2026年10月06日
カスタマーハラスメント(カスハラ)は、顧客や取引先などの行き過ぎた言動によって、従業員の就業環境が損なわれることをいいます。2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法に基づくカスハラ防止措置がすべての事業主に義務付けられました。
企業には、対応方針や相談体制を整備するとともに、従業員が「どのように対応し、誰に相談すればよいのか」を理解できるよう、これらの内容を周知することが求められます。
本記事では、カスハラと正当なクレームの違いを整理したうえで、具体例や企業に求められる対応についてわかりやすく解説します。研修で取り上げる内容や、対応マニュアルを見直す際の参考としてご活用ください。
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目次
厚生労働省は、職場におけるカスハラについて、次の3つの要素をすべて満たすものとしています。以下は、その内容を整理したものです。
・顧客や取引先、施設の利用者など、事業に関係する人による言動である
・業務の性質やその場の事情を踏まえても、社会的に許容される範囲を超えている
・その言動により、従業員が仕事をする上で看過できない支障が生じている
判断に当たっては、要求の内容、言動の方法、頻度や継続時間、そこに至る経緯などを総合的に確認します。
企業はこの枠組みを踏まえ、自社で起こり得る事例と対応手順を具体化し、従業員に共有しましょう。
| 場面 | 通常の申し出の例 | カスハラに該当し得る言動の例 |
|---|---|---|
| 商品に不具合があった | 不具合の内容を伝え、修理や交換を求める | 修理や交換を求める際に、従業員を殴る、蹴るなどの暴行を加える |
| 接客や説明に不満があった | 対応の問題点を伝え、説明や改善を求める | 従業員の人格を繰り返し否定したり、土下座を強要したりする |
| 対応状況を確認したい | 約束された回答が届かず、進捗を問い合わせる | 対応内容の説明を受けた後も同じ要求を執拗に繰り返し、長時間拘束する |
| 補償について相談したい | 発生した損害を説明し、補償の対象や範囲を確認する | 被害とは無関係な金品を、脅しを交えて要求する |
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株式会社パーソル総合研究所が実施した「カスタマーハラスメントに関する定量調査(2024年)」によると、顧客対応を行うサービス職の35.5%が過去に「カスハラ被害を経験した」と回答しました。また、同じ調査対象者の20.8%が「過去3年以内に被害を受けた」と答えており、カスハラが近年特に顕在化していることがうかがえます。

こうした結果から、カスハラは特定の業種に限らず、誰にでも起こり得る社会的課題となっていることがわかります。ここでは、カスハラの実態をより具体的に把握するため、被害状況を職業別・年代別に分けて解説していきます。
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職業別に見ると、3年以内のカスハラ被害の経験率が最も高いのは34.5%の「福祉系専門職員(介護士・ヘルパーなど)」という結果でした。 3年以内のカスハラ経験率と離職率をマップ化すると、「福祉職(介護士・ヘルパーなど)」「宿泊サービス」「受付・秘書」は、カスハラ被害の経験率と離職率がともに高いことがわかります。
これらの職種は顧客接点が対面形式であることが共通しており、長時間にわたる対応や感情労働が求められる点が特徴です。特に介護や医療の現場では、利用者や家族の不安・不満がそのまま従業員にぶつけられるケースも多く、暴言や過度な要求、理不尽なクレームが発生しやすい傾向にあります。
一方で、オフィスワーク中心の職種や、オンラインで完結する業務ではカスハラ被害の割合が比較的低く、対面対応の多さが被害リスクを高めていることがうかがえます。こうした結果からも、企業においては職種特性に応じたカスハラ対策を講じることが重要だと言えるでしょう。
年代別に見ると、カスハラの加害者は50~60代の男性が最も多いという結果が出ています。年齢を重ねるほど社会的地位や立場を背景に相手より優位に立とうとする心理が働きやすく、加えて長年の慣習や価値観から、要求や態度が過剰になるケースが少なくありません。
一方で、被害経験率が高いのは20~30代の若年層です。職務経験が浅い従業員は、カスハラへの対処方法がわからず、精神的なダメージを受けやすい傾向にあります。
企業としては、こうした世代間ギャップを踏まえた教育や支援体制の整備が重要です。管理職やベテラン社員が現場の声を理解し、組織として若手を守る仕組みを構築することが、カスハラ対策の第一歩となるでしょう。
カスハラの被害実態についての調査では、「暴言や脅迫的な発言」「威嚇的・乱暴な態度」が多くの割合を占めています。また、謝罪の強要や暴行、過度な要求など、手段・態様が常識を逸しているケースが少なくありません。これらの行為は、単なるクレームの延長ではなく従業員の尊厳や企業の業務環境を脅かす深刻なハラスメントになります。

ここでは、カスハラの代表的な7つの行動例を紹介します。
従業員の人格を否定する暴言や、危害を加えると告げて脅す行為は、カスハラに該当し得ます。
例えば、不当な要求を通すために従業員の個人情報をSNSで公開すると脅す行為などが挙げられます。
一方、本社への苦情申告や対応の改善を求めること自体は、カスハラではありません。発言の内容だけでなく、要求の内容や伝え方、その場の経緯を踏まえて判断する必要があります。
大声で怒鳴る、机を叩く、物を投げつけるといった威圧的な態度や行動も、カスハラの代表的な例です。睨みつける、異常に近づくといった身体的な威嚇行為は、従業員に強い恐怖や緊張を与えます。
また、店内で怒鳴り散らしたり、わざと大きな音を立てて周囲の注目を集めたりする行為も同様にカスハラに該当します。
これらの行動は他の顧客にも不安を与え、安全で安心してはたらける職場環境や顧客接点の場そのものを脅かす要因となります。
同じ要求を執拗に繰り返し、長時間の電話対応を強いるなど、従業員の業務に支障を生じさせる行為は、カスハラに該当し得ます。電話だけでなく、メールやSNSによる連絡も対象です。
ただし、連絡の時間帯や回数、問い合わせ先の数だけで判断することはできません。
企業側の説明不足や未対応の問題がないかも確認し、要求の内容、連絡の頻度・継続時間、対応の経緯を踏まえて判断しましょう。
契約で想定されるサービスを著しく超える対応や、商品・サービスの問題とは無関係な補償を要求する行為は、カスハラに該当し得ます。
例えば、購入した商品と関係のない金品や、従業員個人の私物の提供を求めるケースです。
一方、不具合に対して返金や無償対応を求めること自体が、カスハラになるわけではありません。契約内容や不具合の程度、企業側の責任、要求の伝え方などを確認して判断する必要があります。
商品やサービスに問題がない場合でも、土下座や反省文の提出を求めるなど、過度な謝罪を強制する行為はカスハラです。
例えば、「謝罪の様子を撮影して拡散する」という脅迫や、謝罪に来る担当者の役職や人数を指定する行為、「誠意を見せろ」という曖昧な要求で、金品や過剰な補償を引き出そうとするケースなどがあります。これらの要求は、謝罪が目的化しており、問題解決への関心がない点が特徴です。
カスハラの行為に見られる物理的な暴力は、暴行罪または傷害罪に該当します。これは、最も悪質なカスハラの形態であり、殴る、蹴る、髪を引っ張るなどの直接的な暴行はもちろん、人に向かって物を投げつける、押す、突き飛ばすといった行為も含まれます。
このような行為は明確な犯罪であり、警察への通報や法的措置が必要です。従業員の身体的安全を守ることは、企業の最優先事項と言えます。
性別に基づく差別的発言や、容姿に関する侮辱的な言動もカスハラです。年齢や体型、身体的特徴を揶揄する言葉は、従業員の人格を深く傷つけます。
さらに、セクハラに該当する発言や、プライベートな質問を執拗に繰り返す行為も含まれます。こうした言動は、従業員に心理的な苦痛を与え、はたらく意欲や職場の士気を損なうことになります。
カスハラは、従業員個人への精神的負担にとどまらず、企業全体の生産性や組織文化にも深刻な影響を及ぼします。
ここでは、従業員と企業の双方に及ぶ、カスハラの具体的な影響について詳しく解説します。
カスハラは、従業員一人ひとりの心身やはたらく意欲に直接的なダメージを与えます。カスハラ被害を受けることで業務における不安や恐怖感が積み重なり、離職意向の増加やモチベーション低下につながります。さらに、職場全体の雰囲気やチームワークにも悪影響を及ぼすため、現場の実態を把握した上で企業が対策を講じることが重要です。

カスハラ対応に多くの時間を割かれることで、本来の業務が滞ります。さらに、一人の顧客対応に複数の従業員が関わらなければいけない場合は、業務効率の低下にもつながるでしょう。
また、カスハラ被害後は恐怖感から顧客対応に消極的になったり、過度に慎重になりすぎて業務スピードが落ちたりする影響も考えられます。精神的なストレスから集中力が低下し、ミスが増えるという悪循環も生まれるため、企業全体の生産性や組織運営にも大きな影響を及ぼします。
理不尽な扱いを受けることで、従業員のモチベーションは著しく低下します。「どんなに努力しても評価されない」という無力感や、「この仕事を続ける意味はあるのか」という疑問が生まれ、やがて退職意向につながるケースも少なくありません。
さらに、周囲の従業員がカスハラ被害の現場を目撃することで、職場全体の士気も低下します。チームの雰囲気が暗くなり、協力やコミュニケーションが滞ることで、組織全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼす恐れがあります。
カスハラ被害による従業員の精神的負担は、企業の業務効率やサービス品質にも直結します。離職やモチベーション低下による人的損失、サービス品質やブランドイメージの低下など、組織全体への悪影響は軽視できません。
ここでは、カスハラが企業運営に与える具体的な影響を解説します。
カスハラ被害により従業員のモチベーション低下や離職が進むと、サービスの質が低下します。カスハラを経験した従業員は、再び同様の被害を受けないよう防衛的な対応に偏りやすくなるため、本来であれば柔軟に提供できる対応やサービス提供が難しくなり、均質で機械的な対応になりがちです。
こうした状況は、理不尽な要求をしない顧客にも影響を及ぼし、満足度の低下や信頼損失につながります。カスハラの影響は被害を受けた従業員だけでなく、企業全体のサービス品質にも直結する問題なのです。
カスハラによる従業員の離職が増えると、新たな人材の採用や教育にかかるコストも増大します。求人広告費や採用活動にかかる時間だけでなく、新入社員の研修や教育にも多大な費用がかかるため、企業の競争力低下につながるでしょう。
また、「カスハラが多い職場」という評判が広まると、求人応募者が減少し採用難に陥る恐れもあります。優秀な人材を確保するために給与水準を引き上げざるを得ない場合もあり、企業の人件費負担はさらに増加します。
カスハラ対応に多くの時間を割くことで、他の顧客への対応が遅れます。一部の理不尽な要求に対処する間に、顧客が長時間待たされる不公平感が生じ、結果として顧客満足度が低下する可能性も否定できません。
さらに、カスハラ対応に追われることで、システムや業務プロセスの改善に割く時間も減少し、長期的なサービス向上や業務効率化が進まなくなるリスクもあります。このように、カスハラは従業員だけでなく、企業全体の顧客体験や競争力にも大きな影響を及ぼすのです。
カスハラ発生時に従業員を守れない体制が明らかになると、企業のブランドイメージは大きく損なわれます。例えば、SNSで従業員の告発が拡散されたり、メディアで報道されたりすることで、社会的信用が失われるリスクがあります。「従業員を大切にしない企業」という印象が広まると、優秀な人材の採用や取引先との関係構築にも悪影響が出るかもしれません。
また、ESG投資の観点からも、従業員の安全や人権を十分に守れない企業は投資家からリスクと判断される可能性があります。企業が持続的に成長し、社会的信頼を維持するためには、カスハラ対策と従業員保護を経営課題として優先的に取り組むことが不可欠です。
カスタマーハラスメントへの対応を促進する法令や条例は、全国および自治体レベルで急速に整備・強化が進んでいます。特に2025年6月に成立した改正労働施策総合推進法では、すべての企業・事業者に対してカスハラ対策の義務が法的に明記されました。
企業はこれらの規制や指針を正しく理解し、自社の対応方針や体制に反映させることが求められています。また、適切な対策を講じることは、従業員の安全を守るだけでなく、企業の社会的信用や業務運営の安定にも直結する重要な課題です。
ここでは、カスハラに関する法令・条例について解説していきます。
2026年10月1日から、すべての事業主にカスハラ防止措置が義務付けられています。企業は、対応方針や相談窓口を設けるだけでなく、従業員への周知や相談への対応が実際に行われているかを確認し、不足する措置を講じる必要があります。
| 区分 | 企業が講じる措置 |
|---|---|
| 方針と対応ルールの周知 | 従業員を守る方針を明確にし、カスハラに当たる言動や発生時の対応ルールを従業員に伝える。 |
| 相談体制の整備 | 相談窓口を設けて周知し、窓口担当者が相談に適切に対応できるようにする。 |
| 発生後の対応 | 事実関係を速やかに確認し、被害者への配慮と再発防止を行う。 |
| 悪質な事案への備え | 特に悪質なカスハラへの対処方針を決め、従業員に周知するとともに、実行できる体制を整える。 |
| プライバシー保護と不利益な取扱いの防止 | 相談者などの情報を保護し、相談したことなどを理由に不利益な扱いをしないルールを定め、従業員に周知する。 |
これらの義務を怠った場合、事業主は報告徴求命令や助言、勧告、公表など行政指導の対象となります。企業は改正法の施行までに具体的な方針策定や体制を構築することが求められています。
2025年4月、東京都では「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されました。これは自治体として全国初のカスハラ防止条例で、事業者に対してカスハラ防止のための体制整備を義務化しています。
条例ではカスハラを禁止するとともに、事業者に対し、被害を受けた就業者の安全確保や、カスハラ防止のための体制整備、手引の作成などに努めることを求めています。
これらの条例上の努力義務と、2026年10月1日から全国の事業主に課される改正労働施策総合推進法上の措置義務は、区別して確認する必要があります。
労働契約法第5条では、企業に「従業員の生命・身体等の安全を確保しつつ労働できるように必要な配慮(安全配慮義務)」が定められています。
カスハラ行為によって従業員が心身の健康を害した場合、企業が適切な対応を怠れば安全配慮義務違反となり、損害賠償責任を問われる事例も増加しています。自社でカスハラ被害を防止するためにも、相談体制の整備や、対応方針の策定、再発防止策などの対策を十分に講じることが重要です。
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企業で万一ハラスメントが発生してしまうと、従業員のモチベーションが低下するだけでなく、企業の信用が大きく失われる可能性があります。
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現場で対応手順を実行するには、判断の目安や引き継ぎ先、責任者の役割を会社として決め、従業員に共有しておく必要があります。 ここでは、対応方針やマニュアル、相談窓口、研修など、企業が整備・見直しを進める項目を7つのステップで紹介します。
カスハラに当たるかどうかは、国が示す定義や判断の考え方に沿って、個別の状況を踏まえて判断します。
自社の対応ルールを具体化するため、まずは従業員アンケートや相談記録、現場へのヒアリングを通じて、発生している言動や要求、対応上の課題を把握しましょう。担当者が判断に迷った場面や、上司への引き継ぎが難しかった場面も確認すると、方針やマニュアルの見直しに役立ちます。
STEP 1で明らかになった調査結果を経営層やマネジメント層と共有し、企業として「カスハラをどう捉え、どう対応するか」という明確な方針を打ち出します。判断の目安や相談・引き継ぎの手順が社内で共有されていないと、担当者によって対応が分かれ、従業員が一人で問題を抱え込むおそれがあります。
方針には、「従業員の尊厳と安全を最優先に守る」姿勢を明記し、顧客満足と従業員保護を両立するという企業の立場を示します。
また、策定した方針は、社内だけでなく社外にも発信することが大切です。ホームページや店頭掲示、契約書などを通じて「不当な言動には毅然と対応する」という姿勢を明示することで、カスハラ行為そのものの抑止につながります。
現場で実際にカスハラが発生した際の対応手順をマニュアルとして策定します。初期対応から上司への報告、記録の取り方、警察への通報基準までを具体的なステップで整理し、誰が読んでも同じ行動を取れるようにすることが大切です。
また、対応時の録音・記録方法や複数人での対応体制、弁護士や警察への連携ルートといった実務的なポイントも明記します。「どうすればいいか」が明確になることで、従業員の不安や萎縮を防ぎ、冷静かつ一貫した対応が可能になるでしょう。
しかし、マニュアルの内容が現場の実態とかけ離れていては、実効性のないものとして形骸化します。そのため、マニュアル策定の際は、経営層が主体となって現場の声を丁寧に吸い上げ、実際のトラブル事例や想定シナリオを反映させた内容にすることが重要です。
従業員がカスハラ被害を抱え込まないよう、安心して相談できる窓口を設置します。カスハラの被害は、上司に直接言いづらいケースも多いため、人事部門や労務担当、外部の専門機関など複数の相談ルートを用意することが望ましいでしょう。
窓口では、被害の内容を丁寧にヒアリングし、再発防止や必要な支援へとつなげます。その際、「相談しても不利益はない」「プライバシーは守られる」というメッセージを明確に伝えることで、従業員の心理的安全性を確保することが大切です。
また、匿名での相談を受け付けられる体制を整えると、より多くの従業員が利用しやすくなります。定期的に相談内容や発生傾向を分析し、職場環境の改善や教育体制の見直しに反映させることで、組織としての対応力も高まります。
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カスハラを受けた従業員の心のケアを行うことも欠かせません。産業医や社外カウンセラーなどの専門家と連携し、相談体制を整えることが重要です。
被害直後は、まず従業員の話を丁寧に聞き取り、つらい経験を受け止めます。その上で「あなたは悪くない」「会社が支える」という安心感を与え、心理的安全を確保することが大切です。被害後も定期的な面談やフォローを行い、長期的なストレスや職場への不安が残っていないかを確認しながら、健全な職場復帰を支援しましょう。
また、社内に支援体制がない場合は、オンライン心理面談サービスなどの活用も効果的です。匿名で悩みや本音を話せる環境で、臨床心理士・公認心理師に相談することができ、セルフケアや再発予防に向けたアドバイスまで行われます。詳しくは、パーソル ビジネスプロセスデザイン株式会社が提供する「KATAruru -アバターメンタルケアサービス-」をご覧ください。
カスハラ対策は、方針やマニュアルの策定だけでは現場に浸透しません。従業員が実際に対応できる力を身につけるためには、定期的な研修の実施が不可欠です。
研修では、カスハラの定義を説明するだけでなく、自社の対応ルールに沿って行動できるかを確認しましょう。対象者ごとに、次のような内容を組み込みます。
| 対象者 | 研修で扱う内容 | 理解・行動の確認例 |
|---|---|---|
| 全従業員 | カスハラの判断の目安、会社の方針、相談先、取引先への言動事例を学ぶ | 確認すべき点と相談先を答える |
| 顧客対応の担当者 | 初期対応、記録の残し方、上司へ引き継ぐ場面 | 自社の事例を使い、報告・引継ぎを練習する |
| 管理職・現場責任者 | 対応の引継ぎ、従業員の安全確保、関係部署への連絡 | 部下から相談を受けた場面で、次の行動を説明する |
| 相談窓口の担当者 | 事実確認、情報の取扱い、被害者支援への連携 | 相談事例から、確認事項と共有先を整理する |
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カスハラの手口や形態は時代や社会状況の変化とともに変わるため、一度作成したマニュアルや体制は定期的に見直し、改善し続けることが欠かせません。
特にマニュアルや対応方針は、現場からのフィードバックを積極的に収集し、実態に即した内容へアップデートしましょう。新たなカスハラ事例が発生した場合は、迅速にマニュアルに反映させ、従業員が最新の対応方法を確実に理解できるように周知します。また、他社の事例や法改正の動向にも注意を払い、必要に応じて体制全体に反映させることが重要です。
こうした継続的な見直しにより、企業は変化するカスハラのリスクに柔軟に対応し、従業員が安心してはたらける環境を維持できます。
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カスタマーハラスメントに対する「基本方針の策定」から「マニュアルの作成」、「研修の実施」など、お客様のニーズにあわせてトータルサポートいたします。
カスハラから従業員を守るためには、判断を個人に任せず、会社として対応する仕組みが必要です。2026年10月1日からは、すべての事業主にカスハラ防止措置が義務付けられています。
対応方針やマニュアル、相談窓口を整備するとともに、従業員が相談先や対応手順を理解しているかを確認しましょう。研修で判断に迷った事例や、現場から寄せられた相談をもとに、ルールと運用を見直すことが大切です。
特に重要なのは、経営層が現場の実態を正しく把握し、従業員に寄り添った対策を講じることです。形だけの対策ではなく「従業員を守る」という姿勢を組織全体で示すことによって、安心してはたらける職場環境を実現し、企業の競争力やブランド価値の向上につなげましょう。
【無料DL】カスハラ対応の方針・手順を見直すために
「対応ルールはあるものの、現場への周知に不安がある」
「研修で伝える判断の目安や対応手順を整理したい」
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パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
ワークスデザイン事業本部 サービスデザイン統括部
サービス戦略部部長
吉田 純一郎
大学卒業後、金融機関のコンタクトセンタースタッフとして従事。スーパーバイザー、プロジェクト責任者を経て、2012年に株式会社ハウコム(現パーソルビジネスプロセスデザイン株式会)へ入社。SCC及びナレッジマネジメントの革新的な方法論であるKCSを活用したコンサルテーションサービスなどの企画、開発、提供を担当。得意分野はサポートセンターの実務経験およびHDIが提供しているメソッドを活用した業務改善・組織改善(実績多数)。さらに産業カウンセリングの知識と技術を駆使した“人”へのアプローチは社内外の“カイゼン”を牽引する方法として好評を得ている。