松田 崇弥|松田 文登
# # #

すべてが個性!障害者アーティストの“爆発”を支える若き双子兄弟

松田 崇弥|松田 文登

株式会社ヘラルボニー

兄・松田文登。東北学院大学共生社会経済学科卒業。大手ゼネコンで被災地再建に従事。
弟・松田崇弥は、東北芸術工科大学企画構想学科卒業。小山薫堂率いる企画会社オレンジ・アンド・パートナーズにプランナーとして入社。お互い別の道に進んだがある時、転機が訪れる。弟・崇弥が24歳の時に訪れた岩手県花巻市の「るんびにい美術館」。そこに展示される障害者の独創的で魅力にあふれたアート作品に大きな衝撃を受ける。その後、双子で障害者のアートをプロダクトに落とし込み、社会に提案するブランド「MUKU」を立ち上げる。2018年に社名「ヘラルボニー」とし株式会社を設立。
日本全国の主に知的な障害のある福祉施設や作家とライセンス契約を結び、2,000点以上のアートデータを軸に事業を展開。

  • 岩手県盛岡市にあるヘラルボニーのギャラリー。作品の説明をする松田崇弥(たかや)さんと文登(ふみと)さん

  • 地元企業の看板のデザインにヘラルボニーと契約する作家・小林覚さんの絵が採用された。

  • デザイン性の高さと事業への評価も高まり、全国の百貨店を中心に出店。

  • 知的障害者の手によるアートをビジネスに転換する企業 「ヘラルボニー」を創業した双子の松田崇弥(たかや)さんと文登(ふみと)さんの兄弟。

選考委員コメント

障害者の方々の仕事は、依頼する側がある種の手心を加えたり、購入する側が慈善活動的な文脈で購入したりすることが多かったのかもしれないと思うんです。しかし、彼らの仕事は障害者の方たちが持つ独特の想像力を活かして、それをきちんと市場で勝負できる形に落とし込んでマネタイズしています。とても素敵だと思いました。

選考委員・バービーさんより

彼らのイベントを観に行ったことがあります。実際、すごくかっこ良かった。障害者の方が描く作品は、その色彩や発想が少し違うところがありますが、その良さをきちんと商品に落とし込んでいました。そこにはセンスが必要です。ただ美談として終わらせるのではなく、ビジネスとして価値を生み出しているところが、特に僕が評価しているポイントです。

選考委員・呂布カルマさんより

受賞者コメント

この度は身に余る賞をいただきありがとうございます。私たちは4つ上の兄が先天性の知的障害を伴う自閉症で、小さい頃から兄に対して「かわいそう」と言われる機会が多くありました。私たち双子の中では彼が「かわいそう」という感覚はありません。しかし障害者という枠組みの中に入ってしまうと、社会的に「かわいそう」に見えてしまうところに大きな違和感がありました。そんな風潮を本気で変えていこうとチャレンジしたことが私たちのはじまりです。 「ヘラルボニー」とはそんな兄が、ノートや自由帳などいたるところに書いていた謎の言葉です。彼にとっては何かしら意味がある言葉なんだろうと思っています。重度の知的障害がある人たちが心では面白いと思っていても、それが周囲に伝わらない。そうしたものを可視化できる会社になりたいと思っております。ヘラルボニーという言葉がいつか共通言語になる、そんな未来に向けて一生懸命走っていきたいと思っています。

松田 崇弥|松田 文登

株式会社ヘラルボニー