営業に必要な7つのスキルとは?スキルアップのポイントをわかりやすく解説

営業は顧客の課題に寄り添いながらニーズを探り、最適な商品やサービスを提案する役割を担っている職種です。顧客と自社をつなぐ営業においては、欠かせないスキルがいくつか存在します。

本記事では、営業職に求められるスキルとともに、組織全体で営業力を向上させる方法について解説します。営業組織のスキル開発やスキルアップに取り組んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

営業の仕事とは

営業職の基本的な業務内容は、顧客に自社の商品やサービスを提案して受注を獲得することです。

ターゲットとなる顧客の選定・絞り込みを行い、仮説に基づいてアプローチ方法を検討した上で商談に臨みます。商談の準備と実施の過程でニーズをヒアリングし、それに基づいた提案や条件交渉を経て受注に至るのが一般的です。なお、受注後のアフターフォローまで営業が担当するケースもあります。

営業フロー

BtoBとBtoCの違い

営業の仕事は、BtoB(Business to Business/企業間の取引)かBtoC(Business to Consumer/企業と消費者の取引)かによって、顧客へのアプローチ方法や注力すべきポイントが異なります。

BtoBの場合、取引の金額が比較的高額になりやすく、長期的に取引が続くケースが多いのが特徴です。そのため、顧客との信頼関係の構築が重要と考えられます。

一方、BtoCの場合は取引金額が比較的低額になりやすく、より多くの顧客に自社商品を知ってもらうことを重視します。そのため、新規顧客の開拓が営業に求められます。

営業に求められる7つのスキル

来店客に商品を販売する仕事とは異なり、営業職は商品をまだ必要としていない潜在顧客にも時間をかけてアプローチする必要があります。受注を獲得するには、営業プロセスごとに求められる対応を着実に遂行しなければなりません。ここでは、営業職に求められる主要なスキルを紹介します。

1.面談スキル

面談スキルは営業にとって最も重要です。このスキルは、顧客への最初のアプローチから受注後のアフターフォローまで欠かせないものであり、スキルの有無が営業活動の成功を左右すると言っても良いでしょう。

特に重要なのは、顧客との対話やヒアリングを通してニーズを引き出す、ニーズに合った自社の商品やサービスを紹介する顧客折衝能力です。質問の仕方ひとつで顧客の本音をどこまで引き出せるかが変わるため、良い質問は、結果として商談の成功率を高める鍵となるでしょう。

2.課題発見力

課題発見力とは、ヒアリングした情報から、顧客自身が気付いていない潜在的な課題を見つけ出す力です。営業は顧客の抱える課題に合わせた提案を行う必要があるため、課題発見力は欠かせません。

課題を発見するには、洞察力と観察力が求められます。また、市況の変化や競合他社の情報を収集しておくことも重要です。トレンドやニーズの変化を把握した上で、顧客の立場からの課題の解決法を考えます。

3.コミュニケーション力

営業におけるコミュニケーション力は、単に会話をする能力に留まりません。顧客の信頼を得るためには、顧客の話に耳を傾け、適切なタイミングで共感や提案を行うスキルが求められます。顧客が抱える課題やニーズを正確に理解し、それを基に適切な情報を伝えることも必要です。

さらに、社内の情報共有・連携をスムーズに行うためにも、コミュニケーション力が欠かせません。

4.交渉スキル

交渉スキルとは、自社と顧客の利害を調整して最終的な合意に導く能力です。ビジネスはさまざまな利害関係の上に成り立っています。互いの意向が一致していれば問題なく取引を進められますが、時にはそれぞれの要求が食い違うこともあるでしょう。

そうした場合でも、営業には顧客との関係を良好に保ちながら、互いに納得できる着地点を見つけるスキルが求められます。交渉スキルは、顧客との信頼関係を維持しつつ、取引を成功に導く上での基本です。

5.ロジカルシンキング

ロジカルシンキング(論理的思考)とは、物事を結論と根拠に分け、それらを論理的に結び付けて物事を理解する思考法です。ロジカルシンキングを習得すると、顧客に分かりやすく物事を伝えられるほか、問題解決の方法を検討する際にも役立ちます。

6.プレゼンテーションスキル

プレゼンテーションスキルとは、顧客に商品への理解を促し、購買や利用といった行動を起こしてもらうために、商談などの場面で分かりやすく、訴求力のある提案をするスキルです。話し方や振る舞いのみならず、効果的な資料作成もプレゼンテーションのスキルに含まれます。魅力的なプレゼンテーションは、顧客の購買意欲を引き出す武器となります。

7.トラブル対応力

営業活動には予想外のトラブルもつきものです。トラブルに見舞われた場合でも、冷静かつ柔軟に対応する力が求められます。例えば、万が一顧客に不利益が生じた場合、迅速に対応することで事態の悪化を防げるでしょう。

トラブルが起きたときこそ、誠意ある態度と行動で信頼回復に努めることが重要です。

スキルマップを活用し、営業スキルを可視化する方法

営業メンバーのスキルアップに取り組む上では、自社において求められる営業スキルを可視化することが大切です。可視化した情報に基づいて、自社内の営業スキルに関する現在地を把握した上で、メンバーの育成に取り組む必要があります。

営業スキルを可視化する方法として「スキルマップ」を紹介します。スキルマップとは、従業員に求める複数のスキルを一覧化し、それぞれのスキルに対する習熟度を数値で評価するためのシートです。スキルマップは営業メンバーのスキルを可視化し、人員配置や育成、人事評価に活用されます。

スキルマップの作成にあたり、まず欠かせないのが、営業に必要なスキルの特定です。営業スキルを特定する際には、階層や等級別にスキルを洗い出すのではなく、自社の営業プロセスを軸に、各プロセスでどのようなスキルが求められるかを検討し、重要度の高いものをピックアップしましょう。

例えば、営業プロセスにおける「ニーズヒアリング」の場面では、面談スキルとプレゼンテーションが必要と考えられます。重要な営業スキルを特定したら、それぞれのスキルに対して「具体的に何ができたらスキルを習得したと言えるか」を明文化し、スキルマップに落とし込みましょう。

スキルマップ

スキルマップを導入するメリット

スキルマップの導入は、評価される営業メンバーと評価者であるマネジャーの双方にメリットがあります。

営業メンバーにとってのメリット

評価されるメンバーにとっては、自身の強み・弱みを把握できる点がメリットです。スキルマップを活用することで、組織が求めるスキルを理解しやすくなり、現時点で「できていること」と「できていないこと」が明確になります。スキルごとに数値で評価されるため、自分に足りていないスキルが一目で分かり、具体的な改善へ移りやすくなるでしょう。

マネジャーにとってのメリット

評価する側のメリットとしては、各営業メンバーのスキルを一元管理できる点が挙げられます。それぞれのスキルが把握できるため、人事評価や育成、人員配置の意思決定に役立ちます。

さらにスキルマップは、全メンバーを同じ指標で評価できる点もメリットです。評価の公平性を担保できるため、メンバーからの不満を少なくする効果も期待できるでしょう。

スキルマップ活用のポイント

スキルマップはマネジャーによる他者評価だけでなく、営業メンバーの自己評価においても活用することが大切です。例えば自己評価よりも他者評価が低いケースでは、なぜ評価にギャップがあるのかをマネジャーとメンバー間でよく話し合い、「できていること」「できていないこと」の共通認識を持ちます。これによってコーチングがスムーズに進み、メンバー個人のスキルアップに役立ちます。

組織の営業スキルを上げる方法

組織の営業スキルの向上には、組織的かつ段階的な取り組みが求められます。データを整理し、課題を洗い出した上で研修を導入し、振り返りやナレッジシェアを行うというサイクルを繰り返すのが、営業スキルを強化するための基本的な流れです。このような、組織全体が連携して営業成果を出すための活動を行うことを、セールスイネーブルメントと言います。

【関連記事】セールスイネーブルメントとは?効果や手順、事例、育成のポイントを解説

1.データの整備と課題の洗い出し

まず、営業メンバーのスキルやパフォーマンスに関するデータを収集・整備します。CRMやSFAなどのツールを活用し、各メンバーの営業プロセスや成果を可視化しましょう。このデータを基に、組織全体や個人レベルでのスキル不足や課題を特定します。例えば「ニーズヒアリング能力が不足している」「提案資料の質にばらつきがある」といった具体的な問題を明らかになるでしょう。

【関連記事】CRMとは?機能や選定のポイントについて分かりやすく解説
【関連記事】SFAツールとは?機能や導入のメリット、ステップについて解説

2.研修プログラムの導入

課題に基づいて、必要なスキルを補う研修を導入します。ロールプレイ形式の商談トレーニングやプレゼンテーションスキル向上のためのワークショップ、またはデータドリブンな営業手法を学ぶ研修など、課題に応じた研修を選定しましょう。この際、現場で実践可能な内容を重視し、メンバーが学んだスキルを即座に活用できる環境を整えます。

【関連記事】営業研修とは|目的やカリキュラム例、成功のポイントを解説

3.振り返りとナレッジシェア

研修後は、効果を振り返り、学びを共有する仕組みを構築します。成功事例や改善点をチーム内で共有し、個人の成長を組織全体のスキル向上に結びつけましょう。また、定期的に進捗を評価し、新たな課題に応じた研修やサポートを提供し続けることが重要です。

組織の営業スキルを上げるためのポイント

営業に求められるスキルを可視化し、営業メンバーがそれぞれスキルアップを図ることは重要ですが、営業部門全体のさらなる組織力強化のためには、マネジャーがメンバーのスキルアップ状況をきちんと管理し、推進していくことが不可欠です。スキルアップの管理は、「点」と「線」の2つの観点で行うと良いでしょう。

「点」とは、営業活動における1回1回の面談を指します。営業にとって面談は最も重要なポイントであり、いかにその場で顧客のニーズを引き出し、最適な提案ができるかが試されています。まずは面談での対応が十分にできているかを確認するのが、「点」の管理です。

一方の「線」は、受注までの過程を指します。前述の通り、営業活動における面談は非常に重要ですが、面談の対応が良かったとしても最終的に受注まで至らなければ成果にはなりません。そこで、マネジャーは受注までの過程においてメンバーごとの進捗を管理する必要があります。

具体的には、受注予定日から逆算し、いつまでに何をすべきかを明確にした上で、現時点でどのポイントまで対応ができているかを確認します。営業活動に影響を及ぼす要因や、受注に近づくためのキーアクションを明らかにしながら、受注に向かって前進することが大切です。

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まとめ

営業組織を下支えするのは、組織に属する営業メンバーのスキルです。一人ひとりがスキルアップすることによって、最終的に組織へと還元されるのは間違いないでしょう。

しかし、肝心のスキルアップをメンバーの裁量に任せきりにしてしまっては、組織力の強化を推進していくことはできません。本記事で説明したように、スキルマップを用いた営業スキルの可視化やメンバーへのコーチング、スキルアップの進捗管理などを行い、組織全体でのスキルの底上げを図ることが重要です。

インタビュー・監修

株式会社パーソル総合研究所
営業力強化事業本部 コンサルティング部 マネジャー

山田 智之

大学卒業後、大手旅行会社を経て2005年に株式会社富士ゼロックス総合教育研究所(現 株式会社パーソル総合研究所)に入社。無形商材のソリューション営業(BtoB)や営業マネジャーとして現在に至る。担当業界は多岐に渡るが、特にヘルスケア業界の経験が長く、大手製薬メーカーや医療機器メーカーへの支援実績が多い。また、Webマーケティング部隊やインサイドセールス組織を立ち上げるなど、コンテンツマーケティングの知見も豊富。現在は、マーケティングからフィールドセールスに至るまでの「営業プロセス全体のつながり」について情報発信を行っている。