人事管理システムとは?導入メリットと選定時の7つのポイントを解説

人事管理システムとは、採用や評価、勤怠管理といった人事業務を効率化するシステムです。一部の人事業務に特化したものから、複数の人事業務をカバーするものまで、幅広いラインナップがあるため、自社の目的や状況に合ったシステムを選ぶことが重要です。

本記事では、「そもそも自社にシステムが必要か」「どのように選ぶべきか」と考えている方のために、人事管理システムの種類や導入するメリット、そして選び方のポイントを解説します。

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目次

人事管理システムとは?

人事管理システムとは、採用や評価、給与計算などの人事業務を効率化するシステムの総称です。カバーしている業務範囲はシステムによって異なり、一部の人事業務に特化したものと複数の人事業務をカバーするものがあります。

したがって、人事管理システムの導入を検討する際は、まず人事業務のどの部分に課題があり、どのようなシステムが必要かを整理します。本章では以下6種類の人事管理システムについて目的や機能を解説します。

    1. 採用管理システム
    2. 人事評価システム
    3. 勤怠管理システム
    4. 労務管理システム
    5. 給与計算システム
    6. タレントマネジメントシステム

関連記事「人事管理を分かりやすく解説|目的・役割・業務内容とは?」を見る

1. 採用管理システム

採用管理システムとは候補者との日程調整や連絡をはじめ、あらゆる採用業務を自動化・効率化できるシステムです。複数の求人媒体を活用している場合でも、候補者情報の一括管理が可能です。

▼採用管理システムの機能

  • 求人票や採用ページの作成
  • 候補者の情報管理
  • メールの送受信
  • 選考の進捗管理
  • 分析レポートの作成

膨大なオペレーション業務が効率化されるため、採用スピードが向上するとともに、採用戦略の立案や面接などに多くの時間を費やすことが可能です。また、選考通過率や紹介実績といったデータを用いることで、採用課題の発見にもつながるでしょう。

2人事評価システム

人事評価システムは、従業員の目標設定や自己評価、上司からの評価など人事評価で生じるデータを管理し、人事評価を客観的かつ効率的に行うためのシステムです。

▼人事評価システムの機能

  • 目標・進捗の管理
  • 評価基準の設定や評価機能
  • 面談シートの作成
  • ステータス管理
  • 評価ワークフローの管理

属人的な評価制度の運用は客観性を欠きやすく、評価担当者の負荷が大きいというデメリットがありました。しかし、システムを導入することで評価制度の透明性があがり、評価に対する従業員の納得感を高めることが期待できます。評価への納得感が高まることで、従業員のモチベーション向上にも繋がります。

関連記事「人事評価制度とは?具体的な手法や策定フロー、注意点を解説」を見る

3勤怠管理システム

勤怠管理システムは出退勤、就業時間、欠勤、有給休暇など勤怠情報を管理するシステムです。紙のタイムカードと異なり、出退勤の打刻以外にも次のような機能を備えています。

▼勤怠管理システムの機能

  • 残業時間の集計
  • シフトの作成
  • 休暇管理
  • アラート機能
  • 統計機能

また、給与計算システムと連携することで勤怠情報をもとに給与が自動的に計算できます。

関連記事「生産性向上にもつながる、ニューノーマル時代の勤怠管理とは?」を見る

4.労務管理システム

労務管理システムは、入退社などにかかる社会保険手続きやマイナンバー管理、従業員情報の管理、組織分析を行うシステムです。

▼労務管理システムの機能

  • 社会保険手続きの書類作成
  • 社会保険手続きの電子申請
  • Web給与明細書の送信
  • 雇用契約書・秘密保持誓約書等の作成

システムによって、年末調整機能が搭載されています。健康保険組合の場合は、電子申請に対応していないケースもあるので、事前に確認しておきましょう。従業員がシステム上で情報入力できれば、労務担当者の業務効率化につながるでしょう。

5給与計算システム

給与計算システムは給与計算に特化したものや、会計や勤怠管理、人事管理、労務管理のような複数の領域をカバーしているものがあります。

▼給与計算システムの機能

  • 給与の自動計算
  • 賃金台帳の出力
  • 明細書の発行
  • FBデータの作成

システム選びの際には、帳票の種類や課金体系、他のサービスと連携可能か、Web給与明細書に対応しているかを確認しましょう。

6.タレントマネジメントシステム

タレントマネジメントとは「個々の従業員が持つスキル・能力・経験などを採用や人材育成、配置に活かして企業の発展と成長を促すマネジメント」を指します。タレントマネジメントシステムの機能は幅広いですが、ここでは代表的なものを列挙しました。

▼タレントマネジメントシステムの機能

  • 従業員情報(スキル・資格など)の管理
  • データ分析
  • 組織図の作成
  • アンケート機能
  • スコアリング機能

従業員一人ひとりの持つスキルや能力といったデータが可視化・一元管理できるため、適切な人材配置の実現につながります。

関連記事「タレントマネジメントとは?注目される背景と導入手順、事例を解説」を見る

人事管理システムを導入するメリット

人事管理システムにはさまざまな種類があり、自社に合うものを選定して導入するまでには時間と手間がかかります。しかし、適切なシステムを導入することで、以下2つのメリットが期待できます。

    1. 人事業務の効率化
    2. 戦略人事の実現

1.人事業務の効率化

人事管理システムにより、情報の入力や集計といった工数削減され、業務効率化につながります。

人事業務は非常に多岐にわたるとともに、雇用形態や就業場所の多様化により複雑化しています。紙やExcelを用いた管理方法では、入力や情報の集約、集計の工数がかかり、さらに人為的なミスも発生しやすくなります。

人事管理システムを用いて業務を効率化・自動化することで、人為的なミスの削減にもつながります。

2戦略人事の実現

人事管理システムにより、人事データを一元管理することが可能です。データをもとにした分析や議論が容易になるため、「戦略人事」への転換につながります。

戦略人事とは、経営戦略と連動して人事戦略を策定・実行する人事です。グローバル化やDXをはじめ、事業環境が激しく変化する中、競合優位性を保つためには、スキル・知識・経験を持つ人材の獲得が重要視されるようになりました。変化にすばやく対応するには、人事部門が経営戦略を理解し、各部署のさまざまな課題に対して人事的側面から解決を検討する必要があります。

人事情報の一元管理ができている企業ほど戦略人事が実現できている傾向が顕著に見られています。パーソル総合研究所の「人事部大研究」によると、人事情報の一元管理ができている企業は、そうでない企業に比べて「次世代人材の発掘・育成」「事業部の人的資源の調整・配分」「従業員支援」「人事ポリシー明確化」といった項目に対し「十分にできている」「ある程度出来ている」と回答した率が顕著に高い傾向がみられています。


【参考】株式会社パーソル総合研究所「人事部大研究

同調査によれば、戦略人事を実現できている企業は、人事部門の企業成長への貢献度が高く、売上高成長率・利益率成長率も高いことが指摘されています。

関連記事「【事例あり】戦略人事とは|定義と実現するためのポイント」を見る

人事管理システムを選ぶ7つのポイント

人事管理システムは、人事業務の効率化や戦略人事の実現に寄与しますが、メリットを最大化するためには、自社に合ったシステムを選ぶことが重要です。

次の7つのポイントを押さえて人事管理システムを選定すると良いでしょう。

    1. 導入目的に合っているか
    2. システムの形態
    3. 導入・運用コスト
    4. セキュリティ対策
    5. システムの使いやすさ
    6. 現行システムとの連携
    7. システム提供会社のサポート体制

1.導入目的に合っているか

人事管理システムはサービスによってさまざまな機能があるため、まずは導入目的を明確にし、その上で目的を実現するために必要な機能を整理することが重要です。

「システムにより解決したい課題は何か」「何を改善していきたいのか」といった点を洗い出しましょう。

2.システムの形態

人事管理システムは、システムのサーバーを管轄する領域により、オンプレミス型とクラウド型の2つの形態に分けられます。

オンプレミス型 クラウド型
形態 自社のサーバーを利用し、システムを開発して社内で保守運用を行う システム提供会社のサーバーを利用し、オンライン上のサービスを利用する
メリット ・自社の要望に沿ったシステム構築ができ、カスタマイズ性が高い
・自社ネットワークを利用するため、セキュリティレベルが高い
・システム開発やサーバーの保守運用のコストが不要
・導入が容易にでき、スムーズに運用開始できる
デメリット ・社内にサーバーを置くため、初期費用、保守費用が高額になりやすい
・運用開始までの準備期間が必要
・既存のサービスを利用するため、カスタマイズ性が低い
・サービスによりセキュリティレベルが異なる

現在ではリモートワークの普及もありクラウドシステムの導入が主流ですが、セキュリティやカスタマイズ性を重視する企業ではオンプレミス型を利用することもあります。

導入の目的、会社の規模や予算などから、どちらの形態の人事管理システムが自社に適しているか検討しましょう。

3.導入・運用コスト

人事管理システムの料金形態は大きく分けて2つあります。

従量課金:従業員1人あたりで金額が変動

1ライセンスごとの課金:企業や部署など組織単位で費用が発生

 また、利用できる機能が異なる、複数のプランを提供している会社もあります。まずはスタンダードなプランを利用し、徐々に機能拡充をしていくのも有効です。自社の場合は導入・運用コストを算出し、費用対効果を検討しましょう。

4.セキュリティ対策

人事管理システムのほとんどでは、暗号化や第三者による脆弱性診断など、独自のセキュリティ項目を設定し、基本機能として備えていますが、自社のセキュリティ水準をクリアしているかどうかの確認は必須です。

5.システムの使いやすさ

操作性や操作画面の見やすさも重要なポイントです。説明書なしでも十分に操作可能か、画面はシンプルで見やすいかといった点に着目すると良いでしょう。せっかく業務を効率化するために導入しても、使いづらさのために手間がかかってしまっては意味がなく、チームへの教育コストも必要になってしまいます。

トライアルができる場合は、トライアルを申し込み、実際に操作してみるのがおすすめです。

6.現行システムとの連携

人事管理システムは現行システムと連携することが多いため、外部システムと連携可能かを確認しましょう。連携ができないと、かえって余計な工数が発生し、担当者の負荷が増大する可能性があります。

判断しにくい場合はシステム提供会社に直接問い合わせてみましょう。

7.システム提供会社のサポート体制

導入中や導入後のサポート体制が充実しているかを確認しましょう。

システム関連のトラブルは緊急性の高い場合が多く、迅速なサポートが受けられるかは重要なポイントです。また、サポート方法も電話やメール、チャットのみの場合もあれば、訪問が可能な場合もあります。

導入中、導入後それぞれどの程度のサポートを希望するか整理しておきましょう。

パーソルグループの人事管理システム

最後に、人事業務の効率化につながるパーソルグループのサービスを紹介します。

採用管理システム「HITO-Linkリクルーティング」

HITO-Linkリクルーティング」は40媒体以上のデータ取り込み作業を自動化できる採用管理ツールです。

HITO-Linkリクルーティングの機能

  • エージェントとの連携
  • 求人ページ作成
  • 説明会・面接の予約受付
  • 面接評価の入力機能
  • 採用分析・レポート機能

上記機能に加え、GoogleカレンダーやOutlookカレンダー、サイボウズOfficeといった合計5つのカレンダーと連携しており、スムーズに日程を調整できます。

サービス資料はこちら

労務管理システム「MITERAS仕事可視化」

MITERAS(ミテラス)仕事可視化」は勤怠実態や作業内容など、「誰が・いつ・どのような業務を行っているか」を見える化するシステムです。

MITERAS仕事可視化の機能

  • PCの利用状況の可視化
  • アラート通知機能
  • 勤怠とパソコンの稼働時間比較
  • ソフトウェア利用サマリ

業務実態と申告している勤怠情報に差異がないか把握できるので、隠れ残業を防ぎ、労働時間の削減を促す効果が期待できます。

サービス資料はこちら

まとめ

人事管理システムは自社の目的や状況に合ったシステムを選ぶことで人事業務の効率化につながります。

種類が多くて迷う場合は、気になる製品をいくつかピックアップして、無料トライアルを試してみると良いでしょう。

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よくあるご質問

Q1.人事管理システムのメリットは?

人事管理システムのメリットは、大きく2つです。

1.人事業務の効率化:情報の入力や集計といった工数が削減され、業務効率化につながる
2.戦略人事の実現:人事データを一元管理することができ、データをもとにした分析や議論が容易になる

>>人事管理システムを導入するメリット

Q2.人事管理システムの種類は?

人事管理システムには一部の人事業務に特化したものと、複数の人事業務をカバーするものがあります。一部の人事業務に特化したシステムは主に以下6種類があげられます。

1.採用管理システム
2.人事評価システム
3.勤怠管理システム
4.労務管理システム
5.給与計算システム
6.タレントマネジメントシステム

>>人事管理システムの種類

Q3.人事管理システムの選ぶときのポイントは?

以下のポイントをおさえ、自社に適したものを選ぶことが大切です。

・導入目的に合っているか
・システムの形態
・導入・運用コスト
・セキュリティ対策
・システムの使いやすさ
・現行システムとの連携
・システム提供会社のサポート体制

>>人事管理システムの選ぶときのポイント

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