人事評価システム、どう選ぶ?比較ポイント、導入時の注意点を解説

DXの進展やグローバル化、労働人口減少による人材不足の深刻化など、企業を取り巻く環境は日々変化し続けています。また、リモートワークの普及をはじめとして多様なはたらき方も広まり、従来の評価手法では人材マネジメントが難しくなっていることから、人事評価システムの導入を進める企業も多いのではないでしょうか。

人事評価システムを効果的に活用することで、人事業務の効率化や従業員のモチベーション向上など、さまざまなメリットが期待できます。本記事では、システムの比較ポイントや導入時の注意点を解説します。

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健全な人事評価制度は社員のモチベーションを維持し、組織を活性化させるために不可欠です。

パーソルの調査では、評価制度に不満を持つ人の割合は38.3%でした。約5人に2人が不満を持ちながらはたらいていると考えられます。不満を持ちながらはたらくことは社員のパフォーマンスに影響を及ぼすだけでなく、離職を招く原因になりえます。

時代やはたらき方の変化に合わせて、制度は改善していくべきですが、長く続けてきたシステムを変えることにはリスクもあります。

本資料では、人事評価制度を見直すべきか判断するためのチェックリストと人事評価制度の見直し事例を紹介しています。 「人事評価制度を何から見直せば良いかわからない」とお悩みの方はぜひダウンロードいただき、ご活用ください。

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目次

人事評価システムとは

人事評価システムとは、従業員の目標設定自己評価上司からの評価など人事評価で生じるデータを管理し、人事評価を客観的かつ効率的に行うためのシステムです。

人事評価システムの活用により、人事業務の効率化や、一人ひとりの目標や実績を正しく把握すること、データをもとにした施策を実現することが期待されています。

人事評価システムの主な機能

人事評価システムの機能はさまざまですが、大きく4つの機能に分けられます。

    • 従業員情報の管理
    • 目標管理
    • 人事評価機能
    • 評価ワークフロー管理

従業員情報の管理

従業員のスキルや経歴、資格といった基本状況をデータベース化し、一元管理できます。

目標管理

チームや個人の目標設定、達成度の管理やフィードバックの共有などができます。紙やExcelで管理していた情報をシステム上で管理でき、紙への出力も可能です。過去のデータを確認することもできます。

人事評価機能

評価項目の設定や管理ができることで、不透明になりがちな評価プロセスが可視化されます。

評価シートの作成や、評価データの集計・管理といった工数が削減できます。さまざまなテンプレートがあり、自社の評価手段に合わせて活用可能です。

評価ワークフロー管理

全社における評価の進捗が可視化されます。遅れがある部署やチームに対する自動リマインドや未提出者のアラート機能を活用することで、個別連絡の手間が省けます。

人事評価システム活用のメリット

人事評価システムを用いた高度な人材マネジメントは、大きく3つのメリットをもたらします。

    • 従業員の評価への納得感、モチベーションの向上
    • 人員配置の最適化
    • 人材データの一元管理による業務効率化

従業員の評価への納得感、モチベーションの向上

人事評価システムを導入することで、評価制度の透明性があがり、評価に対する従業員の納得感を高めることが期待できます。評価への納得感が高まることで、従業員のモチベーション向上にも繋がることが分かっています。

パーソル総合研究所の「人事管理制度と目標管理の実態調査」によると、評価のプロセスや結果に不満を感じている割合は約4割でした。

自社の評価制度に対する不満

人事評価システムの活用により、評価の基準が明確になることで「正しく評価されている」と納得感が高まり、結果的にモチベーション向上にも寄与するでしょう。

関連記事「人事評価制度とは?具体的な手法や策定フロー、注意点を解説」を見る

人員配置の最適化

異動配置を検討する際も、従業員のスキルや実績などを考慮し判断することができるようになるため、データに基づいた戦略的な人員配置が可能になります。

また、従業員数の多い大企業においては、グループ会社を横断したグループ全体での最適な人員配置が実現できるでしょう。

関連記事「戦略的な人員配置をどう行うか|ミスマッチの原因や最適化する方法を解説」を見る

人材データの一元管理による業務効率化

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「人事のデジタル化に関する実態調査」によると、現在検討、議論されている人事課題として最も多いの「業務の効率化」でした。


【出典】三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社|「人事のデジタル化に関する実態調査」をもとに作成

人事評価システムにより、これまでは各部門や個別のシステムに散在していた人材データを一元管理できることで、必要なデータが探しやすくなり、業務効率化につながります。人材データの一元管理は「戦略人事」の実現においても重要です。

関連記事「【事例あり】戦略人事とは|定義と実現するためのポイント」を見る

人事評価システムを選ぶための比較ポイント

人事評価システムにはさまざまな種類があるため、システムを選ぶ際に迷う方もいるでしょう。この章では、自社に合うシステムを選ぶための比較ポイントについて解説します。

    • 導入目的に合った機能の有無
    • 操作のしやすさ
    • サポート体制の有無

導入目的に合った機能の有無

まずは、何のために人事評価システムを導入するのか整理し、その目的とシステムの要件が合っているかどうかを確認しましょう。例えば「評価の透明性を高めたい」という目的の場合は、評価のプロセスが可視化できることや各アカウントの閲覧権限が調整できる機能などが求められます。

さらに、自社の人事評価制度と合うかの確認も大切です。システムはあくまでも目的達成のツールの一つなので、無理に既存の評価の仕組みを変更する必要はありません。評価の項目設定を自由に設定できるようなシステムだと、自社の評価方法を生かした導入ができるでしょう。今後自社の制度改定を行う場合や、人事異動・部署の統廃合にも対応できるのかも確認しておきましょう。異動先で新たにデータを登録し直すのは手間がかかってしまうため、そのままデータ移行できるような柔軟なカスタマイズ性があるかどうかを合わせて確認しておくとより活用しやすくなります

操作のしやすさ

画面の見やすさや処理スピードなど操作のしやすさも大切です。操作が難しいと初期設定やデータ入力だけでも膨大な作業量になってしまい操作自体がストレスになることも考えられます。まずはトライアルを利用し、実際の操作性を確認してみましょう。

サポート体制の有無

システム導入時、活用時のサポート体制も大切です。新たなシステムの導入となると、どうしても導入前後に疑問点や不具合が生じてしまうこともあるため、サポート体制がどのようになっているかは事前に確認が必要です。

導入前の要件定義やシステムサポートから、導入後の活用方法に関する提案まで、システムによりさまざまなサポート機能があります。

システムの種類

人事評価システムは、大きく3種類に分かれます。

システムの種類

パッケージ型
PCにシステムをインストールするタイプ。継続使用料が不要で、初期コストのみで済むというメリットがあるが、カスタマイズ性が低い。

クラウド型
インターネット上にシステムを構築するタイプ。場所を問わず利用できるメリットがあるが、カスタマイズ性が低い。

オンプレミス型
自社のサーバーにシステムを構築するタイプ。セキュリティレベルが高く、カスタマイズ性が高いものの、構築・維持に高額なコストが必要。

現在主流で使われているのは、クラウド型の人事評価システムですが、セキュリティ面や利便性、導入コスト、カスタマイズ性により、自社に最適なシステムを選びましょう。

人事評価システム導入時の注意点

人事評価システムは人事業務の効率化や戦略的な人事施策の実行に役立てることができますが、導入にあたり注意すべきポイントもあります。

    • 運用開始までの時間とコストも見積もる
    • 何のために導入するのか、目的を明確にする
    • 評価者の育成も同時に進める

運用開始までの時間とコストも見積もる

まず、導入前の課題の洗い出しや既存の評価制度の見直し、社員への周知など、導入前に取り組むべきステップには時間とコストを要します。

何のために導入するのか、目的を明確にする

人事評価システム以外のシステムやツール導入時も同様ですが、導入前の目的設定は時間をかけて行うようにしましょう。当初の目的が明確でないと、導入自体が目的化してしまい「時間とコストをかけ導入したのにうまく活用できなかった」と失敗してしまうケースも考えられます。

導入することがゴールではなく、導入後も目的の達成度を定期的にチェックし次の人事施策を考案するなど、PDCAを回すことを意識しましょう。

評価者の育成も同時に進める

システムを導入したとしても、人事評価における評価者のスキルが重要なことに変わりありません。しかし、評価者に対して十分な研修が行われているとはいえない実態があります。

パーソル総合研究所の「人事評価制度と目標管理の実態調査」によると、評価者の研修経験実態について、4割の評価者が評価者研修を受けたことがないことがわかっています。

【出典】株式会社パーソル総合研究所|「人事評価制度と目標管理の実態調査

せっかくシステムを導入しても、そもそも評価にバイアスや偏りがあったり、自社の目指している人材像とギャップのある評価を行っていれば、効果的な運用には結びつきません。

評価制度の見直しや適切な運用ができているのかなど、システム導入にあわせて、評価者の育成も同時に進めておきましょう。

まとめ

人事評価システムを活用することで、従業員の評価への納得感が高まり、モチベーションが向上する、人員配置の最適化、人事業務の効率化といったメリットが期待できます。システムを選ぶ際には、まず導入の目的を明確にし、自社の求める機能があるかどうかをチェックしましょう。

本記事を参考に、人事評価システムを導入し、組織全体のパフォーマンスを向上させましょう。

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健全な人事評価制度は社員のモチベーションを維持し、組織を活性化させるために不可欠です。

パーソルの調査では、評価制度に不満を持つ人の割合は38.3%でした。約5人に2人が不満を持ちながらはたらいていると考えられます。不満を持ちながらはたらくことは社員のパフォーマンスに影響を及ぼすだけでなく、離職を招く原因になりえます。

時代やはたらき方の変化に合わせて、制度は改善していくべきですが、長く続けてきたシステムを変えることにはリスクもあります。

本資料では、人事評価制度を見直すべきか判断するためのチェックリストと人事評価制度の見直し事例を紹介しています。 「人事評価制度を何から見直せば良いかわからない」とお悩みの方はぜひダウンロードいただき、ご活用ください。

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よくあるご質問

Q1.人事評価システムとは?

人事評価システムとは、従業員の目標設定や自己評価、上司からの評価など人事評価で生じるデータを管理し、人事評価を客観的かつ効率的に行うためのシステムです。

>>人事評価システムとは

Q2.人事評価システムにはどんな機能がある?

主な機能は以下の4つです。

 ・従業員情報管理
 ・目標管理
 ・人事評価機能
 ・評価ワークフロー管理

>>人事評価システムの主な機能

Q3.人事評価システムを比較する際のポイントは?

・導入目的と合致する機能の有無
・操作のしやすさ
・サポート体制の有無

また、現在主流で使われているのは、クラウド型の人事評価システムですが、セキュリティ面や利便性、導入コスト、カスタマイズ性により、自社に最適なシステムを選びましょう。

>>人事評価システムを選ぶための比較ポイント

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