2024年08月07日
2025年07月30日
強い営業組織は、企業の成長に欠かせない要素と言えます。しかし、その構築や改革の難しさに頭を悩ませている経営者やマネジャーは多いのではないでしょうか。
本記事では、強い営業組織の特徴や組織改革のステップを解説します。
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営業力強化として、セールスイネーブルメントに取り組む企業が増えてきていますが、以下のような課題をお持ちではないでしょうか。
・自社の営業力が伸び悩んでいる
・営業データを蓄積しているが、活用までに至っていない
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営業組織とは、顧客を獲得・維持し、売上を最大化することを目的とした営業活動を行う部門やチームを指します。見込み顧客へのアポイントメントから商談の獲得、契約後のアフターフォローまで、業務プロセスに応じた担当者を配置し、組織的に業務を進めていきます。
コロナ禍を機にオンラインでの商談が進み、これまで対面のコミュニケーションが主流だった営業活動も変化しており、より効率的かつ生産的な営業活動が求められています。
最近の営業組織はさまざまな担当が連携・協業しており、図でまとめると以下のようになります。

まず、認知のフェーズでは、マーケティングがプロモーションにより、リード(見込み顧客)を獲得します。マーケティングで獲得したリードに対して、インサイドセールスがアプローチし、興味喚起~商談化を目指します。商談化したら、フィールドセールスに顧客を引き渡し、商談~成約まで担います。そして、成約後は、カスタマーサクセスにつなぎ、顧客のリテンションを図ります。
このように、それぞれのメンバーが連携し合うことによって、成果創出につながります。

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営業力強化の手法として話題になっている「 セールスイネーブルメント」をご存知でしょうか?企業の営業活動を根底からテコ入れし、売れる組織を生み出すために有効な取り組みです。
本資料では、自社の営業活動に悩みを抱えている方に届けるべく、セールスイネーブルメントについての基礎的な情報から活用法までを詳しくご紹介します。貴社の営業力と成果の向上のためにご活用いただければ幸いです 。
営業組織によくある課題として挙げられるのが、「戦略を策定する経営層」と「戦略を実行する現場」との間にギャップが生じてしまうことです。
例えば、事業年度の初めに、経営層が策定した営業戦略が現場に展開されるとしましょう。本来であれば営業戦略に沿って実行を担うのが現場の役割ですが、現場が戦略を正しく理解できなかったり、理解はできても納得ができなかったりするケースがあります。その結果、現場は戦略通りに実行せず、場当たり的な営業活動を続けていきます。
一向に現場が戦略通りに動かなければ、この状況を打破するために、経営層は新たな施策を出すでしょう。しかし、そもそも最初の戦略への理解がない状態で、現場が追加の施策を受け入れることはありません。こうして経営層と現場とのギャップはどんどん深まってしまいます。最終的に双方が不信感を抱えたまま、営業組織は弱体化してしまうのです。

このような課題の根底には、営業戦略を策定・実行するプロセスにおいて、経営層が現場をうまく巻き込めていないという状況があります。
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経営層と現場のギャップが大きい営業組織は少なくない一方で、成功している強い営業組織には以下のような共通した特徴があります。
前述の通り、営業戦略に対する理解・納得感がなければ、いくら戦略や仕組みを変えても、組織のパフォーマンスは向上しません。強い営業組織であるためには、第一に組織の目標や役割が現場に正しく理解されている状態が不可欠です。各営業メンバーが同じ目標に向かって責任を持って行動できている組織は、成果創出につながりやすいと言えるでしょう。
一方で、組織内で目標や役割の理解が得られているだけでは、結局は営業メンバー個人のパフォーマンスに依存することになりかねず、仕組みとして不十分です。組織の目標を効率よく達成する上で、例えば購買力の高い顧客にはエース人材を割り当てるなど、適切な人員配置を検討する必要があります。
また、目標達成までの業務プロセスがきちんと設定されており、組織内で共有されていることも重要です。業務プロセスが設定されていると、マネジャーが各メンバーの進捗を管理しやすいため、的確なフォローが可能になります。これによって、質の高い営業活動と成果を期待できるでしょう。
なお、目標の評価指標(KPI)の設定も必要です。組織の目標が数値として明確であれば、個人の目標も立てやすくなります。組織と個人の目標設定は、メンバーの主体性向上とチームの活性化につながります。
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体系的な育成ができていることも、強い営業組織の特徴として挙げられます。営業メンバーには、顧客のニーズを引き出すヒアリング力や提案力などが欠かせません。研修やロールプレイを重ねることで顧客のニーズを正しく認識して多角的に分析し、柔軟な提案が可能になります。
育成体系と人材の評価指標が明らかになっている営業組織は、個人のパフォーマンスが高いだけでなく、チームとして協力し合うことで成果を出しやすくなります。
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強い営業組織は、組織内で業務に必要なナレッジが十分に共有されています。ナレッジ共有の仕組みがあると、組織全体のスキルが高まるとともに一部のハイパフォーマーへの属人化も防げます。積極的に共有したいナレッジの例としては、以下のようなものが挙げられます。
では実際に営業組織を改革する場合、どう進めればよいのでしょうか。ここでは営業組織の改革ステップについて解説します。
まずは、顧客の層別を行います。顧客別の売上などをベースに顧客をランク付けしている企業は少なくないかもしれませんが、改めて明確な論理をもとに顧客を区分し、それぞれの戦略を見直しましょう。
例えば、下図のように顧客を「購買力・ポテンシャル」と「インナーシェア」を軸としたマトリクス上で、4つのセグメントに分けます。これによって最重要顧客として安定的にフォローしていくべきか、ほとんど営業リソースをかけなくていいのかなど判断することが可能です。

顧客のセグメントによって、購買力やニーズ、受注までにかかる時間などは異なります。異なるセグメントの顧客に対して一様に同じ提案をしてしまうと、本来あまり時間を使うべきではない顧客に手間をかけるなど、営業活動が非効率になってしまう可能性があります。限られた営業リソースで成果を最大化するには、セグメントごとにどのような商品・サービスを提案するのが望ましいかを検討することが必要です。
顧客のセグメントごとにどの商品・サービスを提案するかが決まったら、次はどのように提案するかを最適化させます。例えば、ポテンシャルの高い顧客に対しては、社内で専門知識を持つメンバーを総動員し、時間をかけて提案内容をブラッシュアップしていく必要があるかもしれません。反対に、効率的に取引を維持したい顧客に対しては、代理店を通じて営業活動を行うという選択肢もあるでしょう。
1~3のステップで、「どの顧客に」「何を」「どのように」提案するのかが明確になります。これらの実現には、どのような人員配置が適切かを検討するのが最後のステップです。チームごとにどのようなスキル・経験を持ったメンバーが必要か、チームには何人必要かなどを検討した上で、成果につながりやすい最適な人員配置を行いましょう。

営業組織の見直しを図る際には、フィールドセールスの領域だけで考えるのではなく、マーケティング部門と連携した組織づくりが大切です。近年、生産性を高める目的で営業の分業化が進みつつありますが、単純にプロセスを切り分けるだけでは、かえって営業活動が分断されてしまう可能性があります。
マーケティング部門とセールス部門では役割が異なるものの、組織の売上や利益に貢献するという最終的な目標は変わりません。それぞれが同じ目標に向かって役割を果たせる組織になるように、人員配置や業務分担を俯瞰的に見直しましょう。
実際にパーソル総合研究所が支援をした、営業組織改革の事例を2つ紹介します。
一つ目は、動物病院向けにワンストップで多様な検査機器および検査診断のトータルソリューションを提供する、アイデックスラボラトリーズ株式会社の事例です。
1.プロダクト中心の営業スタイル
顧客の置かれている状況やニーズを把握した上でのソリューション提供を求めているものの、多くの営業が自社製品の強みを訴求するプロダクト中心の営業スタイルのまま。
2.属人化
営業組織は中途採用のメンバーが中心で、各々が培ってきたスキルはさまざま。標準的な営業プロセスは用意されていなかったため、営業手法が個人の経験やスキルに依存。何度か研修を実施したが、スポットでの開催だったこともあり、営業のスキルが定着しない。
営業スタイルを、「プロダクト営業」からお客様のニーズに焦点を当てた「ソリューション営業」へ変化させるべく、まず実際の顧客との商談の流れに沿ってスキル研修を実施。加えて、営業プロセスを構築し、チームビルディング、マネジャーのコーチングスキル向上を図った。
商談スキル研修を生かし、実情に合わせた営業プロセスをつくり、標準化。プロセスのフェーズごとにメンバーの成功例や会話の引き出し方をまとめた冊子も作成。結果、チーム営業の仕組みが整い、売上の向上につながると同時に、以下の具体的な変化が生まれた。
二つ目の事例は、北海道エリアの顧客への通信サービスの提供および向上に取り組んでいる、ドコモCS北海道の営業改革です。
事業再編による新会社設立に伴って、営業経験の少ないメンバーで構成された組織であったため、メンバーによってやり方がバラバラで成果につながっていない状況。管理者もマネジメントしづらく、組織として機能していなかった。
チームとしての組織力を高めるために、個々の営業活動の「量」を増やすことで「質」の向上を図った。1年間通して、まずは現状把握からスタートし、チームビルディングや営業力強化研修、営業の実践支援などシリーズ型の研修を実施。営業力強化研修では、実際の営業チームとは別に横断チームをつくることにより、研修で学んだ内容を実際の営業チームへ波及させやすい仕組みをつくった。
営業成績が向上するとともに、人材が入れ替わってもスキルやノウハウが共有されるような組織に。上司からのアドバイスが的確になったことで、部下との間で認識のズレが少なくなった。
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営業組織の理想と現実のギャップに悩む企業は少なくないでしょう。労働力人口が減少傾向にある中、多様化する顧客ニーズに対応するには営業組織の改革が不可欠であり、企業の利益に直結する重要な取り組みと言えます。目標や役割の明確化や育成体系の整備、ナレッジ共有など、強い営業組織に欠かせない要素を取り入れて、自社の継続的な成長・発展につなげていきましょう。

株式会社パーソル総合研究所
営業力強化事業本部 コンサルティング部 マネジャー
山田 智之
大学卒業後、大手旅行会社を経て2005年に株式会社富士ゼロックス総合教育研究所(現 株式会社パーソル総合研究所)に入社。無形商材のソリューション営業(BtoB)や営業マネジャーとして現在に至る。担当業界は多岐に渡るが、特にヘルスケア業界の経験が長く、大手製薬メーカーや医療機器メーカーへの支援実績が多い。また、Webマーケティング部隊やインサイドセールス組織を立ち上げるなど、コンテンツマーケティングの知見も豊富。現在は、マーケティングからフィールドセールスに至るまでの「営業プロセス全体のつながり」について情報発信を行っている。