2024年03月04日
VUCA時代では、組織におけるメンバー一人ひとりの主体的な行動が求められます。そして、メンバーの主体性を育てるアプローチとして注目されているのがコーチングです。
組織のマネジメント手法としてコーチングの活用を検討している方の中には、次のような疑問や不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
先に結論を述べると、コーチングはマネジメントに非常に効果的です。コーチングを取り入れることで、変化に柔軟に対応できる主体性を持ったメンバーの育成、ひいては組織の自律的な成長が期待できます。
しかし、コーチングを単なるテクニックとして捉えてしまうと、メンバーにプレッシャーや不信感を与え、逆効果を生む可能性があるため、本質を理解することが重要です。
そこで本記事では、コーチングの本質にスポット当てて解説していきます。コーチング的なかかわり方と、現状のご自身のメンバーとのかかわり方を比較しながら読み進めてみてください。
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目次
コーチングとは、メンバー(指導を受ける側)の持っている顕在・潜在能力を引き出し、メンバーの抱える問題や課題の解決を支援する接し方です。
コーチングは体系化されたスキルとして専門的に学ぶことも可能ですが、部下の可能性を信じて支援する、マネージャーのマインドが最も大切です。
コーチングに似た部下との接し方の技法として、ティーチングやカウンセリングなどがあります。コーチングとの違いを以下の表にまとめました。
コーチング | メンバー(受ける側)が持っているスキルや潜在能力を引き出す |
---|---|
ティーチング | マネージャー(教える側)が持っているスキルや能力を伝える |
カウンセリング | メンバー(受ける側)の悩みや困りごとを解決する |
まずティーチングは、マネージャーが知識やスキルを提示し、メンバーがそれを学ぶというスタイルです。基本的にはマネージャーからメンバーという一方向的なコミュニケーションになります。
一方でコーチングにおいては、マネージャーとメンバーは対等な関係性がベースです。その上で、メンバーの持っているスキルや潜在能力を引き出し、課題解決や成長を支援します。
またカウンセリングは、マネージャーとメンバーのコミュニケーションを通じて、メンバーの抱える悩みや困りごとを解決に導くプロセスです。カウンセリングでは、メンバーの心理状態やモチベーションの回復を重視します。
コーチングとカウンセリングは、あるテーマや課題の解決に向かってお互いが協力するという点では似ている部分があります。しかし、コーチングでは、メンバーの中に眠る能力を引き出すことが重視されます。マネージャーは、メンバー自身の気づきを通じて、自律的な成長ができるようにサポートします。
ただしコーチングとティーチングやカウンセリングは、必ずしも相反するものではありません。知識やスキルを教える際にはティーチングが必要ですし、コーチングプロセスの中でも、カウンセリング的なかかわり方が必要になることもあるでしょう。目的に応じて使い分けることが大切です。
コーチングが必要とされている背景は主に以下の2つです。
昨今は価値観が多様化しており、世代間ギャップが拡大しています。こうした状況で従来のトップダウン型で一方向的なマネジメントでは、メンバーのモチベーションを維持し、組織の持続可能性を保つことが困難になります。
このような状況では、自らの考えや意見が尊重される環境を作ることが求められるため、メンバー一人ひとりに合わせたマネジメント手法であるコーチングが注目されています。
また、昨今はVUCA時代、つまりビジネス環境が目まぐるしく変転する予測困難な時代です。VUCA時代では、メンバー一人ひとりが状況変化を素早く察知し、主体的に行動することが求められます。内省を促し、メンバー自身の気づきに基づいて進められるコーチングのプロセスは、まさにメンバーの主体性を養う上でも効果的なマネジメント手法です。そして、メンバーが主体的に動けるようになると、組織の自律的な成長にもつながります。
現代の組織においては、個が重要です。個の成長や、個の主体的な行動無くして、VUCA時代における組織の競争優位性を保つことは困難です。そして、メンバー一人ひとりの主体性は、マネジメントが大きく影響します。
パーソル総合研究所の調査結果によると、他者とのかかわりによって内省支援を受けている従業員ほど、さまざまな観点から成長を実感していることが明らかになっています。一方で、業務支援や、精神的支援を得ても、成長感には繋がりにくいことが確認されています。
このことからも、いかにコーチング(もしくはコーチング的なかかわり方)がマネジメントに効果的かを理解いただけるのではないでしょうか。
コーチングにより、自律的・主体的に行動できる人材を育成することができます。これは、コーチングがもたらす以下の効果によるものです。
それでは1つずつ見ていきましょう。
コーチングでは、マネージャーが様々な質問やフィードバックを与えることで、メンバーが自身の内面に目を向け、自己理解を深めることを支援します。内省を行う過程では、過去の業務の振り返りだけでなく、その行動を取ったときに「自分は何を考え、どんな感情を持ったのか」といった自身の内面にも触れていきます。
内省によりメンバーは思考パターンや、問題解決行動の根本となる価値観・動機などにスポットライトを当てられるようになるでしょう。
すると、自分の本当の強みや弱みに気づくことができ、次に同じような問題に遭遇したときに、再現性のある行動を起こすことができます。
強みを生かして業務を推進できることはもちろん、弱みをカバーするために、組織内で他者をどう巻き込むか、どんな支援が必要なのかを考えられるようになるのです。
このように、コーチングを通して自己理解を促すことは、メンバーのさらなる成長の土台となります。
前述の通り「人材開発白書」では、内省を促すこと(内省支援)は、業務能力の向上に繋がるという調査結果が出ています。直接的な業務支援よりも、むしろ内省支援が能力の向上に直結しているのです。そのため、組織全体の底上げのためにも、マネージャーとメンバーとの関わりだけでなく、組織全体でコーチング的な対話をおこなう風土を醸成するべきだといえます。
コーチングにおける最終的なゴールは、コーチングのプロセスをメンバー一人ひとりが自分自身で再現できるようになることです。別の言い方では、セルフコーチングができるようになる、ということです。
コーチングの基本的なプロセスは「目標設定」「現状の自己評価」「これまでの取り組みの振り返り」「アクションプランの構築」です。具体的には後ほど解説します。
コーチングを取り入れる前は、メンバー自身が独善的に目標設定を進めてしまいがちですが、コーチングを受けることで、自分の中にコーチを仮想できるようになり、より客観的な判断に基づいて上記の流れを再現できるようになるのです。
コーチングは信頼関係の構築にも寄与します。
従来のトップダウン型のマネジメントや、ティーチング的なかかわり方は、マネジメントからメンバーへの一方的なものになりがちです。そのため、相互の信頼関係ができていないケースも多く、メンバーの主体的な行動や、率直な意見・潜在能力を引き出しにくいというデメリットがあります。
一方でコーチングでは、目標達成に向けてお互いにコミュニケーションを取り合い、業務支援(問題解決の支援)だけでなく、メンバーが何を考え、どんな感情を持って、どのように行動したのか等を尊重したマネジメントを行うため、信頼関係を築きやすく、より効果的なマネジメントが行いやすくなります。
コーチングには主に以下3つのデメリット・注意点があります。
しかし、これらはコーチングの特徴を理解することで解消することができます。
コーチングにおいてメンバーは、マネージャーとのコミュニケーションを通じて目標を設定し、それに向かって主体的に行動することが求められます。また、マネージャーはメンバー自身が気づきを得て、問題解決ができるように促す必要があります。
マネージャーからメンバーへの一方向的なコミュニケーションである、ティーチングと異なり、コーチングはすぐに効果が出るものではありません。
コーチングにより、メンバーが主体性を持って問題解決に取り組める組織を作るには、結果を急がず、長期的な目線をもって取り組む必要があります。
コーチングはメンバーの特性や考え方に合わせて、相手が受け止めやすいコミュニケーションを取ることが原則です。集合研修のように、画一的な内容を一斉に教えるものではありません。そのため、組織のメンバーが多ければ、その分マネージャーの時間的・精神的な負担も大きくなります。
一方で、相互にコーチングを行う風土が職場全体に定着すると、コンフリクトやコミュニケーションロスなどが軽減され、コミュニケーションの”質”が高まり、コミュニケーションの負担が減っていくことも期待できます。
コーチングは、マネージャーとメンバーの信頼関係の深度や質問・傾聴・承認といったスキルによっても成果にばらつきが出る場合があります。信頼関係の浅い状態だったり、やり方を間違ったりすると、逆効果になる可能性もあるため、成果が出ていないことを焦って、メンバーを急かすようなことは避けなければなりません。
コーチングに自信がない方は、自身もコーチングを受けたり、研修やセミナーに参加して第三者のフィードバックをもらったりすると良いでしょう。
具体的なコーチングの進め方は以下の6ステップです。
なお、コーチングは必ずしも1回行なって終わるものではありません。メンバーの目標達成度合いなどを見つつ、各ステップを行き来しながら、慎重に進めていくことが大切です。
コーチングの前段階として、ステップ0はマネージャーとメンバーのラポールを形成し、関係性を構築します。
ここまで説明してきた通り、コーチングにおいて何よりも大切なことは、信頼関係を築くことです。これを心理学の用語で、ラポールと呼びます。ラポールの形成は、日常のこまめなコミュニケーションを通じて、相手に自分が「承認されている」という安心感を与えることが大切です。
ラポールの形成を手段と考える必要はありませんが、コーチングを効果的に進めるためにも一度、普段のコミュニケーションで承認や傾聴ができているかを改めて振り返りましょう。
コーチングの最初のステップとして、まずは目指すべき目標を確認します。過去に設定した目標や自身が得たいと思っているものを確認します。
マネージャーはメンバーに自己評価をおこなって今の自分の立ち位置を確認してもらい、その評価の理由を深く掘り下げていきます。このステップでは、感情や価値観に焦点を当て、メンバーが自己認識を高めることができるよう支援します。
これまでに取り組んだことや達成したことについて内省を促し、うまくいっていない場合、その根本的な要因を探索させるステップです。マネージャーは、メンバーが自身の行動パターンや躓きやすいポイントに気づき、それらに対する深い理解が得られるよう、「質問」によって考え、整理させるよう支援します。そして、ここから自身で改善策を導き出すよう促します。
マネージャーは紡ぎ出された考えの重要なポイントを要約し、それをメンバーにフィードバックします。これにより、相互の理解が一致していることを確認します。このステップは、メンバーが「話を理解してもらっている」という安心感を与える上でも重要なステップです。
表面的な内容だけでなく、相手の感情などにも焦点を当てたフィードバックを与えることで、さらにメンバー自身の考えを深めることに繋がります。
相互理解が深まったところで、具体的なアクションプランを考えるよう促します。アクションプランが決まったら、目標達成に向けて高いモチベーションで臨めるよう、積極的に激励しましょう。そして、いつでもサポートする準備があると伝え、安心感を与えることも大切です。
さまざまなテクニックや方法論が公開されていますが、コーチングではメンバー一人ひとりの可能性を信じ、寄り添い、成長を支援するという「在り方・マインド」が何よりも重要です。
どんなにコーチングのテクニックを学んでも、「メンバーとの信頼関係」という土台が出来ていなければ、効果を発揮しません。信頼関係がなければ、マネージャーからの質問や、定期的に行われるコーチングセッションも負担になってしまう可能性があります。また、立てた計画通りに進捗していない場合、マネージャーとのコミュニケーションにプレッシャーを感じることもあるでしょう。
そのためコーチングを成功させるには、日頃から「相手を尊重し成長を支援しようとする姿勢が伝わるコミュニケーション」を行う必要があります。
例えば、1on1などのコーチングのためにセッティングされた場面だけでなく、会議後に声をかけたり、進行中の業務の困り事を聞いたりと、普段から積極的にコミュニケーションを取りに行くといったこともおすすめです。
コーチングを成功させるには、以下のようなスキルを身に着けることがおすすめです。
効果的なコーチングを行うためには、何よりもまずメンバーを承認することが大切です。承認とは、相手を認め、尊重することを指します。
承認は、「相手を認める発言をしている」というマネージャーが持つ主観だけでは不十分であり、相手が「承認されている」という安心感を持つことが大切です。
具体的には、挨拶をはじめとした日常的な会話や、チャットツール上での発言へのこまめなリアクションは、「自分の存在が承認されている」という感覚を与えることができるでしょう。また、メンバーの行動に対して細かい評価やフィードバックを与えることも、「行動が承認されている」という感覚を与え、モチベーションを高めることに繋がります。
コーチングのベースは信頼関係です。承認はその実践の第一歩です。
傾聴とは、耳や目・心を相手に傾けて話を聴くことを指します。
ただ相手の話を「聞く」ということではありません。しっかりと相手の目を見て「聴いている」という態度を示すことや、発言に対する共感、驚きや喜びの表情も傾聴という言葉には含まれています。
また、傾聴において、アクティブリスニングという考え方も大切です。アクティブリスニングとは、話を受動的に聞くのではなく、相手が伝えたい本質的な部分や感情を汲み取り、積極的に内容を把握しようとする取り組みです。具体的には以下が挙げられます。
しっかりと傾聴ができていると、相手も話しやすくなり、より率直な考えを引き出すことに繋がります。コーチングにおいて傾聴は、協働的なコミュニケーションの潤滑油としての役割を果たします。
承認や傾聴があってはじめて、質問は効果的に作用します。質問には決まったパターンがあるわけではありません。承認や傾聴を通じて、自ずと出てくる自然な問いかけを行うことが大切です。
とはいえ、相手の回答を狭めてしまう質問の仕方もあります。例えば、あるタスクを期日内に終わらせることができなかったメンバーに対して、「なんで間に合わなかったの?」といった抽象的な問いかけを行うと、質問する側の意図を先回りして、できるだけ怒られないような回答を探してしまうでしょう。
ポイントは、問題点をメンバー自身で探求できるような具体的な質問をすることです。例えば「どの作業に時間がかかった?」といった問いかけをすることで、状況が詳細化・具体化でき、原因を明確にすることができるでしょう。問題の背景をメンバー自身に探求させるような、具体的かつ建設的な質問を心がけましょう。
ただし、問題の原因を掘り下げる質問は、場合によっては詰問をされていると感じる可能性があります。マネージャーが自分本位の問いかけをしている、つまりマネージャー自身が判断・解決・評価するために必要な情報を得るための質問が続くと、メンバーの主体性を引き出すことができません。
前述の「コーチングには信頼関係という土台が重要である」という大前提を押さえたうえで、以下3つの原則を覚えておくと良いでしょう。
コーチングにおいては、相互に能動的なコミュニケーションがなされなければなりません。ティーチングは基本的に一方向ですが、コーチングはマネージャーとメンバーがインタラクティブ(双方向)に対話を重ねるプロセスです。
メンバーだけが能動的になるのではなく、マネージャーも相手の話を積極的に聴く姿勢を見せ、ときにフィードバックを与えることで、はじめてメンバーの主体性は養われていきます。
テーラーメイド(個別対応)であることも、コーチングの基本原則です。なぜなら、メンバー一人ひとりの持つ課題や目標、さらに能力やマネージャーとの関係性は千差万別だからです。個を無視したコーチングは、失敗に終わるでしょう。課題の深刻度や能力などに応じて、コーチングセッションの期間や環境(時間や場所など)、1on1の頻度などを調整するよう心がけましょう。
コーチングは一回だけ1on1をやって終わり、というものではありません。継続的に働きかけを行うことで、徐々にメンバーは潜在的な力を発揮できるようになります。数ヶ月で目に見えて効果が現れる人もいれば、何年もコーチングセッションを継続して効果が出る人もいるでしょう。
メンバーを信じ、時間をかけて向き合う忍耐力も必要です。
ここまで説明してきた通り、コーチングはメンバーとの信頼関係があってこそ成り立ちます。本章では、よくある失敗例を紹介します。
コーチングでは質問を通じて相手の考えを引き出すことが重要です。しかし、場合によっては「誘導尋問されている」と、相手にプレッシャーを与え、自由な意見や発想を妨げてしまいかねません。
このような失敗は、あるステップを飛ばしてしまうことによって起こります。それは、「ラポールの構築」です。
信頼関係がなければ、「なぜそのような質問をされるのだろう」「どう答えればマネージャーは納得するのだろう」といったように、相手の意図を先回りして考えてしまう可能性があります。
しかし、承認されるという安心感があれば、自分の素直な考えを述べることができるでしょう。誘導尋問になるかどうかは、マネージャーのマインドに左右されます。成果を上げることのみ優先されていないか、メンバーに寄り添ったかかわり方ができているか、といった点を振り返るように心がけましょう。
テクニック先行でコーチングを取り入れることもよくある失敗です。
例えば、1on1でマニュアルを見ながら、「次はこの質問をする」「相手の回答に対して、このように承認する」などと考えながら進めても、表面的な回答しか返ってこないでしょう。一緒に目標達成に向かっているという意識も持ちづらく、防御的な対応になり、結果として気づきや行動の変化を促すことにはつながりません。
繰り返しになりますが、テクニックではなく、何よりも目の前にいるメンバーが今どう考え、どういう思いを持って、どう行動したのか)を受け止めることに集中し、本音や自由な意見・発想を引き出すことが重要です。
コーチング、またはコーチ的なかかわり方は、すぐにでも日常で取り入れることができます。ここでは、コーチングを身につける方法を紹介していきます。
コーチングを身につける第一歩として、実際にコーチングを受けることが最も効果的です。プロがどのような関わり方をしてくれるのか、またコーチングを受けて、自身の気持ちや行動がどのように変化するのか、身をもって体験することができます。
など、自身の変化をよく観察してみましょう。
コーチングに関する書籍は多く出版されています。本で学ぶメリットは、短時間で幅広い知識を身につけることができる点です。コーチングにはさまざまなモデルがあるため、どこのコーチングを受けるかの判断にも活用できるでしょう。
ただし、本には一般的なことは記載されていますが、実践の場では個人に寄り添ったかかわり方をする必要があります。そのため、一般的な知識に捉われず、状況に応じてより良い方法を模索することが大切です。
本だけでイメージしづらい部分は、YouTubeなどの動画コンテンツで補うこともできます。YouTubeでは、プロのコーチなどがコーチングの考え方を解説したり、実際のコーチングセッションを公開したりしています。
eラーニングとは、パソコンなどのデジタル機器、またインターネットを活用して行う研修プログラムです。eラーニングでは、再現動画などを通じて、マネージャーとメンバーの間で起こりがちな失敗例や成功例を学ぶことができます。そのため、本で学習するよりも、より実践的なスキルを身につけることができます。
各種団体が実施しているセミナーや研修では、コーチングのスキルや知識を学ぶだけでなく、その場で実践し、フィードバックをもらうこともできます。より短期間で実践的なスキルを身につけたい方におすすめの方法です。
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労働人口の減少など企業を取り巻く環境が大きく変化するなか、人材育成に課題を抱える企業が増えています。
パーソルグループでは、人材育成やマネジメントの実態について調査し「マネジメントの取り組み・実態調査レポート」を公開しました。
レポートでは、離職、上司・部下の認識ギャップ、キャリアなどに焦点を当て、各社のマネジメント状況やパフォーマンスの高い企業の特徴をまとめています。
組織をどのように改善すべきか、ヒントを得られる内容になっていますので、人材育成に課題を抱えるマネージャー・人事の皆様はぜひご一読ください。
コーチングは、マネージャーとメンバーの協働的なコミュニケーションにより、メンバーの潜在能力を引き出し、目標達成を支援するマネジメント手法です。
また、コーチングを取り入れることで、主体性を持ったメンバーを育成することもできます。多様性が重視され、変化が常態化した現代において、どのような組織においても取り入れるべきアプローチと言えます。
さまざまなテクニックや方法論が公開されていますが、コーチングではメンバー一人ひとりの可能性を信じ、寄り添い、成長を支援するという「在り方・マインド」が何よりも重要です。
メンバーの育成やマネジメントに課題を感じている方は、ぜひ積極的にコーチングを取り入れてみてください。
株式会社パーソル総合研究所
組織力強化事業本部 コンサルティング部 Hoganグループ
山元 ゆう子
大手内資製薬メーカー(営業、社員教育・研修、マネジメント、マーケティング)を経て、現職。一人ひとりの「強み」を活かした育成を通じた、リーダーシップ開発、ワークエンゲージメントやパフォーマンス向上を実現するためのワークショップおよびコーチ経験が豊富。ビジネス総合スキル全般のスキル向上に関するコンテンツ開発および講師を担っている。