2021年12月17日
2025年06月17日
採用計画とは、企業の採用活動の指標となる計画を指します。採用計画は経営戦略そのものであり、優秀な人材確保と事業発展に欠かせないものです。
近年は以前と比べて選考活動の開始時期が遅くなったり、インターンシップが積極的に導入されるようになったりと、採用市場が大きく変化しています。より計画的な採用を行うべく採用計画を見直す企業が増えています。
本記事では、採用計画立案のプロセスや効果的な採用を行うためのポイントについて解説します。
効率的な採用活動を実現するためのターゲット設計のステップとは
「応募は集まるものの、自社にマッチする人材が採用できない…」
「採用後の離職率の高さに歯止めをかけたい…」
このような課題は、自社が採用したい人物像をはっきりとさせ、ターゲット設計を見直すことで解消できます。ターゲット設計は、効率的な採用活動にもつながります。
【ターゲット設計で踏むべき5つのステップ】についてまとめた資料を公開していますので、採用ご担当の方はぜひご活用ください。
採用計画とは、採用活動の指標となる計画のことを指します。
採用活動は、以下のように「母集団形成」「応募受付・書類選考」「面接選考」「内定対応」といった大まかに4つのフェーズで進行します。
採用計画は、「いつまでに」「どのような人材が」「何人」「どのような理由で」必要になるのかを具体的にイメージして、計画を立てていくことが大切です。採用計画によって採用や配置を適切に行うことができれば、事業の成功にも直結します。
近年、採用計画の必要性がこれまで以上に高まっています。その背景には、少子高齢化による労働人口の減少や、優秀な人材を巡る獲得競争の激化があります。こうした状況では、必要な時にすぐ人材を確保するのは難しく、中長期的な視点での採用計画が欠かせません。
また、DXや生成AIの進展など事業環境の変化が加速しており、組織に必要なスキルや人材像も大きく変わりつつあります。加えて、ジョブ型雇用の浸透や、副業・フリーランスなど多様なはたらき方の広がりにより、採用の選択肢が増えた分、計画的な設計が求められています。
こうした状況下で採用活動を成功させるには、単なる人員補充ではなく、経営戦略と連動した採用計画の立案と実行が不可欠です。
では、実際に採用計画を立案する際のプロセスを見ていきましょう。大きく分けて4つのステップで進行します。
採用計画を立てる際は、まず「なぜ採用するのか」という目的を明確にすることが重要です。目的が定まることで、採用すべき人材像や時期、手段が自然と見えてきます。
この目的を明確にするには、経営側が描く事業戦略と現場の実情の両方を理解する必要があります。戦略の実現にはどのようなスキルや経験を持つ人材が必要で、いつまでに採用すべきかが、戦略の内容によって変わってくるためです。
加えて、現場部門へのヒアリングも欠かせません。実際に人材を受け入れ、活用するのは現場であるため、採用の目的を共有し、求める人物像をすり合わせておくことで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
目的を明確にできたら、次は以下の項目を決めていきます。
・求める人物像
・採用予算と採用緊急度
・採算の合う採用単価
・選考ステップと評価基準
特に重要なのは、求める人物像の具体化です。求める人物像が漠然としていると、採用後に組織戦略とのミスマッチが起こったり、選考がスムーズに進まなかったりする可能性があります。どのようなポジション・役割で入社後に活躍してもらうのか、定性的・定量的に具体化し、求人情報に示しましょう。
また、選考ステップは、状況に応じて工夫が必要です。例えば、緊急度が高い場合は、求人広告掲載に並行してスカウトメールを積極的に送るなど、短期集中で候補者と接点を持つことが効果的です。一方、ターゲットが明確で予算も限られている場合には、スカウトを中心に丁寧なアプローチを行うことで、マッチングの度合いが高くなり、採用後の定着にも繋がります。
採用スケジュールは、主に以下の要素で構成されています。
・採用カレンダー
・求人掲載期間
・選考期間
・研修期間
「いつまでに、どんな人物が、何人欲しいか」と具体的なゴールを考えたうえで逆算していくとよいでしょう。過去の採用スピードや現在の人的リソースを考慮したうえで、無理のないスケジュールを作成しましょう。
最後に、採用チャネルを決定しましょう。採用チャネルとは、採用活動に際し候補者にアプローチする手段のことで、主に以下の3つに分けられます。
公募型 | 求人広告など、不特定多数の候補者に向けてアプローチする手法で、母集団形成に有効 |
---|---|
人材紹介 | 専門的な知識や技術をもつ人材を探す際に有効 |
ダイレクトリクルーティング | 企業から求職者に直接アプローチするので、求める人材をピンポイントで発掘が可能 |
従来は求人広告や人材紹介など企業が希望者を待つ、いわば「受け身の採用」が主流でしたが、デジタル化や労働人口減少の影響によって採用チャネルは多様化しています。
求める人材にピンポイントでアプローチすることで、ミスマッチを防ぐ効果が見込めるダイレクトリクルーティングにも注目が集まっています。どの手法を活用するか、自社に合う方法を検討しましょう。
【関連記事】ダイレクトリクルーティングとは?手法やメリット、成功のポイント
採用計画を立てる流れは同じですが、新卒採用と中途採用では以下の通り採用対象や採用基準などさまざまな違いがあります。採用計画を立てるときにもそれぞれの特徴を踏まえることが大切です。
新卒採用 | 中途採用 | |
---|---|---|
採用対象 | 社会人未経験 | 社会人経験者 |
採用時期 | 一括採用(定期) | 不定期採用(通年) |
採用基準 | ・●●年度に大学を卒業する者 ・大学卒業後3年以内の者 など |
・募集時に即戦力となるスキルを保有していること |
新卒採用は、社会人経験のない学生が主な対象になります。職歴や専門的な資格を持っていないことが多いため、どのような業務が適しているかは企業側で判断する必要があります。
また、中途採用に比べ、面談回数を多くとったり、複数の部署の社員と話す機会を作ったり、密なコミュニケーションも求められます。社会人となることに不安を感じる内定者に対するフォローも必要です。
新卒採用ならではの工数を把握して採用計画を立てることがポイントです。
中途採用はスキルや経験が明確であるため、即戦力人材となることが期待できます。
新卒採用は毎年同じような時期・スケジュールで行われる一方で、中途採用は欠員が出たり補充が必要になったりしたタイミングで募集が行われるのが特徴です。そのため、いつまでに・どんなスキルをもった人材を採用する必要があるかを逆算して採用計画を立てることが求められます。
中途採用を成功させるためにも、下記3つの要素を考慮し採用計画を立てましょう。
採用計画立案のプロセスについて理解いただけたでしょうか。次に、より効果的な採用を行うためのポイントをご紹介します。
注意したいのは、競合他社=同業種の企業とは限らないことです。
例えば、同業種だとしても、求める人材が「人事」「営業」と異なれば、競合にはなりません。また、異業種だとしても、「同じ地域だから」「採用条件や待遇が似ているから」などの理由で競合になることもあり得ます。
つまり、採用ターゲットが何を希望するかによって、競合は変わってくるのです。自社との差別化を図るためにも、採用条件や福利厚生、企業のアピールポイントなど、採用市場や競合他社の動向をチェックしましょう。
また、株式会社キャリタスの調査によると、就職情報サイトに次いで各企業のホームページ(採用サイト)が全体の6割超となっており、多くの就活生がホームページをチェックしていることがうかがえます。
自社の魅力を伝えるために、自社採用サイトを充実させるのも効果的です。
採用計画通りに採用活動を進めていても、思うような成果が出ないことがあります。そのような時には、採用したい人物像が本当に存在しているのか、手法(施策)は適切か、一度見直してみましょう。
例えば、「新卒社員を募集したい」のであれば求人サイトや就職説明会が有効です。しかし「一刻も早く人材が必要」な場合は、求人サイトや就職説明会では採用までに時間がかかってしまいます。
求める人材や職種にあわせた採用手法を選択するためにも、成果が出ない場合は大元から見直しを検討しましょう。
採用計画を立案する際には、5年後、10年後といった中長期的な採用ニーズまで想定して計画を立てましょう。
「欠員があるから今すぐ人材がほしい」「新規プロジェクトを強化したいから人材が必要」など、目先の採用ニーズは顕在化しやすい部分です。しかし、中長期的な目線で採用計画を立てておかないと、「若手の人材を採用して組織拡大したい」と考えた時には、少子高齢化の影響もあり今よりも採用の難易度があがっているかもしれません。
そのため、事業計画や経営計画をもとに、自社の組織強化や拡大、技術の継承を視野に入れた計画立案を行いましょう 。また、採用計画立案後も、日々の数字や実績を追って、適宜見直しや軌道修正を行いましょう。
採用業務は採用計画の策定だけでなく、計画に基づいて求人広告の作成や面談のセッティング、内定者のフォローまで多岐にわたります。
採用業務を効率化することで、内定者のフォローに注力できるため内定承諾率が向上したり、より多くの求職者にアプローチができたり、優秀な人材の採用につながります。以下のような手法を活用し、採用業務を効率化しましょう。
【関連記事】採用業務を効率化する5つの方法と活用できるツールを解説
最後に、採用計画を効率的に始める方に向けて、パーソルグループがご提供しているサービスを3つご紹介します。
採用管理ツール「HITO-Linkリクルーティング」は、オペレーション業務をとことん自動化し、採用そのものに向き合う時間を生み出します。
といった企業の悩みを解決することができます。
例えば、dodaやIndeedといった応募者データの取り込み作業を自動で行ったり、エントリー後の推移や進捗を一目で確認できるので、業務効率化にもつながります。
「適正な採用計画が立てられない」「自社の競合優位性がわからない」などの悩みを解決するには、採用コンサルティングの活用も一つの手です。
採用コンサルティングでは、「現状調査」「改善施策提案」「運用支援」「業務再設計」と、採用体制や選考プロセスを見直していくことができます。実際に採用コンサルティングを活用いただいたあるクライアント様は、新卒採用の採用目標を計画の3カ月前倒しで達成しています。
RPOとは、企業の採用活動の一部もしくは全てを外部に委託することを指します。委託できる業務は、採用計画の立案から求人サイト選定、応募者との面接や内定者との連絡など多岐にわたっています。
という課題をお持ちの場合は検討してみるとよいでしょう。
【関連記事】RPO(採用代行)とは?委託できる業務と活用事例・メリット
これらのサービスに関するご相談やお見積のご依頼などは以下より承っております。お気軽にお問い合わせください。
採用計画に必要な項目や具体的なプロセスについて、ご理解いただけたでしょうか。
採用計画をしっかり立てることで、自社が求める人材を効果的に採用できるようになるため、優秀な人材確保と事業発展が期待できます。また、人材は採用して終わりではありません。入社後の定着や活躍まで見据えて、長期的な視点で採用計画を練っていきましょう。
効率的な採用活動を実現するためのターゲット設計のステップとは
「応募は集まるものの、自社にマッチする人材が採用できない…」
「採用後の離職率の高さに歯止めをかけたい…」
このような課題は、自社が採用したい人物像をはっきりとさせ、ターゲット設計を見直すことで解消できます。ターゲット設計は、効率的な採用活動にもつながります。
【ターゲット設計で踏むべき5つのステップ】についてまとめた資料を公開していますので、採用ご担当の方はぜひご活用ください。