ニューノーマル時代における新入社員研修のポイント

人材・組織 人事

新入社員研修は、社会人として必要なマインドセット、企業理解、仕事の進め方・マナーを身に付けてもらうために行います。実施方法により効果には差があり、定着のためには振り返りが必要です。コロナ禍での調査を踏まえた今後の研修のあり方も解説します。

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目次

新入社員研修とは

新入社員研修の目的

新入社員研修の狙いは、社会人になるにあたって必要不可欠なマインドセットや組織の仕組み、企業の事業内容、仕事の進め方、社会人のマナー・スキルなどを習得することにあります。早くからスキルを習得し、成功体験を積むことで早期離職防止にもつながります。

新入社員研修の内容

新入社員研修の具体的な内容は、次のようなものです。

マインドセット
上司の目が届かないリモート環境下でも仕事を進められる主体性、会社の利益を左右するコストの意識、また研修が終わった後も学び続ける自律性、論理的思考力、イノベーションの重要性など、ビジネスパーソンとして必要不可欠なマインドセットを学びます。
ビジネス文書・メールの書き方
誰が読んでも伝えたいことが一目で分かるビジネス文書・ビジネスメールの作成ノウハウを学びます。
企業の業容、数字の見方・コスト意識
まずは会社全体の業容を理解することが重要です。どんな製品・サービスを提供しているのか、その製品やサービスにどんな特徴があるのか。また、競合会社との比較や強み・弱みなどを把握するのは必須となります。 売上や利益、費用といった企業の数字を知ることは、どうすれば企業が成長するのか、どのようにして給与が決まるのかといったビジネスそのものの理解につながります。例えば、いくら製品がヒットして大きな売り上げを得られても、その製品をつくる費用がかさめば利益を圧迫します。製品の生産部門が、売上ではなく粗利(=売上―売上原価)を意識しながら仕事をしているのは、そのためです。
ビジネスの基本スキル「報連相」と「PDCA」
報連相とは、報告・連絡・相談のことです。仕事は1人でするものではなく、上司や先輩社員らと連携しながら進めるものです。そのためにはタイムリーな情報共有が不可欠。報告・連絡・相談が徹底されていれば、新人が進めている仕事の状況を周囲がきちんと把握でき、その結果、トラブルを未然に防ぐことができます。
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返して業務を継続的に改善する手法のことです。まず行動計画を立て、その計画に基づいて業務を実行、実行の結果を評価し、必要に応じて改善を加え、また新たな計画を立てる。このサイクルを回し続けるのです。PDCAを習得することで、自分がやるべきタスクが明確になり、業務効率もアップします。
PCスキル
PCの起動方法、タッチタイピング (ブラインドタッチ)、ショートカット、ワード・エクセル・パワーポイントなど、ビジネスパーソンとして必須のPCスキルを学びます。スマートフォンの時代となり、学生たちのPCスキルの低下が危惧されている昨今ですが、PCスキルは業務効率や正確性に直結し、ビジネススキルとして必須 です。新人の時点で体系的に学ぶ機会を提供するのが望ましいといえます。
コンプライアンスの重要性
新入社員研修では「コンプライアンス」に関する教育も欠かせません。コンプライアンスは「法令遵守」と訳されますが、実際には法令のみならず、より広く「社会的規範や企業倫理、就業規則などを守る」といった意味で使われています。特に近年は、個人情報の漏洩など情報セキュリティ上のトラブルが発生したり、SNSの利用で炎上騒ぎを起こしたりするケースも散見されます。新入社員研修の時点で、コンプライアンスに対する理解を深めておく必要があります。
メンタルヘルスの注意点
ストレスの予防や、ストレスとうまく付き合う方法、ポジティブな気持ちを維持して仕事に向かうための方法などを学びます。自らメンタル不調の兆しを発見し、早期に専門機関に相談することができれば、休職や離職といった事態も回避できるかもしれません。
社会人に必要なマナー
あいさつ・身だしなみ、電話応対での言葉遣いなど、社会人として必要なビジネスマナーを学びます。「名刺を渡すのは訪問した側が先」「来客を案内するときは自分が2、3歩前を歩いて先導する」など、細かい立ち振る舞いをひとつ誤るだけで、相手に不快な思いをさせかねません。また職場におけるパワハラ、セクハラは全方向で発生する可能性があります。 新人の段階から「何がハラスメントにあたるのか」「ハラスメントをしないために何が必要か」などを学ぶ必要があります。

その他、職種別にテーマを絞った研修もあります。例えば、営業職向けのプレゼンテーション研修、事務・アシスタント向けの接遇マナー研修です。

新入社員研修の手法

新入社員研修にも、いくつかの手法があります。代表的な手法として「Off-JT」「OJT」があげられます。「Off-JT」はOff-the-Job Trainingの略称であり、オンライン研修を含むこともあります。業務から離れた場所に講師を招き、主に「知識」を習得します。これに対し「OJT」はOn-the-Job Trainingの略称で、職場ではたらきながら、上司や同僚から直接指導を受け、主に実務の能力を磨いていきます。

「自己啓発」も、新入社員研修の形態の1つです。eラーニングなどを活用して、従業員が自発的に学ぶことを指します。企業はそこで発生する費用を負担したり、勉強時間を捻出できるよう就業時間を融通したりといった後方支援を行います。なお、自己啓発はOff-JTOJTを経て、新人の自主性・自律性を養ったあとに取り入れるのが望ましいとされます。

さらに細かくみれば、オンライン研修を含めたグループワーキング、ケーススタディ、ロールプレイングなどがあります。グループワーキングはあるテーマに沿ってチームで議論を行う研修、ケーススタディは事例研究、ロールプレイングは営業職と顧客など仕事中によくある場面を想定し、それぞれの役割を演じることで実践力を磨く研修です。

新入社員研修の実施フロー

新入社員研修の実施フローは、次のとおりです。

(1)企画…自社が必要としている受講者のレベルに合った実施方針・時期期間などを踏まえて企画を策定する。

(2)内容策定…研修目的と受講者レベルに合わせた研修形態・手法と研修項目を策定する。経営陣や現場の担当者に話を聞き、新人に何を教えるべきかヒアリングすることも有効。

(3)案内…研修日時・内容・会場(オンライン)に関する案内を新人に送付。

(4)実施…(1)〜(3)に沿って研修を実施。一方通行の研修で終わりにせず、受講生の様子から理解度を推し量りながら進める。

(5)振り返り…研修内容の理解度を測るためのアンケートや振り返りのディスカッションなどを行う。そこで課題が見つかれば、次回の新入社員研修までに改善する。

6)課題抽出…研修の成果を高めるために、研修内で研修終了後のアクションプランを作成してもらい、一定の時期に実行状況をレポートさせたり、場合によってフォローアップ研修を実行したりする。

新入社員研修成功のポイント

誰に・何を・なぜ研修するのか明確に

(1)    新入社員のレベルと、自社が本当に求める人材像を把握する
研修内容を決めるには、新入社員の現在のレベルと、自社が求める人材像を把握する必要があります。新入社員のレベル把握のためには入社時の試験・面接に加え、事前アンケートも有効です。自社が求める人材像と、現在の新入社員の間にどんなギャップがあるのか把握することで、そのギャップを埋めるための研修内容も自ずと明らかになります。

(2)なぜそれを学ぶのかを明らかにする
研修内容をより効率的に・より深く理解するためには、学ぶ目的を示す必要があります。研修で教える項目それぞれについて、最初に「なぜ・何のために学ぶのか」を必ず説明しましょう。

(3)事後の効果測定を必ず行う
どんな学習でもそうですが、一度学んだだけでは知識は定着しません。優れた内容の研修も終わったところで満足してしまうと、新入社員の身にはならないのです。知識の定着のためには、後で振り返りの時間を設けて理解度を確かめるなど、研修後のフォローも忘れずに行いましょう。

(4)新入社員のタイプを知る
1990年代後半に生まれた昨今の新入社員は「Z世代」と呼ばれる世代です。子どもの頃からスマホやSNSも使いこなしてきた生粋のデジタル・ネイティブ世代であり、一方ではリーマンショックなどの不況の影響下で、仕事やお金に対して堅実な考えを持つリアリストでもあります。特に昨今は大学でキャリア形成についてカウンセリングを受けており、キャリアアップ機会の獲得にも熱心です。業務にどのような意味や目的があるのか、自分のキャリアにどう役立つのかを理解できると、仕事に対するモチベーションがアップする傾向があります。

関連記事「ミレニアル世代とZ世代の特徴、組織づくりにおけるポイントを徹底解説」を見る

 (5)配属後のフォロー担当を決めておく
どんな研修においても肝心なのは、研修内容を日々の実務に生かせるかどうかです。また、OJTを経るからこそ知識が定着するともいえます。特に、OJTの初期における手とり足とり指導は、非常に重要です。教える側の負担は大きくなりますが、大切な新入社員を手厚く指導できる体制を整えたいところです。

ニューノーマル時代の新入社員研修

ニューノーマルの時代における新入社員研修は、どのようなものになるのでしょう。パーソル総合研究所が行った「新卒入社者のオンボーディング実態調査」によると、急激なオンライン化により上司や先輩社員との交流機会が減少しています。人事担当者はスキル系の研修や配属後面談のオンライン化にはポジティブな評価をしているものの、コミュニケーション系の研修やOJTのオンライン化についてはネガティブな評価を下しています。

人事担当者がオンラインに効果を感じている割合

人事担当者がオンラインに効果を感じている割合(研修)

新入社員自身はというと、人事担当者ほどには在宅勤務にネガティブな評価を感じていませんでした。ただし、約半数の新入社員がコミュニケーションの取りづらさや、自律的に業務を考える 必要性、OJTや業務を通じた教育効果の低下を実感しているようです。具体的には、約半数の新入社員が同期(51.4%)、先輩社員(48.6%)、上司(46.1%)とのコミュニケーションの取りづらさを感じていました。また自律的に業務を遂行する必要性(48.9%)、OJTや業務を通じた教育効果の低下(47.9%)も約半数が実感していました。

このような状況下、特に有効だったのは社内ネットワークの構築を促すような施策・研修や、業務で使う知識・スキルを身に付ける研修の実施でした。これらが新卒若手社員の組織・仕事への適応を促し、成長や定着を促進したというのです。具体的には、配属後の歓迎会・懇親会や業務外の相談員・質問窓口の設置は組織への適応に、研修期間の歓迎会・懇親会やオンボーディング向けシステムの利用は仕事への適応にプラスに影響していました。また、社内での人脈形成、業務別の専門知識・スキルの研修や対面型のグループワーク形式の研修は、組織や仕事への適応にプラスの影響を、上司・先輩によるOJT形式の研修は、組織への適応にプラスに影響していました。

以上の調査から次のようなことが分かります。

(1)社内人脈形成を目的とした研修や、グループワーク・OJT形式の研修を取り入れ、新入社員の社内ネットワーク構築を支援する。これらは対面実施が望ましい。

(2)業務で使う知識・スキルを学ぶ研修などにより、実務へのスムーズな移行を支援する。知識インプット型の研修(例:自社・業界理解、PCスキル)は、オンライン実施が選択肢のひとつ(高い効果と高評価が見込まれる)

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これからの新入社員研修への提言

学生とは異なるマインドセット・企業理解・仕事の仕方とマナー学習に必須

新入社員研修は、学生とは異なるマインドセットや、ビジネスパーソンに求められるスキル、マナーなどを学ぶ機会として必須の研修です。ただし、研修をやればよいというわけではなく、自社が求める人材を育てる内容になっているか、学んだ知識が定着しているか、コロナ禍で普及したオンライン研修は有効かなど、押さえるべきポイントがいくつかあります。新入社員研修は、企業の将来を担う人材を育てるものです。自社にとってベストな新入社員研修を追求しましょう。

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パーソル総合研究所では、サブスクリプション型オンライン公開研修をはじめとしたサービスを提供し、今回解説したさまざまな中堅・中小企業の人材育成の課題解決をサポートします。ご相談は無料です。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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インタビュー・監修

中村社会保険労務パートナーズ代表、特定社会保険労務士・人事コンサルタント

中村 俊之

人事労務畑の仕事に40年の経験、会社の実態に沿ったベストソリューション(問題点の解決)を得意とし、企業研修は年50回程度行う。人事制度・賃金制度等処遇制度の構築、人事考課制度の構築・考課者研修、労働相談、就業規則その他規程の作成・見直し、目標管理制の構築・研修、階層別(部長級・課長級・係長級・新入社員)教育訓練ほかに対応。主著に『やさしくわかる労働基準法』(監修、ナツメ社刊)ほか

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