで追加購入や買い替えを促したり、SNSなどによるPRを行って製品情報をリマインドしたりすることが大切です。購買行動をもとに顧客のニーズを把握して、適切なタイミングでのアプローチを行いましょう。

3.コストを減らす

コストを減らすことも、LTVの向上に効果的です。

いくら購入単価や購入頻度が高くても、顧客獲得や顧客維持にコストがかかっていると収益率が下がってしまうため、LTVが低くなってしまいます。後述するツールの導入を行って顧客情報をうまく活用すると、コスト削減につなげやすくなります。

また製品の原価を抑制すればその分利益が大きくなるので、LTVの向上につながります。原価を下げて製品の質が下がってしまうことは避けなければなりませんが、仕入れ価格の交渉などを行い、原価を下げられないかどうかも検討してみるとよいでしょう。

4.顧客ロイヤルティを高める

LTVを向上させるには、顧客ロイヤルティを高めることも重要です。

前述した通り、顧客ロイヤルティが高い企業はLTVも高い傾向にあります。ポイントプログラムを導入したり、購入金額に応じて会員ステージを定めて特典を付与したりするなどのアプローチは、顧客ロイヤルティの向上が期待できる施策です。

また既存顧客に対して、定期的に商品に関する情報発信やフォローアップ、既存顧客限定イベントへの招待などを行うことも、顧客ロイヤルティの向上につながります。

5.契約期間/購買期間を伸ばす

契約期間や購買期間を伸ばすことも、LTV向上には欠かせません。

契約が満了するタイミングは、顧客が継続利用するか解約するかを検討するタイミングです。契約満了になる前に、製品の効果的な活用方法を紹介したメールマガジンの配信や、継続キャンペーンを実施すると、継続利用を促しやすくなるでしょう。

また前述した顧客ロイヤルティを高めることも、契約期間や購入期間の延長につながります。

6.解約率を下げる

サブスクリプション型のサービスでLTVを向上させるには、解約率を下げることも重要です。

過去に解約した顧客に共通する条件や解約時のアンケートなどを参考に、なぜ解約に至ったのかを把握しましょう。その上で、解約に至った原因を改善できるような施策を打ち出せば、解約率を下げられる可能性が高くなります。

また長期利用者に対する特典を提供するのも、解約率を下げる方法の一つです。

7.パーミッションを獲得する

パーミッションの獲得も、LTV向上につながります。

「パーミッションの獲得」とは、顧客が自社に対して信頼を感じることで、自社を許容してくれる状態を指します。パーミッションを獲得していると、アップセルやクロスセルによる購入単価アップや、口コミ・顧客紹介などの協力を得やすくなります。また万が一、製品に何らかの問題があった場合でも、クレームだけではなく、改善点などを示してくれることもあります。

顧客との良好な関係を構築してパーミッションを獲得し、長期的に維持できれば、LTV向上につながるでしょう。

8.ツールを導入する

MAやCRMといったツールを導入すると、One to Oneマーケティングが行いやすくなるため、LTVの向上につながります。

MA

MA(マーケティングオートメーション)ツールは、顧客獲得や育成などのマーケティング活動の可視化・自動化を可能とするツールです。

顧客の属性や購買行動、閲覧履歴、契約更新のタイミングなどの情報が見える化されるため、適切なタイミングでそれぞれの顧客に合ったアプローチを自動で行えます。マーケティング活動を効率化できるので、LTVの向上を加速させられるでしょう。

CRM

CRMは顧客に関するさまざまな情報を一元管理できるツールです。

顧客の名前や連絡先といった基本情報から、コミュニケーション履歴、リード情報、営業活動の履歴などを管理でき、それらを分析することも可能です。CRMツールに蓄積したデータを活用すると、顧客のニーズを把握した上でマーケティング活動を行えるので、LTVの向上を目指せます。

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まとめ

LTVは収益アップを目指す上で欠かせない指標です。特にサブスクリプション型ビジネスや定期購入ビジネスの場合、LTVが重要な指標になります。

売上アップを目指したい方や顧客とより良い関係構築を行いたい方は、ご紹介したアイデアや事例を参考に、LTV向上のための施策を検討してみましょう。