女性活躍推進法とは
女性活躍推進法は、正式名称を「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といいます。その名のとおり、企業において女性が活躍しやすい環境をつくることを目的とした法律です。2016年4月に施行され、2019年6月、2020年6月、2022年4月に改正法が施行されました。なお、この法律は10年間の時限立法となっています。
女性活躍推進法では、国・地方公共団体や一定規模以上の企業に対して以下3点を義務づけています。
企業に課せられた3つの義務

【出典】「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の概要」をもとに作成
女性活躍推進法の対象企業
女性活躍推進法の対象となる事業主は「国・地方公共団体・常時雇用する労働者が101人以上の民間事業主」とされています。
当初は「国・地方公共団体・常時雇用する労働者が301人以上の民間事業者」が対象で、従業員300人以下の中小企業については努力義務とされていましたが、2022年4月に施行された改正法により、対象が拡大されました。
女性活躍推進法の対象企業
期間 | 対象企業 |
---|---|
2022年3月まで | 常時雇用する労働者が301人以上 |
2022年4月以降 | 常時雇用する労働者が101人以上 |
女性活躍推進法が施行された背景
女性活躍推進法が成立した背景には、日本における女性の地位向上の遅れがあります。
世界経済フォーラムが発表している「ジェンダーギャップ指数2022」によると、日本は146カ国中116位と先進国の中で最低レベルでした。分野別にみると、経済分野(121位)、政治分野(139位)におけるジェンダー格差が目立ちます。
ジェンダーギャップ指数(2022年) 上位および主要7か国の順位

【出典】世界経済フォーラム「ジェンダーギャップ指数2022」
※スコアの数字は、0が完全不平等、1が完全平等を意味している。つまり1に近いほど男女平等に近づく
また、日本の男女協働参画推進本部は「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%にする」との目標を設定していましたが、目標には遠く及んでいないのが現状です。そのほか、女性の非正規雇用の割合が多いこと、出産・育児期の就業率が低下することなども、データで示されています。
各分野における「指導的地位」にある女性の割合

非正規雇用比率の割合

日本はこれまで、1986年の男女雇用機会均等法、1991年の育児休業法、2003年の次世代育成支援対策推進法など、女性の活躍を後押しする法律を整備してきました。安倍内閣では「すべての女性が輝く社会づくり」が推進され、「女性活躍加速のための重点方針2020」として、「あらゆる分野における女性の活躍」「女性活躍のための基盤整理」などが掲げられました。
しかし前述のとおり、女性がはたらく環境づくりは道半ばです。少子高齢化を背景に、今後も労働者人口が減少することを踏まえれば、女性の労働参加は国の将来のためにも欠かせないこと。こうして2016年、男女雇用機会均等法が施行されてから30年となる節目の年に、女性活躍推進法が制定されました。
女性活躍推進に関する最新調査レポートを無料公開
・人事担当者として女性活躍推進の施策をリサーチしている
・女性活躍推進に取り組む人材の育成に悩んでいる
・女性活躍推進に関する具体的な取り組み事例を知りたい
調査レポートを今すぐダウンロード↓
>>【経営・人事最新調査レポート】ダイバーシティ・女性活躍推進編