2021年09月07日
2025年05月15日
新入社員研修は、社会人として必要なマインドセット、企業理解、仕事の進め方・マナーを身に付けてもらうために行います。実施方法により効果には差があり、定着のためには振り返りが必要です。
本記事では、新入社員研修の目的や研修内容、進め方のポイントを解説します。
【2025年度版】新入社員研修、年間計画を策定するためのポイントとは?
人材育成は、企業の成長に欠かせません。多くの企業では年間の育成方針を立て、さまざまな研修を行っています。しかし、この流れで本当にいいのか、より効果が出る研修はないのかとお悩みの人事、育成担当の方も多いのではないでしょうか。
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どのような研修をいつ、どの順番でやるべきかお悩みの人事、育成担当者の方、必見です。ぜひダウンロードしてご活用ください。
目次
新入社員研修は、社会人に必要不可欠なマインドセットやスキル・マナーを学んだり、自社事業についての理解を深めたりと基本的な知識を得るための研修です。入社してすぐ実施されることが多いですが、企業によっては入社前から実施することもあります。
新入社員研修の目的は、次の3点です。
ほとんどの新入社員が、入社前に就職活動の一環として企業研究を行っているため、ある程度自社について理解している部分もあることでしょう。とはいえ、事業の全体像までは把握できているとは言い切れません。
研修を通じて自社の事業や理念を学ぶことで、組織における自分の業務の位置づけを理解できます。自分に求められていることは何か、どんな目標に向かって業務を遂行すべきかが明確になれば、モチベーション高く力を発揮できるでしょう。
業界・職種にかかわらず、上司や社外の顧客など多くの人と関わる機会が発生するのが社会人です。名刺交換や電話応対、挨拶や身だしなみなど、相手に合わせた応対ができるように、最低限のマナーは早いうちに習得しておく必要があります。
あらゆる企業において、人材不足が深刻化している今、いかに自社人材の強化を図るかは重要なテーマです。
新入社員も例外ではなく、新入社員研修で業務に必要なスキルを学んだり、実務を通じて上司や先輩からマインドセットなどを教わったりすることで、企業成長に欠かせない即戦力を育成する目的もあります。
早くからスキルを習得し、成功体験を積むことで早期離職防止にもつながります。
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新入社員研修は、企業ごとに目的や育成方針に合わせたプログラム設計が求められるため、自社に合った研修プログラムを検討することが重要です。ここでは、パーソル総合研究所で提供している代表的な新入社員研修のプログラム例を紹介します。
ここで紹介しているプログラムは社会人としての基本的マナーを身につけるとともに、新入社員が自身の役割を認識し、主体性をもって行動できることを目指した内容になっています。自社に合った研修を検討する際の参考としてご活用ください。
内容 | 詳細 |
---|---|
これからの私 | 今後の期待、将来のめざす姿 |
仕事とコミュニケーション | 仕事の基本とコミュニケーション 成果を上げるための協調と達成意欲 |
職場の人間関係とマナー | 人間関係の基本と職場のルール・マナー |
基本行動と役割の遂行 | 自分の役割を主体的にはたしていくことの重要性 |
自分を知る | 自らのふり帰り、成長のためのポイント |
私たちの誓い | 目標に対する責任意識と達成意欲の確立 |
新入研修では幅広い知識・スキルを網羅的に学ぶことが求められます。事業の概要や職種ごとに必要な専門的知識・スキルに加え、以下のスキルについても研修を通じて身につけていくとよいでしょう。
マインドセットとは、考え方の癖や行動パターンなどを指しており、これまでの環境や自身の体験などの要素が絡み合い醸成されています。
例えば以下のような内容について学びます。
あいさつ・身だしなみ、電話応対での言葉遣いなど、社会人として必要なビジネスマナーは多岐にわたります。
例えば以下のような内容について学びます。
とはいえビジネスマナーにおいて重要なのは、上記の型を覚えることではありません。「この相手にはどう応対するとよいか」と考え、行動できる力を磨くことが大切です。
【関連記事】ビジネスマナー研修とは?プログラム例や目的、内容を解説
PCスキルは業務効率や正確性に直結するため、ビジネスパーソンとしては必須のスキルといえます。 タッチタイピング (ブラインドタッチ)やショートカットの活用、ワード・エクセル・パワーポイントの基本操作などは、新人の段階で体系的に学ぶ機会を提供するのが望ましいでしょう。
また、現代のビジネスでは、業種と問わずITツールの活用が欠かせません。メールやチャット、オンライン会議システム、社内ポータルなど、日々の業務の多くがデジタル環境で行われるため、新入社員にも基本的なITリテラシーが求められます。
【関連記事】ITリテラシー研修とは?重要性とカリキュラム例を分かりやすく解説
上司や先輩と連携するためのコミュニケーションスキルを磨いておくことで、円滑な業務進行ができるようになります。
例えば、報連相(報告・連絡・相談)の徹底もそのうちの一つです。報告・連絡・相談が徹底されていれば、新人が進めている仕事の状況を周囲がきちんと把握でき、その結果、トラブルを未然に防ぐことができます。
コンプライアンスは「法令遵守」と訳されますが、実際には法令のみならず、より広く「社会的規範や企業倫理、就業規則などを守る」といった意味で使われています。
特に近年は、個人情報の漏洩など情報セキュリティ上のトラブルが発生したり、SNSの利用で炎上騒ぎを起こしたりするケースも散見されます。新入社員研修の時点で、コンプライアンスに対する理解を深めておく必要があります。
【関連記事】コンプライアンス研修とは?テーマ例や目的、内容と実施のポイント
メンタルヘルスの維持は、離職・退職防止に欠かせません。新入社員のうちは、以下のようなセルフケアに重点を置いて学んでおくことが大切です。
従業員が自らメンタル不調の兆しを発見し、早期に専門機関に相談することができれば、休職や離職といった事態も回避できるでしょう。
【関連記事】メンタルヘルス研修とは?必要性やプログラム例・得られるスキル
会社全体の業容を理解することは重要です。どんな製品・サービスを提供しているのか、その製品やサービスにどんな特徴があるのか、競合会社との比較や強み・弱みなどを把握するのは必須となります。
売上や利益、費用といった企業の数字を知ることは、どうすれば企業が成長するのかといったビジネスそのものの理解につながります。
課題にあわせた新入社員向け研修プログラムをご提供しています
パーソルの新入社員研修は、実務経験がなくてもビジネスの現場をイメージしながら学習を進められるよう、演習やディスカッション、モデリング映像等を組み合わせて構成されています。
経験豊富な講師陣による実践的な教育プログラムで、社会人としてのマインドセットとビジネスマナーがしっかりと身につきます。
企業の課題感に合わせたプログラムの考案・見直しを提供していますので、新入社員研修の開催・実施にあたってのお困りごとやお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
新入社員研修で学ぶ内容について解説してきました。ここでは、新入社員研修の主な手法とその特徴を紹介します。
Off-JTとは「Off-the-Job Training」の略称で、業務から離れた場所で学ぶ手法を指します。
例えば、外部講師を招いた集合研修や外部のセミナー参加、オンライン研修などが該当します。Off-JTは、まとまった時間を設けて体系的に学ぶことができるため、社員間で起こる知識量のばらつきを防げます。
新入社員研修の中でも基本的な知識を身につけるような内容であれば、Off-JTが適しています。
OJTとは「On-the-Job Training」の略称で、実際の業務を通して必要な知識や技能を学ぶ手法です。
また、OJTは多くの企業で取り入れられています。厚生労働省の「令和5年度能力開発基本調査」によると、正社員または正社員以外に対して計画的にOJTを実施した事業所は63.2%と、半数以上の企業がOJTを実施していることがわかります。
【関連記事】OJTとは?メリットや進め方、効果を高める6つのポイント
グループワーキングは、与えられたテーマに対し、複数人のグループで議論、意思決定、発表などを行う手法です。
案件対応やプロジェクトの進行など、業務の多くはチームで対応していくものです。そのため、グループワーキングによって、他者と協力して課題解決したり意思決定に向けて結論をまとめたりといったスキルを磨くことができます。
ケーススタディは、一言でいえば事例研究のことです。社内外を問わず、過去に起きた事例をもとに、自分だったらどう対応するかなど分析して学びます。
例えば過去に発生したアクシデントなどを題材とし、発生の原因や自分ならではの対応方法を考えておくことで、同じような状況に陥る前にリスクを回避したり、冷静に対処したりできるようになるでしょう。
ロールプレイングは顧客との応対など仕事中によくある場面を想定し、それぞれの役割を演じることで実践力を磨く手法です。
ハイパフォーマーのロールプレイングを見たり、自らロールプレイングを行った後フィードバックをもらったりすることで、実践的なスキルが身につきます。
自己啓発とは、従業員が自発的に学ぶことを指します。企業が資格取得費用の負担やeラーニング導入、勉強時間を捻出できるように就業時間を融通するといった後方支援を行うことで、自己啓発を促します。
しかし、日本人は学びに対する意欲が低い傾向があります。パーソル総合研究所の 「APAC就業実態・成長意識調査」によると、勤務先以外での学習や自己啓発について、日本は「特に何も行っていない」が46.3%でした。この数値は、他国と比べても圧倒的に少ないです。
そのため、Off-JTやOJTで新入社員の自主性・自律性を養ったあと、自己啓発を取り入れるのが望ましいとされます。
【お役立ち資料】階層別!育成課題解決ガイド
階層やキャリア課題にあわせ、体系立てられた研修プログラムを実施することで、計画的・戦略的に人と組織の成長を促すことが可能です。数々の企業で導入実績をもつパーソルグループでご提供する、課題ごとに最適な研修プログラムをご案内します。
新入社員研修の実施フローは、次のとおりです。
自社が必要としている受講者のレベルに合った実施方針・時期期間などを踏まえて企画を策定する。
研修目的と受講者レベルに合わせた研修形態・手法と研修項目を策定する。経営陣や現場の担当者に話を聞き、新人に何を教えるべきかヒアリングすることも有効。
研修日時・内容・会場(オンライン)に関する案内を新人に送付。
1~3に沿って研修を実施。一方通行の研修で終わりにせず、受講生の様子から理解度を推し量りながら進める。
研修内容の理解度を測るためのアンケートや振り返りのディスカッションなどを行う。そこで課題が見つかれば、次回の新入社員研修までに改善する。
研修の成果を高めるために、研修内で研修終了後のアクションプランを作成してもらい、一定の時期に実行状況をレポートさせたり、場合によってフォローアップ研修を実行したりする。
新入社員研修を成功させるためには、以下のポイントに注意しながら体系的に学んでいくことが重要です。
まず、研修内容を決定するときは、新入社員の現在のレベルと、自社が求める人材像を把握しましょう。
新入社員のレベル把握のためには入社時の試験・面接に加え、事前アンケートも有効です。自社が求める人材像と、現在の新入社員の間にどんなギャップがあるのか把握することで、そのギャップを埋めるための研修内容も自ずと明らかになります。
また、研修内容をより効率的に・より深く理解するためには、学ぶ目的を示す必要があります。研修で教える項目それぞれについて、最初に「なぜ・何のために学ぶのか」を必ず説明しましょう。
近年、研修形式は多様化しつつあります。従来の対面型の研修だけでなく、オンライン研修を導入する企業も増えました。
パーソル総合研究所が行った「新卒入社者のオンボーディング実態調査」によると、人事担当者は研修形式について、スキル系の研修や配属後面談のオンライン化にはポジティブな評価をしているものの、コミュニケーション系の研修やOJTのオンライン化についてはネガティブな評価になっています。
そのため、研修目的や内容に応じて形式を使い分けていくことが有効です。
例えば新入社員の社内人脈形成を目的とした研修や、グループワーク形式の研修の際には、オフライン(対面)での実施が良いでしょう。一方で、業務で使う知識やスキルを学ぶ、知識インプット型の研修は、オンライン実施によって高い効果が見込まれます。
どんな学習でもそうですが、一度学んだだけでは知識は定着しません。優れた内容の研修も終わったところで満足してしまうと、新入社員の身にはならないのです。知識の定着のためには、後で振り返りの時間を設けて理解度を確かめるなど、研修後のフォローも忘れずに行いましょう。
さらに、どんな研修においても肝心なのは、研修内容を日々の実務に生かせるかどうかです。また、OJTを経るからこそ知識が定着するともいえます。特に、OJTの初期における指導は、非常に重要です。教える側の負担は大きくなりますが、大切な新入社員を手厚く指導できる体制を整えたいところです。
【関連記事】1on1とは?目的や話す内容・面談との違い
新入社員研修の実施においては、外部の研修サービスを活用する方法もあります。
研修を実施するまでには、研修企画の立案、会場設定、資料の作成から実施後のフォローまで非常に多くの工程があります。外部に委託すれば、担当者の工数削減につながります。
さらに、研修サービスを提供している企業は、多くの知見やノウハウを有しているため、研修の質が向上し、習得スピードが向上することも期待できるでしょう。
30年・21,000社以上の人材開発実績をもつパーソルグループでは、社会で求められる基本的な「ビジネスマナー」から、主体的に考え行動し継続的に成果を出す「仕事のスタンス」まで、幅広いプログラムで新人社員の育成を支援します。
また、研修の成果を、職場配属後もフォローしていく仕組みも整えているため、学びの効果が長続きするのも特長です。
新人社員研修の実施や見直しでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
新入社員研修は、学生とは異なるマインドセットや、ビジネスパーソンに求められるスキル、マナーなどを学ぶ機会として必須です。
ただし、研修をやればよいというわけではなく、自社が求める人材を育てる内容になっているか、学んだ知識が定着しているかなど、押さえるべきポイントがいくつかあります。自社にとってベストな新入社員研修を追求しましょう。
A1.新入社員研修とは、新たに自社に入社する社員に対し行う研修を指します。研修の目的は、次の3点です。
A2.新入研修では幅広い知識・スキルを網羅的に学ぶことが求められます。事業の概要や職種ごとに必要な専門的知識・スキルを学ぶことに加え、以下のスキルについても研修を通じて身につけていくとよいでしょう。
A3.研修を成功させるには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
【2025年度版】新入社員研修、年間計画を策定するためのポイントとは?
人材育成は、企業の成長に欠かせません。多くの企業では年間の育成方針を立て、さまざまな研修を行っています。しかし、この流れで本当にいいのか、より効果が出る研修はないのかとお悩みの人事、育成担当の方も多いのではないでしょうか。
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