データ分析とは?代表的な10の手法や手順、ポイントを解説

業務のデジタル化が進む一方で、「データはあるが、意思決定に生かせていない」という課題を抱える企業は少なくありません。 データ分析は、単なる数字の整理にとどまらず、課題を整理し、判断や改善につなげるための手段です。そのためには、分析の考え方や基本的な流れを理解することが欠かせません。本記事では、データ分析の基本概念や必要なスキル、主要な分析手法や流れを解説します。

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目次

データ分析とは

データ分析とは、過去や現在のデータを整理し、そこから新たな知見を引き出すプロセスです。具体的には売上情報や顧客属性、実験結果などを集め、統計手法やアルゴリズムを用いて数字を読み解きます。そして、導き出された結果から意思決定を効率化したり、将来を予測したりします。

このような分析を活用することで、ビジネスにおいては最終的に売上拡大や顧客満足度向上につながり、研究分野では、仮説立案や結果の検証に大きく寄与します。いずれの場合でも、データ分析の役割は「事実に基づく判断」を行うための根拠を提供することといえます。

さらに、分析によって得られたインサイトをもとに、新製品の開発やサービスの改善などが可能になります。単なる数字の集計にとどまらず、事業や研究を前進させる「エンジン」として機能するのがデータ分析です。

データ分析の活用領域

データ分析は、さまざまな領域で活用されています。例えば、企業の売上データをもとにした需要予測や、マーケティング調査で得られた顧客属性の分析、不良品の削減など製造工程の改善に活用されています。さらに学術研究では、実験データやアンケート調査から統計モデルを作り、科学的仮説を検証する際にも用いられます。

このように、分析対象のデータが存在する限り用途は無限に広がっていきます。今後も新しいテクノロジーが加速する中で、データ分析の重要性はさらに高まり続けるでしょう。

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データ分析の種類

データ分析にはいくつか種類があります。ここでは、代表的なものとして記述統計学、推測統計学、機械学習、ビッグデータ分析について取り上げます。

記述統計学

記述統計学は、データの平均値や分散、相関係数などを算出し、全体的な傾向を「要約」して把握する手法です。アンケート結果を集計して回答者の属性や意見分布を確認するときに活用します。

例えば、売上データを分析する際に、平均値や中央値を求めることで、全体の傾向を把握できます。また、標準偏差を計算すれば、データのばらつきを定量的に評価できます。さらに、ヒストグラムや散布図などの可視化手法を活用することで、データの分布や関係性を直感的に理解することが可能です。

記述統計学は、データを整理し、迅速な意思決定を支援する基本的な分析手法であり、マーケティングや財務分析など、幅広い領域で活用されています。

推測統計学

推測統計学は、限られたデータ(サンプル)から全体の傾向を推測するための手法です。対象すべてを直接調査するのが難しいケースでも、その一部から最適な意思決定を導き出します。

例えば、顧客満足度調査では、全顧客を対象に調査するのは現実的ではないため、一部の顧客のデータをもとに全体の傾向を推測します。また、新商品の売上予測を行う場合、過去の販売データをもとに統計モデルを構築し、市場全体の動向を推測します。

推測統計学は、限られた情報から合理的な意思決定を行うために不可欠であり、マーケティング戦略や需要予測などで広く活用されています。

機械学習

機械学習は、大量のデータから特徴やパターンを学習させ、分類・予測を行う技術です。

例えば、顧客の購買履歴を分析し、購入する可能性が高い商品を推薦するレコメンドシステムは、機械学習の典型的な応用例です。

機械学習には、大きく分けて教師あり学習(例:売上予測)と教師なし学習(例:顧客のクラスタリング)があります。近年では、ディープラーニングの発展により、画像認識や自然言語処理の分野でも精度の高い分析が可能になっています。

機械学習を活用することで、データから新たなインサイトを発見し、ビジネスの効率化や新しい価値創出を実現できます。

【関連記事】機械学習とは? 仕組みやディープラーニングとの違い、活用例を解説

ビッグデータ分析

ビッグデータ分析は、大量のデータ(ビッグデータ)を収集・処理・解析し、有益な知見を導き出す手法です。従来のデータ分析とは異なり、膨大なデータ量をリアルタイムで処理できることが特徴です。

例えば、ECサイトでは、膨大なアクセスログを分析し、ユーザーの行動パターンを明らかにすることで、最適な広告配信が可能になります。また、IoT機器から収集されるセンサーデータを活用し、設備の異常検知や需要予測を行うこともできます。

ビッグデータ分析は、クラウドコンピューティングやAI技術と組み合わせることで、より高度なデータ活用を実現し、企業の競争力向上に貢献します。

データ分析に必要なスキル

データ分析にはさまざまなスキルが求められます。ここでは、4つのスキルについて解説します。

データ処理・管理スキル

データ分析の第一歩は、正確なデータの準備です。データが不完全であったり、不要な情報が含まれていたりすると、分析の精度が下がるため、データのクレンジング(前処理)が不可欠です。

また、大量のデータを扱うときは、SQLを用いてデータベースから必要な情報を抽出し、ExcelやGoogleスプレッドシートで整理するスキルも求められます。データの形式を統一したり、欠損値を補完したりする処理も必要です。

正確なデータがあることで、意思決定の精度が高まり、ビジネス成果を最大化するための基盤となります。

プログラミングスキル

プログラミングスキルとは、プログラミング言語を利用して、コンピューターに対して特定のタスクを実行させるために必要な指示を作成する能力です。

データ分析では、PythonやRといったプログラミング言語が広く使われており、これらを用いることで大量のデータを効率的に処理することができます。

【関連記事】プログラミングスキルとは?必要性やメリット、学習方法を解説

統計・数学の知識

データ分析の精度を高めるには、統計学の基礎を理解し、データを正しく解釈するスキルが必要です。

例えば、売上の増減が一時的な変動なのか、長期的なトレンドなのかを判断するには、平均値や標準偏差を活用した記述統計が有効です。また、A/Bテストを実施する際には、仮説検定を用いて統計的に有意な差があるかを評価することが重要です。さらに、回帰分析を活用すれば、広告投資と売上の相関関係を明確にし、より精度の高いマーケティング戦略を立案できます。

統計的手法を適切に活用することで、データに基づいた合理的な意思決定を支援できます。

ビジネス理解・課題解決力

データ分析の目的は、ビジネスの意思決定を支援することです。そのためには、企業や業界のビジネスモデルを理解し、課題を特定する力が求められます。

例えば、顧客の離脱率が高い場合、その要因をデータから特定し、改善策を導き出す必要があります。また、新規事業の市場調査では、データをもとにターゲット層を明確化し、適切な施策を設計することが求められます。

単にデータを扱うだけでなく、ビジネスの成果につなげる視点を持つことが重要です。

データ分析のフロー

データ分析は以下のような流れで行うのが一般的です。

目的の明確化

まずは、「売上が低下している要因を特定する」「新規顧客の効率的な獲得方法を見つける」など、分析を行う目的や問題を明確にします。目的が曖昧なままでは、データの取得や整理に余計なコスト・工数がかかったり、分析結果が活用できなかったりするため、最初に具体的なKPIを定めることが重要です。

データの収集・前処理

次に、社内の売上データや顧客データ、外部の市場データなど、目的に応じたデータを収集します。データの質が低いと分析の精度が低下するため、信頼性の高いデータを収集することが求められます。

また、収集したデータには、欠損値や誤入力が含まれることが多いため、データの整備(クレンジング)が必要です。具体的には、欠損値の補完、不正データの除去、フォーマットの統一などを行います。また、分析しやすい形にデータを変換(加工)することも重要です。

データの分析・可視化

整備したデータをもとに、統計分析や機械学習などの手法を用いて分析を行います。記述統計を使ってデータの傾向を把握したり、回帰分析を用いて売上と広告費の関係を分析したりします。

分析結果は、グラフやダッシュボードを活用して可視化することで、直感的に理解しやすくなります。BIツール(Tableau、Microsoft Power BIなど)を用いることで、複雑なデータも簡単に可視化できます。

結果の評価と施策の実行

分析結果を評価し、それをもとに施策の検討・実行につなげます。

例えば、顧客分析の結果からターゲット層を見直し、新たなマーケティング戦略を立案する、需要予測の結果を活用して在庫管理を最適化するなどが挙げられます。

代表的な10のデータ分析手法

ここからは代表的な10のデータ分析手法を紹介します。

1.アソシエーション分析

アソシエーション分析は、データ内の項目間の関連性を導き出す手法です。バスケット分析に代表されるように、買い物かご内に同時購入された商品を調べ、顧客が同時に購入する商品やサービスのパターンを見つけるために活用します。

例えばスーパーで牛乳とパンが同時購入されやすい場合、それらを近い棚に配置したりセット割引を行ったりすることで売上向上を図ります。

アソシエーション分析は、特に販売促進策やクロスセル(関連商品の提案)戦略を立案する際に有効です。

2.クロス集計

クロス集計は、2つ以上の変数間の関係性を可視化し、比較分析する手法です。主に、アンケートやマーケティング調査などで取得したカテゴリのデータ(例:性別、地域、購買履歴)を組み合わせて集計を行い、各変数間の関連を明らかにします。

例えば、性別と製品の購入状況をクロス集計することで、「男性は製品Aをよく購入し、女性は製品Bを好む」といった傾向が分かります。

クロス集計は、データのパターンや傾向を簡単に把握するのに役立ち、マーケティング戦略の立案やセグメント分析などでよく使われます。多面的に比較することで、新たな洞察が得られる場合も少なくありません。

3.因子分析

因子分析は、多くの変数(データ)を要因(因子)に集約して理解しやすくする手法です。

例えば、顧客の購買行動に関する多くの質問項目(価格、品質、ブランドなど)がある場合、因子分析を使うと、これらの項目が「価格重視」「品質重視」といった潜在的な要因(因子)に集約されます。これにより、多次元のデータを簡潔に整理し、データ間の隠れた関係を見つけやすくなります。

因子分析は主に、調査データや心理学的データの解析で用いられ、アンケート結果から顧客が重要視している要素を抽出したり、商品の特性に関する重要な因子を特定したりするのに役立ちます。因子分析を使うことで、複雑なデータを理解しやすくし、意思決定や戦略立案に役立てることができます。

4.クラスター分析

クラスター分析は、似た特徴を持つデータをグループ(クラスター)に分ける手法です。

クラスター分析の代表的な手法には、k-means法や階層的クラスタリングがあります。k-means法では、指定した数のクラスターにデータを分けるのに対して、階層的クラスタリングでは、データ間の類似度に基づいて階層的にグループ化します。

クラスター分析は、マーケティングや顧客分析だけでなく、画像処理や異常検知など、さまざまな分野で活用されています。データのパターンを明確にし、効率的な意思決定に役立ちます。

5.決定木分析

決定木分析は、データを分類・予測するための手法で、データを「木」のような構造に分割していきます。データの特徴に基づいて、質問を順番に投げかけ、最終的に「クラス」や「結果」に分類します。

例えば、顧客が製品を購入するかどうかを予測する際に、最初に「年齢は20代か?」といった質問をし、その結果に基づいて次の質問(例:年収は高いか?)をしていきます。このようにして最終的に「購入する」か「購入しない」かを予測します。

決定木は視覚的に理解しやすいため、ビジネスやマーケティングでよく使われます。

6.ABC分析

ABC分析は、在庫管理や売上分析などで使われる手法で、データを3つのグループ(A、B、C)に分けて重要度を評価する方法です。この分析は、パレートの法則(80対20の法則)に基づいています。

ABC分析を活用すると、重要なリソースを効率的に配分することができます。

7.ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、目的変数が「0」または「1」のような二値データである場合に使われる統計手法で、ある事象が起きる確率を予測するために使用されます。「ある・ない」を判断したい局面で特に有用です。

2つの選択肢のどちらが起こる可能性が高いかを予測するため、マーケティングや医療分野でのリスク予測や、顧客の行動予測に広く利用されています。

8.主成分分析

主成分分析は、複数の変数を持つデータを少ない数の「主成分」にまとめることで、データを簡潔にし、理解しやすくする手法です。

例えば、顧客の購買履歴に関する多くのデータ(年齢、性別、収入、購入金額など)があるとき、主成分分析を使うことで、これらの情報を数個の主成分にまとめ、データを単純化できます。

主成分分析は、データの可視化や特徴抽出に有用で、例えばマーケティング戦略や顧客分析、顔認識技術などで利用されます。

9.時系列分析

時系列分析は、時間軸に沿って変化するデータを用いて過去のパターンやトレンドを捉え、将来の予測を行う手法です。

例えば、過去の売上データを使って、次の月の売上がどうなるかを予測したり、季節的な影響を考慮して適切な在庫量を決めたりする際に役立ちます。

時系列データには、季節性(季節ごとの変動)、トレンド(長期的な増減)、ランダム変動(予測できない変動)など、さまざまな要素が含まれています。時系列分析を使うと、これらの要素を分けて理解し、未来のデータを予測することができます。

時系列分析は、ビジネスや経済、天候予測など、さまざまな分野で活用されています。

10.グレイモデル分析

グレイモデル分析は、限られたデータや不確実な環境下での将来予測を可能にする分析手法です。新規事業や新興市場など、過去のデータが十分にない状況でも有効で、将来の傾向や変動を予測するのに使われます。

この手法では、データを段階的に処理し、少ないサンプルからパターンを抽出して、未来のデータを予測します。例えば、ある商品の販売データが少ない場合でも、グレイモデルを使用することで、売上の傾向や将来の需要を予測することができます。

グレイモデルは、特にデータが少ない分野で有用で、製造業や需給予測、在庫管理など、さまざまな分野で活用されています。

データ分析で活用できるツールやソフトウェア

データ分析を進める上で、使いやすさや処理規模に合わせたツール選びが不可欠です。ここでは代表的なツール例を挙げます。

Excel・スプレッドシート

ExcelやGoogleスプレッドシートは、初心者でも扱いやすく、多くの企業で活用されているツールです。ピボットテーブルやフィルタ機能で簡易的な集計が行えます。

Excelの関数を駆使して一定程度の分析も可能ですが、大規模なデータや高度な分析には限界があります。また、自由度が高い分ヒューマンエラーも起きやすくなるため、常にデータのバージョン管理や整合性チェックが求められます。使用時にはチーム内でルールを決めておくことが大切です。

Python

Pythonは、大容量データや高度な機械学習に対応できるため、本格的なデータ分析や自動化に向いています。カスタマイズ性が高く、ユーザー独自の要件に合わせた分析ワークフローを組むことができます。

一方で初心者にも使いやすく、データの整理や分析、グラフ作成などが容易にできる点も特徴です。

BIツール

BI(Business Intelligence)ツールは、大量のデータを収集・整理し、視覚的に分析できるツールです。グラフやダッシュボードを簡単に作成し、複雑なデータを視覚化することで、トレンドやパターンを素早く把握でき、迅速な意思決定を支援します。

代表的なBIツールには、TableauやMicrosoft Power BI、QlikViewなどが挙げられます。

ウェブスクレイピングツールやデータ処理ツール

ウェブスクレイピングツールは、ウェブサイトから自動的に情報を抽出するためのツールです。指定したウェブページを訪問し、そのページのHTMLコードを解析して必要なデータを抽出します。例えば、Pythonの「Beautiful Soup」や「Scrapy」などが代表的なツールで、抽出したデータはCSVやデータベースに保存することができます。

ビジネスやリサーチ、競合調査などで広く利用されており、定期的なデータ収集や分析に役立ちます。ただし、スクレイピングを行う際は、対象ウェブサイトの利用規約や法律を守ることが重要です。

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データ分析の重要性が高まる一方で、「自社の人材が十分にデータを活用できていない」「研修を実施しても定着しない」といった課題を抱える企業は少なくありません。

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まとめ

データ分析を活用することで、企業は市場の変動に迅速に対応し、戦略的な意思決定を行うことができます。適切な分析手法を取り入れることで、データから得られるインサイトを最大限に活用し、競争力強化につなげましょう。