新規市場開拓の進め方とは?具体的な事例やポイントを解説

新規市場開拓は、企業の成長や競争優位の確立のために重要な戦略です。既存市場が飽和している場合や新たな成長機会を求める際に有効です。ただし、新たな市場に挑戦することはリスクも伴います。

本記事では、新規市場開拓の戦略について、具体的なステップや成功事例とともに詳しく解説します。

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目次

新規市場の開拓とは?

新規市場開拓とは、既存の製品・サービスを新しい市場に展開する戦略を指します。新規市場開拓が成功すれば、新規顧客の獲得や収益の増加、競争力の強化が期待できます。新規市場開拓には、異なるエリアやターゲット、または新しい製品カテゴリーへの参入が含まれます。そこで、市場開拓のために製品・サービスのアップデートを行うケースも少なくありません。

例えば、ユニクロで知られるファーストリテイリングがアジアやヨーロッパ市場に進出し、それぞれの地域の文化や気候に合わせた商品を展開したケースは、新規市場開拓の成功例と言えます。このように、製品・サービスを新規市場に適応させることで、競争優位を得る可能性もあります。

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アンゾフの成長マトリクス

企業の成長戦略を検討するためのフレームワークに「アンゾフの成長マトリクス」があります。企業が成長を図るために取るべき戦略を「市場」と「製品」の2軸に基づき、4つに分類しています。

アンゾフの成長マトリクス
    • 市場浸透(既存市場×既存製品):既存市場でのシェア拡大を図る戦略
    • 新製品開発(既存市場×新規製品):既存市場に新製品を投入する戦略
    • 新市場開拓(新規市場×既存製品):既存製品を新しい市場に導入する戦略
    • 多角化(新規市場×新規製品):新製品を新市場に展開する戦略

アンゾフの成長マトリクスは、企業が今後どのような市場・製品で成長を図ることができるかを考えるための指針として活用できます。自社の状況や市場環境に応じて、どの戦略が適切かを判断し、成長を実現するための具体的なアクションを取ることが重要です。

【関連記事】多角化戦略とは?メリット・デメリット・リスクを具体例とともに解説

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新規市場開拓のメリット

新規市場開拓が成功すれば、売上拡大など多くのメリットがもたらされます。

事業拡大

新規市場開拓の最大のメリットは事業拡大です。既存市場が飽和状態にある場合、新規市場に進出することで新たな収益源を確保することができます。

例えば、国内市場で成功した製品・サービスを海外に展開することで、より広範な顧客層にアプローチでき、売上拡大が見込めます。

リスク分散

特定の市場に依存することは、リスクを伴います。なぜなら、その市場で経済的な変動や競争強化、法規制などの影響があった場合、大きな打撃を受けてしまうからです。複数の市場に展開していることでリスクを分散することができます。

例えば、国内市場が不況になった場合も、海外市場で事業が安定していれば、企業全体の業績への影響が軽減できるでしょう。

競争優位性確立

新規市場への早期参入は、競争優位性の確立につながります。競争が激化していない市場で先行して、顧客を獲得することで、ブランド認知が高まり、有利なポジションを築くことができます。価格競争に巻き込まれるリスクが軽減し、利益率の向上にも寄与します。

製品・サービスのイノベーション

新規市場に参入する際には、既存市場と異なるニーズに対応しなければならないため、製品・サービスのカスタマイズが必要となることが多いでしょう。このプロセスで新たなアイデアや技術が生まれることで製品・サービスの競争力が高まります。新しい市場での成功事例を既存市場に生かすことで、企業全体の製品・サービスの品質向上にもつながります。

新規市場開拓の具体的なステップ

新規市場開拓の成功には、慎重な準備が欠かせません。市場の特性や競争環境を理解し、適切な戦略を立案・実行することで、リスクを最小限に抑えつつ成果につながる可能性が高まるでしょう。

1.市場調査

まずは、市場調査を行います。ターゲットとする市場の規模や成長性、競争環境、顧客のニーズや行動パターンを把握しましょう。このステップを踏むことで、市場への適合性や成功の可能性を評価することができます。

市場調査は、一次調査と二次調査の2つに分けられます。一次調査は、アンケート調査やインタビューなどを通じて新たにデータを収集する方法です。二次調査は、既存のデータやレポートを活用する方法で、業界動向や競合分析に役立ちます。

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2.ターゲット選定

市場調査をもとに、どの市場に進出するかを選定します。選定の際には、市場の魅力度と自社の強みを照らし合わせ、最も適した市場を選定することが重要です。自社の製品やサービスに合致し、成長の機会があるかを慎重に検討しましょう。

3.戦略策定

ターゲットとなる市場が明確になったら、具体的な戦略を策定します。ここでは、4P(Product、Price、Place、Promotion)のマーケティングミックスを用いて、「製品」「価格」「流通」「プロモーション」の4つの戦略を設計します。

    • 製品(Product):新規市場の顧客ニーズに応じて、改良します。現地の文化や嗜好に合わせたカスタマイズも含まれます。
    • 価格(Price):競合他社の価格設定を考慮しつつ、利益率を確保できる価格を設定します。
    • 流通(Place):顧客にリーチするための最適なチャネルを選定します。現地の販売代理店やパートナー企業との提携、オンラインチャネルの活用などが考えられます。
    • プロモーション(Promotion):新規市場でのブランド認知度を高め、顧客にアプローチするためのプロモーション活動を計画します。デジタルマーケティングやPR活動、イベント開催など、多岐にわたる手法を組み合わせます。

4.テスト導入

戦略が策定できたら、いきなり本格的に参入するのではなく、テストマーケティングを行うのが賢明です。リスクを最小限に抑えながら市場の反応を確認できます。テスト導入は特定の地域や顧客セグメントに限定して行うのが一般的です。

テスト導入ではA/Bテストを行って、異なる戦略やプロモーションの結果を比較検証できると望ましいでしょう。得られたフィードバックをもとに、製品・サービス、戦略を改善した上で、本格的な市場参入に向けて準備を整えることが、このステップの目的です。

5.市場参入

戦略が整ったら、本格的に市場に参入します。販売活動を加速させ、プロモーションを強化し、顧客基盤の拡大を目指します。

新たな地域での市場参入時には、現地のビジネスパートナーとの協力が重要です。パートナー企業との協働によって、流通チャネルの確保や現地でのブランド認知度向上が期待できます。現地の法規制やビジネス習慣にも対応しながら、計画を推し進めましょう。

6.評価・改善

新規事業開拓は、市場に参入して終わりではありません。参入後も継続してパフォーマンスを評価し、必要に応じて戦略や活動を改善することが重要です。KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)を設定し、売上や顧客満足度、市場シェアなどを定期的にモニタリングしましょう。

このように新規市場開拓におけるPDCAサイクルを回し続けることで、長期的な事業成長が期待できます。市場の変化に迅速に対応し、顧客のフィードバックを反映させながら、新規市場における地位の確立を目指しましょう。

新規市場開拓を進める上でのポイント

新規市場開拓を進める上でのポイントについて解説します。

ターゲットを明確にする

新規市場開拓の成功には、明確なターゲット設定が欠かせません。市場調査を通じて、どの顧客層が自社の製品・サービスに最も適しているかを見極め、ターゲット顧客を明確に定義します。年齢や性別、収入、ライフスタイル、価値観といったさまざまな基準から細かく分析を行いましょう。

「ターゲットを象徴する人物」であるペルソナの設定も、ターゲットの明確化に有効です。ターゲットを具体的に設定することで、より効果的な戦略が策定できるでしょう。

市場を理解する

新規市場へ参入する前に、市場の情報収集を行いましょう。市場の規模や成長性、競合他社の動向、消費者のニーズや購買行動、法規制や文化的背景など、多角的な視点から情報を収集・分析します。これは、市場の機会とリスクを明確にし、最適な戦略を立案するのが目的です。

例えば、海外市場に参入する際は、現地の文化や習慣、競争環境への理解が欠かせません。顧客の価値観やニーズ次第では、製品やサービスのカスタマイズが必要となるでしょう。また、環境は絶えず変化するものです。情報収集は継続的に行い、市場の変化に迅速に対応できる体制を整えましょう。

新規市場開拓の事例

国内市場においても、多くの企業が新規市場の開拓によって成功しています。ここでは、2つの事例を紹介します。

ワークマン「ワークマン女子」

ワークマンは、もともとはプロフェッショナル向けの作業服ブランドとして知られていましたが、「ワークマン女子」の展開によって、一般消費者、特に女性向けの市場を開拓しました。

まずは、従来の男性作業員に向けたラインアップを、女性にも適したデザインへとリニューアルし、さらにアウトドアやキャンプ需要に対応した機能性とデザインを兼ね備えた商品を展開しています。ワークマンとしての従来のプロ向けブランドのイメージを保ちつつ、新たな顧客層の取り込みに成功しました。

サントリー「プレミアムボス」

サントリーの「BOSS」ブランドは、日本の缶コーヒー市場で長年の支持を得ていますが、「プレミアムボス」投入によって、新たな市場を開拓しました。

「プレミアムボス」は、従来の缶コーヒー市場とは異なる高級志向の消費者層をターゲットに据えて、素材や製法にこだわった商品を展開しています。缶コーヒーという既存市場において、高級志向の商品という違った切り口のプロダクトを求める層を新たに開拓し、市場の拡大を図っています。

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事業を成功へと導くために欠かせないのが「市場調査」です。特に、新規事業開発においては、市場調査によってマーケットを知り、顧客ニーズや想定し得るリスクを把握しておくことが、事業を軌道に乗せる重要なカギとなります。

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まとめ

新規市場開拓は、企業の成長を促進するための重要な戦略ですが、未知の市場に挑戦することはリスクも伴います。本記事で紹介したステップやポイントを参考にして、成功に導きましょう。