スキル管理とは?目的やメリットと具体的な手法を解説

労働人口の減少により、人材不足が深刻化する中、従業員一人ひとりのスキルを把握することで、人材配置の最適化や適切な人材育成につなげるべく「スキル管理」が注目されています。

本記事では、スキル管理が重要な理由と、スキル管理の具体的な手法について解説します。

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目次

スキル管理とは

スキル管理とは、従業員のスキルを一元管理する仕組みを指します。管理したデータを社内で共有することで、一人ひとりが持つスキルをもとにした人材配置の実現に役立ちます。

また、スキル管理は人材配置だけではなく研修対象者を選抜するなど人材育成にも役立ちます。

スキル管理の対象は「ビジネススキル」

そもそも「スキル」とは、「技術」を意味する単語であり、辞書では「訓練や学習によって培われた高度な能力」と定義されています。スキルには身体能力も含まれますが、企業が実施するスキル管理の対象は、ビジネススキルに該当するものです。

ビジネススキルはハーバード大学のカッツ教授が1955年に提唱した、ビジネススキルに関する理論「カッツ理論」で3種類に分類されています。

    • ヒューマンスキル:コミュニケーション力やリーダーシップなど
    • テクニカルスキル:PC操作や営業スキル、資格など
    • コンセプチュアルスキル:論理的な思考など

なお、対象となるビジネススキルは業界や業種、会社によって異なります。例えば、人材業界と金融業界では業務内容や業務フローなどが異なるため、必要となるスキルが違います。

また、カッツ理論ではマネジメントに携わる役職になるほど、経営判断などに必要なコンセプチュアルスキルが必要だと考えられています。そのため、役職によっても求められるスキルが異なる点に注意が必要です。

スキル管理とタレントマネジメントの違い 

タレントマネジメントとは「従業員一人ひとりが持つ能力やスキル、経験などを採用や育成、配置に活用し企業の成長につなげていく人材マネジメント手法」を指します。

タレントマネジメントを行う過程でスキル管理を実施するため、タレントマネジメントとスキル管理は、目的と手段の関係です。

タレントマネジメントとは?注目される背景と導入手順、事例を解説

スキル管理を取り入れるメリット

スキル管理にはどのようなメリットがあるのか解説します。

    1. 適切な人材配置につながる
    2. 一人ひとりにあった人材育成ができる
    3. 個人ではなくチーム単位でのスキル評価ができる

1.適切な人材配置につながる

従業員のスキルが可視化されることデータをもとに人材配置を検討することができます新規部署の立ち上げ時等も、必要なスキルをも人材をし、配置することが可能です。

2.一人ひとりにあった人材育成ができる

従業員一人ひとりのスキルや経験に沿った育成計画を立てるとでより効果的な人材育成が実現できます。

また、組織全体のスキルが把握できるため、不足しているスキルを今後どのように補うかといった中長期的な視点でも人材育成を検討することができます。

3.個人ではなくチーム単位でのスキル評価ができる

一般的にスキルの評価は個人単位で行われますが、スキルの可視化によってチーム単位での評価がしやすくなります。

例として、下記のような複数人が所属するチームが3つ存在したとします。「Xチーム」「Yチーム」「Zチーム」がそれぞれどのようなスキルを有しているか判断できます。

チーム X Y Z
保有スキル スキルA
スキルB
スキルA
スキルC
スキルA
スキルB
スキルD

上記の例であれば「スキルA」が必要な仕事はどのチームにも依頼でき、「スキルC」や「スキルD」が必要な仕事やそれぞれ「Yチーム」「Zチーム」に依頼すればよいことが一目瞭然です。仕事の割り振りにかかる確認作業や判断にかかる時間が短縮され、業務効率化につながります。

スキル管理で活用されるスキルマップとは 

スキル管理では、スキルを可視化して共有しやすくするために、スキルマップと呼ばれるツールを活用します。スキルマップとは、従業員が持つスキルのレベルを一覧でまとめたものです。

各スキルで基準を数段階に分け、現在のスキルがどの段階にあるのかを見える化します。また、チームなどでグルーピングすることで、グループや組織などが保有するスキルも可視化できます。

【参考】経済産業省・中小企業庁・厚生労働省による例示を適宜編集

上記のようにスキルマップは、複数の従業員が保有するスキルをまとめて確認できるようになっています。横軸に「氏名」、縦軸に「スキル」のようなデザインとなっていて、交差する部分に「○△ー」や「1、2、3、4、5」などスキルレベルの評価結果を記載します。

スキルマップを作成する際は、現状の把握と将来的なスキルアップの道筋を立てるために本人から丁寧に聞き取りをすると良いでしょう。

スキル管理の具体的な方法

スキル管理の具体的な方法として、以下3つの方法を解説します。

    1. Excel
    2. スキル管理システム

紙で管理する場合はスキルマップを印刷し、従業員に記入してもらいます。手軽な反面、管理が煩雑で内容の把握にも手間がかかってしまう点に留意しましょう。

Excel

Excelで管理する場合はさまざまなフォーマットがWeb上で公開されているため、自社のスキル管理に適したものを探せば、手間をかけることなくスキル管理がはじめられます。

また、Excelで作られているため、修正がしやすい点も特徴です。

スキル管理システム

スキル管理システムを利用することで、紙やExcelよりも効率良くスキル管理ができます。

例えば、従業員のスキルを登録するだけでなく、チームや部門、全社といった単位でのデータ集計やグラフ作成機能なども搭載されています。

また、スキル管理システムを活用することで、データを用いた最適な人材配置を実現しやすくなります

スキル管理を成功させるポイント

スキル管理のメリットや具体的な方法を解説しましたが、スキル管理を成功させるためには、以下2のポイントを意識しましょう。

    1. 評価基準を明確にする
    2. 教育状況(研修履歴など)も共有する

1.評価基準を明確にする

スキル管理の導入にあたって、必ず評価基準を明確に定めます。事前にスキルの評価基準を定めず、ブレてしまうと正確性に欠け、スキル管理の意味が損なわれます。また、評価基準が明確でない、人によって基準が違うなどの事態が発生してしまうと、公平性に欠け、従業員のモチベーションの低下につながる可能性があります。

そのため、基準を明確にし周知することが必要です。評価のブレをなくすためには、できるだけ定量的な評価基準を定めることが重要です。例えば、「1,000万円以上のプロジェクト経験者はプロジェクトマネジメント評価を3とする」など、定量的な基準と定性的な基準をバランス良く設定しましょう。

2.教育状況(研修履歴など)も共有する

スキルの評価結果だけではなく、研修の受講記録や勉強会への参加結果などの教育状況も管理します。

スキル管理の主な目的は、現時点で従業員がどのようなスキルを持つのか把握することですが、将来を見据えた情報管理をしておくことで目標管理や成長の過程が本人だけでなく会社全体で把握できます。中長期的な視点でスキル管理ができれば、従業員のモチベーションアップや企業の持続的な成長につながります。

まとめ|スキル管理を行い、従業員一人ひとりが活躍できる企業を目指そう

スキル管理とは、従業員のスキルを一元管理したり可視化したりする仕組みを指します。スキルデータを一元管理することで「誰がどのスキルを持つか」を把握しやすくなり、最適な人材配置にもつながります。

ツールを利用することでスキル管理が効率化できるため、自社のスキル管理に適したシステムを見つけ、負担の少ない運用方法を検討してみると良いでしょう。

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よくあるご質問

Q1.スキル管理の目的は?

A1.スキル管理とは、従業員のスキルを一元管理する仕組みです。従業員一人ひとりのスキルを把握することで、人材配置の最適化や適切な人材育成につなげることができます。

>>スキル管理とは

Q2.スキルマップとは?

A2.スキルマップとは、従業員が持つスキルのレベルを一覧でまとめたものです。スキルで基準を数段階に分け、現在のスキルがどの段階にあるのかを見える化します。

>>スキル管理で活用されるスキルマップとは

Q3.スキル管理の具体的な方法は?

A3.スキル管理の具体的な方法は、主に以下の3種類の方法があります。

 ・紙
 ・Excel
 ・スキル管理システム

>>スキル管理の具体的な方法

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