西山 ももこ
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対話で、道具で、日本の文化を変えていく。ラブシーンの公交渉人

西山 ももこ

インティマシーコーディネーター

高校から大学卒業まで6年間、アイルランドで学生生活を送る。その後、チェコのプラハ芸術アカデミーに留学。2009年からは日本でアフリカ専門のコーディネート会社にて経験を積み、2016年よりフリーランスに転向。 月1~2回のペースでアフリカ、欧米、アジアでの海外ロケだけでなく、国内でのロケ、また国内外のイベント制作に携わる。 2020年にインティマシーコーディネーターの資格を取得。他、ハラスメント相談員、ハラスメントカウンセラーの資格も保持。

  • 雑誌の取材を受ける西山さん。インティマシーコーディネーターの仕事を知ってもらうために、取材は積極的に受けているという。

  • スーツケースの中身。ニップレス、パッド、ローションなど、撮影の台本を読んで必要なものを持っていく。

  • インティマシーコーディネーターは「あれはダメ」「これはダメ」と表現を取り締まるのではなく、監督が作品で表現したいことを最大限実現するために一緒に考えていく存在だと語る。

  • 最近通い始めたアクションスクール。アクションと濡れ場のシーンには共通するものがあるという。

選考委員コメント

日常生活の中でも「性的に嫌だな」と感じたことがある人はいると思います。そんな時に、声を出して主張することができないもどかしさを感じている人もいるのではないでしょうか。そうしたもどかしい気持ちを撮影現場で代弁してくださる西山さんのような存在は、多くの方々のはたらきやすさにつながっています。まさに「はたらくWell-being」を支える仕事をしていて、素晴らしいと思いました。

選考委員・池澤あやかさんより

僕たちは小さい頃からずっと何か夢中になることを推奨されて生きてきました。何かに熱中するあまり、いろいろなことを冷静に見れなくなったり、盲目的になってしまったりすることもあると思うんです。時には自分でも気づかないうちに、引き戻せない状況に陥ってしまうこともあります。しかし、だからといって「夢中にならない」「熱中しない」「真剣に生きない」冷めて生きる人生は寂しいですよね。
西山さんの活動は、盲目的になってしまうほど夢中になっている人に伴走し、その人が何かを冷静に見れなくなってしまっている時に、そっと耳元で囁いてあげたり、うまくフォローしてあげたりする。そうした存在がとても大切なのだと思います。こうしたパートナーシップを築いて、誰かをサポートしている人のWell-beingもあるのだと感じました。

選考委員・若新雄純さんより

受賞者コメント

本日は『はたらくWell-being AWARDS by PERSOL』に表彰いただきありがとうございます。以前の私はアフリカのロケをメインに活動するコーディネーターでした。依頼主からのオーダーすべてにイエスと言うことがいいコーディネーターだと思っていたのですが、それが果たして人のためになっているのかと疑問を感じるようになりました。「これは一度立ち止まって考えなければならない」と感じたことがインティマシーコーディネーターとして活動するようになったきっかけです。 インティマシーコーディネーターはまだ新しい仕事で、私自身、特段何かを成し遂げたわけではありません。自分は世間に対して何ができるのか、社会をどのように変えていけるかということを、これからも模索し続けていきたいと思います。