2025年02月28日
2026年01月19日
近年、多くの企業がダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取り組みを強化していますが、エクイティ(Equity)の要素を加える企業が増加しています。エクイティの実現には、個人の置かれた状況に応じた公平な支援が不可欠です。
本記事では、エクイティの意味やD&Iとの関係性について解説し、エクイティが注目される背景や実現によるメリット、具体的な取り組み事例などを紹介します。
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多様な人材の能力を引き出すには、単なる「平等」を超えた「公平性(エクイティ)」の視点が不可欠です。
しかし、実務の現場では「具体的にどのような支援が公平にあたるのか」「組織内でどう制度化すべきか」という実践手法に悩むケースも少なくありません。
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エクイティとは、個々の状況に応じた支援を行い、公平な機会の提供する考え方です。すべての人が能力を発揮できる土台を構築することを目的としており、性別・年齢・国籍・境遇などに関わらず適用されます。
近年では、企業のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)にエクイティ(E)を含めた「DE&I」が注目されています。その背景には、単に多様性を認め、受け入れるだけでは不十分だという認識があります。
個々の社員が置かれている状況はさまざまであり、同じ条件を適用するだけでは、真の意味での公平性は実現できません。例えば、育児や介護といった家庭の事情を抱える社員に対して、柔軟なはたらき方を提供することが多様性につながります。
ダイバーシティは、人々の多様な属性や価値観を認め、尊重することを指します。組織においては、多様な人材を受け入れることで、新たな発想や視点を得られ、イノベーションの創出やリスク対応力の向上が期待されます。
しかし、多様性を認めるだけでは十分ではありません。ここで求められるのがエクイティです。エクイティは多様な人材が、実際に能力を発揮できるよう支援する仕組みで、ダイバーシティと連動しています。
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インクルージョンは、多様な人々が組織の一員として受け入れられ、安心して活躍できる状態を指します。インクルーシブな環境では、すべての社員が自分らしくはたらくことができ、それぞれの強みを生かして組織に貢献できます。
そのような環境をつくるには、画一的な対応では不十分です。同じ制度があっても活用しづらい人もいます。そのため、個々の違いに応じた配慮や支援を行う、つまりエクイティを推進することで、インクルージョンの実現を後押しします。
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エクイティとイコーリティは、どちらも公平性を追求する概念ですが、その意味合いは異なります。イコーリティは、全員に同じ条件を提供することを指すのに対し、エクイティは個別の状況に応じた調整を行うことを意味します。
例えば、すべての社員に同じ研修機会を提供することはイコーリティの実践です。一方、育児中の社員に対して、研修の時間帯を調整したり、オンラインでの受講を可能にしたりすることは、エクイティの視点に基づく対応です。
エクイティは、個人の置かれた状況を考慮し、それぞれに適した支援を提供することで、実質的な公平性を追求する考え方です。

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では、なぜエクイティの重要性が高まっているのでしょうか。考えられる背景について解説します。
企業におけるダイバーシティの推進が進み、多様な人材の登用が広がっています。しかし、単に受け入れるだけでは、能力を最大限に発揮することはできません。多様性を活かすためには、個々のニーズに対応し、適切な支援を提供する必要があります。このような支援を実現するために重要となるのが「エクイティ」です。
一人ひとりの状況に応じた公平な機会を提供することで、全社員が能力を発揮できる環境が整い、組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。
企業のESG(環境・社会・ガバナンス)活動が注目される中、サステナビリティ経営は企業活動において欠かせない要素となっています。ESGの中でも、社会的責任に関わる部分として「多様性の尊重」「機会均等の提供」が求められています。
エクイティは、単なる制度の導入にとどまらず、企業が持つ社会的責任を実現するための重要な手段です。ESGの一環としてエクイティを積極的に取り入れる企業は、投資家や社会から高い評価を受けることができます。
D&Iの取り組みにエクイティの視点を加えることで、組織にもたらされるメリットについて見ていきましょう。
エクイティの実践は、社員一人ひとりが自分の状況に合った支援を受けていると感じることにつながります。多様な属性が尊重されていると実感できれば、仕事への意欲や組織への帰属意識が高まるでしょう。
また、公平な成長機会を提供することで、自身の努力が正当に評価され、活躍の場が与えられていると認識し、自発的な能力開発や積極的な貢献につながります。
多様な人材が持つ価値観や経験を十分に発揮できる環境は、イノベーション創出の土壌となります。エクイティの取り組みにより、すべての社員が対等に意見を述べ、アイデアを出し合える状態をつくることができます。
背景の異なる人々が集まり、自由に議論することで、これまでにない視点や発想が生まれやすくなるでしょう。画一的な考え方に陥ることなく、多角的にものごとを捉える力が組織に備わります。それが新たな商品・サービスの開発や業務プロセスの改善など、イノベーションにつながっていくでしょう。
エクイティの実現には、社員が意見を言いやすく、失敗を恐れずにチャレンジできる環境が不可欠です。一人ひとりの声に耳を傾け、挑戦を奨励する組織文化は、心理的安全性の向上に直結します。
社員が自身の存在価値を実感し、周囲から受け入れられていると感じられれば、ストレスの少ないはたらきやすい職場につながります。安心して業務に取り組める環境が整えば、生産性の向上や離職率の低下などの効果も期待できるでしょう。
エクイティを推進するためには、具体的な取り組みが不可欠です。ここでは、企業が実践できるエクイティの取り組み例をいくつか紹介します。
ダイバーシティ研修は、社員の多様性に対する理解を深め、偏見や差別を取り除くために効果的な手段です。研修では、性別、年齢、国籍、宗教、障害の有無など、さまざまな属性について学び、お互いを尊重し合うことの重要性を認識します。
具体的には、ロールプレイングやグループディスカッションを通じて、多様な背景を持つ人々の視点に立って考える機会を設けます。また、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に気づき、それを克服するためのスキルを身につけることもできます。定期的なダイバーシティ研修の実施により、包括的な職場環境の構築につながります。
社内保育所の設置は、育児と仕事の両立を支援する上で重要な取り組みの一つです。特に女性社員にとって、子育てと仕事の両立は大きな課題となっています。社内に保育施設を設けることで、子育て中の社員が安心してはたらける環境が整います。
社内保育所には、以下のようなメリットがあります。
企業にとっても、優秀な人材の確保と定着につながるため、長期的な視点で見れば投資対効果は高くなるでしょう。
性的指向や性自認に関わらず、すべての社員が尊重され、能力を発揮できる職場環境の実現は、エクイティを推進するための重要な取り組みです。
例えば、以下のような施策が考えられます。
これらの取り組みを通じて、すべての社員が自分らしくはたらける環境を整備することが、エクイティの実現につながります。
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多様な人材の能力を引き出すには、単なる「平等」を超えた「公平性(エクイティ)」の視点が不可欠です。
しかし、実務の現場では「具体的にどのような支援が公平にあたるのか」「組織内でどう制度化すべきか」という実践手法に悩むケースも少なくありません。
パーソルグループでは、DE&Iの定義から推進ステップまでを体系的にまとめた「DE&I推進実践ガイド」を公開しています。
現場での意識改革や施策立案に即座に活かせるノウハウを凝縮していますので、今後の施策検討にぜひご活用ください。
本記事では、エクイティの概念や必要性、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)との関係性について解説してきました。エクイティとは、個々の状況に応じた支援により公平な機会を提供することを指します。
エクイティを推進する理由としては、以下の点が挙げられます。
また、エクイティをD&Iに加えることで、エンゲージメントの向上、イノベーションの創出、心理的安全性の向上といったメリットが期待できます。具体的な取り組み例としては、ダイバーシティ研修の実施、社内保育所の設置、LGBTQなど性的マイノリティへの差別撤廃などがあります。
エクイティの実現には継続的な努力が必要ですが、多様な人材が活躍できる環境を整備することは、組織の持続的な成長につながります。ぜひ、エクイティの視点を組織に取り入れ、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場づくりを目指してください。