人事制度を構築する方法は?見直しのタイミングも解説

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人材不足や働き方改革、新型コロナウイルス感染症の感染拡大など、企業を取り巻く経営環境は大きく変わってきています。テレワークの推進をはじめ、はたらき方が多様化しています。そのため、人事制度の見直しを検討する企業が増えています。

本記事では、人事制度とは何か、人事制度構築の手順、見直すべきタイミングについて解説します。

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目次

人事制度とは

人事制度とは、人事に関連する諸制度の総称として使われ、主に「評価制度」「等級制度」「報酬制度」の3つに分けられます。

人事制度の構成

等級制度:等級の基準や、等級ごとに社員に求める役割や能力の要件をまとめたもの
評価制度:従業員に求めるものと評価基準・評価制度を定めたもの
報酬制度:給与や賞与を決める基準や支給の仕方を定めたもの

また、人事制度は経営戦略と密接にかかわっています。

人材不足や新型コロナウイルス感染拡大によるはたらき方の多様化など、企業を取り巻く環境の変化に対応するために、人事制度を見直す企業も少なくないでしょう。「テレワークによって、従業員のオンラインコミュニケーションを正しく評価することに課題を感じている」などといった悩みはよく聞かれます。

人事制度が形骸化していると、企業側が従業員を適切に評価することができなくなるリスクが高まり、従業員のモチベーションやスキル低下、不満を招き、離職率を高めてしまうことにもつながりかねません。

だからこそ企業は、現行の人事制度の内容や運用体制を見直し、企業の競争力強化のために従業員を正しく評価できる制度を最適化し続ける必要があるのです。

人事制度を見直すべきタイミング

人事制度の見直しは、労働環境や自社の事業環境が変化したタイミングで見直しを図る必要があります。

労働環境の変化

企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化し続けており、労働環境の変化にあわせて人事制度が見直すことは大切です。なぜなら、現行のはたらき方とのズレが生じてしまうと、従業員に不満が生まれ離職者が増えてしまう可能性があるからです。

自社の事業環境の変化

採用事情の変化や子会社の設立といった事業環境が変化した場合も、人事制度を見直すタイミングといえます。組織が変化することで、これまで機能していた人事制度が機能しなくなってしまったり、業務フローが煩雑になってしまったりすることが考えられるからです。

また、会社規模の変化のタイミングは、新たな経営戦略に応じて見直した人事制度を発信する、良いタイミングでもあるでしょう。「どのような人材を求めるか」「どのようなスキルや経験を求めるか」など従業員にしっかり伝えましょう。

人事制度設計・構築の手順

自社に適した人事制度は、企業の競争力強化に欠かせません。そのため、経営戦略と矛盾が生じないようにしながら、以下の手順で設計・構築を行う必要があります。

人事制度の構成
それぞれどのようなことに注意すべきか、解説します。

1.現状分析

まずは、現状の人事制度の課題を整理しましょう。自社の企業理念・経営戦略と連動しているか、従業員がはたらくにあたって課題となっている部分は何か、などを分析します。

分析手法の例

・人件費や業績、労働時間などのデータ収集・分析
・従業員へのヒアリングやアンケート
・外部コンサルタントの活用

経営層・人事部門で議論を重ねることも大事ですが、場合によっては従業員にヒアリングを行い、従業員G合感じている課題を具体的に把握することも大切です。

例えば、「成果が評価に反映されない」「テレワークの影響で適切に評価しづらく、若手人材が定着しない」といった悩みがヒアリングで特定されるかもしれません。

組織内の立場でも悩みや不満は変わるため、多様な役職や部署の人間から課題を集めましょう。

2.方針策定

洗い出された課題を解決する方向性をすり合わせ、人事制度の方針を決定しましょう。

方針策定時のポイント

・(中長期的に)自社に必要な人材像は?
・現行の人事制度から改善すべき課題は何か?
・必要な人材育成は?
・評価の基準はどのようにするのか?

3.制度設計

人事制度の方針に基づいて、「等級制度」「評価制度」「報酬制度」を設計していきます。従業員が制度に対して、「納得がいく」「公平である」と思える制度であることが重要です。

・等級制度
従業員が保有するスキルや能力、役割に応じて等級を設定します。どのくらいの等級に分けるか、等級を分ける基準は何かについて決めていきます。最近では等級を決めずに評価する「ノーレイティング」のような方法もあります。

・評価制度
評価制度はどのような項目を評価するのか、何を基準に評価するのかを決めます。具体的かつ客観的に評価可能な制度になっていると、従業員が納得しやすくなるでしょう。上司や同僚など複数人の視点で評価する「360度評価」の導入も選択肢の一つです。

・報酬制度
等級制度や評価制度と併せて、給与にどう反映させるのかを決めていきましょう。給与の種類は、個人の能力に影響しない「属人給」や、能力や経験など業務遂行能力を基準にした「職能給」に分けられます。報酬制度は労働基準法と照らし合わせ、法律で定められた基準を満たしているか確認しなけれないけません。

制度の設計が完了したら、実際に導入した場合を想定したシミュレーションを行いましょう。

4.社内への周知

人事制度の改正する前に、従業員への説明が必要です。どのような手順で導入するのか、人事制度の仕組みや目的、運用方法を説明します。実際に運用していく前に、従業員の不安や疑問点を解消できるようにしましょう。

また、社内への展開時は「明確性」と「公平性」を意識しましょう。

説明が明確でないと、「評価の基準があいまいでわからない」「自分の成果に対しての評価結果がわからない」といったことが起こります。公平性がないと、「どうして自分は評価されないのか」など納得がいかなくなってしまいます。この2つが欠けていると、従業員の不信感が募ってしまい、意欲も低下してしまうかもしれません。

5.制度を導入し、定着を図る

制度を導入後、新しい人事制度が定着することを目指し、運用をはじめます。人事制度は規定や仕組みを作って終わりではなく、実際に運用して定着しなければ意味がありません。

定着を図る施策例

・定期的な社内向け研修
・アンケートやヒアリングによる効果測定 など

コンサルティングサービスの活用も一つの手段

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人事制度の設計は外部のコンサルティングサービスの活用も選択肢の一つとして考えられます。委託できる内容は、具体的には以下のようなものです。

・企業の課題に合わせた制度構築支援
・人事制度運用のための人事業務構築
・属人化した業務の可視化
・人事業務の効率化、自動化の支援 など

人事制度の設計は複雑で経験やスキルが求められます。これらの業務を外部コンサルタントに依頼することで、運用まで見据えた適切な人事制度設計ができるでしょう。

コンサルティングサービスの活用事例

従業員1,500名のA社では、文化や歴史が異なる3社の統合期にありました。

▼課題
・会社ごとに人材像や人材活用戦略に違いがあり、人事理念の軸がぶれてしまっている
・異なる事業内容を加味した人事設計になっていない
・報酬制度を統一する上で、最小限のリスクと不利益変更を前提に、コストを抑えた制度を作る必要がある

そこでA社では、外部コンサルタントに人事制度設計を依頼しました。人事理念の検討、人事制度設計、人事業務運用設計・効率化を実現し、新しい人事プロセスの土台を作ることが目的です。

▼結果
・事前リスク調査を通じたディスカッションし、異なる企業文化融合の雰囲気醸成
・経営理念を基にした新しい人事理念を策定
・雇用形態の異なる3パターンの人事制度を設計
・1,500人以上の制度移行をシミュレーションし、不利益変更リスクの事前洗い出しを行う
・新しい人事制度に則った運用を構築し、100項目以上の業務を可視化・一覧化を行う など

【参照】パーソルプロセス&テクノロジー株式会社「事例紹介|会社統合に伴う人事制度統一および人事業務設計支援

まとめ

急速に変化する外部環境に対応すべく、人事制度を見直す必要性は高まっています。人事制度は「評価制度」「等級制度」「報酬制度」で構成されており、それぞれお互いに補完し合える設計が重要です。

自社に適した制度設計を行うことで、従業員の離職防止やモチベーションの向上などの効果が期待できます。そのためには、データ分析やヒアリングなどを基に人事制度を設計しましょう。

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