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パーソルホールディングス
全国の就業者10万人を対象とした「はたらく定点調査」に見るジェンダー別の就労意識~結婚した男性は「自分の時間」が減り、女性は「家事の時間」が増える~
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げるパーソルホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:和田 孝雄)は、「はたらく」を考える全国就業者データベース「はたらく定点調査」を公表しました。今回は本調査のなかから「ジェンダー」を切り口にしたデータをご紹介いたします。
【調査結果サマリー】
■転職・起業に関する意識:「いずれ転職したい」と答えた割合は女性の方が多い一方で、「いずれ起業したい」と答えた割合は男性の方が多かった。
・ジェンダー別の転職・起業に関する意識について、「仕事をするときに、どちらの考え方に近いですか」という質問に「(いずれ)転職したい」と答えた割合は男性45.6%、女性48.2%で、女性の方が多かった。一方、「(いずれ)起業したい」と答えた割合は男性30.9%、女性17.4%で、男性の方が多かった。■労働環境に関する意識:「働くうえで重視していること」について、男性が最も重要視している項目は「給与」だったのに対し、女性が最も重要視しているポイントは「仕事と生活の両立」だった。
・「働くうえで重視していること」について、男性は「給与」と答えた人が48.4%で最も多く、女性は「仕事と生活が両立しやすい労働時間・時間帯」と答えた人が55.1%で最も多かった。■結婚生活・子育てに対する意識:結婚後の変化について、男性は「自分の時間が減った」と答えた割合が最も多かったのに対し、女性は「家事の時間が増えた」と答えた割合が最も多かった。
・「【結婚後】、あなたのはたらき方に変化はありましたか?」という質問に対して、男性は「自分の時間が減った」と回答した割合が27.6%で最も高い一方、女性は「家事の時間が増えた」と答えた割合が48.8%で最も高かった。また、家事・子育ての協力体制について、「家族・身近な人の協力は十分で、仕事にほとんど支障がない」と答えた割合が、男性は63.8%だったの対し、女性は48.6%と大きな差があった。本データは「はたらく定点調査」のなかから、世代間を比較したデータを抜き出したものの一部です。
「はたらく定点調査」は幅広い世代の多様なデータを通じて、はたらき方に関わる生活全般の実態と変化を可視化しています。地域別、ジェンダー別、年収別、年齢別、職業・職種別、さらには価値観など、さまざまな切り口でデータを抽出することが可能です。
昨今、「ワークライフバランス」「女性活躍」「柔軟なはたらき方」「ダイバーシティ」など、「はたらく」に関する価値観はかつてないほど多様化しています。本調査を通して「はたらく」に関するさまざまなデータをご紹介することで、自らのキャリア選択を考える一助としていただきたいと考えています。「はたらく定点調査」データベース:https://data.persol-group.co.jp/
※メディア向けにはデータベースに掲載している情報よりも、さらに詳細なデータを提供することも可能ですTOPICS
1.ジェンダー別の転職・起業意識
●転職志向
ジェンダー別の転職志向について、「(いずれ)転職したい」と答えた割合は男性45.6%、女性48.2%だった。●起業志向
ジェンダー別の起業志向について、「(いずれ)起業したい」と答えた割合は男性30.9%、女性17.4%と、大きな差があった。2.ジェンダー別の労働環境に関する意識
「働くうえで重視していることは?」という質問について、男性は「給与」、「仕事と生活が両立しやすい労働時間・時間帯」、「仕事の内容に興味が持てること」、「はたらく場所・環境」、「休暇の取りやすさ」の順で重要だと回答した割合が高く、女性は「仕事と生活が両立しやすい労働時間・時間帯」、「はたらく場所・環境」、「給与」、「はたらく時間数・時間帯・曜日などの条件が合うこと」、「休暇の取りやすさ」の順で高かった。はたらくうえで重視しているポイントベスト5(ジェンダー別)
3.ジェンダー別の結婚生活・子育てに関する意識
●結婚して変わったこと
「【結婚後】、あなたのはたらき方に変化はありましたか?」という質問で、男性は「自分の時間が減った」と答えた人が最も多く、27.6%。女性は「家事の時間が増えた」と答えた人が48.8%でトップだった。●家事・子育ての協力体制
家事・子育ての協力体制について、「家族・身近な人の協力は十分で、仕事にほとんど支障がない」と答えた割合が、男性は63.8%だったの対し、女性は48.6%と大きな差があった。■結果考察 パーソル総合研究所 研究員 金本 麻里
「女性活躍」が叫ばれて久しいが、現在も、女性の管理職比率の低さや非正規雇用の多さにメスが入れられている最中だ。このような動きに対し、「意欲・能力が高い女性が少ない。だから女性活躍施策は逆差別だ」という意見も聞かれる。だが、この解釈は誤りを含むといわれる。そもそも、女性の意欲・能力が低い背景には、歴史的に作られてきた人々の意識や組織の構造があるからだ。学生時代の能力やリーダー経験には男女差がない※1ことからも、女性個人だけの問題ではないことがわかる。
また、女性自身も、自分自身にジェンダーバイアスを持っていると指摘される。1つ目の調査結果である「男性に比べ女性の起業意向が大幅に低い」という結果は、このようなバイアスが影響しているかもしれない。「起業は男性がするもの」というバイアスだ。しかし、実際には女性経営者は多くおり、家庭を持ちパートタイムではたらく女性経営者もいる。古くなったバイアスを払拭することは、個人の可能性を閉ざさないことにもつながる。
また、2つ目の調査結果からは、女性は結婚・出産後に、仕事と家庭の両立のために「はたらく時間・場所」を重視していた。背景には、3つ目の調査結果のように、結婚・出産後の家庭役割が女性に偏っている状況がある。ただし、これは結婚・出産経験者に経験談を尋ねているので、過去のケースが含まれる。調査時点における「理想」の結婚後のはたらき方を尋ねた設問※2では、実は、女性よりも男性の方が、結婚後に「家事の時間を増やしたい」と答える人が多かった。調査時点では、「女性が家事をするもの」という意識は逆転したと言える。
家事が効率化され、かつ労働力不足が深刻化する昨今、事業経営のために女性の活躍を阻まないことはより重要になっている。今回の調査からは性別役割分業意識の変化が見てとれた。今後の変化にも注目したい。※1 パーソル総合研究所「女性活躍推進に関する定量調査」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/female-manager.html
※2 『はたらく定点調査』「【結婚後】、どのようなはたらき方が理想だと思いますか」
https://data.persol-group.co.jp/list/a0143013/■調査概要
調査方法:オンライン
調査時期:2023年3月
調査対象:15歳から69歳の男女・本業または副業ではたらいている人
調査人数:100,000人■パーソルホールディングス株式会社について
1973年の創業以来、人材派遣、人材紹介、アウトソーシング、設計開発など人と組織にかかわる多様な事業を展開。2008年10月に共同持株会社テンプホールディングス株式会社を設立。2017年7月よりパーソルホールディングス株式会社へ社名を変更。
東京証券取引所プライム市場上場(証券コード:2181)。2023年3月期売上高1兆2,239億円。■「PERSOL(パーソル)」について< https://www.persol-group.co.jp/ >
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」 を実感できる社会を創造します。