最適な社員情報管理システムとは？導入メリットや選定ポイント

社員情報管理システムでできること

社員情報管理システムとは、社員一人ひとりのあらゆる情報を適切かつ効率的に管理するツールです。例えば、以下のような情報を一元管理できます。

• • 社員の氏名、年齢、住所といった属性情報
  • 採用情報
  • 適性・スキル情報
  • 異動履歴
  • 給与情報
  • 人事面談の記録　など

基本機能は共通していますが、社員情報管理システムにより特徴が異なります。例えば、社員情報管理と併せて雇用保険や社会保険に関する手続きができる機能や、分析機能やタレントマネジメント機能を持ったシステムもあります。

タレントマネジメントは人材マネジメント手法のひとつで、社員一人ひとりの能力・スキル・経験といった情報を採用や育成、人員配置に活用することで、経営や事業が求める成果の創出につなげるものとして、近年注目が集まっています。

関連記事「タレントマネジメントとは｜目的や得られる効果、導入手順を解説」を見る

社員情報管理システムの導入メリット

社員情報管理システムを導入することで、情報管理にとどまらず、人事・労務の業務効率化や戦略人事の実現を推進します。

1．人事・労務手続きの効率化

社員情報管理システムの導入により、煩雑な人事労務手続き業務を効率化できます。氏名や住所などの基本情報だけでなく、適性・スキル、勤怠状況や健康情報など、社員一人ひとりのあらゆる情報を一元管理でき、検索機能を用いて知りたい情報にすぐにアクセスできます。

従来の管理方法では、社員情報の管理そのものに手間がかかり、各種手続きの申請から承認までに多くの工数が生じ、また社員情報の追加・更新・移行を行う際にもヒューマンエラーが起きていました。

システムの導入により、氏名や住所の変更や更新などを効率的に記録・管理できるため、人事労務担当者の負担や些細なミスを軽減できます。

2．戦略人事の実現

社員情報管理システムを導入することでデータの管理・活用が進み、戦略人事を実現するための土台を整えることができます。

戦略人事とは、人材の価値を最大化するべく経営戦略と連動した人事戦略を策定・実行することを指します。株式会社パーソル総合研究所の「人事部大研究」によると、人事情報の一元管理を行っている企業ほど、戦略人事を実現できていることが分かっています

基本的な社員情報だけでなく、個人目標やキャリアパス、経験やスキルといった情報も管理できるため、本人の能力や適性にあわせた育成計画やスキルアップに活かすことが可能です。

また、最適な人員配置を検討するうえで、異動シミュレーション機能も役立ちます。人事異動や新規プロジェクト開始時など、システム上で異動プランをシミュレーションしておくことで、複数のパターンを検討・立案するといった活用ができます。

戦略人事の実現には、自社の経営戦略において求める人材像の定義が重要です。社員情報管理システムに社員データを集約し、分析・活用することで、社員一人ひとりの正確な情報を把握し、適材適所の正しい人事異動を実現できます。

関連記事「【事例あり】戦略人事とは｜定義と実現するためのポイント」を見る

最適な社員情報管理システムを選ぶ5つのポイント

社員情報管理システムによって特徴や強みとするポイントが異なります。自社がどのような情報管理を行い、活用していくか、運用面も考慮して以下のポイントを見極め選定しましょう。

1．自社の課題解決に必要な機能が備わっているか

システムの導入・活用により、社内の課題が解決できるか、そのための機能があるかを確認することは最も重要です。まずは、自社の課題とシステム導入の目的を明確にし、要件定義と優先順位付けを行いましょう。

例えば、人事・労務の定型業務の効率化であれば、勤怠管理や給与計算ができるものを、人事評価や人材育成の活用であれば評価シートや育成計画の管理機能などを確認しましょう。

▼自社課題と機能例

2．カスタマイズ性があるか

自社の制度運用に沿ったカスタマイズや導入後の仕様変更の可否も、システム導入時に検討すべき重要なポイントです。

社内制度や実態はさまざまで、現状に即した運用設計が欠かせません。また、組織体制や社員の状況は経営方針にあわせて変化していきます。組織変更時や企業の方針転換時などの中長期的な観点からも、企業の状況に合わせた仕様変更が可能か確認しましょう。

カスタマイズの例として、以下のような項目が挙げられます。

• • 勤務体系（正社員・契約社員など）
  • 給与体系（年俸制・月給制など）
  • 人事評価や人材育成の項目・フォーマット
  • スキルの項目やレベル
  • 組織図
  • 異動シミュレーションの内容　など

3. 費用が妥当か（初期費用・ランニングコスト）

社員情報管理システムの料金形態はシステムによって異なります。そのため複数のベンダーから見積もりを取得する必要があります。自社の課題を解決できる機能を備え、コスト面でも納得できるシステムか、総合的に検討しましょう。

4. 操作がしやすいか

誰が操作しても簡単で、画面の操作性や表記が分かりやすいシステムを選びましょう。

例えば、人事評価やアンケート機能を使う場合、人事部門以外の社員でも操作しやすいシステムが好まれます。また、人事異動や退職などによりシステムの操作者が変わることもあるでしょう。

操作性は作業効率にも影響するため、システムを使用する社員の多くが使いやすいと思えるものが望ましいです。トライアルが可能であれば、一度現場の社員にも触れてもらい、操作性のチェックをしてみるとよいでしょう。

5. サポート体制が充実しているか

システムの導入や運用の際に、サポート体制が充実しているかにも着目しましょう。

実務担当者にとって、システムに不慣れなうちは操作に手間や時間がかかります。システム導入前の構築段階でのサポートも大切ですが、導入後におけるシステム利活用のためのサポート体制も考慮しましょう

▼確認すべきポイント

• • サポート窓口との連絡手段（電話・メール・チャットなど）
  • 窓口の対応時間（窓口営業時間・休業日など）
  • 訪問対応か遠隔操作による対応か
  • サポート費用や回数制限の有無
  • 定期訪問の有無　など

まとめ｜最適な社員情報管理システム導入は戦略人事実現への第一歩

自社に最適な社員情報管理システムを導入することで、人事労務業務の効率化やデータ活用が推進されます。本記事のポイントを押さえ、自社のニーズにマッチしたシステムを導入しましょう。

そして一元化した社員情報を分析することで戦略人事を実現させ、企業や組織のさらなる発展につなげましょう。