2023年03月10日
2023年04月19日
今の時代は市場の変化が激しく、新しい価値創出やサービスの開発といったイノベーションの創出が必要です。しかし、人材や時間の不足を理由に、イノベーション創出に取り組めていない企業もあるでしょう。
この状況から抜け出すには、会社としてイノベーション人材の育成に取り組む環境を整備する必要があります。本記事では、イノベーション人材の特徴や求められる理由、育成時のポイントについて、企業事例とともに解説します。
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企業を取り巻く環境が大きく変化する中、イノベーションを起こす人材の重要性が高まっています。
・戦略的かつ体系的な育成手法を導入したい
・多様な人材が活躍する組織づくりを目指したい
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人材育成に課題を抱える経営・人事の方、管理職の方はぜひご覧ください。
目次
イノベーション人材とは「モノ」「仕組み」「サービス」「組織」「ビジネスモデル」に対し、新しい価値を付加できる人材のことです。
しかし、変化の激しい今の時代は技術の進歩が著しく、技術が事業を引っ張っていると言えます。企業には、技術的な革新を起こせる人材が求められています。
また、技術者だけでなくあらゆる職種の人材が、イノベーション人材になれる可能性を秘めています。
ここでは、イノベーション人材に求められるものや、イノベーション人材が必要となった背景について解説します。
イノベーション人材が必要とされる背景には、ITをはじめとした技術が加速度的に進歩していることが挙げられます。かつての日本は市場が安定しており、既存事業を「どう成長させるか」「どう改善するか」がイノベーションの焦点でした。
今の時代では少しの変化ではイノベーションとは言えなくなっており、今の事業を守っているだけでは生き残れません。企業のビジネスモデルの根底から変えるイノベーションを起こし、将来の新たな柱にする必要があります。
そのためにも、変化に強く、柔軟性の高い「イノベーションを起こせる人材」が必要となっています。
イノベーション人材には「アイデアを出せる人材」と「事業を成長させる人材」の2つのタイプがあります。イノベーションは大きく4つの段階に分かれますが、フェーズごとに必要なイノベーション人材は異なります。
例えば、アイデアを創出し企画化する段階では、人とは異なる発想や考え方を持つ人材が求められます。協調性やマネジメント能力を持つ人材の優先度はあまり高くありません。
一方、企画したアイデアを市場に参入させ、事業として成長させる段階ではマネジメント能力や協調性を持ち、PDCAサイクルやOODAループを回せる人材が求められます。人材の種類ごとに特徴をまとめると、以下のようになります。
人材の特徴 | |
---|---|
アイデアを出せる人材 | ・人と異なる発想を持っている ・考え方が周りと異なる ・人付き合いが苦手 ・協調性が低い |
事業を成長させる人材 | ・マネジメント能力が高い ・協調性が高い ・PDCAやOODAサイクルを回しながら事業を進められる ・計数能力を持っている |
このように、フェーズによって必要なイノベーション人材が異なるため、企業は2種類の人材を確保することが必要です。
また、イノベーション人材のうち、圧倒的に不足しているのは「アイデアを出せる人材」です。「事業を成長させる人材」は優秀なマネジメント人材と言える存在であり、ある程度の規模を持つ企業では一定数存在するでしょう。
アイデアを出せる人材は、一見すると組織を引っ張るどころか、組織の中でも扱いにくい「異端児」とも呼ばれる存在です。しかし周囲と考え方が異なるからこそ、人と異なる発想の創出につながります。
イノベーションを成功させるためには、アイデアを出せる人材を企業の中で見つけたり、育成したりする必要があるのです。
イノベーション人材は「技術者」に限定されません。製造や営業、企画といったあらゆる職種の人材がイノベーション人材になれる可能性を秘めています。
イノベーションという言葉が広まったのは、昭和31年に発行された日本経済白書の中で「技術革新」と呼ばれたことがきっかけでした。そのためイノベーション人材=技術革新という印象が強く根付いています。
しかしイノベーションを起こすには、技術分野の人材だけではなく、市場ニーズを理解する人材や、チームを牽引するリーダー的存在も必要です。
技術力だけが先行しても、ターゲットが求めている製品にマッチしていなければ意味がありません。技術者以外のメンバーが「世の中で何が起こっているのか」「何が求められているのか」を見抜く必要があります。
また、新規事業を成功に導いていく過程には多くの障害があります。イノベーションを起こすには、困難を乗り越えていけるような強さを持つ人材が求められます。こうした人材には「世の中を良くしたい」という強い想いを持つ人物が適しています。
つまり、技術者だけではなく、製造や営業、企画といったあらゆる職種の人材がイノベーション人材になれる可能性を秘めています。イノベーションを考えるときは、こうしたメンバーの構成バランスも考える必要があります。
イノベーション人材の特徴や能力には、さまざまなものがあります。しかし、すべての能力を持ち合わせている人材は多くありません。それぞれの能力に長けた人材を集め、チームとして取り組むことによりイノベーションを起こせるのです。
ここでは、イノベーション人材が持つ特徴や能力を理由とともに解説します。
イノベーションを起こすような新規事業では、トラブルや問題がつきものです。問題が発生しても、周囲と協力しながら粘り強く取り組む情熱や忍耐力とともに、メンバーを引っ張るリーダーシップ力も求められます。
そして、リーダーシップを発揮するイノベーション人材には、周囲を引き寄せる力が必要です。これは、周囲を巻き込む力とは異なります。例えば、災害時に自分のことは関係なくボランティアに行くような人は、お金儲けを考えてはいないでしょう。「困っている人を助けたい」という想いのみでボランティアに参加しています。
イノベーションを起こすのは、このような「世の中にどう役立つのか」「何があったら幸せになれるのか」を考えている人材です。人はこうした人材に引き寄せられ、協力する気持ちが起こります。
リーダーが強い想いを持って事業に取り組むことにより、周囲のモチベーションを高めるのです。
イノベーションを起こすには、物事の現状を知り、変化が起こる原因を見抜く分析力が必要です。変化が起こるポイントを見抜ける人材がイノベーションを起こせます。
変化というのは原因に対し、何かが作用することにより発生します。この「作用因」を見抜く力がイノベーションには求められます。
既存のサービスや市場の動向から情報を整理し、構造を見抜いたうえで「何が求められているのか」「何が課題なのか」を見つける分析力が必要です。
分析力を育てるためには「システムシンキング」という思考法がおすすめです。
システムシンキングとは、複数の要素が相互に影響し合う構造となって結果を生み出すことを1つの「システム」として捉え、それぞれの要素が与える影響や作用といった構造を把握する手法です。システムシンキングを身につけることにより、複雑な世の中の構造を見抜き、時間の経過とともにどのよう変化を生み出すのかを理解できます。
問題を解決する力もイノベーションには必要です。イノベーションは、日々の気づきから生まれます。例えば、台車で荷物を運んでいる人が、段差が原因でつまずきそうになっているシーンがあるとします。しかし、そのシーンに目をやり、解決してあげたいと思うような人はほとんどいません。
問題解決能力が高い人材は、このシーンが目に留まり、解決しようと考えます。他人や周囲に関心を持ち、世の中の不都合を解決したいと感じるマインドを持っています。問題解決能力を持つ人材が、イノベーションを起こせるのです。
イノベーション人材の育成は、会社全体で取り組む必要があります。そのためには、組織風土や個人のマインドセットを変えるようなアプローチが必要です。ここでは、イノベーション人材を育成するポイントについて解説します。
イノベーションを起こしやすい組織風土を醸成するには、自分の考えや気持ちを安心して話せる環境を確保する必要があります。まずは会社のトップが、会社としてイノベーションの必要性や目的、段階ごとの目標を全従業員に伝えることでイノベーション人材育成に取り組む姿勢が伝わります。
ただし、経営陣が方針を伝えただけではイノベーションを起こしやすい組織風土は醸成できません。ここでは組織風土を醸成する2つの方法を紹介します。
評価制度の整備により、イノベーションに取り組む人の心理的安全性が確保できます。経営陣がイノベーションの大切さを伝えたところで、評価に影響しなければ、従業員はイノベーションに取り組みません。
目の前の目標達成とともに、イノベーションへの取り組みをバランス良く評価することにより、従業員がイノベーションに対して前向きに取り組めます。
ただし、失敗を非難する風土や、企画した人が重い責任を課されるような組織風土であれば、ポジティブな気持ちでは取り組めません。パーソル総合研究所の調査によると、やらされ感がある評価制度だと感じる場合、目標志向に対しマイナスの影響があることが明らかになっています。
一方、再挑戦の歓迎や助け合いの文化がある職場風土は、ポジティブな評価観につながることも明らかになっています。
評価制度とともに、イノベーションに挑戦しやすい風土を作ることで、従業員はポジティブな気持ちでイノベーションに取り組めるのです。
副業の推進により、新たな発想を得ることにもつながります。例え同業種でも、組織が違えば風土が異なります。副業により、今いる世界とは異なる風土や知識に触れられることで、自社内だけでは思いつかなかった発想を得られる可能性もあるのです。
会社としてイノベーションに取り組むための時間を提供することも大切です。例えばGoogleや3Mでは、就業時間の一部を「現在の業務以外のことに使う」制度を導入しています。未来への投資として新しい技術への挑戦や、知識習得の時間を設けています。
イノベーションを起こすには、これまでの考え方や価値観といったマインドセットを変える必要があります。マインドセットとは、個人の無意識の思考パターンや固定観念、物事についての考え方を指す心理学用語です。
前述したように、イノベーションを起こせる人材は「世の中を良くしたい」という強い想いを持った人です。自分の周りで起こっていることに関心がない状態では、新たな気づきを得ることはできません。
お金儲けではなく、どのような社会貢献につながるのか、何を実現したいのかといった「想い」を持つことで、イノベーションを起こせるのです。
多くの企業では、事業に対し「全体感」を持たず、自分が与えられた役割のみを考えている人が少なくありません。特に、大きな企業であれば1つの事業に対して役割ごとに部署や関連会社が存在しており、1人の従業員が「全体感」を持つこと自体難しくなっています。
しかし、事業はそれぞれの役割がチェーンのようにつながってこそ価値が提供されます。イノベーションを起こす「想い」とともに「全体感」を持つようなマインドセットを浸透させることが大切です。
イノベーション人材を育成するためには座学と実践をセットで考える必要があります。
座学の内容を実践で試し、足りない知識やスキルを認識することにより、次の課題が見つかります。つまり、座学と実践を繰り返すことでPDCAサイクルが回り、成長につながるのです。
社内プロジェクトに参画させたり、シミュレーションの機会を設けたりすることが有効です。座学と実践がセットになるような育成方法を考えましょう。
人材の育成方法については人材育成の考え方|具体的な計画の立て方と事例を解説の記事で詳細に解説しています。
イノベーション人材の育成は中長期での計画が必要です。短期間で集中的に内容を詰め込んだ結果、育成対象者の成長が急に止まるケースがあります。このような状態を、発達心理学では「ピアジェ効果」と呼んでいます。
ピアジェ効果に陥らないためにも、段階ごとに到達すべき目標を設定し、中長期的に育成を進めることが必要です。
また、育成に成功している企業の特徴として、従業員や能力開発の可能性を信じていることが挙げられます。会社がどれだけ育成対象者を信じられるかで、育成結果も変わるでしょう。
イノベーション人材育成の取り組みは企業によって異なります。学ぶ環境の提供や評価制度の整備、心理的安全性の確保などさまざまです。ここでは、イノベーション人材の育成に成功した企業事例について紹介します。
コニカミノルタは、DXによる高収益ビジネスへの転換のため、DXを推進する人材の育成が必要になっていました。イノベーション創出やチャレンジ風土醸成のため、自主サークル活動の促進や、前例のない取り組みや職務を超えた貢献を加点評価する制度の整備に取り組んでいます。
また、複数のキャリアコースを用意する「複線型人事制度」を導入しました。管理職のプロフェッショナル化やハイスペック専門といった複数のキャリアを用意することにより、適性や価値観に応じたキャリアを選択できるようにしたのです。
「複線型人事制度」により、それぞれの分野でプロフェッショナルな集団を作ることに成功し、イノベーション人材の育成につなげています。
コニカミノルタは、学ぶ環境の提供や評価制度、人事制度の整備によりイノベーション人材の育成に成功した事例です。
三井不動産は、環境への配慮や社会問題の解決を意識した事業展開が必要と考えていました。そのためには、既存のビジネスモデルからの変化が必要と捉え、イノベーション人材の育成に取り組んでいます。
ジョブローテーションによる人材育成を進めるとともに、外部からの刺激を通じてイノベーション創出につなげるため、派遣研修を実施しました。大学や民間企業への派遣だけではなく、私塾やグループ企業の研修に従業員を派遣しています。
短期的なスキル向上ではなく、未来への投資を目的としており、研修も業務の一環であることを示すため、長期にわたる研修については業務辞令を出しています。
また、事業提案制度「MAG!C」を導入しました。「MAG!C」は、既存事業のイノベーションや新規事業の開発に関する提案を受け付け、最終審査を通過すれば専任の事業責任者となる制度です。
最終審査通過者のメンタルケアに対する取り組みも並行して実施しています。外部パートナーや担当部門がメンターとしてサポートしながら事業化を推進する「鍛錬塾」を実施して心理的安全性を確保する環境を提供し、社内ベンチャー企業の設立につなげています。
三井不動産は、学ぶ環境と挑戦できる制度、心理的安全性の確保といった取り組みを進めることにより、イノベーション人材の育成に成功した事例です。
三菱地所は加速的に変化する現代で生き残るため、ビジネスモデルの革新を実現できるイノベーション人材の育成が必要と捉えていました。業務時間の10%を通常業務以外の時間に使うことを必須とする「10%ルール」制度を導入し、新しい技術や知識を習得する時間を提供しています。
評価制度も見直し、新規事業の提案や既存事業の業務効率化、他部署との協業といった取り組みを人事評価の対象とすることにより、イノベーションに対する意識向上に取り組んでいます。
また、主体的なキャリア選択を目的として副業の解禁や学習に対する補助制度も導入し、スキル習得をサポートする体制も整えました。
三菱地所は、イノベーションを起こしやすい組織風土の醸成により、イノベーション人材の育成に成功した事例です。
イノベーションを起こすには、時代の流れを察知したり、適切な経営判断をしたりする必要があります。イノベーション人材の育成と同様に、会社全体で取り組むことが大切です。ここでは、イノベーションを起こすために必要な要素について解説します。
VUCA時代では、時代の流れや市場の変化を察知しなければ、生き残れなくなっています。常に情報をインプットし、自社や社会を取り巻く環境を察知しながら、世の中で何が求められているのかを考えることが必要です。
ただし、世の中で求められているものは何かというアイデアを出すためには、「ひらめき」だけに頼っていては事業になりません。「ひらめき」ではなく「プロセス」としてアイデアを出し、イノベーションを起こす必要があります。
アイデアを出す力を高めるためにおすすめなフレームワークとして「JOBSメソッド」が挙げられます。「JOBSメソッド」とは、経営学者であるクレイトン・クリステンセン教授の提唱する「ジョブ理論」を活用したもので、顧客の状況を4つの要素に分けることにより、顧客が潜在的に求めているサービスを発見する手法です。
顧客のジョブを「モノ」ではなく「コト」とすることで、潜在的なニーズを求めます。例えば商品であれば、商品そのものではなく、その商品を利用することでそもそも解決したいことが「ジョブ」になります。
要素 | 概要 |
J(Job:課題) | 顧客が達成したいこと |
O(Objectives:種類) | 課題の背景にあるジョブの種類 |
B(Barriers:障害) | より良い解決策を採用する障害となっていこと |
S(Solutions:解決方法) | 現在採用している解決策 |
この「JOBSメソッド」を取り入れることにより、潜在ニーズを発見する能力を養えます。それにより、イノベーションとしてのアイデアを「ひらめき」に頼るのではなく「プロセス」として発想できるようになるのです。
企業としてイノベーションを起こすということは、これまでに前例がないことに挑戦することです。誰も正解を知らないため、失敗するリスクは常に付きまといます。そのため、イノベーションでは「やる・やらない」といった経営判断が成功のカギを握ります。
ただし、変化の激しい現代では、リスクを恐れて既存事業を継続しているだけでは生き残っていけません。挑戦しないことは、さらに大きなリスクを抱えることになるのです。適切な経営判断をするためにも、イノベーションに対するリスクを把握するとともに、できる限りの対策を講じたうえで挑戦することが大切です。
イノベーションを起こすには、より多くのアイデアを出す必要があります。そのためには、年齢や性別、キャリアや価値観などが異なる人材を受け入れることが有効です。多様な価値観や考え方を持つ人材が集まれば、多様な視点から意見を出しあう環境が生まれます。
出てきた意見に対し、内容を膨らませたり、発展させたりもできるでしょう。このように、多様な価値観や考え方を持つ人材を受け入れる取り組みは「ダイバーシティ推進」と呼ばれています。
ダイバーシティ推進による具体的な効果については【企業事例あり】ダイバーシティ推進のポイントは?背景や事例も解説の記事で詳細に解説しています。
社内の人材だけでイノベーションを起こすのが困難な場合には、技術や知識を有する外部人材の登用もひとつの方法です。外部人材であれば、解決したい課題にあわせて専門性の高いスペシャリストをアサインできます。
短期間で必要な経験やスキルが変わる場合でも、外部人材であれば必要な期間だけスポットで活用することも可能です。内部人材と外部人材を併用し、お互いの不足部分を補完し合うことにより、イノベーション実現に近付くでしょう。
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企業を取り巻く環境が大きく変化する中、イノベーションを起こす人材の重要性が高まっています。
・戦略的かつ体系的な育成手法を導入したい
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人材育成に課題を抱える経営・人事の方、管理職の方はぜひご覧ください。
変化の激しい今の時代では、技術が事業を引っ張っており「イノベーション=技術革新」とも言えます。今の時代の企業には、技術的な革新を起こせるイノベーション人材が求められています。
イノベーション人材には、リーダーシップ力や本質を見抜く分析力、問題解決能力が必要です。しかし、すべての能力を持ち合わせている人材は多くありません。一つひとつの能力を持つ人材を集め、集団の力として取り組むことにより、イノベーションを起こせるのです。
イノベーションを起こすのは「世の中にどう役立つのか」「何があったら幸せになれるのか」といった「想い」を持っている人材です。このような人材を育成することが企業には求められています。
今の時代で生き残るためにも、イノベーション人材を育成するポイントを理解し、人材育成に取り組みましょう。
株式会社パーソル総合研究所
ラーニング事業本部 組織・人材開発支援部 組織開発支援グループ
牧 満
輸入卸商社、コンベンション・サービス企業を経て、1986年富士ゼロックス株式会社入社。教育事業部配属後、事業部独立にあたっての営業戦略立案を担当し、富士ゼロックス総合教育研究所の設立に参画。同社へ出向し、マーケティング、経営企画、営業部門長、代理店戦略を歴任し、コンサルタント職となり、2019年7月、富士ゼロックスからパーソルホールディングスへの株式譲渡に伴い、パーソルラーニング㈱を経て、㈱パーソル総合研究所となり現在に至る。
A.イノベーション人材を育成するためには、考えや気持ちを安心して話せる環境を確保する必要があります。会社の経営陣がイノベーションの必要性や目的、目標を従業員に伝え、イノベーション人材育成に取り組む姿勢を伝えましょう。
評価制度の整備も効果的です。イノベーションの取り組みを評価することで、従業員のモチベーションが高まります。評価制度を見直す具体的な方法は、以下のガイドブックで詳しく解説しています。
>>【無料DL】人事評価制度の見直しガイド【評価制度見直しアラートチェックリスト付】
A.イノベーション人材とは「モノ」「仕組み」「サービス」「組織」「ビジネスモデル」に対し、新しい価値を付加できる人材のことです。変化の激しい今の時代は技術の進歩が著しく、技術が事業を引っ張っていると言えます。企業には、技術的な革新を起こせる人材が求められています。
>>イノベーション人材とは?企業で求められる理由
A.イノベーションで重要となるのは、ターゲットの本質的なニーズを理解することです。「世の中で何が起こっているのか」「何が求められているのか」を見抜く力が求められています。「世の中を良くしたい」という強い想いを持った人やそれを実現させる技術者がペアとなることにより、イノベーションを起こせるのです。そのため、技術者だけではなく、あらゆる職種の人材がイノベーション人材になれる可能性を秘めています。
>> イノベーション人材はどのような企業でも生み出せる