2026年06月16日
組織の中核を担う管理職の育成は、多くの企業にとって注力して取り組むべき課題の一つです。しかし自社のリソースだけでは十分な研修の機会を提供できないため、外部の管理職研修サービスを利用したいと考える企業は少なくないでしょう。数多くの研修会社がサービスを展開している中で、それぞれの特徴や強みを把握し、自社の状況に合ったサービスを選ぶ必要があります。
本記事では、管理職研修の重要性から研修会社の選び方のポイントを解説し、おすすめの研修会社9社をご紹介します。ぜひ管理職研修サービスを比較検討する際の参考にしてください。
管理職の意識と行動を変える研修設計と運用のポイント
管理職の行動変容を促し、組織の成長を加速させるためには、研修の設計から実践、効果測定までを一貫して行うことが重要です。本資料では、管理職研修が失敗する原因や、課題別のおすすめ研修テーマ、管理職の意識と行動を変える研修設計のポイントを詳しく解説しています。
目次
少子高齢化による労働力不足やはたらき方の多様化が進む近年、管理職を取り巻く環境は複雑化しています。以下のような背景により、管理職研修の重要性は高まりつつあります。
人手不足に悩む多くの企業では、自分自身もプレーヤーとして目標数値を追いながら、部下の育成や指導を行うプレイングマネージャーの存在が一般的になっています。
これにより深刻化している課題が、管理職の業務過多です。管理職が日々のタスクに追われる中で、どうしても部下のケアやマネジメント業務が後回しになり、組織全体の生産性が低下してしまうケースは少なくありません。
管理職には限られた時間の中で成果を最大化するタイムマネジメントや、部下に権限と責任を委譲するデリゲーションなどのスキルが求められており、これらを習得するための研修の必要性が増しています。
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多様なはたらき方や価値観が広がっている現代において、管理職に求められる役割は単なる業務の割り振りや進捗管理だけにとどまりません。たとえば、部下の主体性を引き出し、心理的安全性を確保するための1on1ミーティングの実施、法改正や厳格化する社会的な見方に対応するハラスメント対策、国籍や性別、雇用形態の違いを生かすダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンなど、管理職が取り組むべき領域は広範囲かつ高度になりつつあります。
これらは管理職自身の過去の経験則だけでは対処が難しく、一歩間違えれば組織にとって大きなリスクに発展する可能性もあるため、研修による体系的なインプットと実践的なスキルの習得が求められます。
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社内で管理職を育成しようとしても、リソースや教育ノウハウの不足から十分な成果に結びつかないケースは少なくありません。外部のプロフェッショナルによる研修サービスを利用すると、自社だけでは対応しきれない管理職育成の多角的な課題を解決することができます。ここでは、管理職研修サービスを活用することで得られる主なメリットを紹介します。
管理職の中には、過去に自身が上司から受けた指導や自身の成功体験を頼りにマネジメント業務を行っている人も少なくないでしょう。外部の管理職研修を受講することで、こうした我流のマネジメントから脱し、時代に即した普遍的かつ体系的なマネジメント理論を学ぶことができます。
会社全体にとっても、管理職が自身のマネジメントの偏りや独りよがりに気付き、客観的に正しく標準化されたフレームワークやスキルを身に付けることで、属人的ではない安定した組織運営を実現できます。
社内の人事担当者や役員などが行う研修では、どうしても日頃の人間関係から生じる慣れ合いが影響し、受講者である管理職が緊張感を持って臨めないケースがあります。
外部講師による研修であれば、客観的かつプロフェッショナルな視点からフィードバックを受けることができるため、管理職自身が正しく課題を認識し、当事者意識を持ちやすくなります。社内では醸成できない緊張感が、管理職の危機意識を高め、意識改革を加速させることにつながるでしょう。
外部の研修サービスの中でも、特に複数の企業から受講者が集まる公開講座型の研修に参加すると、社内では得られない他社の事例や知見を豊富に学ぶことができます。
また、まったく異なる業界やカルチャーを持つ他社の管理職と議論や情報交換する機会を通じて、新たな気付きや刺激を得ることにもつながります。視野が広がると、自社の組織課題を俯瞰して捉えやすくなり、より柔軟でクリエイティブな解決策を導き出すきっかけになるでしょう。
管理職研修サービスを提供する企業には、それぞれ特徴や得意領域があります。ここでは、豊富な導入実績を持ち、多様なニーズに応じたサービスラインナップを展開している研修会社9社を紹介します。自社のマネジメント課題や対象となる人数の規模感、予算などに合わせて比較検討してみてください。
パーソル総合研究所の管理職研修サービスは、総合人材サービスを展開するパーソルグループが持つ豊富なデータと、労働市場に関するシンクタンクとしての知見に基づき、科学的アプローチによる研修を提供しています。単なる知識のインプットだけでなく、アセスメントによる自己理解やコーチングなどを組み合わせて設計された行動変容を促すプログラムが特徴です。
大企業や中堅企業を中心に、組織開発や人事戦略と連動した深い学びを得たい、組織の変革を根本から推進したいと考える企業に適しています。
| 研修の実施形態 | 講師派遣、公開講座型研修、ワークショップ、サーベイ、アセスメントなど |
| 研修プログラムのラインナップ(一例) | ・Management5~不易流行のマネジメント5原則~ ・「配る」マネジメント研修 ・部下の成長を支援する1on1 ・LDR-ATLAS(360度サーベイ) など |
| こんな企業におすすめ | 最新の調査・データに基づく科学的なアプローチで、アセスメントなどと組み合わせながら実践的な行動変容を促したい企業 |
インソースの管理職研修サービスは、現場で使えることを重視し、理論だけでなく実践演習を中心とした研修を提供しています。時代の変化に合わせた研修を多数開発しており、管理職の多様な悩みに対応する豊富なラインナップが強みです。
| 研修の実施形態 | 講師派遣、公開講座型研修、動画教材、通信教育、ワークショップ、アセスメントなど |
| 研修プログラムのラインナップ(一例) | ・新任管理職研修 ・管理職向け生成AI活用研修 ・管理職向けフィードバック向上研修 ・労務管理研修 など |
| こんな企業におすすめ | 現場ですぐに生かせる具体的なマネジメントスキルをはじめ、生成AI活用など最新トレンドも含めた豊富なテーマから選びたい企業 |
リクルートマネジメントソリューションズの管理職研修サービスは、組織行動学や心理学の知見を用いたカリキュラムが特徴です。「Learning Pit」という無料の研修サポートツールを活用し、受講後の行動計画設定や上司連携など、職場実践と効果測定まで伴走しています。
| 研修の実施形態 | 講師派遣、公開講座型研修、アセスメントなど |
| 研修プログラムのラインナップ(一例) | ・管理職研修<マネジメント実践> ・プレイングマネージャー研修 ・評価者研修・目標設定研修 など |
| こんな企業におすすめ | サポートツールを活用して、受講管理や効果測定といった研修事務局の業務効率化を図りたい企業 |
シナプスの管理職研修サービスは、コンサルティングを生業とする経験豊かなスペシャリストが講師を務めています。マネジメント研修では、部下指導、チームづくり、労務管理、計数管理、ビジョン構想、ビジョン共有の6つの活動をベースとし、実務家を養成することにフォーカスしているのが特徴です。
| 研修の実施形態 | 講師派遣、公開講座型研修 |
| 研修プログラムのラインナップ(一例) | ・新任管理職研修(課長研修) ・組織マネジメント研修 ・タスクマネジメント研修 ・コンプライアンス・ハラスメント研修 など |
| こんな企業におすすめ | 自社の業界や社内環境、受講生の職種に応じて柔軟にプログラムをカスタマイズしてほしい企業 |
アガルートの管理職研修サービスは、組織マネジメントに求められる「戦略」「ヒト」「カネ」の3領域をカバーしています。各分野のプロフェッショナルが講師を務め、多様なマネジメント課題に応じた階層別の体系的な研修づくりが可能です。
| 研修の実施形態 | 講師派遣、eラーニング |
| 研修プログラムのラインナップ(一例) | ・組織マネジメント研修 ・リーダーシップ研修 ・アカウンティング研修 ・育成マネジメント研修 など |
| こんな企業におすすめ | 協働ワークを取り入れながら、会計・財務から経営戦略まで実践的かつ幅広いビジネス知識を管理職に身に付けさせたい企業 |
ビジネスコーチの管理職研修サービスは、エグゼクティブ層から新任管理職層まで、各階層に応じたコーチングベースのサービスを提供しています。特に1on1の定着や人事評価運用スキルの向上に力を入れています。
| 研修の実施形態 | コーチング(個別・グループ)、動画教材、公開講座型研修など |
| 研修プログラムのラインナップ(一例) | ・1on1定着支援プログラム ・社内コーチ育成プログラム ・ハラスメント(動画教材) ・人事評価運営スキル(動画教材) など |
| こんな企業におすすめ | ・管理職のコーチングスキルを高めたい企業 ・組織内に1on1の文化を正しく定着させたい企業 |
Schooの管理職研修サービスは、多様な研修パッケージをオンラインで提供しています。時間や場所を選ばず、実践的なスキルや最新のビジネスの変化を学ぶことができます。
| 研修の実施形態 | eラーニング |
| 研修プログラムのラインナップ(一例) | ・組織マネジメント研修パッケージ ・コミュニケーションスキル強化研修パッケージ ・ハラスメント防止研修 ・ChatGPTの業務活用研修 など |
| こんな企業におすすめ | 忙しい管理職が隙間時間に好きな研修を選択して自由にスキルアップを図れる環境を提供したい企業 |
グロービスの管理職研修サービスは、MBA(経営学修士)で培った知見をもとに、「考える力」「経営の定石」「人を巻き込む力」「志」の4つの必須スキルを定義しています。企業事例をもとに疑似体験するケースメソッドを用いた実践的な学習が強みです。
| 研修の実施形態 | 講師派遣、公開講座型研修、eラーニング、アセスメントなど |
| 研修プログラムのラインナップ(一例) | ・ミドル・マネジメント・プログラム ・組織変革のリーダーシップ ・メンバーの意欲・能力を引き出す職場マネジメント ・クリティカル・シンキング など |
| こんな企業におすすめ | ・経営視点での高度な意思決定力や論理的思考力を鍛えたい企業 ・他社のマネジメント層と交流する機会を取り入れたい企業 |
リンクアンドモチベーションの管理職研修サービスは、管理職を「経営と現場の結節点」と定義し、独自のモチベーションエンジニアリング技術をベースに意識変革だけでなく行動変革にこだわった設計が特徴です。360度サーベイを用いた現状把握で、行動変容を定着させます。
| 研修の実施形態 | 講師派遣、サーベイ |
| 研修プログラムのラインナップ(一例) | ・マネジメント役割理解研修 ・チューニング(方向付け)スキル強化研修 ・マネジメントコミュニケーション研修 ・管理職向け360度評価研修 など |
| こんな企業におすすめ | マネジメントの属人性を排除し、関係性構築や部下のモチベーション向上といった組織のコミュニケーション課題を解決したい企業 |

効果的な管理職研修を実施するには、自社の課題や状況に合わせたサービス選びが欠かせません。研修会社によってアプローチや得意分野が異なるため、自社が管理職にどうなってほしいのかというゴールを明確にした上で、以下の軸をもとにサービスを比較検討してみましょう。
まずは受講対象者となる管理職の人数や勤務形態、拠点の分散状況に応じて、最適な実施形態を選ぶことが重要です。
受講者が数十名以上と多い場合は、自社向けにカスタマイズできる「講師派遣型」が効率的です。反対に対象者が数名しかいない場合は、他社交流も生まれる「公開講座型」がコスト面でも適しているでしょう。また、全国に拠点がある場合や、多忙でまとまった時間が取れない環境であれば、「オンライン研修」や「eラーニング」を組み合わせることで、業務への影響を最小限に抑えやすくなります。
せっかくの研修内容が教科書通りの一般論に終始してしまうと、受講者は「現場では役に立たない」と感じて、学びの意欲が低下する可能性があります。そのため、自社固有の課題や業界特有の商習慣、実際に現場で起きているトラブル事例などをケーススタディとして研修内容に組み込めるかどうかが重要です。
パッケージ化された研修内容をそのまま導入するだけでなく、ヒアリングを通じて、どのくらい自社向けに柔軟にカスタマイズしてくれるかを事前に確認しましょう。
管理職研修のゴールは、当日の満足度ではなく、受講後の現場での行動変容です。研修会社のサービスとして、現場での継続的な実践を促す仕組みがあるかを確認するとよいでしょう。
たとえば、数ヶ月後に課題を持ち寄るフォローアップ研修や、受講者の上司や部下による360度評価、実践状況を報告する課題など、研修会社がどのようなアフターフォローや伴走支援の仕組みを持っているかが、学びの定着にもつながります。
【関連記事】360度評価とは?メリット・デメリット、効果を高めるポイント
管理職研修にかかる費用は、主に実施形態や受講人数によって変動します。予算内で最大の効果を得るためには、まずは実施形態ごとの費用感を把握し、自社の受講人数や実施目的と照らし合わせてシミュレーションすることが大切です。見積もりを依頼する前に、一般的な費用相場を確認しておきましょう。
講師を自社に招く、もしくは自社専用にオンラインで貸し切る「講師派遣型」は、1日あたり数十万程度が相場です。これに加えて、オリジナルテキスト代や事前のカスタマイズ費用、講師の交通費などが加算されるケースがあります。
一見高額ですが、受講人数が数十名と多い場合は、1人あたりの受講単価を低く抑えることができます。そのため、まとまった人数の管理職を対象に、一度の機会かつ自社に最適化された内容で研修を受講させたい企業におすすめです。
外部の会場や指定のオンラインルームに1名単位から受講できる「公開講座型」は、、1名1日あたり数万円程度が相場です。経営層向けのハイレベルな研修や、著名な講師が登壇する場合は、費用が高額になるケースもあります。
基本的には、受講対象者が数名しかおらず講師派遣では割高になってしまう場合や、管理職への昇格が発生するたびタイムリーに受講させたい場合などに適しています。他社の管理職との交流の場として、視野を広げさせたいという目的にも見合っています。
動画を視聴して各自で学ぶeラーニングや定額制のサブスクリプション型サービスは、、初期費用に加え、1IDあたり月額数百円~数千円程度が相場です。サービスによっては、全社員にアカウントを一括付与する年間プランなどもあります。
時間や場所の制約が一切なく、コストを抑えて網羅的なビジネス知識を学べるため、研修前の予習や研修後の復習に活用するなど、他の実施形態と併用されるケースもあります。
管理職研修を形骸化させず、十分な成果を得るには、研修当日のプログラムの質だけでなく、研修前後の取り組みも重要です。企業の人事担当者が押さえておきたい成功のポイントを紹介します。
多くの管理職は日々の業務で忙しいため、何の説明もなく研修の受講を強要すると、「なぜこの研修を受けなければならないのか」「業務を止めてまで受講する意味があるのか」といった不満につながる可能性があります。その結果、研修に対して受動的な態度になり、学びの姿勢が奪われてしまいます。
こうした事態を防ぐには、研修の実施前に経営陣や人事責任者などから管理職に期待している役割を直接伝えたり、事前課題として360度評価を行い、自身のマネジメント課題を認識させたりすることで、自発的に学ぶ動機付けを行うことが効果的です。
研修でどれだけ素晴らしい気付きを得たとしても、翌日から通常業務に戻ると、元の慣れ親しんだ習慣に流されてしまうケースは少なくありません。これを防ぐため、研修時に「明日から実践する具体的なアクションプラン」を定量的かつ期限付きで策定させ、現場で実践できる仕組みを作りましょう。
受講者の上司にも研修内容を共有した上で、現場での実践状況を定期的な1on1ミーティングなどで確認し、フィードバックしてもらうといった巻き込み型の取り組みが重要です。
研修実施後に単に受講満足度をアンケートするだけでは、実際のスキル向上や業務への影響を測ることはできません。
研修の成果を明確にするには、研修実施から3ヶ月~半年くらいの期間を置いた後、上司や部下からの360度評価を改めて実施し、実際のマネジメント業務にポジティブな行動変容が見られたかを客観的に測定しましょう。こうした定量的な成果測定を行うことで、研修プログラムの継続的な改善や、経営陣への投資対効果の提示が可能になります。
管理職研修にかかる費用は、実施形態によって異なります。講師を自社に招く「講師派遣型」は1日数十万円が相場です。受講人数が多いほど1人あたりは割安になります。
また、1名から参加できる「公開講座型」は1人あたり1日数万円、動画で学ぶ「eラーニング」は1ID月額数百円〜数千円から利用でき、予算や人数に応じた選択が可能です。詳しくは「管理職研修サービスの費用相場」をご覧ください。
おすすめの管理職研修としては、部下の主体性を引き出す1on1やコーチング、ハラスメント防止を学ぶコンプライアンス・労務管理、多忙な業務を効率化するタイムマネジメントや権限委譲などが挙げられます。自社の管理職が直面している具体的な課題に合わせて選ぶことが大切です。
各研修会社が実施しているプログラムについては「管理職研修におすすめの会社9選」を参考にしてください。
研修会社選びに失敗しないためには、「受講人数に適した実施形態か」「自社向けにカリキュラムをカスタマイズできるか」「研修後に受講者の行動変容を促すフォローアップ体制があるか」といった軸で選ぶことをおすすめします。企業のネームバリューだけでなく、管理職育成に伴走してくれる研修会社を見極めましょう。詳しくは、「自社に最適な管理職研修会社の選び方のポイント」をご覧ください。
管理職の意識と行動を変える研修設計と運用のポイント
管理職の行動変容を促し、組織の成長を加速させるためには、研修の設計から実践、効果測定までを一貫して行うことが重要です。本資料では、管理職研修が失敗する原因や、課題別のおすすめ研修テーマ、管理職の意識と行動を変える研修設計のポイントを詳しく解説しています。
企業が持続的な成長を実現するには、組織の経営層と現場をつなぐ管理職のスキルアップが欠かせません。外部の管理職研修サービスを検討する際は、現状のマネジメント課題を明確にした上で、研修当日のプログラムだけでなく、受講後の行動変容を促す取り組みまで伴走してくれるパートナーを選定しましょう。本記事で紹介した選び方のポイントやおすすめの研修会社を参考に、自社の未来を担う管理職の育成に取り組んでみてください。