【事例あり】戦略総務とは?あるべき姿や役割、実践のポイント

少子高齢化や働き方改革の影響など、企業を取り巻く環境は急速に変化し続けています。その中で、従来は受動的であった総務業務を、能動的な「戦略総務」へと見直す動きが出てきています。

本記事では、戦略総務とは何か、また、戦略総務へと変革していくために意識すべきポイントについて解説します。

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企業の競争力強化に必須ともいえるDXを推進するために、まずは既存業務のプロセス可視化・効率化が必要です。しかし、バックオフィスにおいては、属人化アナログ業務の残存といった特有の課題により一筋縄ではいきません。これを解決するためには、問題を切り分け、具体的に解決すべき事項を明らかにし打ち手を対応させていく必要があります。

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目次

戦略総務とは

総務の業務は多岐にわたります。例えば社内のインフラ整備や郵便物対応のような庶務的業務、勤怠管理や給与計算、株主総会等の各種会議の運営業務まで幅広い業務を担っています。企業の規模や業種により範囲は異なるものの、会社組織全体に関わる業務を一手に担っているのが一般的な総務部門でしょう。

新たに注目されている「戦略総務」は、従来の総務の姿とは大きく異なります

「戦略総務」とは、文字通りに受け取ると「総務が(企業の)戦略を持つ」ということです。つまり企業が抱えている課題を解決するために、企業の仕組みを改善し続ける総務を指します。

総務を取り巻く環境

コロナ禍を機にテレワークが浸透するなど、はたらき方が急速に変化しています。パーソル総合研究所の「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」によると、コロナ禍前と比較し、企業規模問わずテレワークが広がっていることが明らかになりました。

企業規模別 テレワーク実施率 推移(正社員ベース)


【参照】株式会社パーソル総合研究所「第七回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」

人材不足が続く中、多くの企業が採用や定着に課題を抱えています。優秀な人材を採用し、継続して活躍してもらうためには、はたらきやすい環境を整え、従業員のモチベーションを高めることで生産性を高めることが求められています。

こうした変化に対応すべく、定型化した業務を受動的に行うのではなく、総務が主体となって自社の課題を分析し、業務効率化や社内の環境最適化のためのアクションを能動的に行うことが求められるようになってきたのです。

戦略総務の実現に向け、まずは業務のプロセス可視化を

・バックオフィス業務が属人化してしまっている
・アナログ業務が残ってしまっている
・具体的な進め方がわからず、結局後回しになっている

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「戦略総務」は企業経営を牽引する

従来の総務とは異なる「戦略総務」は、なぜ必要なのでしょうか。その理由は、総務部門のポジションにあります。

総務部門は業務柄、社員や部署の窓口として企業内の全部署とつながりを持っていることが一般的です。つまり、企業のはたらき方や人材戦略、経営層の意思決定サポートなどに幅広く通ずるポジションにいます。だからこそ、円滑な社内外のコミュニケーションを行い、現場の声や経営陣の思いといった情報を収集し、客観的な視点で環境改善のアイデアを産み出すことができるのです。

以下に3つ、戦略総務としてのアイデア例を紹介します。

例1.ワークスタイル変革
例2.福利厚生の見直し
例3.オフィスのIT活用/デジタル化

例1.ワークスタイル変革

急速に進んだリモートワークの普及によって社員間のコミュニケーションに課題を感じている企業が多いのではないでしょうか。

月刊総務が総務担当者を対象に行ったモチベーションに関する調査によると、リモートワークにより72.3%が「気軽なコミュニケーションを取りにくくなった」と感じていることが明らかになりました。これまでオフィスでなされていた、対面でのちょっとした質問や日常会話などが出来なくなったことで、コミュニケーションのハードルが上がっています。


【参照】株式会社月刊総務「テレワークで会社の方向性を伝えにくくなったが8割。社員のエンゲージメント低下を実感」

こうしたワークスタイルの変化に対応するためには、例えばTeamsなどのコミュニケーションツールを活用する、疑問が生じた際に自身で調べて解決できるようマニュアルを改訂・整備するといった手段が考えられるでしょう。

また、オフィスの在り方について、今一度検討してもよいでしょう。リモートワークの普及により、オフィスに求められる役割も変わってきています。これまでは従業員規模にあわせたスペースが必要でしたが、今後必要なスペースは縮小していくことでしょう。オフィスを縮小し、かつ、はたらく場の選択肢をもてるようにサテライトオフィスやコワーキングオフィスを用意するのも一つの手です。

例2.福利厚生の見直し

福利厚生は、社員の満足度向上に大きく寄与する領域です。福利厚生の内容としては、住まいの手当や育児・介護の支援制度、休暇制度、人間ドックの補助金などが挙げられます。社員それぞれがライフスタイルに合わせて活用できるよう、制度を整えましょう。また、社員への周知を徹底することも大切です。

例3.オフィスのIT活用/デジタル化


従来の庶務業務も、デジタル化を検討するとよいでしょう。例えば、給与計算にITツールを導入し、データ化することでコスト削減や効率化に繋がります。総務部門が改善を進めることで、社員のスキルや能力を活かす環境が整い、モチベーション向上にも寄与するでしょう。

結果的に、企業の業務効率化や生産性向上、社員の定着率向上も期待できます。

戦略総務に変わるために意識すべきポイント

それでは、戦略総務へと変革していく際に、担当者が意識すべきことは何でしょうか。ここでは意識すべきポイントを2点、解説します。

業務のあり方やリソースを常に見直す

総務部門は多岐にわたる業務をカバーしているため、目の前のタスクに追われて本来やるべき業務に手が届いていない可能性があります。現在どのような業務を行っているのか、時間や工数を見直すことで無駄をなくしましょう

業務の見直しを行う際は、現状の業務フローを可視化するところから始めます。以下のような項目について、業務の棚卸を行います。

・どのような業務があるか
・誰が担当しているのか
・業務に対し、どれくらいの人員が必要か
・所要時間、工数はどれくらいか など

業務を見直し、課題が明確になれば、課題に対してどう改善していくのか具体的な取り組みが見えてきます。具体的な手順や改善ポイントは「業務改善コンサルタントが教える、業務整理ノウハウBOOK」で詳しくまとめています。

また、各部署とのやりとりの際には「総務としてできることはないか」を常に念頭に置いて情報収集をすることも大切です。社員が感じている不満や課題などに業務を見直すためのきっかけが隠れているかもしれません。社内外にアンテナを張り、社内の状況や業界の動向まで把握しましょう。

課題解決の手段として外部リソースも活用する

給与計算や請求処理といった定型業務や物品購入の業務を、外部に任せるのも一つの手です。近年はアウトソーシング(BPO)サービスが充実していることもあり、必ずしもすべての業務を自社内で行う必要がなくなりました。外部リソースを上手く活用することで、企業全体を戦略的に改善していく戦略総務としての業務に専念できるようになります

アウトソーシング(BPO)では、委託先のノウハウ活用により業務品質が底上げされやすいことに加え、繁閑差に応じて必要なときだけ活用できるため、人件費や労務管理費を変動費化し、コスト削減にもつなげることができます。

アウトソーシング(BPO)で委託できる業務の内容や、総務部門の活用事例については「BPO導入のポイントと活用事例BOOK【導入前に確認すべき15のチェックリスト付き】」で詳しくまとめています。 

戦略総務へと変革するために|BPO導入事例

最後に、アウトソーシングの活用により自社の総務業務を戦略総務へと変革した事例を紹介します。

「戦略総務」へ変革するためにBPOを導入|自動車メーカーH社

自動車メーカーH社では、業務の可視化・標準化・マニュアル化ができておらず、担当者が異動となると業務品質・生産性が低下していました。そこで、生産性向上と総務部社員がコア業務に特化できるよう、また、これまで受け身であった総務部門を、会社の経営戦略実現にむけて変化させていきたいという思いもあり、BPOを導入しました。

結果、自社だけでは工数的にも難しかったマニュアル整備を達成し、自社社員が非定型的な業務に集中することが可能になりました。


【参照】パーソルテンプスタッフ株式会社「属人化を解消し、『戦略総務』を目指すべく1ヵ月で立ち上げた、新たな総務カウンター」

まとめ

「戦略総務」への変革は、なかなか容易ではないかもしれません。しかし各部署と横断的に関わっている総務部門だからこそ、企業経営を牽引していく部署として機能しやすい面もあります。

企業を取り巻く環境は、急速に変化しています。変化に対応する改革を進めていくためにも、まずは総務部門から変えてみませんか。

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テクノロジーの進化が、あらゆる業界に変革をもたらしており、企業の競争力維持・強化のためにも、DXによるビジネスの変革と新たな価値創出が求められています。DXを推進するためには、まずは既存業務のプロセス可視化・効率化が必要です。

しかし、バックオフィスにおいては、属人化アナログ業務の残存といった特有の課題により一筋縄ではいきません。これを解決するためには、問題を切り分け、具体的に解決すべき事項を明らかにし打ち手を対応させていく必要があります。

パーソルグループでは、バックオフィスのDX推進における打ち手やソリューションについてまとめた【バックオフィスのDXを推進するためのノウハウガイド】を公開しています。

総務部門をはじめ、バックオフィス部門の皆様にご活用いただけますと幸いです。

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よくあるご質問

Q.戦略総務を実現するポイントは?

A.戦略総務を実現するためには、既存業務のプロセス可視化・効率化が必要です。現状調査・分析→改善・解決策の検討→実行の順でバックオフィスの課題を明らかにしていきます。

可視化の手順や、バックオフィスのDXを推進するポイントはガイドブックでまとめて紹介しています。ガイドブックは、以下リンクよりどなたでも無料でダウンロードいただけます。
>>バックオフィスのDXを推進するためのノウハウガイド

Q.戦略総務とは?

A.「戦略総務」とは、企業が抱えている課題を解決するために、企業の仕組みを改善し続ける総務を指します。

定型化した業務を受動的に行うのではなく、総務が主体となって自社の課題を分析し、業務効率化や社内の環境最適化のためのアクションを能動的に行うことが総務部門に求められています。

>>戦略総務とは

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