ミレニアル世代とZ世代の特徴、組織づくりにおけるポイントを徹底解説

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ミレニアル世代とは、21世紀初頭に成人または社会人となった世代で、続く世代がZ世代と呼ばれます。SNSを駆使するデジタルネイティブで、社会貢献へ高い意識をもち、個人主義だが仲間とのつながりを大事にする世代です。2025年にはこれらの世代が労働力の約50%を占めると言われています。ミレニアル世代、Z世代の特徴や仕事・はたらき方に対する価値観を人事の観点からも詳しく解説します。

目次

ミレニアル世代とは

1981年から1996年生まれの世代

「ミレニアル世代」という言葉はアメリカで生まれました。「千年紀」を意味する「Millennial」から派生した言葉で、アメリカにおいて2000年代初めに成年期を迎えた世代のことを指します。

アメリカのシンクタンクであるピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)では、ミレニアル世代を1981年から1996年に生まれた人たちとしています。2020年現在24歳から39歳にあたり、その人口はアメリカ全体の約2割、7000万人以上にものぼります。

日本におけるミレニアル世代の数は約2150万人で、人口の約17%を占めています。(総理府統計局「人口推計」2019年10月1日現在)

では、ミレニアル世代はどんな特徴をもっているのでしょうか。

ミレニアル世代はデジタルネイティブ

ミレニアル世代の最大の特徴は「デジタルネイティブ」であるということ。つまりPCやスマートフォンなどのデジタル機器が当たり前の時代に育った世代です。

アメリカで初代iPhoneが発売されたのが2007年で、ミレニアル世代がミドルスクール(日本の中学校にあたる)やハイスクールの時代には、すでに身の回りにはPCやスマートフォンがありました。そのため、何か情報を知りたいときはGoogleなどで検索したり、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを使ったりして、これらの投稿のなかから知りたい情報を得るのにも積極的で、比較的高いリテラシーをもっています。

またミレニアル世代にとってメッセージや画像などをSNSで投稿することは、ごく普通のことで、自ら情報を発信している点にも注目です。

多様性に対して柔軟な世代

また彼/女らは、それ以前の世代とは異なる価値観をもっています。人はそれぞれ異なる考えをもっていること、他人と価値観が異なることを当然と考えているのです。

そのため、ミレニアル世代は多様性=ダイバーシティを当たり前ととらえています。
たとえば、人種やジェンダーの違いもごく自然なものとして受け入れているようです。その一方、他人と同じであることを好まない人も多く、自分らしさを大切にするのもミレニアル世代の特徴とされます。

その理由として、SNSを通じて社会的背景やさまざまな考えをもつ人とコミュニケーションを行う機会が多いことが背景として挙げられています。

ミレニアル世代はモノの所有や消費にお金を使わない

消費性向でいうと、モノよりコト。物質的な豊かさよりも、精神的な豊かさを求めることに関心が強いようです。

前の世代はマイホームやクルマ、ブランドファッションなど「モノ」を購入するためにお金を使うことに強い関心をもつ傾向がありました。これに対し、ミレニアル世代は必要以上にモノを手に入れることを好まない傾向があるとされます。

ミレニアル世代がお金を使うのは、自分が興味をもっている「体験=コト」に対してです。コトとは、イベントやアクティビティなどを指します。これらへの参加を通じ、自分にとって有意義な時間を過ごすことが「コト消費」です。

ミレニアル世代ははたらき方に自由を求める

前の世代にとって「仕事に就く」ことは企業への就職と同義語でした。特に日本では、企業への就職は終身雇用が当たり前でした。

これに対して、ミレニアル世代は終身雇用にあまり執着しない傾向があります。就職した企業で自身のキャリアアップが望めなくなったり、自身の価値観との違いを感じたりしたら、転職を積極的に選択するのもミレニアル世代です。

はたらき方に自由を求め、一度企業に就職しても起業を考えている人も少なくないようです。

より社会貢献性の高い仕事に興味があるのもミレニアル世代の特徴とされます。

ミレニアル世代とZ世代の違い

ミレニアル世代の次にあたるZ世代

今日では「Z世代」という言葉も、よく目にするようになりました。「Z世代」とは 「ミレニアル世代」に続いて生まれた新しい世代のことです。前出のピュー・リサーチ・センターでは、Z世代を1997~2012年に生まれた人たちとしています。

Z世代はミレニアル世代にとって代わる存在として多くの企業から注目されています。特に大きな関心をもって注目しているのがマーケティング部門です。

Z世代は生粋のデジタルネイティブでネットネイティブ

ミレニアル世代は「デジタルネイティブ」と説明しました。いわばその第1世代にあたるのがミレニアル世代です。

これに対し「デジタルネイティブ第2世代」と言えるのがZ世代です。Z世代は生まれたときからデジタル環境で育っていることから、生粋のデジタルネイティブといえる存在です。

特にZ世代は、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSをミレニアル世代よりも積極的に使い、常に新しい情報を吸収しているようです。いわば、ネットネイティブでもあるわけです。なかでもSNSへの投稿を通じて自己表現することが習慣として身についているとされます。そのため、SNS上で自分と同じ考え方や意見をもった人々とつながることを好む傾向が強いようです。

具体的には、SNS上で拡散する社会問題に対する意見にも表れます。2020年にアメリカで起こった「ブラック・ライヴズ・マター(BLM)」運動や、LGBTなど社会的マイノリティの権利獲得に対する活動について、SNSを通じて積極的に意見を発信するのもその一例といえるでしょう。

Z世代はリアルを求め、仕事に対して堅実な面も

Z世代はミレニアル世代以上に他人と同じように見られることを嫌う傾向が強いとされます。そのためZ世代はよりユニークな商品や体験にお金を使うことに意義を感じています。

たとえば、レコードやフィルムカメラなどアナログなものに対する関心が高いことからも、「新しさ」ではなく「ユニークさ」や「リアルさ」がお金を使う際の「ものさし」となっていることがうかがえます。

一方で、Z世代は仕事に対しては意外と保守的な考えをもっているようです。

日本生産性本部が行った「2016年度 新入社員 春の意識調査」によれば、「仕事を通して発揮した能力をもとにして評価が決まり、同期入社でも昇格に差が付く職場」よりも「年齢や経験によって、平均的に昇格していく職場」を望む人の割合が調査開始以来最高となりました。このことから、年功序列での昇格を望む傾向が強いことがわかります。

背景として「これからの社会人生活は不安より期待の方が大きいことが理由」と日本生産性本部は分析しています。

ミレニアル世代とZ世代の特徴のまとめ

ミレニアル世代とZ世代の特徴のまとめ

マーケティング視点からのミレニアル世代へのアプローチ法

SNSの「口コミ」を活用

ミレニアル世代はSNSを駆使し、数多くの投稿のなかから知りたい情報を得るのにも積極的であることを説明しました。このようなミレニアル世代への効果的なアプローチ法はSNSを通じた「口コミ」です。

SNSを通じた「口コミ」を行うにはインフルエンサーの存在が欠かせません。インフルエンサーとは、SNS上で自身が購入した製品や利用したサービスの感想を発信する人のことです。インフルエンサーが発信する感想は「口コミ」となって多くのフォロワーに拡散します。そして、フォロワー数が多ければ多いほど広告効果は大きくなるのです。

コンサルティング会社であるデロイトトーマツが行った「デジタルメディア利用実態調査―日本編―」(2018年9月)によると、ミレニアル世代が商品やサービスを購入する際、企業のソーシャルメディアへの取り組みを重視する傾向が明らかになっています。

Q.企業のソーシャルメディア利用に関する記述にどの程度同意しますか?(「非常にそう思う」「ある程度そう思う」の合計:%)

【出典】「デジタルメディア利用実態調査―日本編―」(デロイトトーマツ 2018年9月)より抜粋
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/technology-media-and-telecommunications/articles/md/digital-media-trends-survey.html

コストパフォーマンスを意識した商品開発を

さらにミレニアル世代は、商品やサービスの購買行動においてムダを嫌い、効率の良さを求める傾向があります。その結果、ミレニアル世代はコストパフォーマンスを強く意識し、商品やサービスを選ぶ傾向が強いとされます。コストパフォーマンスとは決して「価格の安いもの」ではありません。ミレニアル世代にとってコストパフォーマンスが良いものとは「お金を払う価値のあるもの」です。

したがって、ミレニアル世代に対しては、コストパフォーマンスを意識した商品やサービスの開発が求められます。これにより、商品やサービスを利用することで得られるメリットや価値が伝わりやすくなることが期待できます。

表面的なメリットよりも本質を訴求する

またミレニアル世代は、他の人と同じであることを好みません。モノを所有することで自分を満足させることに積極的ではありません。

カーシェアをはじめとするシェアリングエコノミーや、定額料金を支払うことで商品やサービスを一定期間利用できるサブスクリプションサービス(通称:サブスク)が支持されている背景には、ミレニアル世代の存在があるとされます。

ミレニアル世代には、その商品やサービスを通じてどのようなメリットが得られるのか、表面的な部分よりもより本質的な部分をアピールすることも有効とされます。

「環境負荷が少ない」「フェアトレードによる商品である」など、持続可能(サステナブル)な社会の実現に向け、課題の解決につながる商品であることもミレニアル世代には支持されるようです。

仕事・組織に対するミレニアル世代の意識

自社に対するロイヤリティを高める施策を

自身の価値観を大切にするミレニアル世代の特徴は、仕事に対する考え方にも表れています。

日本生産性本部が行った「2018年度 新入社員 春の意識調査」によれば、「自分のキャリアプランに反する仕事を、我慢して続けるのは無意味だ」という設問に対して「そう思う」と答えた割合が83.5%でした。この結果から見えてくるのは、ミレニアル世代は自社に対するロイヤリティ=帰属意識・愛社精神があまり強くないという点です。同調査では転職についても肯定的に考えている割合が60%近くあることもわかりました。

人材を定着させ離職を防ぐためにも、社員の能力が最大限に発揮できる環境を整備することが求められます。社員のアウトプット=成果に対する適正な評価と、それに応える十分な給与も不可欠となるでしょう。

ミレニアル世代の仕事に対する考え方(1)「自分のキャリアプランに反する仕事を、我慢して続けるのは無駄だ」(%)

ミレニアル世代の仕事に対する考え方(1)「自分のキャリアプランに反する仕事を、我慢して続けるのは無駄だ」(%)

【出典】日本生産性本部「2018年度 新入社員 春の意識調査」
https://www.jpc-net.jp/research/detail/002766.html

人材の多様性を積極的に受け入れる

ミレニアル世代はダイバーシティ=多様性を積極的に受け入れる傾向があり、これは彼/女らの職業意識にも表れています。

日本生産性本部の調査によれば「あなたの上司が外国人になりました。あなたの正直な気持ちは?」という質問に対し「上司が外国人であろうが日本人であろうが関係ない」「日本語でよいなら上司は外国人でも構わない」という回答を合計すると90%近いことがわかりました。グローバル企業では外国人上司や同僚は一般的になっていますが、日本企業でも肯定的にとらえられているようです。

出身国や国籍だけでなく、ジェンダーやLGBTなどの多様性を受け入れているのもミレニアル世代です。したがって、採用や評価において出身国や国籍、ジェンダーやLGBTなどの多様性を受け入れ、差別をなくすことが企業には求められるでしょう。

ミレニアル世代の仕事に対する考え方(2)「あなたの上司が外国人になりました。あなたの正直な気持ちは?」(%)

ミレニアル世代の仕事に対する考え方(2)「あなたの上司が外国人になりました。あなたの正直な気持ちは?」(%)

【出典】日本生産性本部「2018年度 新入社員 春の意識調査」
https://www.jpc-net.jp/research/detail/002766.html

ワークライフバランスを重視

ミレニアル世代は仕事に対する多様な選択や充実感を求める傾向にあるといえます。

日本生産性本部の調査によれば、「残業は多いが、仕事を通じて自分のキャリア、専門能力が高められる職場」と「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」を二者択一で質問したところ、後者と答えた割合が75.9%と調査開始以来、最高となりました。

この調査結果からも、ミレニアル世代はワークライフバランスを大切にしていることは明らかです。また仕事とプライベートの間に境界線を設けず、自分の生き方として統合的に見ているともいわれています。

働き方改革の実施による長時間労働是正や、多様で柔軟なはたらき方を実現することで、ワークライフバランスを重視する傾向にある若い優秀人材の確保や定着が期待できるでしょう。

ミレニアル世代の仕事に対する考え方(3)「残業について」(%)

ミレニアル世代の仕事に対する考え方(3)「残業について」(%)

【出典】日本生産性本部「2018年度 新入社員 春の意識調査」
https://www.jpc-net.jp/research/detail/002766.html

ミレニアル世代やZ世代の特徴を理解し、組織づくりにも活かそう

デジタルネイティブなミレニアル世代は、SNSへの高いリテラシーを持ち、多様な人が多様な価値観を持っていることを当然のこととして受け入れています。企業が採用にあたっては国籍やLGBTなど、ダイバーシティの考えを重視し、多様な人材が社内で実力を発揮できるための組織づくりは欠かせません。また、ミレニアル世代が好む柔軟なはたらき方に対応できるような勤務形態を設けるなどして、ワークライフバランスを実現する企業努力が望まれるでしょう。

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