2024年03月11日
2025年06月02日
DX(デジタルトランスフォーメーション)への優れた取り組みに対して評価をするDX認定制度。申請にはどのような準備が必要なのでしょうか。また、認定を受けることでどのようなメリットがあるのでしょうか。
本記事では、DX認定制度の概要や認定を受けるメリット、さらには審査基準などについてポイント解説します。
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目次
DX認定制度とは、DXへの取り組みについて、組織外の第三者の立場から評価を行う制度です。DXが注目される中、客観的な指標として注目されています。ここでは、制度の概要について解説します。
DXとは、経済産業省によると以下のように定義されています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
【出典】経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」
デジタル技術を活用し、既存ビジネスの効率化とともに組織改革や、ビジネスモデルそのものを変革する取り組みのことです。日本社会が直面する少子高齢化、それに伴う生産年齢人口の減少や国際競争力の低下を解決する手段として、国も企業のDX推進を後押ししています。
詳しくは、「DXとは?意味や取り組み内容、必要性をわかりやすく」の記事も併せてご覧ください。
DX認定制度は、企業のDXを推進するため、優良な取り組みを行う企業の申請に基づき、経済産業省が認定する制度です。また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が本制度の事務局として、問い合わせや申請の対応、審査を行っています。
DX認定制度の審査では、同省が策定した「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応しているかどうかが評価基準となります。標準的な審査期間は60日(営業日)です。
ここで改めて、DXに関する推進の体系、評価の全体像についてご説明します。
企業のDXへの取り組みは、そのレベルから4つに分けられています。
DX推進に必要とされる戦略や体制などの整備にこれから取り組む事業者については、認定基準外の「DX-Ready以前レベル」に位置付けられます。
その上位に位置づくのが「DX認定事業者(DX-Ready)」です。ビジョンの策定や、戦略・体制の整備などをすでに実施している企業が対象です。
そして、DX認定事業者のうち、ステークホルダーとの対話(情報開示)を積極的に行い、将来性が期待できる事業者が、さらに上位の「DX-Emergingレベル」「DX-Excellentレベル」に位置付けられます。どちらもDX認定事業者として積極的にステークホルダーとの対話(情報開示)を行っていることが要件として求められます。
両者の違いは、「DX-Emergingレベル」が「優れたプラクティスとなる(将来性を評価できる)事業者」であること、最上位の「DX-Excellentレベル」は「優れたプラクティスとなる(将来性を評価できる)事業者であるともに、優れたデジタル活用実績も既に現れている事業者」であることです。
「DX-Emergingレベル」「DX-Excellentレベル」に対する認定制度としては、東京証券取引所の上場企業に対する「DX銘柄」と、中堅・中小企業等に対する「DX Selection」があります。
この4段階に分けられたDX推進体系のうち、DX認定制度の対象となるのは「DX認定事業者(DX-Ready)」です。

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では、実際のDX認定制度の審査では、どのような取り組みが求められるのでしょうか。ここでは、審査基準や申請までのプロセスを整理し、申請に向けた留意ポイントについて、解説します。
DX認定制度の評価基準は、経済産業省が2020年に策定した「デジタルガバナンス・コード」です。企業の自主的なDXへの取り組みを促すため、「経営者に求められる対応」をまとめたもので、具体的には以下のような内容です。
DX推進の前提として重要なのは「ビジネスとITシステムを一体的に捉える」ことです。そして、この前提に基づいた経営ビジョンの策定や、その実現に向けたビジネスモデルを設計します。デジタル技術(テクノロジー)を組み込んだ戦略が採り入れられていることや、新たな価値創造につながるような方向性が示されていることが大切です。
DXを意識した経営ビジョンやビジネスモデルの実現に向けて、具体的にデジタル技術活用に向けた戦略を策定します。戦略・施策の実現に向けた経営資源の最適化や、実行可能な予算配分、データ活用などを組み込むことなどが推奨されています。
この「戦略」は、以下の2つに分けて整理されています。
(1)組織づくり・人材・企業文化に関する方策
デジタル技術の活用に向けて、戦略の推進に必要な体制や組織、人材の育成・確保に関する取り組みが示されていることが求められます。リスキリングやリカレント教育などを通した、従業員向けのデジタル・リテラシー向上に向けた施策も有効です。
(2)ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策
DX推進において不可欠なのが、ITシステムやデジタル技術の活用環境の整備です。具体的には、計画するプロジェクトやマネジメント方策に加え、利用する技術、標準、アーキテクチャ、運用、投資計画などの明確化です。
DX推進への取り組みでは、単にデジタル技術を導入すればよいのではなく、戦略の達成度を測る指標もセットで導入することが必要です。
具体的には、デジタル戦略・施策の達成度がビジネスのKPI(重要業績評価指標)により評価されていることや、それが財務成果につながっていることなどが評価の対象となります。
ガバナンスとは「統治」や「管理」を意味する言葉です。このガバナンスシステムで経営者に対して提唱されているのは、「ステークホルダーへの情報発信を含め、リーダーシップを発揮」することです。
そして、DX認定制度ではこの「デジタルガバナンス・コード」を評価基準として採用していますが、2022年には改訂版「デジタルガバナンス・コード2.0」が公表されました。改訂のポイントは、「デジタル人材の育成・確保」や、同年に発表された「DXレポート2.2」で示された「企業の稼ぐ力」や「デジタル活用の行動指針策定の必要性」について明記されたことなどがあります。
DX認定制度との関連では、認定基準に「人材の育成・確保」が追加されました。デジタル技術を活用する戦略において、推進に必要な体制・組織及び人材の育成・確保に関する事項が示されていることが評価対象となっています。
DX認定の取得に向けては、「デジタルガバナンス・コード2.0」で示された内容を、順を追って取り組んでいくのが近道です。改めて整理すると、以下のようなプロセスになります。
その他、並行する形で以下の2点も行っていきます。
また、①~④の各段階において、DXに向けた取り組みを対外的に公表することが重要です。こうしたプロセスを経て、公表内容を基に申請書類を作成します。
なお、申請書作成に関する詳細については、「DX認定制度申請要項(申請のガイダンス)」を参照ください。
実際にDX認定事業者となった企業は、DX認定制度についてどのような評価を行っているのでしょうか。ここでは、DX認定事業者を対象に行われたアンケート結果を基に、事業者側の意識や認定獲得によるメリットなどを明らかにしていきます。
DX認定を取得しようと思った動機について聞く設問で、最も多かった回答は「DX戦略策定・推進の一環として」でした。「デジタルガバナンス・コード2.0」で示された内容は、DX推進を効率的に進める上で有効であることが示されています。
その他、上位の回答結果を見ると、DXを意識した事業の推進に加えて、企業イメージ向上を意識している企業が多いことがわかります。
DX認証取得によるメリットに関する設問では、「DX戦略の推進」がトップとなり、僅差で「顧客に対する企業イメージ向上」が続きました。
DX認定制度への申請を通して、自社のDX戦略が推進されている実感が持たれていること、さらに企業イメージの向上にもつながっていることがわかります。
次の調査結果は人材育成・確保に関するものです。「DX認定を取得したことにより、人材の育成・確保に良い影響(応募者や採用ページPV数の増加、その他ポジティブな反応)はありましたか。」の設問に対しては、「あった」「少しあった」の合計が73%に及びました。
ここでは、前項で示したアンケート結果も含め、改めてDX認定を取得するメリットについて整理します。
DX推進に向けては、戦略、体制づくり、ITシステムやデジタル技術の導入、人材育成・確保、情報公開の仕組みなど、様々な取り組みが必要になります。それらを網羅した効率的な運用には、自己診断に基づく自社の課題の把握や、DX推進に関わる幅広い知見などが必要になります。
DX認定制度への申請を通し、自社の現状把握や課題、挑戦すべき取り組み内容などが整理されていき、効率的にDXを進めることが可能になるでしょう。

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デジタルトランスフォーメーション(DX)の具体的な施策は企業ごとにさまざまですが、どの場合にも共通して重要なポイントがあります。
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DX認定事業者となれば、ホームページや名刺などに、DX認定のロゴマークを使用できるようになります。
DXに積極的に取り組む企業としての第三者評価が得られることは、取引先や顧客に対する企業イメージの向上や、デジタル人材の獲得に向けたアピールにもなるでしょう。企業価値の向上や社会的信用の獲得など副次的効果も期待されます。
DX認定事業者は、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の税額控除を受けられます。これは、デジタル環境の構築(クラウド化等)による企業変革に向けた投資を行う際に、税額控除(5%・3%)又は特別償却(30%)ができるものです。当初は2021年からの2年間の時限措置でしたが、2025年3月末まで延長が決定しました。
この制度を活用するためには、DX認定事業者であることが必須条件となります。
DX推進の体系におけるDX認定の位置づけは、「DX-Readyレベル」、つまりDXへの準備が整っている事業者です。体系における更なる上位概念は「DX-Excellentレベル」であり、上場企業の場合は「DX銘柄」、中堅・中小企業等の場合は「DX Selection」の認定を受けられます。これらの認定を受けた企業は、さらなる企業価値の向上や競争力確保が期待できるでしょう。
この「DX-Excellentレベル」に挑戦するには、「DX-Readyレベル」であるDX認定事業者であることが要件となります。

DX認定制度に向けた申請では、準備しなければならない要件が多数あります。DX認定制度の申請に向けた懸念点や、それに向けたアプローチ方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
DX認定への申請は、その要件の多さから手間や時間が掛かることになります。また、審査基準となる「デジタルガバナンス・コード2.0」では、「デジタル人材の育成・確保」が追加されました。これは今まで以上に人材の育成・確保への取り組みが重視されていることを示しています。DX推進に必要なデジタル技術の活用に向けた人材の育成・確保や、従業員向けのデジタル・リテラシー向上に向けた施策などへの丁寧な取り組みが、ますます重視されることになります。
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DX認定事業者になれば、企業価値の向上や社会的信用の獲得など副次的効果も期待できます。DX推進を検討している企業にとっては、具体的な取り組み内容や進め方が示されている申請項目を通して、効率的にDXを推進できるメリットもあるのです。
一方で、その申請項目は多岐にわたり、特に人材育成・確保を重視する傾向が強まっています。申請に必要な人材育成・確保への取り組みを検討、実行する上で、負担を伴うのが実情ではないでしょうか。その場合、外部の人材研修サービスを活用することも有効です。