2024年03月15日
2025年06月02日
DX人材の中でも特にプロジェクトマネージャー(PM)は不足しており、多くの企業がPMのスキルアップに注目しています。しかし、社員任せのスキルアップや、ただ研修を導入しても想定していた成果が出ないケースもあります。
本記事では、DX推進担当者が知っておきたい、プロジェクトを成功に導くプロジェクトマネジメントのスキルについて、詳しく解説します。

プロジェクトマネージャー育成ノウハウBOOK
DX推進に必要なプロジェクトマネジメントのスキルを、どのように定義・習得させ、現場で機能する育成体系へ落とし込むべきかお悩みではありませんか。
本資料『プロジェクトマネージャー(PM)育成ノウハウBOOK』では、DX時代に求められるPMの役割と必要なスキル、人材育成における課題と押さえるべきポイントをわかりやすく解説。PM育成の見直しと、プロジェクトマネジメント力の底上げに向けた指針としてご活用ください。
目次
プロジェクトマネジメント(Project Management)とは、プロジェクトの目的を達成するために必要なプロセスを計画、実行する管理手法を指します。
また、プロジェクトマネージャー(Project Manager・略称 PM)とは、プロジェクトの計画・遂行に責任を負う管理者のことです。
プロジェクトマネジメントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
【関連記事】プロジェクトマネジメントとは?必要なスキルや高める方法を解説

【お役立ち資料】PM&PMOに求められるスキルと素養
DXの進展により、プロジェクトマネージャーやリーダー、PMOに求められる役割・スキルの幅も広がり、負荷が高まり続けています。本資料では、プロジェクトマネージャー・PMOに求められるスキル・素養と育成方法についてまとめています。
プロジェクトは常に現在進行形で変化していくため、予期せぬことも起きます。そこで、プロジェクトマネージャー(PM)は、以下3つのポイントを実践することで、プロジェクトを成功に導きます。
プロジェクトマネージャー(PM)は、予期せぬ変更や問題に柔軟に対応し、適切な意思決定を行う必要があります。
プロジェクトにおける予期せぬ問題には、例えば以下のようなケースがあります。
上記のような問題に対して、計画の修正やリソースの再配置など、柔軟性を持ってケースバイケースに順応することが重要です。
プロジェクトを進めるにあたり、1人で完結するものは少なく、プロジェクトチームとして連携しながら進行していく必要があります。PMは、チームメンバーとの円滑なコミュニケーションを働きかけることが不可欠です。
そのために、以下を意識しておくことが重要です。
コミュニケーションに循環が起きていることによって、問題が浮き彫りになり、解決していくスピードの向上にもつながります。
PMは、プロジェクトの進捗状況や成果物を定期的に検証し、必要に応じて改善策を講じる必要があります。
プロジェクトが進行している期間は、定期的に振り返りを実施するようにします。短い周期で振り返りを継続することで、以降のプロジェクトマネジメントにおいて効果的な改善を行えます。
効果的な振り返りを実践する際に、使えるフレームワークとして、KPT(ケプト)法を紹介します。KPT法は、以下の手順で実施します。
Keep:成果が出ていて継続することを吟味する。
Problem:解決すべき課題を抽出する。
Try:次に取り組むことを決定する。
このフレームワークは、現在生じている課題の洗い出しとその具体的な解決策について、可視化し検討を行うため、課題の早期発見と解決に有効です。
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトマネジメントについて詳しければ良いわけではありません。以下3つのスキルは、プロジェクトマネジメントの成功に不可欠であり、それぞれのスキルをバランス良く身につけることが求められます。
ソフトスキルとは、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなどを指します。
プロジェクトマネジメントでは、コミュニケーションスキルが重要な鍵です。
プロジェクトは様々なステークホルダーとの協力により成立するため、効果的なコミュニケーションはチーム内外の協働を促進します。このスキルには、情報を明確に伝える能力、相手の意見を理解し受け入れる能力、交渉する能力が含まれ、プロジェクトの進捗や問題を適時に共有し、信頼関係を築くことが求められます。特に、異なる専門分野のメンバーがいる場合、専門用語を避け、理解しやすい言葉でのコミュニケーションが重要です。
また、コミュニケーションはリスク管理や問題解決にも影響し、円滑な意思疎通によりプロジェクトの失敗や遅延を回避しやすくなります。
マネジメントスキルもプロジェクト成功に欠かせません。これは、計画、実行、監視、調整、完了の各段階で求められる能力です。チーム構築能力、意思決定力、リスク管理、時間管理といったスキルが含まれます。
また、プロジェクトマネージャーは目標達成に向けてリソース配分とスケジュール管理の能力が求められるだけでなく、予期せぬ問題や変更に対応する柔軟性と適応力も重要です。
これらのスキルを高めることで、プロジェクトをスムーズに進行させ、目標を達成しやすくなるでしょう。プロジェクトマネージャーは変化する状況に素早く対応し、プロジェクトを適切に軌道修正する能力も求められます。
【関連記事】マネジメントとは?意味や業務内容・必要なスキルを解説
リーダーシップには、チームを率いることだけでなく、プロジェクトの目的を明確にし、メンバーを適切に導き、モチベーションを向上させる能力が求められます。そのために、円滑なコミュニケーション力、問題解決力、決断力、状況に応じた柔軟な対応力などを身につけることが大切です。
プロジェクトマネージャーは、メンバーの能力を理解し、各々の強みを活かしてプロジェクトを効率的に進めることが重要で、優れたリーダーシップにより、チームは一致団結し、困難を乗り越えて目標達成を目指せるでしょう。
また、信頼関係を構築することにより、メンバーの自発的な参加と協力を促すことが可能になります。
【関連記事】リーダーシップとは?定義や種類、高める方法をわかりやすく解説
ネゴシエーションスキルもプロジェクト成功に不可欠な能力で、当事者間の合意形成や調整を図ることを指します。
プロジェクトでは、予算やスケジュールの交渉、他部門との調整、問題対応など、複数のメンバーや関係者との協働が必要となり、このような場面でネゴシエーションスキルが活かされます。ネゴシエーションでは、自分の意見を伝えると同時に、相手の意見に耳を傾け共感を示すことが重要です。
また、問題解決に向けて当事者が協力することが求められます。信頼関係の構築や相手を納得させる能力も必要とされるため、日常から適切なコミュニケーションを心掛けることが大切です。
プロジェクトにおける問題点を洗い出し、解決策の提案が求められるため、問題解決能力が必要です。また問題解決に対しては優先順位をつけることが大事で、論理的思考力や分析力も必要となります。

【お役立ち資料】フィードバックの進め方5ステップ
フィードバックはただ信頼感を伝えるだけではいけません。メンバーが目標を達成するために軌道を修正することが大切です。本資料では、フィードバックの進め方を5ステップで詳しく解説します。
ハードスキルとは、プロジェクト管理に関連する幅広い知識や経験、計画や予算管理などを指します。
プロジェクト目標を達成するための幅広い知識が必要です。これには、プロジェクトマネジメントの基本原則や手法などが含まれます。
知識だけでなく実際のプロジェクトでの豊富な経験が求められます。また、プロジェクトマネジメント以外にリスク管理などの経験も重要です。
プロジェクトの計画と予算管理を行う能力を持っておく必要があります。これには、目標設定、スケジュール作成、人員や予算のリソース割り当て、コスト管理が含まれます。また、変更管理や品質管理も重要なスキルです。
テクニカルスキルは、特定の業界や技術(テクノロジー)に関連する専門知識やスキルを指します。
プロジェクトに関連する業界の知識を持つ必要があります。これには、業界特有の規制や法律、市場動向などが含まれます。また、業界用語にも精通している必要があります。例えば、プロジェクトで顧客情報を扱う場合、個人情報保護法の概要・内容の把握が必要です。
プロジェクトで使用される技術(テクノロジー)に関する知識を持つ必要があります。これには、開発言語やフレームワーク、データベースなどが含まれます。例えば、プロジェクトの開発言語としてPythonを使う場合、フレームワークとしてDjango(ジャンゴ)を使うことが多いため、Djangoの知識が必要です。
プロジェクト全体を管理するスキルを持つ必要があります。プロジェクトをスムーズに進めるには、以下の管理が求められます。
例えば、スケジュール管理のスキルには以下が必要です。

前章で紹介したように、プロジェクトマネジメントに求められるスキルは多岐に渡ります。以下で紹介する方法を組み合わせることで、効果的にプロジェクトマネージャー(PM)としてのスキルを習得できます。
PMとしてのスキルを向上させるために、コーチングを受けることは有効です。経験豊富なPMから直接指導を受けることで、より実践的なスキルを習得できます。
コーチは、主に部下・後輩を指導・育成する現場マネージャーや経験者です。そして、コーチング受講者が本来持っている可能性、モチベーションを喚起し、自発的な目標達成をサポートする点に特徴があります。
コーチングには、傾聴、承認、質問といった3つの基本スキルが使われます。コーチングを通じて、部下の能力や可能性を最大限に引き出し、行動を促す支援を行います。
【関連記事】コーチングとは?意味やビジネスでの活用効果、3つの原則を解説
OJT(On-the-Job Training)は、職場の実務を通じて行う教育訓練であり、実際の業務の中でスキルを習得する方法です。知識インプット中心の研修では伝えられない部分を、PMとしての業務に従事しながら学び、経験を積めます。
OJTの目的は、業務効率の向上、職場への定着率アップなどがあります。OJTを実施することで、研修との相乗効果や即戦力の育成などのメリットがあります。
ただし、OJTがうまくいかない原因もあります。例えば、教育にかける時間が十分に確保できない場合や、トレーナーとなるOJT担当者がOJTに集中できない場合です。OJTを成功させるには、適切な時間配分やトレーナーのサポートがポイントとなります。
【関連記事】OJTとは?メリットや進め方、効果を高める6つのポイント
プロジェクトマネージャー(PM)には、「PMP®(Project Management Professional)」や「CAPM®(Certified Associate in Project Management)」などの資格があります。これらの資格を取得することで、プロジェクトマネージャー(PM)としての知識やスキルを証明できます。
PMP®は、プロジェクトマネージャー(PM)の国際資格であり、「米国PMI(Project Management Institute)」によって認定されています。PMP®の受験資格を得るためには、「オンラインPMI申請」を行い、特定の教育および実務経験を記載する必要があります。試験では、プロジェクトマネジメントに関する経験、知識の習熟度を測り、プロフェッショナルとしての認定を行います。PMP®資格は、プロジェクトマネジメント資格の標準として広く認知されており、グローバルなキャリアアップや実務でのマネジメントスキル向上に有効です。
CAPM®は、プロジェクトマネジメントの認定アソシエート資格であり、PMP®資格と同様に米国PMIによって認定されています。CAPM®試験は、プロジェクトメンバーや新人のプロジェクトマネージャー(PM)を対象としており、プロジェクトマネジメントに関する知識とスキルを証明できます。
PMとして必要なスキルを習得するために、研修という選択肢もあります。以下のような種類があげられます。
プロジェクト構築・推進能力、タスク・スケジュール管理能力、判断・問題解決力を向上させる研修です。
プロジェクトマネジメント研修は実施されるプログラムによって、主に以下3つの種類があります。
研修を受ける対象者、研修で達成したい内容によって種類が分かれています。
【関連記事】プロジェクトマネジメント研修とは|成果が出る研修カリキュラム例を紹介
コミュニケーションスキルを向上させるために、傾聴力や質問力などの基本的なスキルを身につけられます。また、コミュニケーションスキルを向上させるために、論理的な伝え方や相手の心情・要望を引き出す方法なども学べます。
リーダーとしての知識や能力を身につけるための研修です。戦略を成果につなげるスキルや仕事を任せるスキル、人を動かす話し方、メンバーとの信頼関係の構築などを学べます。

【お役立ち資料】課題別に研修テーマを探せる!階層別 育成課題解決ガイド
組織が成長し続けるためには人材育成や能力開発が欠かせません。本資料ではパーソルグループが提供する課題ごとに最適な研修プログラムについて紹介しています。PMスキル獲得のための研修の実施や見直しを検討している方は、ぜひ一度ご覧ください。
スキルマップを作成して活用することで、プロジェクトマネジメントに必要なスキルを効率よく身につけることができます。
スキルマップの作成手順とポイントについて、以下に一例を挙げます。
| ①スキル項目の決定 | ・必要なスキルを洗い出し、スキル項目を決定する ・PMBOKなどで定められたスキル標準をベースにしてもよい |
|---|---|
| ②評価基準の決定 | ・ 客観的にスキルレベルがわかる評価段階にする ・厚生労働省「職業能力評価基準」のレベル区分の目安を参考にしてもよい(4つのレベル区分) |
| ③運用ルールの明確化 | ・共通認識でスキルマップが運用できるルールを決める ・ルールを明確にしたマニュアルを作成する |
| ④スキルマップの作成 | ・エクセルなどを使ってスキルマップ作成する ・作成したスキルマップは定期的に見直す |
スキルマップを作成するにあたっては、以下の点に注意しましょう。
自身のスキルが成長しているか、どのスキルが成長したか、どれくらい成長したかなど、前年度のスキルレベルと簡単に比較できる書式にします。客観的に比較できるスキルマップを使用することで、目標設定もしやすくモチベーションも上がるでしょう。
また、関連する部署の管理職、あるいは役員にも協力を得ながら、必要となるスキル項目を決めることが理想です。スキルマップ作成に多角的な視点を取り入れることで、必要なスキルの見逃しを防ぐことができます。
前章では、プロジェクトマネジメントに必要なスキルの習得方法を紹介しました。プロジェクト推進時において、自社だけで育成することは難しい側面もあります。そのためプロジェクトマネージャー(PM)育成の外部プログラム・リソース活用を検討することも一助になるでしょう。
パーソルイノベーションがご提供する、法人向けリスキリング支援サービス「リスキリング キャンプ」のプログラム「PMコーチング+」では、PM的思考を鍛える以下3つのステップをご用意し、PMを育成する環境を提供しています。
①PMスキルの共通認識
Udemyの教材を使用した認識合わせを行い、言語化と対話による定着を図ります。
②PM的思考法の共通認識
PMBOKを使いながら、具体的なプロジェクトのケースを使った学び合いを行います。
③PM的思考の体現
PM的思考に基づき、プロジェクトマネージャー(PM)経験の棚卸しと対話による内省を行う。それによって、PM的思考の体現に向けて改善すべき行動を具現化します。また、実戦経験が豊富なコーチが伴走しながら学ぶサポートをすることでスキルを習得しやすくします。
さらに、実戦経験豊富なコーチが学びに伴走することでPM的思考の体得をサポートします。デジタル人材育成におけるスキル面・マインド面の課題に対して、企業にフィットしたカスタマイズカリキュラムと独自の学習伴走メソッドを用い、各企業のリスキリング施策を成功に導きます。ぜひお気軽にお問い合わせください。
プロジェクトマネジメントを成功に導くコツには、場面に応じた柔軟な対応、円滑なコミュニケーション、定期的な改善があります。
また、プロジェクトマネジメントのスキルにはソフトスキル、ハードスキル、テクニカルスキルの3つがあり、その3つのどれかに特化するよりは、いずれも必要であるためバランスよく獲得することが重要と言えます。
スキル獲得の方法として、資格取得では社員(従業員)任せになりやすく、コーチング、OJT、研修も社内リソースだけでは社内人材育成において難点があります。外部プログラム・リソースの活用も検討し、プロジェクトマネジメントを成功に導きましょう。

プロジェクトマネージャー育成ノウハウBOOK
プロジェクトマネージャー(PM)が成果を出すには、計画策定や進捗・リソース管理など、幅広いスキルが求められます。 PMを社内で育成したい方に向けて、PMに必要なスキルや育成ステップ、PM育成に取り組む企業の事例をまとめたガイドを公開しています。PM育成の見直しと、プロジェクトマネジメント力の底上げに向けた指針としてご活用ください。