新卒ダイレクトリクルーティングのメリットと効果的な導入方法とは?

学生の志向の変化や採用活動の多様化・オンライン化により、ここ数年で新卒採用の在り方は大きく変わっています。多くの企業が母集団形成に苦慮する中で注目されているのが、ダイレクトリクルーティングという採用手法です。

本記事では、ダイレクトリクルーティングが広まった背景とその効果について解説し、これからの新卒採用について考えていきます。

新卒採用チャネルの選び方とは【メリットデメリットの比較表付き】

「応募者やエントリーの数が多ければ多いほど良い」
「母集団が大きいほど人材を選びやすい」

といった視点で母集団形成を進める企業が少なくありません。想定していた応募者数が集まったとしても、内定・入社に繋がらなければ採用活動は成功したとはいえません。母集団形成では応募者数をやみくもに増やすのではなく、応募者の質にも着目することが重要です。

本資料では、母集団形成の基本について解説し、質を担保できるような最近のトレンドに沿った採用チャネルを比較しています。採用ご担当の方は
ぜひご活用ください。

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目次

新卒採用におけるダイレクトリクルーティングとは?

市場環境や学生の志向の変化により、新卒採用の手法も多様化してきています。中でも、ダイレクトリクルーティングを取り入れる企業が増加しています。

ダイレクトリクルーティングとは、簡単にいうと、企業が学生個人に直接アプローチする採用手法です。個々のプロフィールを見て、あらかじめ採用見込みの高い学生に絞ってオファー(スカウト)メールを送ることができます。

従来の採用手法とダイレクトリクルーティング(DR)の違い

 

【出典】株式会社ベネッセi-キャリア「【新卒採用を勝ち抜く手法】ダイレクトリクルーティングとは? 仕組みやメリット、成功のポイントを一挙に解説」

ダイレクトリクルーティングは中堅・中小企業で積極的に導入が始まり、新型コロナウイルス感染の影響もあり、大手企業でも導入または導入の検討が進んでいます。また学生の登録も年々増えており、たとえばベネッセi-キャリアが提供するダイレクトリクルーティングサービス「dodaキャンパス」では、24卒〜27卒の約99万人(2023年5月時点)が登録しています。

採用活動のオンライン化によるメリット・デメリット

ここ数年で、新卒・中途とも採用活動のオンライン化が急速に進みました。従来の採用手法と比べてどんなメリット・デメリットがあるのか、企業側と学生側、双方の視点から考えてみたいと思います。

企業側のメリット・デメリット

<メリット>

・学生が自宅からインターンシップや説明会に参加できるため、参加ハードルが下がりエントリー数が増加しやすい
・地方の学生にもアプローチしやすい
・面接会場への移動といった時間的拘束が軽減するため、面接官に現場社員をアサインしやすい
・説明会や面接の会場が不要になり、コスト削減や採用業務の効率化につながる

<デメリット>

・合同説明会などリアルな場で実施していたイベントでの偶発的な出会いが少ない
・オンラインのイベントやインターンシップでは、オフラインに比べ学生の満足度を高めづらい
・学生の表情や反応が掴みにくく、面接の難易度が上がる

オンラインでの説明会、面接、インターンシップは移動時間がなく、数多くの企業と接点を持つことができます。一方で、画面越しに説明を聞いたり、1対1で面接官と話したりするだけでは会社の雰囲気が分かりづらく、不安を感じている学生が多いようです。

学生側のメリット・デメリット

<メリット>

・すきま時間に説明会に参加できるので、授業との両立がしやすい
・住んでいる場所に関係なく、説明会やインターンシップに参加できる

<デメリット>

・会社や社員の雰囲気が分かりづらい
・Wi-Fiなどオンライン環境を整えなくてはならない

学生の会社選びの基準もここ数年で大きな変化が見られます。

昨今のはたらき方のトレンドであるワークライフバランスは学生にも広く浸透しており、「やりがい」を重視する傾向にあります。加えて、「大手企業=安定」という志向は揺らぎつつあり、自分の強みや得意なことを伸ばせる環境に身をおきたいと考えています。こうした背景から、今の学生が企業を選ぶときには「やりがいが持てる仕事かどうか」と「スキルが身につくかどうか」の2つを大きな判断材料にしているといえます。

このようなパラダイムシフトに対応するため、座談会や内定者面談などフォローコンテンツを充実させる、面接を録画して標準化を図る、選考基準を見直すといった取り組みを始めている企業もありますが、新卒採用活動そのものを中長期的な観点で見直す必要が出てきています。

ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット

ここで、ダイレクトリクルーティングを使うメリット・デメリットについて、まとめておきたいと思います。

企業側のメリット・デメリット

<メリット>

・自社のターゲットとなる学生にピンポイントでアプローチができる
・厳選した母集団形成ができる
・アプローチの初期段階から学生の志望度を高めやすい
・自社の採用力を高められる

<デメリット>

・オファー(スカウト)メールを送信する工数が掛かる
・オファーのターゲットが明確でなければオファー(スカウト)メールを送れないため、採用要件があいまいだと使いこなしにくい

合同説明会やナビサイトなど従来の手法の場合、数百、数千単位の企業が出展・掲載しているため、特に中堅・中小企業は、なかなか学生に認知されないという点が課題になっていました。

ダイレクトリクルーティングなら学生に直接アプローチできるため、認知してもらえる可能性が高くなります。加えて、自社で本当に必要な学生にだけオファー(スカウト)メールを送れるため、採用活動の効率を上げつつ、質の高い母集団形成ができます

オファー(スカウト)メールの送付など一定の工数はかかりますが、「設定したターゲットに対して自社の魅力を伝える」ノウハウやスキルが身につくことで、自社の採用力を高められるなど、中長期的にも良い影響があります。

学生側のメリット・デメリット

<メリット>

・知らない企業や希望業界以外の企業と出会えることで、新たな発見や気づきを得て、就職活動ひいては人生の幅(選択肢)を広げることができる
・オファー(スカウト)メールで、自分の魅力を企業側から伝えてもらうことで、自己肯定感が高まる
・オファー(スカウト)メールに自分の評価ポイントが書かれているので、自己分析につながる

<デメリット>

・特になし

オファーを受ける学生側には特にデメリットはなく、企業や自分を知る機会が増えることで、就職先だけでなく人生の選択肢や可能性が大きく広がります。

ダイレクトリクルーティング導入時のポイント

メリットの多いダイレクトリクルーティングですが、従来の手法を一度にすべて止めてしまうのは、あまりおすすめできません。これまで行ってきた採用活動に、部分的・段階的に取り入れていくことで、導入がスムーズになり、成果にもつながりやすくなります。ここでは、おすすめの導入方法を3つご紹介いたします。

・時期によって使い分ける
ナビサイトがオープンする前(大学3年生3月頃まで)はダイレクトリクルーティングで早期に母集団を形成。ナビサイトオープン後(大学3年生3月以降)は、ナビサイトの運用や説明会に注力する。

・ターゲットによって使い分ける
メインターゲットは従来の手法でアプローチし、自社にいないタイプや、プログラミングなど専門性の高いスキルを持った人材を、ダイレクトリクルーティングでアプローチする。

・補助ツールとして使う
地方の学生など、これまでアプローチしてこなかったターゲットにアプローチするための補助的なツールとして使う。

このような形で少しずつ導入し、ターゲットやオファー(スカウト)メールの文面を変更するといった試行錯誤を繰り返すことで、効果的な運用ができるようになります。

 

【出典】株式会社ベネッセi-キャリア「自社にとって最適な採用手法とは?ニーズごとのオススメ手法を紹介!」

ダイレクトリクルーティングの導入により採用に成功した企業事例―レカム株式会社様

【出典】株式会社ベネッセi-キャリア「dodaキャンパス活用事例」

レカム様は、情報通信機器やエコ商材などの専門商社として、主にオフィス環境の総合プロデュースを手がけています。海外でも積極的な事業展開をしていることから、海外志向を持つ学生をターゲットとして採用活動を行っています。

しかし、BtoB事業のため学生の認知度が低いことに加え、海外志向という部分で大手企業や有名企業が競合になることが多く、思うように採用ができない状況が続いていました。

この状況を打開すべく、まずは「入社1年目からでも海外ではたらくチャンスがある」とメリットを打ち出し、海外志向の学生へ訴求する要素を新たにつくったことで、ナビサイトでの応募増加につながりました。

次に行ったのが、パーソルグループのダイレクトリクルーティングサービス「dodaキャンパス」を使ったダイレクトリクルーティングです。これまでは合同説明会に参加していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大により、学生を集めたり直接話ができなかったりといった中で、2020年5月よりdodaキャンパスの利用を開始しました。

手探りではありつつも、オファー(スカウト)メール文に「学生のいいと思ったところ」を含めるといった工夫を行った結果、5月の導入開始から12月までの約8ヶ月で21名からの内定承諾を得ました。例年を上回る内定者数、かつ、dodaキャンパスを通じた採用単価は一人当たり3万円以下と、大成功を収めました。

まとめ|ダイレクトリクルーティングで攻めの採用を

マーケットの変化、学生の志向の変化により、ここ数年で新卒採用の在り方は大きく変化し、コロナ禍でオンライン化が加速しました。今後もこの傾向は続くとみられ、新卒採用市場は変革期を迎えています。

中でもダイレクトリクルーティングは企業から学生へアプローチする攻めの採用手法として、注目を集めています。「従来の手法では母集団が形成しづらくなってきている」「採用コストを削減したい」といった課題があればダイレクトリクルーティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

新卒採用チャネルの選び方とは【メリットデメリットの比較表付き】

「応募者やエントリーの数が多ければ多いほど良い」
「母集団が大きいほど人材を選びやすい」

といった視点で母集団形成を進める企業が少なくありません。想定していた応募者数が集まったとしても、内定・入社に繋がらなければ採用活動は成功したとはいえません。母集団形成では応募者数をやみくもに増やすのではなく、応募者の質にも着目することが重要です。

本資料では、母集団形成の基本について解説し、質を担保できるような最近のトレンドに沿った採用チャネルを比較しています。採用ご担当の方は
ぜひご活用ください。

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パーソルグループの関連サービス

ダイレクトリクルーティングサービス「dodaキャンパス」

ダイレクトリクルーティングサービス「dodaキャンパス」

「dodaキャンパス」では、オファー(スカウト)メール文の添削やアドバイス、学生とのコミュニケーションの取り方など、ダイレクトリクルーティングを成功させるためのサポートを行っております。ぜひお気軽にご相談ください。

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インタビュー・監修

芦田 眞美

芦田 眞美

株式会社ベネッセi-キャリア dodaキャンパス営業課
2017年に株式会社ベネッセi-キャリアに入社。dodaキャンパスの営業チーム立ち上げに従事し、IT企業、教育企業など多くの企業の新卒採用をご支援。現在は法人マーケティングを担当。