2020年07月27日
今後10年で最大79万人のITエンジニアが不足すると叫ばれている中、高い技術力を有し、日本語と英語など外国語による対応が可能な外国人ITエンジニアの需要が高まっています。
爆発的なスピードでITサービスが生まれ、企業がグローバルな展開を見せていく中、戦力となる外国人ITエンジニアを獲得し、活用するにはどうすればよいのでしょうか。本記事では、そのポイントをご紹介します。
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企業価値の向上・競争力強化を実現するために、DXに取り組む企業が多くなっていますが、「スキルを持った人材がいない」といった人材・組織に関する課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
パーソルグループでは、【データから読み解くDX推進のための組織づくり】エンジニア・DX人材の採用・育成・外部活用の実態と戦略を公開しています。
前半はDX人材をめぐる労働市場の動向などデータブックに、後半はDXが進まない理由を踏まえたうえで、課題別に方策をまとめています。DX推進のご参考としてご活用ください。
目次
経済産業省がまとめた「IT人材需給に関する調査」のレポートによれば、ITエンジニアの人材不足が今後10年の間で、最大約79万人になると推測されています。これは、IT需要の拡大に対し、少子高齢化に伴った人材供給のペースダウンによって、人材不足がより一段と深刻化することを裏付けています。
2015年時点では既に15万人の人材が不足していたというデータもあり、慢性的な人材不足である事実から目を背けることはできません。
AIやブロックチェーン、ネットセキュリティなどITを活用した新しいサービスが爆発的なスピードで生まれる中、それらに必要な技術を有するITエンジニア自体が少ない、スキル習得が間に合わないという背景もあります。
IoTやSaaSなどのビジネスの発展により、一般企業でもITエンジニアの獲得ニーズが高まってきました。SIerやIT事業会社にとって、ITエンジニアの獲得は今以上に困難な局面を迎えることは明らかでしょう。
2012年5月から導入された「高度人材ポイント制による出入国在留管理上の優遇制度」によって、優秀なスキルや実績をもつ外国人労働者の出入国が優遇されるようになりました。これはIT業界に限らず、日本の労働人口減少に対する取り組みとして、政府が推進してきたものです。
厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況まとめ」によると、IT人材の外国人労働者は2008年から2017年の間で約3倍に増加しています。日本人ITエンジニアの圧倒的な不足に対し、外国人ITエンジニアを獲得する流れが生まれ、上記の優遇制度の解禁以降は格段に飛躍しています。
見知らぬ国ではたらこうとする意欲、いずれの国でも通用する高い技術力など、外国人ITエンジニアの人材としての魅力は計り知れません。
ITサービスは、企業のコスト削減や業務効率化などを目的とした課題解決型から、新しいITを駆使し、社会全体のパラダイムシフトや生産性向上などを目的としたビジネス創出型へと変遷。国内外問わずマーケットが広がっています。
現在のIT業界のスピードに対応できる確かな技術力があり、日本語だけでなく、グローバルなビジネス展開に対応できる語学力(バイリンガル以上)を兼ね備えた人材が求められていますが、これらのスペックに該当する日本人ITエンジニアの獲得は、超売り手市場である上に、母集団における絶対数が多いとも限りません。
外国人ITエンジニアは母国を離れてはたらくため、母国語と英語、そして勤務先の国の言語の習得という語学力を前提として海を渡ってきます。日本ではたらく場合は、日本語検定資格を有していることが多く、簡単なコミュニケーションであれば日本語で可能です。
さまざまな国籍や文化背景をもつ人材の活用や、社内公用語を英語とする施策などが話題に上がるようになりました。企業が求める技術力と英語を有しているかどうかが、ITエンジニアの確保において重要視され、外国人ITエンジニアへのアプローチは企業の人材戦略の自然な選択として展開されています。
IT系企業 A社様の例
大手通信企業のある開発チームでは2017年より外国籍社員が活躍しており、現在では5つの国と地域から計7名の社員が所属しております。外国籍社員の中には、日本語によるコミュニケーションがやや苦手な者もおりましたが、技術への成長意欲が極めて高くコミュニケーション上のデメリットを補って余りあるパフォーマンスを発揮しています。
すでにチーム人員の8割程が外国籍社員となっていますが、派遣先様からは、外国籍社員の採用をさらに進めて、より一層、チームのグローバル化を目指していきたいと当グループへご要望をいただいております。
外国人ITエンジニアを受け入れられる組織風土が醸成されている企業であれば、優秀な人材確保のために必要な母集団は大きく広げられます。技術力、英語、日本語の中で何を優先するのか。グローバル視点での事業展開を進める企業にとっては明白ではないでしょうか。
パーソルクロステクノロジーでは、企業が求めるスキルを有した外国人ITエンジニアの人材をご紹介することが可能です。これまで、中国、韓国のほか、ベトナム、インド、バングラデシュなどにルーツのあるスタッフを派遣してきました。
所属している外国人ITエンジニアは、現地のトップレベルの大学を卒業し、日系企業や日本向けのプロジェクトに関与し、エンジニアとしての経験を積みながら、日本語を学習、日本ではたらく準備を整えています。パーソルクロステクノロジーでは外国人エンジニアを採用する際、まず現地に赴き、コミュニケーション能力やスキルを対面で確認します。その後、来日、入社を経てマッチする現場へ配属します。このため、派遣先のニーズや課題、企業風土に合った人材のご紹介が可能です。
また、特定の技術領域に精通しているエンジニアが、他のエンジニアにレクチャーする「パーソルカレッジ」を日常的に実施。日々進化していくITに対して、自らキャッチアップしていく文化が形成されています。
外国人ITエンジニアにとっての最大の障壁は、日本語と日本での生活です。早期離職の原因ともなり得るため、一人ひとりにフォロー担当を配置し、エンジニアの希望に合ったキャリア形成へのサポートも含め、密なコミュニケーションが取れるように配慮しています。
日本語教室や外国人向けのイベントを実施し、孤立感や不安感を払拭する環境を醸成しながら、日本語能力アップも支援しています。そもそも日本で就労するエンジニアは、JLPT(日本語能力検定)のN2・N3レベル(日常的な場面で使われる日本語を理解できる)の方々が多いところ、パーソルクロステクノロジーでは更に「業務上のコミュニケーションが取れること」を採用基準に設け、採用後も日々の向上を支援しています。
日本語でのコミュニケーションが円滑になれば、共にはたらくメンバー同士の人間関係が好転し、よりはたらきやすい職場へとつながります。1年、2年と長期の安定的な派遣を可能にするためにも大切です。
ITエンジニアの人材不足が恒久的な課題となりつつある今、遅かれ早かれ、ほとんどの企業で外国人ITエンジニアの受け入れが必定となるでしょう。ビジネスチャンスを国内外に目を向ける意味でも、企業やそれぞれの部署においてのグローバル化は避けられません。
また、ダイバーシティ経営を推進する企業であれば、高い技術力を有したメンバー同士が、言語の壁を越えてコミュニケーションしながらプロジェクトを前進させる姿は、もはや日常の光景であるといえるでしょう。テレワークが急速に普及した今、パーソルクロステクノロジーの外国人ITエンジニアは、テレワークでもコミュニケーションを取りながら業務を遂行できています。
優秀なITエンジニアの獲得を効率的に進める意味でも、外国人ITエンジニアの獲得を検討してみてはいかがでしょうか。
パーソルクロステクノロジー(ITエンジニアサービス)