2024年03月21日
2025年02月07日
ChatGPTに代表されるAIなどの急進的な技術革新により、DX(デジタルトランスフォーメーション)は加速しています。業態・業種・企業規模を問わず、デジタルシフトが求められます。
企業はDXを推進するために必要なデジタル人材の確保が必須と言えます。デジタル人材に必要なスキルとして、特に重要なのが「プログラミングスキル」です。しかし、重要だとわかってはいても、高いプログラミングスキルを持つ人材の確保や育成に、難しさを感じている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、企業におけるプログラミングスキルを持つ人材の重要性について解説します。
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多くの企業では、DX人材の育成において「即戦力となるDX人材が不足している」「自社に合ったプログラムが無い」「研修成果が不透明」といった課題を抱えています。
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目次
プログラミングスキルとは、プログラミング言語を利用して、コンピューターに対して特定のタスクを実行させるために必要な指示を作成する能力です。プログラミングスキルを習得することで、Webサービスやアプリケーションを作成したり、日々の業務プロセスを自動化する社内システムを構築したりすることができます。
また、プログラミング言語を扱うことだけがプログラミングスキルではありません。高品質のプログラムを書くためには、複雑な問題を効果的に解決する問題解決能力が必要です。そして多くのプロジェクトではチームでの作業を行うため、他の人が読みやすい可読性の高いコードを書いたり、バージョン管理ツールを使用したりして、他の開発者とコミュニケーションを取りながら進めていく能力も必要になります。
プログラミングスキルについて、経済産業省は「デジタルスキル標準ver.1.1」においてDXの文脈で整理しています。同資料ではDX推進に必要な人材として、「ビジネスアーキテクト」「デザイナー」「データサイエンティスト」「ソフトウェアエンジニア」「サイバーセキュリティ」の5つを定義しています。
このうち、プログラマーの一般的なイメージに近いものは「ソフトウェアエンジニア」でしょう。ソフトウェアエンジニアとは「DXの推進において、デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う人材」です。インターフェース(フロントエンド)やサーバーサイド(バックエンド)の機能の最適化や、クラウドインフラの構築など、その領域は幅広くあります。
近年、多くの企業がDXを進めている状況で、自社の競争優位性を高めるためにも独自にDXを推進する必要があります。経済産業省の「デジタルスキル標準」でも整理されているように、DXにおいてプログラミングは必須要件です。そのため、社員にプログラミングスキルを身につけさせることは、多くの企業にとって重要な経営課題だと言えます。
もちろん、プログラミングスキルを保有する人材を採用するという選択肢もあります。しかし、日本ではIT人材が不足しているため、高度なスキルを持ち、かつDXを推進できるほどの人材の採用は困難です。また、自社ニーズや課題を正しく把握し、ビジネス環境に柔軟に対応しながら継続的にDXを進めるためには内製化が必要になります。そのため、自社でプログラミングスキルを持つ人材を育成し、人材不足問題を解消しつつ、DX推進体制を整えていくことが重要なのです。
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プログラミングスキルを身に着け、向上することによって実現する4つのメリットをご紹介します。
プログラミングスキルを持つ人材がいることで、DXを加速する上で必要なソフトウェア開発をアウトソースすることなく、自社内でワンストップかつ、スピーディーに実装できます。
社内で人材がアサインできない場合は、アウトソーシングを活用して人材不足を補うこともできますが、コストがかかることやセキュリティ面のリスクが高まるデメリットがある点は、注意が必要です。
業務プロセスを改善するためには、その前段階として現状の課題をデータ分析する必要があります。プログラミング言語Pythonを使うことで、細かいデータ分析を行えます。
・Webマーケティング
Pythonを使ってWebサイトのアクセス解析やSEO、広告効果測定などを行うことで、マーケティング戦略の最適化やコンバージョン率の向上などが可能です。
・WordやExcelの操作
Pythonを使ってWordやExcelのファイルを読み書きしたり、グラフや表を作成、データの加工や集計を行ったりすることで、文書作成やレポート作成などの業務効率化が可能です。
・GoogleスプレッドシートやCSVの操作
Pythonを使ってGoogleスプレッドシートやCSVファイルを読み書きしたり、データの集計や解析を行ったりすることで、データ管理や共有などの業務効率化が可能です。
Python以外にも、R言語を使ったデータ分析も可能です。R言語でも、Pythonと同じようにWebサイトのアクセス解析やWord、Excelの操作が可能です。両者の違いは、以下の通りです。
R言語 | Python | |
---|---|---|
特徴 | 統計解析に特化した言語のため、データを処理して説明することに長けている | 機械学習やアプリ開発などに強みを持つ汎用的な言語のため、データから予測することに長けている |
パッケージ | 統計解析や可視化に関するパッケージが豊富 専門的な分析を行うことが容易 |
機械学習や深層学習に関するパッケージが豊富 高度なモデル構築を行うことが可能 |
コーディング | シンプルで直感的なコードを書けるが、文法や記法が独特で、他の言語との互換性が低い | 読みやすく柔軟なコードを書けるが、インデントやスペースに厳密で、エラーが発生しやすい |
社内にプログラミングスキルを持つ人材がいることによって、1つの部署に固定せず、部署をまたいで活躍してもらえます。また、社員が即戦力として活躍することで組織力の強化につながります。結果的に社員のエンゲージメントが向上し、会社への帰属意識が高まるメリットがあります。
プログラミングスキルの向上は、社員にとって将来的な価値と成長の機会をもたらします。まず、IT分野は成長が続いており、今後も日本では人材不足が予測されています。そのため、プログラミングを学ぶことでキャリアの安定や市場価値が高まります。また、プログラミングを通じて論理的思考力や課題解決能力も養われ、仕事の質も向上します。
プログラミングスキルの中にもいくつかの知識・スキルがあります。
プログラミングスキルとは、コンピューターに指示を伝えるためのプログラミング言語を使って、ソフトウェアを開発する能力です。アイデアを形にしたり、問題を解決へと導いたり、最も重要なスキルと言えるでしょう。
プログラマーは、設計書に沿ってプログラミング言語でコードを書き、プログラムを作っていきますが、実際の業務では、ハードウェアの知識も求められます。昨今、業務効率化を図るためにIoT(Internet of Things、モノのインターネット)導入の取り組みが広がっています。
例えば経済産業省では、電子タグ、電子レシート、カメラなどのツールを活用し、店舗をスマート化する動きを行っています。これまで把握できなかったデータを解析し、サプライチェーンで共有することで、最適な流通の実現を目指しています。
すべての商品に電子タグが貼り付けされれば、電子タグの情報を電波で読み取ることで、いつ、どこに、何の商品が、どの程度流通しているかを簡単に把握できるようになります。
電子タグから取得された情報をメーカー・卸を含むサプライチェーン上で共有できれば、市場に流通している在庫量を踏まえてメーカーが生産量を柔軟に調整したり、トラックの空き情報を共有して共同配送を進めたりするなど、製造・物流・卸・小売の垣根を越えたムダの削減を実現することが可能です。
このようなIoTの導入には、必然的にハードウェアの知識が必要になります。
コンピューターやサーバーなどの機器を接続する方法がわかり、実践できることが大事です。
前述した、経済産業省が定めた「デジタルスキル標準」では「DXで活用されるデータ・技術」を定義しており、その中に「ネットワーク」も含まれています。
ネットワークについて必要な学習内容としては「ネットワークの仕組み(LAN・WAN、 通信プロトコル)、インターネットサービス(電子メール)、 最新の技術動向 」があります。
プログラミングスキルの学習方法としては以下に挙げる、資格取得、勉強会、自社研修があげられます。
企業によるOJT(On The Job Training)でプログラミングの学習指導を行う場合もありますが、実際にはOJT担当者が他の社員への指導を行うため、自ずとOJT担当者にも業務負荷が掛かり、最適解とは言い難いでしょう。
したがって、企業主導で外部プログラムやリソースを活用して社員がプログラミングスキルを学習する流れが必要です。
プログラミング関連の資格勉強を通して復習ができ、資格を取得すれば社員のプログラミングスキルの証明にもなります。
経済産業省が認定しているプログラマーの国家資格は、基本情報技術者試験です。これは、システムエンジニアやプログラマーの基礎スキルがあることを証明できる試験です。他にも、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が認定している、応用情報技術者試験(AP)やITパスポート試験などの国家資格があります。
日本全国でさまざまな団体がプログラミングの勉強会を定期的に実施しています。勉強会に参加することを通して社外のプログラマーたちとの交流になり、社員の技術力を高めることにもつながります。
勉強会を検索するときの代表的なサイトを3つ紹介します。
Peatix | イベントやコミュニティの管理・運営ができるサービス。ユーザー数は620万人、コミュニティ数は11万件にのぼる。エンターテインメントからライフスタイル、スキルアップ・ビジネスまで、幅広いジャンルのイベントが集まっている。 |
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Doorkeeper | コミュニティベースのイベント運営・管理ツール。QRコードチケットで受付がスムーズ、メルマガでイベントの情報やフォローアップが届く。 |
TECH PLAY | さまざまなテーマや分野のIT勉強会・イベントを開催。例えば、プログラミング言語、フレームワーク、デザイン、マーケティング、AI、ブロックチェーンなど。イベントカレンダーから開催日時や地域でイベントを探すことができる。 |
自社でプログラミングスキル向上の研修を行うこともできますが、研修の準備や講師の確保にも課題や限界があるのではないでしょうか。
研修を実施するには、カリキュラムの構築から教材の準備、適切な講師の選定までさまざまな段階が必要です。しかし、これらのプロセスは組織内の他の業務との兼ね合いや時間の制約などが影響を及ぼすことがあります。
また、適切な講師を確保することも課題となりえます。外部の専門講師を招くことも検討する一方で、その費用やスケジュールの調整も考慮が必要です。したがって、内部での研修展開にも外部のリソースやサポートを上手に取り入れることで、効果的なプログラミングスキル向上の環境を構築できるでしょう。
DX人材の育成に向けた手段やノウハウがない場合は、外部プログラムやリソースの活用も選択肢のひとつです。パーソルイノベーションが提供する「リスキリング キャンプ」はDX人材の新規スキルの習得と定着を支援しています。
【関連記事】プログラミング研修とは?おすすめの研修と効果的な実施方法を解説
パーソルホールディングスの「DX推進に関する最新動向調査」によると、DX推進の障壁としては、「推進のためのスキルをもった人材を社内で育成できない」(21.1%)が1位、「セキュリティ対策に不安がある」(19.9%)が2位という結果でした。
プログラミングスキルを持つ人材が社内に必要だとわかっても、何から手を付ければ良いかわからない方も多いのではないでしょうか。
DXを進める上で学ぶべき内容とは何かが曖昧であったり、DXの手段やノウハウを社内に持っていなかったりすることもあります。社内だけで解決しようとするのでなく、専門的な立場からDX推進に必要な学びを提供する、外部プログラムやリソースの活用も解決策の一助となるでしょう。
パーソルイノベーションが提供する法人向けDXラーニングサービス「リスキリング キャンプ」の「プログラマー道場」は、DX時代に評価される自走できる人材を生み出す学習プログラムです。最適なカリキュラム設計とコーチによる学習伴走をワンパッケージで提供し、さらにDX人材の新規スキルの習得と定着を支援できます。
DX人材育成に課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ここでは、「リスキリング キャンプ」の「プログラマー道場」を導入して、プログラミングスキルを持つDX人材を教育することに成功した企業の事例をご紹介します。
社員数2,000人規模のIT派遣企業では、何から改善すべきか優先順位がわからず課題を抱えていました。そこで、リスキリングキャンプを導入しました。
導入後は、技術力だけでなく、コミュニケーション力、実現力、改善提案力といった顧客が求める要素も含め、総合的な育成に着手。また、コーチから詳細なフィードバックが得られたことで、改善すべきポイントが明確になり、学習者も管理者側も改善に積極的に取り組めるようになりました。
導入から3か月で課題が具体化され、改善の進捗が可視化されたことで、学習者の自走力向上も実感しているそうです。
社員数500人規模のIT企業では、新しい技術を学ぶ環境を十分に提供できず、成長意欲の高いエンジニアが他社へ転職してしまうことが課題でした。意欲的な人材の離脱は組織全体にとって大きな損失であり、経営にも影響を及ぼしていました。
そこでリスキリングキャンプを導入。導入後は、実務に近い難易度の高い課題に挑戦したり、コーチや仲間と協力し賞賛し合いながら学べる環境が整い、エンジニアたちは自分の成長を実感できるようになりました。この効果により、意欲の高い人材の定着も期待されています。
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DX推進に向けては社内人材のプログラミングスキルが重要となってきます。しかし、プログラミングスキルが必要とはわかっていても、社内だけで人材を確保・育成することは難しいことが多いでしょう。社内だけで解決しようとするのでなく、専門的な立場から必要な学びを提供する、外部プログラムやリソースの活用も解決策の一助となります。